Entries

【一覧】安倍首相訪問に当たっての報道(プロサバンナを中心に)

安倍首相のモザンビーク訪問(2014年1月11日-13日)により、新聞各紙に様々な情報が掲載されました。全部を追うことは出来ないのですが、まず大きく取りげられた700億円の円借款供与について、その上でこのブログでも繰り返し紹介しているプロサバンナ事業(特に農民や市民社会の声を取り上げたもの)に注目して、掲載紙の一覧を紹介します。

■日本・モザンビークの共同声明(外務省サイト)
安倍総理大臣のモザンビーク訪問(概要と成果)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/afr/af2/mz/page24_000187.html


■ODA700億円の供与に関する報道
・首相、ODA700億円表明 日モザンビーク首脳会談 (日経、1月12日)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS12003_S4A110C1PE8000/

・モザンビークにODA700億円供与へ 首相が共同声明(朝日、1月12日)
http://www.asahi.com/articles/ASG1D3R41G1DUTFK001.html

・安倍首相、モザンビーク大統領と会談 約700億円のODA供与表明
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00261129.html

・道路網開発にODA700億円 日モザンビーク首脳会談
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140112/plc14011222300014-n1.htm?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

■プロサバンナに関する報道・記事

・朝日新聞 1月12日
「安倍首相アフリカ訪問、資源狙いビジネス外交 中国を意識、進出急ぐ」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140112-00000001-asahik-soci
http://www.asahi.com/articles/DA3S10921404.html
… 日本政府も北部で1100万ヘクタールを対象に穀物の一大生産拠点にする「プロサバンナ」構想を進める。国際協力機構(JICA)が、ブラジル、モザンビークと協力して進める大事業だ。大豆などの輸出作物の生産も視野に大規模な生産が始まれば、穀物の輸出量は飛躍的に増えるとされる。日本が投資や農地開発を急ぐ背景には、様々な分野でアフリカ進出を拡大させる中国の存在がある。…ただし、中国の進出は多くの問題もはらむ。モザンビークの首都マプトから北に200キロのガザ州にある中国企業の大規模プランテーションでは、地元農民が「土地収奪」と不満を募らせる。地元農家のサルバドールさん(72)は「子供たちに残す土地がない。悲しいが、どうすることもできない」と話した。
 東京外国語大の舩田クラーセンさやか准教授(アフリカ政治経済)は「日本は地道な支援でアフリカでそれなりに共感を得てきた。中国と張り合い、同じことをすれば、その評価を捨て去ることになる」と指摘している。

・共同通信=山形新聞 1月13日
「日本の農業開発は『土地を奪うだけ』 現地農民や市民団体反発」

…モザンビークで、日本がブラジルと協力して進める北部の大規模農業開発計画に対し、地元の農民や市民団体が反発を強めている。計画は貧困削減や食料増産につなげることを目指しているが、地元では「土地収奪」への懸念が深まっている。
 「(計画は)農民から土地を奪うだけで、持続的な開発にはならない」。モザンビークの最大農民組織「全国農民連盟(UNAC)」の政策担当、アゴスティーニョ・ベントさん(28)が首都マプトで語気を強めた。
…JICAなどによると、計画は「プロサバンナ」と呼ばれ、北部の広大な手付かずの熱帯サバンナを開発、大豆などを生産する。ブラジルの半乾燥地帯セラードを、1970年代から日本の技術協力で食料生産地に変えた成果を生かすとしている。
 モザンビーク人の大半は小規模農民。計画に対して強制移転などへの不安が広まり、UNACなどは昨年5月、計画停止を求める3カ国首脳宛ての公開書簡を発表した。
 昨年横浜で開かれたアフリカ開発会議…に際し来日したUNAC代表らは、安倍首相宛ての書簡を出した。3カ国から回答は来ておらず、マプトに駐在する日本とブラジルの大使に計画の説明を求めたが、断られたという。
 公開書簡に名を連ねた市民組織のバネッサ・カバネラスさん(36)は、計画は「透明性」がなく、自然環境への影響も懸念されると指摘。地元を顧みずに批判を受ける中国のアフリカ進出の手法と同様だとも語った。
 日本側は批判について「誤解」とするが、ベントさんは「日本はモザンビークの農業の実態を分かっていない」と計画を押し付けだと批判。何を耕作するか決めるのは農民自身だと強調した。

・共同ニュース=Global Post 1月14日
Increasing criticism over the Japanese agricultural program in Mozambique as ‘Land grabbing’

Mozambican farmers rap Japan's ODA project for agriculture
http://www.globalpost.com/dispatch/news/kyodo-news-international/140114/mozambican-farmers-rap-japans-oda-project-agriculture

Farmers and civic groups in Mozambique urged Japan during Prime Minister Shinzo Abe's trip to Africa to halt an agricultural program it is promoting in their country that they say
could result in land grabbing.
The Nampula Civil Society Platform, which represents more than 200 nongovernmental, farmers' and other civic groups, claims in a statement that the "ProSavana" program to develop a vast area of intact savanna in
northern Mozambique would have "baneful implications" for land ownership security and the environment.
"Japan's 'generous support' takes place in a perspective of continued colonialism," it says.
Abe, who wrapped up his trip to the Middle East and Africa on Tuesday in Ethiopia, pledged Sunday in Mozambique to provide a total of $672 million in official development assistance for local development
projects including ProSavana over the next five years.
In a joint communique issued after their talks in Maputo, Abe and Mozambican President Armando Guebuza reaffirmed their commitment to continue "close dialogue" with local communities over the agricultural
project, also prompted by Brazil.
But the statement says that the groups "disown the accord" as it is disregarding calls to pay attention to negative sides of the project, and urge Japan to implement a program that would "genuinely build capacity, strengthen and effectively support the agrarian family sector."

・北海道新聞 1月15日
「援助 企業進出に照準 首相アフリカ歴訪 『経済に弾み』狙う 紛争、民主化遅れ難題」

安倍晋三首相は…初のアフリカ歴訪を終え、15日に帰国の途に就く。各国に巨額の資金援助を約束した首相の狙いは、日本の企業進出を促して「アベノミクス」の柱である経済成長に弾みをつけることだ。しかし、アフリカ諸国は紛争や民主化の遅れなど難しい課題も抱えており、現地の実態を直視した支援がもとめられる…ただ、日本との共同開発偉業が現地に不協和音をもたらす例もある。日本政府がモザンビークで進める巨大農業開発事業「プロサバンナ」には、農民組織などが「農民の主権を無視し、土地が奪われる恐れがある」として反対している。

・毎日新聞 1月18日
「安倍首相:モザンビークの農業開発、支援表明 「土地奪われる」反対も」

http://sp.mainichi.jp/shimen/news/m20140118ddm005010032000c.html
 安倍晋三首相は今月訪問した…モザンビークで、日本とブラジルが協力して広大な草原を穀倉地帯に変える…プロサバンナを含む地域開発支援を表明した。ただプロサバンナを巡っては現地の農民団体が「土地が奪われる」と即時停止を要求。日本の専門家も見直しの必要性を指摘しており、支援のあり方が問われる問題となっている。
「農民の8割はプロサバンナとは何かを知らない。実態は企業による農業の大規模化と商品作物の強制 だ」。市民団体「農村コミュニティー開発のためのアカデミック・アクション」(ADECRU)の政策担当、ヌタウアジ氏(26)は…取材に対し、不満をあらわにした。
 プロサバンナは、モザンビーク北部の「ナカラ回廊」地域で、日本の耕作面積の2倍を超える1000万ヘ クタールの草原を「世界の食糧基地」に変える構想だ。地元農民に技術指導を行い収量アップを図るほか、民間投資を呼び込んで農地を大規模化する構想で、日本とブラジルが協力して進めている。
…ただ、対象地域の人口約400万人の8割を占める農民のほとんどが小規模農家で、主食のキャッサバなど を作る自給自足に近い生活だ。ヌタウアジ氏は「大企業が入れば農民の耕作権を奪われる危険性もある」と語る。ADECRUや小規模農民組織など23団体は 昨年6月、第5回アフリカ開発会議…時に首相に公開書簡を提出し、プロサバンナの即時停止を求めた。
 モザンビークを研究する東京外大大学院の舩田クラーセンさやか准教授らの昨夏の現地調査で、プロサバン ナとは別に進出した外国企業による土地収奪が少なくとも5件確認された。資源・農業開発目的で既に農地約217万ヘクタールが海外企業の手に移ったとの…NGOの調査もある。
 日本政府は「低収量の農家に技術指導を行う貧農支援だ。反対は一部だ」(外務省幹部)とする。首相もゲブザ大統領に農民との対話の重要性を指摘したが、主体はあくまで現地政府との立場だ。
 これに対し、ヌタウアジ氏は「地元農民の意向を反映した計画にすべきだ」と語る。舩田氏は「反対論を『一部の意見』と片付ければモラルが問われる」と指摘している。

・東京新聞 1月28日
「記者の眼:モザンビーク開発支援 現地農民の声に応えよ」

 大規模農業開発のプロサバンナ事業はモザンビーク北部ナカラ回廊で、日本の耕作面積の三倍を超える約一千四百万㌶の草原を穀倉地帯に変えようとしている。日本とブラジルの協力で民間投資を促進し、輸出用の大豆や穀物の大量生産を進める構想だ。
 …十二日にモザンビークの首都マプートを訪問した安倍首相はゲブーザ大統領と会談し、ナカラ回廊開発のための…ODA七百億円の供与…やプロサバンナ事業の推進を確認する共同声明を出した。
 昨年五月、モザンビーク全国農民連合(UNAC)など二十三団体は「農民は土地と自律した生産を奪われる」として同事業の緊急停止を求める公開書簡を安倍首相に手渡した。共同声明には市民・農村社会との緊密な対話が盛り込まれているが、三カ国政府は公開書簡への回答を回避している。現地の市民社会は共同声明を疑問視し、公開書簡への回答と小農支援のための国家計画策定を求めている。
 昨夏、東京外国語大の舩田クラーセンさやか准教授と日本の4NGOが現地調査を実施。事業対象地には四百万人以上の小規模農民(小農)とその家族が暮らし、穀物や豆野菜など多彩な作物を栽培していた。一方、既に二百数十万㌶(日本の耕作面積の半分以上)の土地が収用され、大規模プランテーションが地平線の彼方まで広がっていた。中には一㌶当たり千五百円程度の補償で土地を手放した小農もいた。
 二期目のゲブザ政権の腐敗も進行し、大統領とその周囲による利権や不正選挙も明らかになっている。昨年十月に政府軍が最大野党の拠点を襲撃、国会議員が死亡したことから野党側は十六年間の内戦の和平合意(一九九二年)を破棄した。全国主要都市では平和を求め政権を批判する市民マーチが拡大している。
 舩田准教授は「和平状況の悪化や民主化の後退でゲブーザ政権への批判は国際的にも強まっている。このタイミングでの安倍首相の訪問と日本政府の援助は資源目当ての外交と現地で理解されている」と指摘。輸出用大豆の大量生産は日本の「食料安全保障」に資するが、自律した生産の継続を求める現地農民の「食料主権」は奪われ、貧困格差はさらに拡大する。
 外務省は、同事業の目的を「投資を通じた小農支援と民主化プロセスの強化」と説明する。そうならば、政府は農民の声にもっと耳を傾けるべきだ。


■テレビ番組
・1月20日 TBS CS放送 ニュースバード
「安倍首相 アフリカ歴訪」



■インタビュー記事・論説
・北海道新聞 1月13日
「東京外語大学大学院 舩田准教授に聞く 進む独裁化 訪問時期に問題」


安倍晋三首相が歴代首相で初めてモザンビークを訪れ、首脳会談を行った。同国の事情に詳しい東京外国語大大学院の舩田クラーセンさやか准教授にその意味などを聞いた。
ー首相訪問をどう評価しますか。
「訪問は大賛成ですが、この時期はまずい。16年間の内内戦が終結した1992年に結ばれた和平合意が、去年10月に国内与野党対立で破棄されました。国軍が野党を軍事攻撃したためです。米国などはこの合意破棄に対して非難声明を出しましたたが、日本は現政権とのつながりを意識してか、沈黙しました。その後、武力衝突が広がり、4千人超の避難民が出ています。独裁化を進めるゲブザ大統領に今、わざわざ握手しに行くのは問題があります」
ー日本が現政権との関係を重視する理由は何でしょう。
「アフリカの経済成長に注目が集まる中、台頭著しい中国に追い付かなくてはとの思いがあります。中国は統治や民主化で問題のあるアフリカの各国政権と手を結び、天然資源を開発してきました。これは、独裁や強権化を支える『資源の呪い』と言われる現象です。日本がやっているのは『中国の二番煎じ』です」
ー日本はどんな開発を進めていますか。
「日本政府は…プロサバンナに着手。モザンビーク最大の農民組織は『相談もなく事業が進み、土地が奪われる恐れがある』としてこれに反対しています。昨年、安倍首相に計画停止を求める書簡を渡し、札幌を訪れ反対集会も開いています」
ー首脳会談ではプロサバンナについて、市民・農村社会と緊密な対話を継続することなどを確認しました。
「まず書簡に対し返答を行うのが筋です。事業の中身に現地の農民たちは大きな懸念を持っています。彼ら自身の努力を応援する方向で支援がなされるべきです。大統領に対しては和平の回復と民主的な統治の継続を呼び掛ける必要があります」

・読売新聞 1月28日
「論点 モザンビーク開発協力 農地収奪招かぬ支援に」

年明けにアフリカを歴訪した安倍首相は、モザンビークのゲブザ大統領との共同声明で、今後5年間で総額約7oo億円のODAを行うと発表した。主要港・ナカラ港から内陸部に伸びるナカラ回廊で道路、港などのインフラ整備を含む総合開発支援を行うという。しかし、同国では今、21年続いた和平が危機にさらされている。鉱山開発や農業投資に伴い、
農民の土地が次々に奪われる事態が背景にある。昨年ワ~8月日本国際ボランティアセンターなど十日本の民間活動団体(NGO)と研究者らが現地調査を行い、私も参加した。
 対象としたのは、北部の三つの州で、約400万人が暮らす。土地収奪の全容は把握しきれなかったが、この1~2年、これら3州で加速する土地収奪の実態がわかった。大規模な大豆生産やユーカリ植林に乗り出した外国資本による企業が、農民に補償金や代替地の提供、学校、病院の建設、企業による雇用を約束したが、約束はほとんど守られていない。代替地は遠く、しかも使えない沼地や原生林という例が目立った。
 土地取引に関する世界の専門家グループ「ランドマトリクス」によると、モザンビークで企業などが取得した土地は日本の全耕地面積の半分にあたる200万㌶以上。だが、これには最近の土地取引は含まれない。
 モザンビークでは、内戦の末、1992年に政府側と反政府武装勢力が和平合意をし、日本は、武装勢力の非武装・政治政党化、選挙実施や民主化を支援してきた。私は、1994年5月~12月、国連平和維持活動のスタッフとして北部の地域に入り、日本の自衛隊も後方支援を行った。その後20年間、ほぼ毎年、同じ地域の農村を訪ねている。
 忘れられないのは、94年に難民となっていた人たちが故郷に戻り、クワとタネを受け取って、「とにかく農業をしたい」と話したうれしそうな顔。北部地域は土が肥沃で水源に恵まれ、住民の8割以上が家族経営の小規模の農家。女性たちは工夫して、キャッサバや豆類の様々な品種を輪作や、間作・混作を駆使して植え、食料が底を突くリスクを減らした。今では、子供を大学に行かせる農家もある。
 どころが、最近の土地収奪により、人々は1日4回の食事が1~2回になるなど、困窮状態に陥っている。
 昨年春から現政権と野党勢力の間で小規模な武力衝突が続き、10月には野党側が和平合意を破棄した。土地を奪われた農民の怒りは深く、和平が後戻りしてしまうのでは、と心配だ。
 ナカラ回廊開発の目玉は「プロサバンナ事業」と呼ばれる大規模農業開発協力で、農民など23団体が「土地収奪を促す」と懸念を表明してきた。
 日本のJICAは、小農の努力を粗放的な前近代的農業として否定的にみて、営農実態の把握に基づく援助を行っていない。今年は、国連の国際家族農業年。女性が主役の農業を壊すのではなく、農家の努力を手助けする方策を検討してほしい。

・共同通信 1月28日
「識者論評」

 安倍首相は1月、企業を引き連れアフリカ3か国を訪問した。日本とアフリカの交流を支えてきた者として、本来喜ばしい。だが、その目的が「中国けん制」「国連安保理入り」「資源確保」となると疑問だ。
 まず、アフリカ側にとって、「中国か日本か」ではなく、「中国も日本も」なのであり、逆にこのような対抗意識を利用して両者を競わせ、メリットを引き出そうという強かさが、アフリカ外交にはある。
 国連54議席(国)が集中するアフリカへの「手土産外交」「見返り援助」が、成功したこともない。日本外交の悲願の安保理常任理事国入りに向けた小泉政権の努力が、まさにアフリカの賛同を得られずとん挫した理由について、どの程度批判的検証がされているのか。むしろ、依然としてアフリカの主体性を理解しようとしない日本外交の「底の浅さ」が露呈している。植民地支配・アパルトヘイトからの解放を苦闘の末に実現したアフリカは、このような態度を敏感に嗅ぎ取り、公的な歓待の一方で苦々しく感じている。
 「資源外交+投資+援助」が、今の日本に新鮮に映ろうとも「中国の二番煎じ」にすぎない。そもそも冷戦期に日本が東南アジアなどの独裁国に対して使っていた手法である。むしろ、1990年代末からアフリカが努力してきた平和の定着・民主化・ガバナンス向上に、中国と共に水を差す動きである。特に、訪問の目玉国のモザンビークでは、「中国と似た日本」を鮮明にしてしまった。
 同国は16年間の戦争終結後、順調に復興の道を歩んできた。しかし、ゲブーザ政権の誕生以来、腐敗と強権化が顕著になっている。昨年10月には政府軍が最大野党(元武装勢力)の拠点を軍事攻撃し、国会議員が死亡、野党側は92年の和平合意を破棄して紛争に陥っている。国連、米国、欧州連合(EU)などが非難声明を出す中、日本は中国とインドと並び沈黙した。首相はこの最中にわざわざ大統領と握手をしに行ったのだ。案の定、同政権が自ら作り出した「治安問題」の解決への「努力」共同声明で確認してしまった。同国の豊富な資源に目がくらみ、和平後最大の危機と呼ばれる現状を無視し、平和と民主化の後退への賛同を表明したのである。
 問題はこれに留まらない。日本はブラジルと共に同国北部の1400万㌶を対象に大豆等の大量生産を狙った三角協力事業「プロサバンナ」を推進するが、昨年5月、モザンビークの農民・市民社会の23組織が、あまりに事業が不透明だとして緊急停止を求める公開書簡を安倍首相に手渡した。現在、同じ対象地内に、同援助のブラジル側コンサル機関が30万㌶の土地確保を表明し200億円の投資を呼掛ける一方、 ゲブーザ大統領の関連企業がブラジル企業と組んで大規模な土地収用を行うなど、現地 農民の不安が高まっている。つまり「援助の私物化」が進行中だ。にもかかわらず、安倍首相は推進に合意してしまった。これに対し、現地の市民社会からは批判が相次いでいる。
 アフリカで日本は「新参者」である。中国との対抗心や資源のために独裁者らと手を組むことを優先するならば、必ずやそのしっぺ返しを受けるだろう。アルジェリア人質事件から1年になる今だからこそ考えたい。

スポンサーサイト

Appendix

プロフィール

MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR