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【共有】ドイツ国営ラジオでのプロサバンナに関するインタビュー

ドイツ国営放送のやや古い記事ですが、翻訳ができたので紹介します。
ドイツには旧東ドイツに働きに来ていたモザンビーク人が多く、長年にわたって何十もの民間組織がモザンビーク支援を行っており、プロサバンナについても早くから関心を寄せ、アドボカシー活動を行っています。そのため、早くからドイツ国営放送のポルトガル語放送がプロサバンナについて問題関心を寄せ、現地取材などを積み重ねています。その紹介とドイツ市民社会の声明の紹介は本ブログの以下の投稿をご覧ください。

■【共有】プロサバンナに関する国際報道・ドイツ市民社会の声明
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-46.html

なお、現地で進む土地収奪の事例について、プロサバンナと関連づけられて説明されていますが、現地では地方行政官も含め、これらの企業活動をプロサバンナ事業と関連づけて説明されることが多いためです。特に、ブラジルのアグリビジネスに関わるプロサバンナ事業のコンサル組織FGVが書いたナカラ回廊農業開発マスタープラン策定支援報告書(No2)のなかには、たくさんのクイックインパクトプロジェクトが含まれており、このほとんどが既に進行しているものでした。その後、外務省・JICAは、これらのプロジェクトが大規模な土地収用を予定しているものであるとのNGO側の抗議を受けて、プロサバンナの枠組みからはプロジェクトを外してきましたが、既に現地ではこれらの事業は進む一方で、このような事態が生じています。

これらの点については、1月15日に発表された「ProSAVANA市民社会報告2013」の2章と3章、5章をご覧ください。
■フルサイズ版
http://www.arsvi.com/i/ProSAVANA_findings_cso_tentative.pdf
■縮小版
http://www.arsvi.com/i/ProSAVANA_findings_cso_tentative_s.pdf

なお、ORAMは古くからあるモザンビーク農民相互扶助の全国組織です。UNACとともに早くからプロサバンナの問題に取り組み、共にブラジルのセラードへの調査を行い、ビデオを制作・発表しています。
■ビデオ ProSavana e face oculta do Prodecer
http://farmlandgrab.org/post/view/22661

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"Não existem terras livres para o ProSavana" critica Calisto Ribeiro
(12.10.2013、ドイツ国営ラジオ、ポルトガル語放送)

http://www.dw.de/n%C3%A3o-existem-terras-livres-para-o-prosavana-critica-calisto-ribeiro/a-17144711
「プロサバンナのために空いている土地はない」とカリスト・リベイロ は批判
プロサバンナー地方の農業開発?それとも輸出のためのモノカルチャー?


ナンプーラの相互扶助農村アソシエーションであるORAMのカリスト・リベイロは、農業開発事業の透明性の欠如を非難し、「農民たちの土地の収奪 」への懸念を表明しています。
市民社会や農民組織からのプロサバンナに関する批判は多い。プロサバンナとは、このアフリカの国の北部で農業を開発しようとするブラジル、日本とモザンビークの政府による事業で、主にナンプラ州、ニアサ州とザンベジア州といった州でナカラ回廊と呼ばれる地域を対象とする。
何よりも、大土地所有者による小農の土地の占領が危惧されている。カリスト・リベイロはプロサバンナを批判している人々の中の1人である。DWアフリカ のインタビューでは、ORAMナンプーラのこの責任者は、主たる被害者となる農民たちや市民社会 自身がプロサバンナについて十分な認識を持っていない現状に懸念を表し、そして同事業がコミュニティの参加をもとに形成されて いないと批判している。


DWアフリカ:モザンビークは農業の生産性がとても低い国の中の一つ、それも最も低い国の中の一つです。モザンビーク 北部の農業の近代化を目指す三者による事業、つまりプロサバンナのような事業は理想的なものなのではないですか?
カリスト・リベイロ(CR):プロサバンナのような事業のアイディアはモザンビークの発展を助けるためにはとても良いものだと思う。しかし大きな問題はプロサバンナに表されるモデルや様式にある。モザンビークの開発の主体であり、主体であるべきすべての人々――とりわけ、この事業が行われる地域のコミュニティ、ターゲットグループや住民――の参加を得て計画されたものではなく、不明瞭な形や隠された手法によって現れたのがプロサバンナ事業である。

DWアフリカ:たとえば、ナンプーラ州では事業の実施について何が知られているのでしょうか?
CR: この事業 について農民はほとんど知らない、もしくは全く知らない。それは我々にとってとても大きな不安がある。もし同事業が農民のために実施されるためのものであり、その農民たちが事業の一部をなすのであるなら、何故農民たちが事業を知らないの かという疑問に答えることは難しい。
 農民だけではなく、幾分情報へのアクセスが容易な 市民社会ですら、プロサバンナについて知らない 。さらに政府の一部――それが行政官であれ、農業省の郡のディレクターであれ、行政区長であれーーコミュニティのリーダー達もそのプログラムを知らないのである。

DWアフリカ:ヨーロッパの幾つかのNGO はもうすでにプロサバンナ事業は「アフリカ史上最も大きな土地略奪」として評している。プロサバンナのプロジェクト により農民たち の土地の収奪や実際の占有はもう起こり、農民らは地域から追放されているのでしょうか?
CR:そう 。それは我々が感じている大きな脅威の一つである。
それはつまり、プロサバンナが農民たちの土地収奪を起こさせる、あるいは起こさせうるということだ。我々に示されている ところによると、プロサバンナは大きな面積の土地を占領するだろうということである。

DWアフリカ:これらのプロジェクトはどのように実施されるのでしょうか?
CR: 一般的に、モザンビークの法律では、この種の状況の場合、コミュニティとの協議がなければならないというように定めている。そのコミュニティは協議を求められなければならないし、そのプログラムについて知らせられなければならない。そして、要求される土地を与える価値があるかないかを考えそして決める権利を持たなければならない。それがその法律が想定していることである。

しかし、プロサバンナの一環で 行われるインパクト・プロジェクトの特定事例では、このようなプロセスは存在しなかった。結果的に、それの農民たちは農地を失いつつある。なぜならこれらのプロジェクトは急速な影響(クイック・インパクト)を及ぼすものでなくてはならないからだ。これが、すでに紛争を生じさせている。

DWアフリカ:それがすでに起きている主な地域はどこでしょうか?
CR: ザンベジア州グルエ郡、リオマ地区ので、すでに特殊な状況が起きている。そして[ナンプーラ州の]リバウエでもケースそれらの状況があり、そして同じくナンプー ラ州のモゴヴォーラスでも同様である。つまり、これらの郡では、プロサバンナが実施されるにあたり、すでにこのような土地の収奪に特徴づけられる現象があり、、結果的に紛争を招いている。

DWアフリカ:今、農民の以前の農地に何が植えられているのでしょうか?
CR:今そこで行われていることは、何らかの実験で、種子の生産や増やす実験がなされている。たとえば、現在大豆の種子
が準備されている 。そして、プロサバンナの一環として、トウモロコシやゴマやその他よく分からないものが奨励されていると言われている。


DWアフリカ :それらの農民たちは埋め合わせにどれくらい受け取るのですか?
CR:およそ500メティカル、1ヘクタール12ユーロの補償金を受け取っているが、それはとても、とても少ない額だ。

DWアフリカ:プロサバンナの「親」事業であるプロデセール、それは70年代、80年代にブラジルのサバンナにあるセラードで同様に日本の支援により実施された事業ですが、モザンビークでもセラードで起きたように大豆の大きなプランテーションが作られると考えられるでしょうか?
CR: プロデセールについて我々がブラジルにイメージするものは、最初に、非常に大きな面積の土地を要するということ。私の見解では、もしモザンビークで同じことをするなら、その時は農民たちの運命がどうなるかはわからない。また、モノカルチャー栽培の手法が報告されている。そうなると、モザンビークでは多様性に富む家庭経営の生産は姿を消すであろう。危険にさらされるだろう。

第3に、ブラジルのセラード周辺の住民にみられるように、人間の健康や作物、そして一般的にあの地域の環境に十分に有害な影響を与える農薬や化学肥料の使用による問題が挙げられる。

我々には、セラードでやられたモデルはモザンビークではあり得ない。しかも、それが原因で、彼らは話を変えた 。なぜなら我々はブラジルに行き、そこで写真を撮り、モザンビークに持って帰り、この事業を非難し、拒否することを始めたからだ。彼らが、プロサバンナはどの農民も土地を取り上げられることはないと言い始めたのは、その時からである。

DWアフリカ新しいプランテーションを何百万ヘクタール作り出すというアイディアにもかかわらず、農民を一人も移転させないということは可能でしょうか?北部 、つまりプロサバンナが実施される地域は比較的人が多い地域です。

CR: いや、実際不可能だ。もしこのように大きな面積の土地の占領を示唆されるものを実施するのであれば、明らかに農民たちは追放されなければならない。どのようにかはわからないが、不可能だ。すでに表面化された(土地)紛争がある。大きな面積の土地を占領し、住民がそこから出るか、事業がどの土地も占領せず、農民たちが自分たちの土地に居続けるかの二つに一つだ。

DWアフリカ:プロサバンナのプレゼンテーションでは、事業の他の側面も何度も紹介されてきました。輸出するため、あるいはモザンビーク北部の鶏の飼料としての大豆の大規模栽培の他に、協同組合の設立や地元農業での機械をもっと活用すること、そしてカシューナッツの古い木を植え替えるといったアイディア が提起されています。これらの側面は、地元農民にとって、事業がは改善され、実現可能なものになっていくことに寄与するでしょうか?
CR:そう思う。検討の価値はあるだろう。あるいは、我々の考え では、このような実践はゆっくりとした段階を踏むことを可能とするモデルでなくてはらないない。我々のすべてが知っているように、農民たちは、一般的な言葉で言うと、教育を受けてないからだ。

そしてその農民たちのキャパシティ向上の過程――つまり、事業の土台部分で計画されているモデルに順応させるための過程――には、たくさんの時間が必要だろう。それは我々にとって不明瞭なところである。

そして、もう一度言うが、どうすればそれが可能になる?どのように農民はそのシステムの一部になることができるのか?どのようにして農民は一度も見たこともない機械と格闘するのか?あるいは、もしその機械を使い、それから利益を得るためであるなら、どうすればそれが可能になるのか?これらはいつも提示してきた疑問である。どうすれば?そして、まだどうなるのかを知らない。それは、決して誰も我々に答えることはないからだ。

DWアフリカ:理想的なプロサバンナというものを願うことが可能としたら、それはどのようなものでしょう?
CR: 私は理想的なプロサバンナへの願望がある。次の10年、15年、20年間にプロサバンナが人々の生活 を変えることを夢見る。変えるといっても肯定的な意味のもので、農民たちの状況を良くするためのものである。たとえば、教育や保健衛生のような基本的なサービスへのアクセス、そしてアクセスの手段のことである。我々は1日に1ドル、あるいは50セントすら獲得できない家族がいるという状況にいる。彼らは50セントのレベルよりもっと低い状態で生きている。

プロサバンナが、これからの10年、15年、20年で、人々や農民たちが今よりもう少し良い収入を得ることができ、トタン板で囲まれている家に暮らし、子供が学校に行けることを望んでいる。それが、プロサバンナがもたらしてくれたらと思っていることである。もしプロサバンナが農民を優先し、農民が積極的に参加できる形でやってくるのなら、私は「ようこそプロサバンナ!」と言えるとすら思う。

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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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