【事件の概要】 モザンビークの大統領・議会・知事選挙(2019年10月15日)の1週間前、10月7日に、モザンビークのガザ州NGOフォーラム(GFONG)リーダーのアナスタシオ・マタヴェレ(Anastacio Matavele)氏が10発の銃弾を打ち込まれる形で暗殺された。犯人は襲撃後、逃げる際に事故を起こし、身元が割れた。5名中4名が、警察特殊部隊要員であった。 事件の翌日(10月8日)、警察もこの事実を認めざるを得ず、モザンビーク警察の広報官オルランド・モドゥマネ(Orlando Modumane)は、マタヴェレ氏を殺害した5人の犯人の4名までが、「ガザ州警察の機動隊内にある特殊作戦部(GOE; Grupo de Opera;ções Especiais)の業務に当たる人物である」と認めた 。
【暗殺されたマタヴェレ氏】 マタヴェレ氏は、選挙監視を行う市民社会グループ「Sala da Paz(平和の部屋)」のメンバーでもあり、ガザ州全体の独立選挙監視グループのリーダーでもあった。この日は、選挙監視要員の研修をしており、その帰途での事件であった。 また、マタヴェレ氏ならびにGFONGは、2012年5月のTICADの際に公表され、安倍晋三首相に手渡された3カ国首脳に宛てた「プロサバンナの緊急停止を求める公開書簡」に署名しており、2015年5月のプロサバンナ事業の公聴会に関する声明 にも署名している。