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【NGO5団体からのJICAへの書簡】「公開討論会」について

JICA 理事 萱島信子様
JICA 農村開発部部長 牧野耕司様
JICA アフリカ部部長 加藤隆一様 

プロサバンナ事業に関する「公開討論会」について

2019年11月7日

【問題の所在】
1. 日本がブラジルと進める大型農業開発事業「プロサバンナ」に反対するモザンビーク小農を支える私たち日本の市民・NGOは、9月4日に参議院議員会館にて開催された院内集会¹での小農運動リーダーの発言やそれを取り上げた報道について² 、9月20日、JICAがその公式サイトにおいて「一部報道等において事実誤認が見られますため、プロサバンナ事業の事実関係及びJICAの見解」を公表しました³。しかし、その大半が虚偽・事実の歪曲・一方的な個人攻撃(上述リーダーの名指し非難)に基づくものでした。

2. そこで、日本の市民・NGOは、JICAのこの行動について、JICAに対し、厳重なる抗議を行うとともに、当該テキストの早急なる撤回を求めました。あわせて、JICAがその説明責任を果たすため、「この件に関する公開討論会」を、「JICAを支える納税者・市民として、JICAに聞きたいこともある」として呼びかけました⁴ 。

3. これを受けたJICAは、10月3日、当該テキストの撤回については同意しなかったものの、「公開討論会の開催」に合意しました。

4. しかしながら、この「合意」以降、JICAとNGOの間で「開催形式」に関するやりとり(別添「経緯」参照)を続けてくるなかで、JICAは「公開討論会開催」合意を反故にしました。すなわち、合意した「この件に関する公開討論会」ではなく、それを「公開の意見交換会」にすり替え、自らが望むテーマでの「意見を交換し、相互の見解の相違点と一致点を確認する」ことを趣旨とする開催形式案を示しました。

5. NGOはこの動き(合意の反故とそれに基づく提案)に抗議し、これを拒否しましたが、JICAは合意とは異なる「意見交換会」案の検討を要求し続け、NGOの「公開討論会」形式提案に対しては、繰り返しの検討要請にもかかわらず、「対面でのやりとり」を求めるばかりで、一切の回答を拒否し続けています。

6. 以上に見られるJICAの対応により、当初の開催合意から1ヶ月以上が経過した現在、NGO側が提案した開催日11月22日に迫る中においても、「公開討論会」開催の見通しが立っていません。

【背景】
7. 8月に開催されたTIVADⅦ(第7回アフリカ開発会議)にモザンビークの小農運動リーダーが来日した理由は、現地小農らがこれまで訴えてきた、プロサバンナ事業下における様々な形での人権侵害や被害が解消されていないことによるものです⁵。昨年8月には、現地マプト行政裁判所にて、憲法および国内法違反・人権侵害(知る権利侵害)を認める判決が全会一致で出されています⁶。

8. 小農の訴えの中には、JICAが日本の税金を投じて直接関わった事案も多数含まれています。これらについて、日本の市民・NGOは、過去数年間に亘り、エビデンスを提供して状況改善を求めてきましたが⁷、JICAは一貫してこれらを無視し、自ら行ってきた行為の結果を認めようとしません。

9. こうした状況を受けて、わざわざ来日してJICAならびにその活動を支える日本の納税者・主権者に向けて被害を訴え、事業対象地の小農の声を届けようとした小農リーダーに対し、JICAはその声に真摯に耳を傾けるどころか、自らの公式サイトで名指し攻撃するなど、さらなる人権侵害を引き起こしました。

10. これは、公的機関としてあるまじき行為であり、納税者・主権者として、JICAに説明を求めるため、「公開討論会」の開催を要請しました。JICAは、その開催に合意しながら、また私たちに対して説明責任を負う立場にあるにもかかわらず、問題を「相互の意見と見解の相違」にすり替え続けています。つまり、税金で支えられる公的機関としての責任を放棄した態度をとり続けています。

【結論】
11. この間辛抱強くJICAとやり取りしてきましたが、これらの事実から、JICAは、私たち日本の市民・NGOが、納税者・主権者の権利として要求した「公開討討論会」の場を骨抜きにしようとしていると理解するに至りました。すなわち、JICAは、「公開討論会」の場を、自らの都合のよい時期に、都合のよい「テーマ」に絞った「説明」を行い、それに対する「意見」と「理解」を市民・NGO側に求めるだけの会議にすり替えようとしているとの結論に至りました。

12. 以上から、JICAの当初の「公開討論会」開催合意は、JICA公式サイトのテキスト撤回を回避するために過ぎない欺瞞であり、JICAには納税者・主権者への説明責任を果たす意思がなく、JICAはNGOによる「公開討論会」の提案を拒否したものとみなさざるを得ません。

アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター、モザンビーク開発を考える市民の会、ATTAC Japan、No! to landgrab, Japan

―――――――――――――――
¹ 国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農 〜モザンビーク、プロサバンナの事例から(2019年9月4日)
議事録→ http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html
動画→ https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY" target="_blank"> https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY
² TBS (2019年9月9日)「日本のODAに現地から『NO!』https://www.youtube.com/watch?v=OBiNqQW1h3U" target="_blank">」https://www.youtube.com/watch?v=OBiNqQW1h3U
時事通信(2019年9月5日)「農業支援見直し求める=モザンビーク農民、JICAと対話
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090500209&g=int
³ JICA 2019年9月20日「モザンビーク国プロサバンナ事業に関する一部報道等について
https://www.jica.go.jp/information/opinion/20190920_01.html
⁴ アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター、モザンビーク開発を考える市民の会、ATTAC Japan、No! to landgrab, Japan「JICAに対する抗議と申し入れ」(2019年9月24日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-418.html
⁵ TICADVIIサイドイベント「SDGsとアフリカ開発〜わたしたちの暮らしから考える」(2019年8月29日)議事録→ http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-419.html
動画→https://www.youtube.com/watch?v=7tJ8NAFvKKY" target="_blank"> https://www.youtube.com/watch?v=7tJ8NAFvKKY
⁶ Lusa, “Administrative Court condemns Mozambican government to release information on agrarian”
(program2019年9月27日)
https://www.farmlandgrab.org/post/view/28460-administrative-court-condemns-mozambican-government-to-release-information-on-agrarian-program 判決文(翻訳)→https://www.farmlandgrab.org/post/view/28573-
https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/index.html


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「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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