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【共有】プロサバンナ下でのナンプーラ州市民社会と政府のやり取り(NGO側まとめ)(2)

続きです。
その1は、次のサイトに。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-98.html

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「プロサバンナ事業におけるナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOSC-N)と政府のやり取りに関するNGO側まとめ(2013年8月~2014年5月)
作成日:2014年5月13日


2. 第8回(2014年3月)以降に生じたことに関するNGO側まとめ
2014年3月から現在までの、PPOSC-Nとのメールでのやり取りを踏まえ、以下整理する。

2-1. 3月のプロサバンナ事務局からの「署名」要求と拒否
(1) 2014年1月13日にプレスリリースを発出したものの、3月半ばまでプロサバンナ事務局からの連絡は皆無であった。
(2) しかし、3月半ばに突然「PPOSCのコンセプトノートに関するレフレクション・ポイントへの署名の依頼」が届いた。
(3) PPOSC-Nとしてはこれに驚き、次のような手紙を3月25日付でプロサバンナ事務局に送付した。現物のコピーを貼り付けるとともに(農業省の受け取り印あり)、以下要約する。
a) コンセプトノートに関する問題提起をマトリックスにまとめて行ったのは、小農の権利を守るため
b) これを会議で披露したのは、小農の権利擁護の精神を伝えるため
c) したがって、プロサバンナを正当化するために参加したのではなく、その真逆であり、我々の懸念をコンセプトノートに反映させるためである
d) 以上から、署名されるべき書類は一つも存在しない
e) 3か国政府は、家族農業を真に支援するよう求めた「公開書簡」への返答を行うべきであり、我々はそれを待つ

2-2. PEDECナカラの説明並びに資料要求とそれへの無回答
なお、2014年3月20日にPEDEC(ナカラ回廊経済開発戦略策定プロジェクト )の会議がナンプーラ市内のPPOSC-N総会の隣の会場で行われた。PEDECはナンプーラ州住民とPPOSC-N加盟団体にとっても重要なプロジェクトと考えられるが、一度も説明も受けたことなく、かつ招待も受けていない。したがって、JICAのカウンターパートであるGAZEDAに情報・関連書類の提供を正式に依頼したが、現在もこれは果たされていない。

2-3. コンセプトノートⅡとその議論への招待・強要と拒否
(1) 4月1日(火)、農業省州局長から突然、3日後の4月4日(金)に「プロサバンナのコンセプトノートⅡについて討論するから、農業省の会場にPPOSC-Nとして来るように」とのレターが送られる(レターの日付は3月28日)。(同レターの原本コピーは末尾)

(2) 同日、「コンセプトノートII」と考えられる書類のハードコピー(紙・20ページを超える)が一部手渡された。その際、「民主的な対話によってなされた数々の指摘について検討を行ったものが反映されたものである」との説明が行われた。「これらの民主的な対話の結果はプロサバンナのウェブサイトで確認できる」と言い添えられた。「そして、PPOSC-Nは、4月4日の午後にこのドキュメントを議論しに来るように」言われた。

(3) 4月2日には、電話にて、口頭で「愛国者ぶりを見せる(出席をする)ように」言われた。PPOSC-Nはこれを「脅し」として受け取っている。

(4) これに対し、4月4日付レターで、PPOSC-Nとして出席を拒否し、次の点を明記している。(原本コピーは末尾。農業省の受け取り印あり。)
a) 先日送付したレター(3月25日付)を参照されたい
b) 日本、ブラジル、モザンビークの三カ国首脳に当てた公開書簡の返答を待っている
c) 公開書簡は公共のものとして社会的なコミュニケーションを通じて発表されたたものである
d) 頂いたドキュメント(コンセプトノートⅡ)についてはPPOSC-Nとして検討する

(5) PPOSC-Nは、200団体の加盟団体を擁するプラットフォームであり、ハードコピーで一部「コンセプトノートⅡ」をもらったところで、団体としての対応が難しいため、ソフトコピーを農業省に要求したがもらえなかったため、加盟NGOが自分でスキャナーを使って20ページにわたる同文書をスキャンし、加盟団体に共有している。なお、PPOSC-N以外のいずれのモザンビーク市民社会、農民組織もこの時点でこの文書を受け取っていない。

(6) 一方、4月のこの時期は、ナンプーラ州全郡の小農並びに小農アソシエーションが集まり、年次総会を開くとともに、UNACの下部組織の格上げの重要なセレモニーが農村部で数日間にわたって開催されており、PPOSC-N幹部をはじめ多くの農村開発関係NGO関係者らも出席し、ナンプーラ市内には不在であった。これは例年の行事であり、当然それを知っている州の農業省出先機関が、そのようなタイミングで「招待状」「コンセプトノートⅡ」「討論の会議」を設定していることは、再びの「UNAC外し」として理解された。

2-4. ナンプーラ州農村部におけるProSAVANA-PEMの宣伝看板の出現
(1) 以上の矢先に、ナンプーラ州ラパーレ郡に以下の看板が出現したとの情報が、PPOCS-N内を駆け巡る
(2) 看板には「プロサバンナPEM、農村コミュニティ支援モデル、ラパレ郡(ムアシキサ)」と書かれている
(3) 上記の通り、ナンプーラ州では2013年9月のコンセプトノート発表後も農村部でのマスタープラン策定がとん挫している状態にあり、その一方でのこのようないつの間にかの現場での活動がPPOCS-Nに大きな衝撃をもたらしている。

2-5. IIAM主催のProSAVANA-PIのセミナー
(1) この最中の4月11日、ProSAVANA-PIの調査成果のセミナーが、IIAM主催で22-23日に開催されるとの招待状がPPOSC-Nに届く。

(2) なお、招待状そのものは3月20日に作成されており、PPOSC-Nには最後に届いている。

(3) PIについては、まったく情報がないため、何がなされているのか、どのような「成果」があるのかを皆で聴きに行くこととした。その際に、UNACの参加を要請した。

(4) 「このセミナーでは「大豆」の話がほとんどであり、結局、一番古いプロジェクトであるPIが、当初のプロサバンナ事業の主眼である大豆の話に終始した点に、プロサバンナの本質が露呈した」とのコメントが出席市民社会組織の多くから寄せられる。

(5) これに参加したUNACのレポートについては、別添資料。


2-6. 再びの対話の要請
(1) ProSAVANA-PIセミナーへの出席前日の4月21日、農業省からPPOSC-Nに「件の文書」の議論がしたいとの要請を再び受け取る

(2) PPOCS-Nからは、1か月以内に繰り返し「公開書簡への返答」と「コンセプトノートの刷新」を要請する旨の情報を送っていたため、この再びの要請を「おかしなもの」であり「強要」として受け止めた。また、農業省から「コンセプトノートⅡ」として受け取った文書は、「コンセプトノートⅡ」とするには「大変問題が多い」と認識している。

(3) まずはPIのセミナーに出席し、4月1日に手渡された文書の分析を進め、首都やその他の地域の市民社会とも協議することとした。

(4) 以上の作業を受けて、5月9日にPPOSC-Nは、次の内容のレターを作成し、5月12日にこれを手渡した。(末尾にレターの原本コピーあり。農業省の受け取り印あり)

a) PPOSC-Nはこの文書(コンセプトノートII)が返答に値する中身になっていないと考える。この地域の小農の権利を擁護し、その利益に資する上で優先順位が高く、必要不可欠なものとなっているとは考えない。

b) 依然として、アグロビジネス大企業の野心を未然に防ぐものになっていないばかりか、地域社会に深刻な問題をもたらすことが示唆されている。

c) この文書が地域の家族らの利益、権利、ニーズを守るためのものになっていない以上、PPOSC-Nとして会議を調整し、参加する意義は見出さない。

d) なぜなら、そのような会議では、小農の権利や利益が再び従属されるものになるだけだからである。

e) 例えば、この文書では、土地を守る手法としてRAI(責任ある農業投資)原則が重視されているが、これは拘束力をもたないものである。

f) たとえコンサルテーション委員会にいわゆる「小規模生産者」が参加したとしても、法的な拘束力のないメカニズムを導入したところで、コミュ二ティの直面する問題(土地収奪)の解決にはつながらず、むしろ問題をより複雑化させるだけである。

(5) しかし、5月11日に日本の国会議員からの問い合わせに対し、5月9日にJICA担当者らが「(PPOSC-Nとの対話が)近々実施される予定」とこの議員に伝えるとともに、5月12日の国会審議でJICA田中明彦理事長が「(PPOSC-Nとの会議が)日程調整中」と答えた。これは事実とは異なる。


以上から、2014年3月から現在までのPPOSC-Nの受け止め方は次のように集約できると考えられる。
対話の条件として「公開書簡」への返答を待ち続けているが、依然としてその返答がない
にもかかわらず、署名や対話の強要に終始するのは、プロサバンナの正当化のためである
他方、プロサバンナPEMが州内農村部で開始されていることに不信感が増している
さらに、加盟団体がプロサバンナに賛成し、PPOSC-Nの立場が分裂するようProSAVANA-PEM事業予算を使った工作が行われていたことが確認された
「コンセプトノートⅡ」は体裁も内容もPPOSC-Nが要請していたものではない
国会においてJICA理事長に「対話の日程を調整中」と答弁されたがこれは嘘事実とは異なる
なお、上記の一連の出来事があるなかで、4月初旬に公開書簡署名団体の一つのみがプロサバンナ事務局による会議に招待され、参加した(この会議にはJICAも参加)。PPOSC-Nは後日この事実について当該団体に確認を取っている。PPOCS-Nとしては、プロサバンナ事務局側のこうした対応、進め方を「分断の試み」として受け止めざるを得ない

*第9回ProSAVANA事業に関する外務省NGO意見交換会(2014年5月20日)配布資料
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*とくに、最後のポイントは、現地農民組織と市民社会に強い強い不信感と失望をもたらし、今回のキャンペーンの始動につながったと聞いています。

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「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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