Entries

【和訳】ガーディアン紙がプロサバンナ事業批判記事、ニトリ社の土地収用も報道

ガーディアン紙が元旦にプロサバンナに関するかなり大きな記事を掲載しています。

日本企業のニトリ社の土地収用についても書かれています。
現地大使館のHP上の情報では4000ヘクタールの土地を確保しているといいます。
現地農民やNGOらからも、この情報と問合せが届いています。
また、同社はタンザニアにも広大な農地を確保し、綿花のプランテーション栽培をするとの報道もあります。

一体、日本の官民は、アフリカで何をしようとしているのでしょうか?

http://www.theguardian.com/global-development/2014/jan/01/mozambique-small-farmers-fear-brazilian-style-agriculture

「モザンビークの小農はブラジル・スタイルの農業に脅威を感じる。大規模アグリビジネスを導入することで生産を増強しようという計画が伝統的な農業を行う人びとを追い出している」
Mozambique's small farmers fear Brazilian-style agriculture
Programme to increase crop output by bringing in large-scale agribusinesses is displacing traditional farming populations

モザンビークの小規模農民たち、ブラジル・スタイルの農業に不安
大規模アグリビジネス導入による生産拡大プログラムが在来農業に従事する農民
を住み慣れた土地から追い立てている

Amos Zacarias Nampula, Mozambique, for IPS, part of the Guardian
development network
theguardian.com, Wednesday 1 January 2014 13.00 GMT

モザンビークの高齢小規模農民であるRodolfo Razãoは、2010年に10ヘクタール
の土地の公的な使用認可証を獲得したにもかかわらず、7ヘクタールしか使えな
いでいる。残りの土地は、この国の 北東部で約10,000ヘクタールを使って大
豆、トウモロコシ、豆類を生産する南アの企業に占拠された。

彼は、住んでいるナンプーラ州モナポ地区の関係当局に訴えて回ったがどこでも
訴えは聞き入られなかった。78歳の彼は、これ以上時間をかけること はできない。

50歳の寡婦であるBrígida Mohamadは、7人の子どものうち一人の土地がとある企
業によって侵食されていることに懸念を抱いている。「息子は、どこにも作物を
育てる土地がない んです。私たちの畑は売り物ではないのに」、と彼女は、生
涯を過ごしてきたモナポの村、NacololoでIPSの記者に訴えた。

これらは、ブラジル(ABC)と日本(JICA)の国際協力機関の後押しを受けてい
る日伯モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発協力プ ログラム
(ProSAVANA)に関して小規模農民たちのなかに広がる不安の理由を明らかにす
ることにつながるケースである。

ブラジルで開発された熱帯農業技術に触発されたProSAVANAは、ブラジルの熱帯
サバンナであるセラードと同様の農業に関する潜在力を持つモ ザンビーク中
部・北部に広がる1,450万ヘクタールのナカラ回廊での農業生産を拡大すること
を目指している。

この回廊の450万人の居住者のうち80%は農村部に住んでおり、農業近代化に
よって人口の多くを失ったブラジルや他の国々の農村部よりもずっと 人口密度
を高くしている。

しかし、この回廊のいくつかの地域、人びとが自給農業に頼って散在しそれぞれ
に平均1.5ヘクタールの農地を耕している地域では、2kmを通って も一軒の家も
見ないこともありうる。

キャッサバがこの地域の食事の基本となっている。小規模農民は、また自家消費
用にトウモロコシ、カボチャ、ヒマワリ、サツマイモを、商品作物とし て綿
花、タバコおよびカシューナッツを作っている。

この回廊をインド洋に面したナカラ港から輸出する農産物の穀倉地帯に転換する
という構想が在来農業に従事する農民を追い立てることになる巨大な農 場での
大規模な高収量生産を目指す企業を惹きつけ、土地をめぐる紛争が頻発すること
になると予想される。

Mohamadは、これらの巨大投資者たちがやってきたことは恐ろしいことだ、と言
う。彼女は、ProSAVANAによって直接もたらされる変化 だけでなく、このプログ
ラムの影響で加速すると見られる様々な変化に反対している。

ProSAVANAのコーディネーターであるCalisto Biasは、IPSに対して、農民たちが
土地を失うことはないと語った。彼によれば、このプログラムの主要な目的は回
廊に暮らす農民たちを支援し生産技術 を向上させることだ。

しかし、モザンビークの環境団体・リバニンゴ(Livaningo)の自然資源担当で
あるSheila Rafiによれば、投資者たちが、新たに地域の人々に企業のために作
物を生産するという雇用主−被雇用者の関係を持ち込み、また単一作物栽培に
よってそれ までの「自給に必要なもの全てを少しずつ作る」というやり方が壊
されてしまうことから、地域コミュニティの生活のあり方に混乱が生じると言う。

ProSAVANAのミッションの一つとして、投資とバリューチェーンを活用して就労
を増やすことがうたわれている。また、農業省が開設したウェ ブサイトによれ
ば、生産性と生産量を急速に高めるという観点から農業を近代化し多様化するこ
ともミッションの一つだ。

しかし、最大の不安、最も脅威となるのは、土地強奪だ。多くの人々が、DUATと
呼ばれる土地常用を根拠とした「土地使用権」を獲得することで土 地を守ろう
としている。しかしこの認可証は実際には保証にならない、と地域の農民がIPS
に語った。

モザンビークの法律では、全ての土地は国家に属しており、販売したり抵当に入
れたりすることはできない。農民たちは、政府に対し最長50年の DUATを申請す
ることができるだけだ。

先月、Nacololoの約250人の農民が地域のチーフの家の周りに集まり、南ア企業
Suniが約600ヘクタールの土地を強奪したと語られて いることについての説明を
求めた。

ナンプーラ市から230kmのマレマ地区も混乱の最中にある。日本のニトリ・ホー
ルディング・カンパニーといった巨大アグリビジネスがこの地域に 入ってい
る。ニトリは、20,000ヘクタールの土地で綿花栽培をする権利を与えられてお
り、対象地に住む人々はほかのところへ移住することに なっている。

そのほかに、ブラジル、モザンビーク、ポルトガルのジョイント・ベンチャーで
あるAgromoz (Agribusiness de Moçambique SA)が、10,000ヘクタールの土地に
大豆を栽培している。

政府からの情報がないことが、何が起きているのかに関する混乱をさらに大きな
ものにしている。「我々は、ProSAVANAというプログラムあ ることを、メディ
アや市民社会組織から聞いているだけだ。政府はまだ我々に何の説明もしていな
い」とRazãoは言った。

ナンプーラ州小規模農民集団(the Nampula Provincial Nucleus of Small-
scale Farmers)代表のCosta Estevãoは、「我々は開発に反対しているのではな
く、小規模農民に裨益する政策を求めているのだ。また、ProSAVANAに関する説
明を求めてい る」と語った。

2011年に結ばれた、日本の輸入市場とブラジルのノウハウそしてモザンビークの
土地を結びつける三者協定はすでに喧々諤々の論議を引き起こして いる。

3カ国の市民社会団体が、ProSAVANAを拒否し、あるいは変革を求めて抗議の声を
あげている。

ブラジルのCSO・Faseの国際協力担当ダイレクターで、8月にマプトで開かれた
「ProSAVANAに関する三カ国民衆会議(the People's Triangular Conference on
ProSavana)」の主要な参加者であったFátima Melloは、ブラジルは「紛争の最
中のモデルを輸出」したいのです、と語った。

食料安全保障にとって重要な家族農業を守ろうとする活動家たちによれば、アグ
リビジネス、輸出向け単一作物栽培そして巨大企業を優先するこの開発 モデル
の行きつくところは、数百万の土地なし農民、農村からの人口流出、苛烈な土地
紛争、森林伐採、そしてそれまでになかった殺虫剤と除草剤の使 用だ。

この開発モデルの根幹に、1978年にブラジル中部で開始され今もProSAVANAに示
唆を与えているセラード開発のための日伯協力(he Japan-Brazil Co-operation
Programme for Development of the Cerrado)がある。

ナカラ回廊の農民たちに伝えられることになる技術はブラジルからきている。

2011年に始まり2016年まで行われるProSAVANAの第一段階プロジェクトとして、
ブラジル政府の農業研究機関Embrapaは、モザ ンビーク農業研究所
(Mozambique's Institute for Agricultural Research (IIAM))で農業指導員
と研究所スタッフのトレーニングを行っている。

また、ナカラ回廊の農村地区と十分な可能性のある作物を評価するマスタープラ
ンおよび指導とモデル提示といった、このプログラムの他の分野におい ても、
ブラジル人の参加は必須だ。

「プロサバンナ事業の広がりと大きさは、憲法で我々に保障された情報・協議・
参加へのアクセス権の行使という点において、法律を遵守しておらず、 民主的
で透明で幅広く深い公衆(農民男女、家族、民衆)との討論を欠いている」と、
モザンビークの23の市民社会組織および運動体そして43の国 際的な団体が署名
した公開書簡は言う。

マプトで5月23日に署名され、ブラジル、日本そしてモザンビークの指導者たち
に宛てらたこの公開書簡は、法の定める環境への影響評価を求めた。

署名者たちは、プログラムの緊急停止、影響を受ける全ての社会セクターとの公
的な対話、家族農業とアグロエコロジーの優先そして食料主権に基づく 政策を
求めた。

彼らはまた、プロサバンナ事業のために割り当てられた人的資源や資金の全て
を、持続可能な「家族農業支援国家計画」の制定と実施に再配分すべきと 言った。

(和訳、アフリカ日本協議会 斉藤龍一郎)

スポンサーサイト

Appendix

プロフィール

MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR