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【共有】ナンプーラ宣言by全国農民連合(UNAC)2014年度年次総会

プレスリリースに引き続き、モザンビークの全国農民連合(UNAC)から今年度の総会で採択された宣言文(「ナンプーラ宣言」)が届きました。この宣言に「ナンプーラ宣言」というタイトルがついているのは、今年の総会がナンプーラの農村部で開催されたためです。

年次総会の場所は毎年変わるわけですが(去年度はイニャンバネ州)、UNACがナン プーラ州内で年次総会を開くのはおそらく歴史において初のことだったのではないか、と思われます。

UNACの各種公的文書の中で、一番重くかつ徹底して民主的なプロセスで策定されるのが、この年次総会の「宣言文」です。草の根レベルで内容をつめていって、最後に年次総会前の評議会で相当程度たたき、その上で年次総会(3日間) で延々と議論されてまとめられます。

今回は、ナンプーラ州で開催ということもあり、プロサバンナが宣言文の半分近くを占めるという驚きの中身になっています。詳しくは、以下テキストをお読みください。

ポイントは、以下の点かと思います。
●100名が全国から集まる年次総会だったこと(全州から小農アソシエーションの連合体の代表部の派遣団が集った)
●年次総会前の数日間のアジェンダ設定から、3日間に及ぶ総会での議論を経て、
●援助事業では唯一、プロサバンナへの対応が深く議論されたこと、
●公開書簡への返答がないことへの怒り
●ナカラ回廊沿い地域の小農とその他の農民らがプロサバンナへの反対を繰り返し表明
●プロサバンナへの抵抗を行っていくこと、その戦略や手法を構築することが確認されたこと
●プロサバンナ事業推進にからみ、事業関係者や政府関係者(上から下まで)による農民のリーダーや農民個々人への抑圧、脅迫などが続いている こと
●このような行為に対してはUNACとして法的手段を取ることを誓約していること(外国人を含む)
●具体的な事例として、プロサバンナ地域における土地収奪の事態の進行
●郡長から「プロサバンナの悪口を言うものは投獄する」という脅しがあること



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ナンプーラ宣言
UNAC(全国農民連合)2014年度年次総会
2014年4月19日〜5月1日開催
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(日本語訳 *英語版をもとに原文[ポルトガル語]参照)
http://www.unac.org.mz/index.php/7-blog/79-declaracao-da-assembleia-geral-ordinaria-da-unac-2014

モザンビーク全国農民連合(UNAC)は、25年以上にもわたり、モザンビークの農民男女
の社会的、経済的、文化的諸権利と食料主権を守るために闘ってきたモザンビークの小農運
動であり、10万を超えるメンバーを代表する。UNACは、国のすべての州から派遣された小
農運動の指導者、招待された男性、女性、若者ら100名の出席のもと、4月29日から5月1日ま
でナンプーラ州ナンプーラ市近郊のキンタ・ナサ(Quinta Nasa)に結集し、年次総会を開催
し、2014年度活動方針を決定した。

ナンプーラでの総会は、わが国が政治的軍事的な緊張の高まりの中、国民和解と平和の定
着そして民主的プロセスの深化が危機に瀕する最中に開催された。この間の緊張の高まりは、
数千もの農民男女――とりわけ紛争が実際に起きている地域で暮らす農民男女――に大き
な被害を及ぼしている。これに加え、我々農民男女にとっては、全国的な緊急事態が生じて
いる。それは、国家開発政策――特に農業部門に焦点を置いた政策の策定と優先課題設定
――に関し農民が周辺化され排除されていること、農民の土地の権利が鉱山開発、水力発電、
アグリビジネスの巨大プロジェクトやその他の民間投資・公共投資によって体系的に剥奪さ
れていること、そして政府の一部とその他の人々による土地を使った利益誘導や私有化の企
みの継続である。これに対して我々は立場を明確にし、抵抗と闘争の方針を強固にしなけれ
ばならない。

ナンプーラ総会では、我々の運動とわが国の現状を踏まえ、重要な戦略的手段―とりわけ
2013年度活動・決算報告および2014年度活動計画案・予算案――を分析し、これを承認した。
また、次の点について注目し深い議論を行った。現在の政治・軍事状況と農民の生活および
農業生産に及ぼす影響、プロサバンナ・プログラムとそれに対しナカラ回廊の農民コミュニ
ティとその他の農民の運動が一体となって取り組む抵抗メカニズムのための戦略、モザンビ
ーク各地で急増する土地収奪のプロセスとそれに伴う紛争、自然災害の状況、各地で計画さ
れている巨大プロジェクトと開発がコミュニティに及ぼす悪影響、モザンビークにおける環
境保全型農業とタネ、UNAC内のジェンダー・ポリシー、家族農業支援国家計画、そして国
際家族農業年と小農家族にとってのその意義である。

プロサバンナ・プログラムの緊急停止を求める公開書簡は、UNACと国内の20を超える機
関によって、モザンビークおよびブラジルの大統領と日本の首相に宛てて送られたが、未だ
に返答はない。ナンプーラ総会において、モザンビーク各地から参加した小農のリーダーた
ちや参加男女若者らは、プロサバンナに反対すること、そして全国規模の抵抗運動のロード
マップとアジェンダを作成することを繰り返し確認した。

我々、参集した農民男女は、プロサバンナ対象郡の小農運動の指導部、個々の農民男女に
対して行われている迫害、脅迫、買収そして情報操作に強く抗議し反対する。これらの行為
は、プロサバンナ調整チーム、郡行政当局、そして政府高官に主導され、プロサバンナ関係
者と国家の指導部によるものである。ナンプーラ総会では、今後UNACがこれらの行為に黙
って耐えることがないこと、またこれらの行為の推進者や主導者がモザンビーク人であれ外
国人であれ、彼らを法的に告発していくことが誓約された。

「グルエ郡やアルト・モロクエ郡では、農民男女が複数の企業から圧迫を受けて悲惨な暮ら
しと飢餓への道程を歩まされている。1975年にわが国は独立し、その後平和を取り戻した。
しかし、今日、再び多くのコミュニティが企業そして政府の抑圧から免れられなくなってい
る。これら(プロサバンナ対象郡)のある郡長は、プロサバンナの悪口を言おうとする者は
牢屋に入れると発言している。」

ナンプーラ総会では、家族農業支援国家計画の草案も提示され、議論された。この計画は、
農業政策に対するUNACの提案であり、モザンビーク政府に提示するためUNACに参加する
農民男女が作成したものである。この計画は、政府の農業部門開発戦略計画2011-2020
(PEDSA 2011-2020)の実施手法における空白を解決することを目指しており、小農の生産
システムを中心に据えたマルチセクトラル(農業に限らない多様な部門を含む)なアプロー
チに基づいて作成されている。この計画は、気候変動に抵抗力がある在来のタネの生産、在
来の知恵・文化そして農民男女の経験に価値を見出すことに基盤をおく公的な農業支援サー
ビス、灌漑の潜在性の活用、生産力向上につながるインフラストラクチャーの整備と再整備、
農業支援融資の促進を効果的に可能とする仕組みづくりと運用―――といった、食料主権を
確立しモザンビークの全ての人々に適切な食料と栄養を保障することにつながる、農民家族
の主権に根ざした要請に応えるものとなる。

UNACのジェンダー・ポリシーについての議論を踏まえ、我々の運動は、ジェンダー平等
に関わる課題を農業部門の公共政策および我々の運動そのものに位置付けることが、モザン
ビークにおける農業のインクルーシブで持続可能な開発にとって不可欠であると考える。

現在、わが国が直面している政治的社会的状況についても、2014年度総会で注意が払われ
分析された。ソファラ州のマシャンガ郡、シババヴァ郡、マリンゲ郡、ニャマタンダ郡、ド
ンド郡、テテ州のモアティゼ郡、マニカ州のマコサ郡、ナンプーラ州のラパレ郡、メクブリ
郡、イニャンバネ州のホモイネ郡、フニャロウロ郡では、すべての農民男女の期待に反し、
今年の前半期はほとんどまったく耕作できない状態に終わったため、農民たちは後半の耕作
期に低地を活用することに望みをかけている。

我々は交戦する両者に速やかに敵対を終わらせ、紛争を解決する唯一の手段として武力を
選ぶことを止めるよう求める。これらすべての軍事攻撃や衝突は、主権者である小農による
農業の発展に寄与しないばかりか、モザンビーク人男女の社会福祉にまったく寄与すること
なく、これを終わらせることは緊急の課題である。同様に、我々は両紛争主体に対し、透明
で民主的な対話の場――つまり、広範でインクルーシブな参加と効果が保証されるメカニズ
ム――を早急に再建するよう要請する。

民衆の闘争においては誰も疲れを知らない。我々の犠牲によって我々は目的を達し、求め
る勝利を得る。我々、モザンビークの農民男女は、植民地解放闘争の困難な日々から今日ま
でそうであったように、小農による農業の発展を求める闘いを断固として続けて行くことを
約束する。手に鍬を持ち、大地をしっかりと踏みしめ、我々すべてがこの祖国を耕す子であ
ると感じることのできる、我々が闘いそして解放を勝ち取ってきたものよりさらに活気あふ
れ良いモザンビークを夢見て!

団結する農民は常に勝利する!
ナンプーラ 2014年5月1日
全国農民連合(UNAC)

Appendix

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MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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