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【公開】JBICとモザンビーク環境NGO面談記録(モザンビーク天然ガス開発融資)

20200128 JBICとの会議記録
(NGO側記録)

日時:2020年1月28日
場所:JBIC(日本国際協力銀行)
出席者
JBIC側:辰巳、細井、大野、今井、粟屋氏(敬称略)
NGO側:モザンビーク環境団体(FOE/JA!)ディプティ・バートナーガー(Dipti Bhatnagar)、FOEジャパン(高橋)、JVC(渡辺、高橋)、ATTAC Japan(秋本)、AJF(津山)

本日行われた会議の詳細、以下のとおり。
なお、本記録はNGO側の責任でまとめられており、JBIC側の確認を経たものではない。

● 当方ディプティさんより、JBICが現在関与しているプロジェクトの有無について問うたところ、先方辰巳氏より、JBICはまだモザンビークのガス開発についての融資の意思決定はしておらず、現在のところ関与しているプロジェクトはないとのこと。これに対し当方ディプティさんより、化石燃料が及ぼす気候への影響、地域のコミュニティに根差した再生可能エネルギーの重要性、プロジェクト実施に伴う立退き、対象地域の治安と武装化に関わる問題(米国大使館ですらこの点について警鐘を鳴らしてきた。ディプティさん手元に資料あり)、政治の問題としてモザンビークのメディア規制に関わる新法の問題性(=パブリックで撮影した写真については映っている人全員について書面での合意がなければ使用できない)等を指摘した上で、JBICにこのガス開発に関与して欲しくない旨、伝えた。

● 先方辰巳氏より、イスラム原理主義系等の武装組織の脅威が点在していること、そしてモザンビーク政府はこれらの脅威に対し、対策を取り始めていること承知しているとの発言に対し、当方ディプティさんより、脅威はイスラム原理主義の武装組織だけではなく、原因はクリアになっていないこと。政府はこの状況に対して警鐘を鳴らすが具体的には何もしていない。なぜそうなのかを考える必要がある。つまりPSC(private security company)の問題があり、住民の立ち退きをさせたい(政府の?)思惑があるなかでの情勢悪化・・といったこともある。いずれにしてもCD州で起きていることはImpunity(免責=責任逃れ)の問題であり、このような武装化は油田(天然ガス?)開発に伴って起きる、いわゆる資源の呪いである旨、指摘した。また、その上で、要は「誰が何をしているかわからないかぎりはJBICとして何もすべきではない」と問題提起した。

● JBICについてメディアの反応に関する質問あり→Diptyさんより一ポツ目の「新法」の説明。

● 当方ディプティさんより、JBICが使っている2014年のEIAが判断資料としては完全に古く参考にならない旨指摘し、なぜ最新のものではなく、2014年に行われたEIAを使っているのか問うたところ、先方辰巳氏より、JBICとして意思決定に際し現在使用しているEIAを100%判断資料にしているわけではなく、プロジェクトへの関与を決める意思決定を行う際には、最新のものを入手する予定であるとのこと。

● 先方辰巳氏より、当方ディプティさんの「現地のコミュニティが参加できない形でプロジェクトが進められている」旨の発言に対し、JBICとしては現地オペレーターより現地コミュニティ及びNGOを参画させながらプロジェクトを進めていると聞いており、長い間それら現地の声を聞きながらプロジェクトを進めている。そしてプロジェクトは現地の住民を立退く形で進められているのではなく、モザンビーク政府の狙いとしては現地住民を可能な限り労働力として使うことである。この様にオペレーターが現地の声を聞きながらプロジェクトを進めている以上、JBICとしてプロジェクトを推進する前向きな検討材料となる。そして、一方で、治安の懸念は大きくさらに情報収集が必要である旨述べた。

● 当方津山さんより、JBICが関わる炭鉱開発・ナカラ回廊開発プロジェクト(鉄道整備事業)の状況に言及した上で、「コミュニティおよびNGOを参画させながらプロジェクトを進めている」「現地の声を聴きながら」というのはどういうことか。現在のプロジェクト状況をどう評価しているか問うたところ、先方辰巳氏より、JBICとしてプロジェクト担当者からの報告を100%信頼しているわけではなく、きちんと独立した組織を通じてプロジェクトの分析を行っているとのこと。これに関し、当方ディプティさんより、その組織はRINAであるか問うたところ、RINAを使うこともあるとのこと。これに対し、ディプティさんより、RINAの組織としての問題性を指摘し、警告した。

● ナカラ回廊の炭鉱開発については先方大野氏より、環境アセスメントについてはEIAだけでなく、独自に契約しているコンサルタントを使って調査しており、プロジェクトはJBICの環境ガイドラインに基づいて行われているとのこと。

● 当方渡辺さんより、昨年の財務省とNGOとの協議にて、「対象地域の治安とコミュニティに関するリスク分析を行ったか」との質問に対し「行っていない」との回答があったことを受け、現時点でリスク分析を行っていない状況との理解でいいかを確認したところ、先方辰巳氏より、当時回答した人間は担当者ではなく、間違った情報を伝えてしまったとのこと。JBICとしてまだ詳しいリスク分析は完了してはいないが、実施中、リスク分析は融資後も続けることであるとのこと。

● 当方渡辺さんより、辰巳氏回答を受けて、今後も分析が継続するならば、融資を決定する方法、どのような条件が揃ったら融資をしようと判断するのかについて問うたところ、先方辰巳氏より、治安の問題については現地オペレーターとどのようにリスクマネジメントをするのか協議を重ね、その結果を外部のセキュリティコンサルタントへ確認を取った上で決定しているとのこと。

● 当方渡辺さんより、ナカラ回廊開発にて、住民の側から見れば、鉄道建設において、立退きや補償金の未払いなどガイドラインに沿っていない事態が起きており、解決していない。昨年12月にはナカラ港湾整備事業においても移転が生じていることが財務省との協議で判明した。また、モザンビーク政府の隠し債務について、真相が明らかにならないままに、その返済にガス開発による利益を使おうとしている。これらの問題は現地の治安悪化にも連動しており、各要素が包括的につながっていること、これら事実を認識した上で融資の意思決定を行うべきとの旨指摘したところ、先方辰巳氏より、それらも含め現在判断中であるとのこと。

● 当方高橋先生より、これらの平和構築、治安等の懸念点を踏まえ、どう思うか問うたところ、先方辰巳氏より、セキュリティが具体的に何割ほど意思決定の割合を占めているのか明言することは難しいが、最優先に考慮しなければならないものの一つであることは認識している。そして強固なプロジェクト実施プランを策定するために、現地オペレーターを通じてやり取りをしているとのこと。

● 当方高橋先生及びディプティさんより、企業へのセキュリティと現地住民へのセキュリティは分けて考え、判断することの重要性を指摘した。

● また、ディプティさんより、とにかくJBICによる天然ガス開発融資は断念するように、との強い要請があった。

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「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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