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【続報】JICAとの「公開討論会」

2019年9月24日に日本のNGO5団体で行った「抗議と申し入れ」について、10月3日にJICAから「撤回せず」「公開討論会開催提案を歓迎」との回答が寄せられました。

■抗議・申し入れ:http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-418.html

■JICA回答: http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-422.html

その後のJICAとのやり取りを踏まえ、本日JICAに届けたNGO側の再要請内容を紹介します。

**************

JICA 理事 萱島信子様
JICA 農村開発部部長 牧野耕司様
JICA アフリカ部部長 加藤隆一様


2019年10月18日

いつもお世話になります。
10月1日付けで、日本のNGO5団体から申し入れをしたプロサバンナ事業に関する「公開討論会」について、JICAからの10月17日のメールを受けて、以下の通り改めて要請させていただきます。

***

(1)「公開『討論会』」の開催形式提案の再要請
10月1日付で、日本のNGOから申し入れをしたのは「公開『討論会』」でした。JICAは、10月3日付メールでこれを「歓迎する」と返答しています。しかし、なぜか、10月17日のメールでは、「公開の意見交換会」の開催形式の提案が送られてきました。これは、双方がメール上で交わした合意を反故するものです。したがって、当初の合意通り、「公開討論会」としての開催形式の提案を、再度要請します。

(2)NGO提案へのご意見
もしJICAの方で、「公開討論」の形式について特にアイディアがない、時間が足りないなどで、再度の提案が難しい場合は、以下のNGO側の提案についてご意見を下さい。

(3)検討にあたっての前提
なお、JICAの「公開の意見交換会」提案を拝見し、日本の公的援助機関としての当然の原則、またこれまで7年にわたって行われてきた議論が踏まえられてないだけでなく、公共事業主としての認識に大きな問題があることが明らかになりました。したがって、新たな提案あるいはNGO提案へのご意見を考える際に、念頭においていただくために、以下を指摘させていただきます。

【JICAの責務、日本NGOの位置づけ】
①日本の公衆(納税者ならびに主権者)に対し、税金を使った海外援助事業に関する透明性の確保と説明の責任を有するのは、JICAである。
②日本のNGOは、この件について関わってきた日本の納税者・主権者の一員として、JICAに対して説明を要求し、説明を受ける側である。納税者と主権者としての立場から、日本のNGOは、専門性をもって本件をモニタリングしてきた。
③なぜか頂いた提案では、JICAと共に「参加者に対して主張を説明する」立場に置かれている。これはJICAが、日本の納税者・主権者に対する自らの役割と責務を理解していない可能性を示唆している。

【公共事業実施者の納税者への責任、主権者の「知る権利」の保障】
④公共事業に関する透明性担保と説明責任履行のための場において、関心を寄せ、憲法で保障された「知る権利」の行使のために、参加する納税者や主権者に制限があってはならない。
⑤また、居住地や資金状況によって参加できる人とできない人が生じてはならず、幅広い層の方々のやり取りへの参加が保障されるよう、主催者双方がともに努力すべきである。
⑥したがって、当然ながら、「公開」とある以上、また広い層の人びとの「知る権利」を実現するためにも、メディア等の参加は不可欠である。
⑦当然のことながら、提案にみられる制限付きの場を「『公開』討論会」と呼べない。「公開」である以上、参加を希望する人はメディアを含め参加を保障する必要がある。また、参加者がどう受け止め、それを発信するかは、参加者の自由に委ねられるものであり、そこに立ち入ったり、それを制限することは問題である。また、不可能なだけでなく、正当なる理由も見当たらない。
⑧また、知らせる義務がある側が、「公開」に同意しながら、それに様々な制限をかけようとするのは、透明性担保についての義務の放棄と受け止められても仕方がない。

【日本NGOは「意見交換会」を要請しない】
⑨調印から10年が経過し、事業開始から8年が経過するこの段階において、事業に関する「意見交換」は、本来モザンビークの小農運動・市民社会と行われるべきものである。
⑩これが頓挫している理由は、当事者らが文書や口頭で示して来た通りである。つまり、彼らのいかなる抗議があろうと、そのような場が事業正当化や推進のための既成事実に使われてきたからである。
⑪これに加え、冒頭に示した【JICAの責務と日本のNGOの位置づけ】に基づき、日本のNGOだけが出席する場での「意見交換会」は、この間要請していない。今回も要請していない。

*以上は、この間、外務省・JICAに伝えてきたもので、担当者が交代したとしても、組織内できちんと引き継ぎがなされるべきである。(組織内の引き継ぎ問題を早急に解消されたい)

【公開討論会申し入れに至った経緯】
⑫公衆に対して、自らのサイトで、問題の「広報文」(メディアが報道しコスタ氏が主張したと称する7項目への「見解」と事業「説明」)を、確認なく一方的に掲載したのはJICAである。これを受けて、今回の公開討論会の申し入れを行っている。
⑬10/3、NGOの「広報文」の撤回要求に対して、JICAからは、撤回の意思がないことが表明された。つまり、これは依然としてJICAの公式見解であり、JICAはこれらに対する質問を受け、説明する責任がある。

【公開討論会のテーマ】
⑭上に述べた通り、「公開討論会」は、「傍聴者」と位置づけられる参加者のための見せ物ではない。また、「傍聴者」の前で、JICAとNGOが意見交換を交わす場でもない。JICAが、日本の納税者と主権者に対して、説明責任を果たすことをサポートする場である。
⑮したがって、テーマを絞る必要がない。むしろ、テーマを絞ることによって、有権者や主権者の知りたいことへの回答が得られず、「知る権利」を阻害することになる。
⑯「広報文」への質問と説明については、以上の通り、経緯上避けられない。撤回するのであれば、この限りではない。
⑰また、JICAが取り上げたいテーマに関する説明について、JICAが持ち時間の範囲内で行うことを妨げるものではない。

【モザンビーク政府関係者の参加・登壇】
⑱以上の通り、「公開討論会」は日本の納税者・主権者が、憲法や独立行政法人法、情報公開法、JICAガイドライン等に基づき、JICAに要請しているものであり、日本の納税者・主権者とJICAが参加・登壇するものである。
⑲過去において、そのような場に、モザンビーク政府高官を連れてこようとする試みがあったが、これについては、議員から注意がなされ、日本NGOからも正式な抗議をJICA理事長に対して行っている。
⑳モザンビーク大使館が日本NGOメンバーのビザ発給を2年以上にもわたって拒否する弾圧を行っているのは承知の通りである。現在もこの状況は変わりない。モザンビーク政府関係者の出席は、そのような日本NGOの弾圧を後押しするものである。

【モザンビーク小農・市民社会関係者の参加・登壇】
㉑モザンビークでは、先週月曜日、「3カ国首脳宛プロサバンナ公開書簡」の署名者であり、独立した選挙監視団のコーディネイターを務めていた市民社会リーダーが暗殺された。犯人が警察関係者であったことが明らかになっている。この事件は、政府の推し進める事業への反対は、いままで以上に危険な状態がうまれているということを示している。したがって、モザンビーク小農や市民社会組織の安全を護る措置を考える必要がある。これを踏まえ、今回、モザンビークからの小農や市民社会組織のリーダーは参加しない。
㉒提案では、事業参加農家を参加させようとの意図が示唆されているが、ぞのような試みの問題については、すでに2015年8月にJICA理事長、アフリカ部、農村開発部宛に抗議文が出されている。これについても、引き継ぎが行われていない可能性が高いので、早急に確認されたい。
㉓このような試みこそが、モザンビーク小農リーダーが「JICAの分断だ」と述べていることである。
㉔また、「事業参加者」については、9/4の院内集会で池上名誉教授が具体的に問題を指摘した通りである。担当が交代したからといって、この議論をくり返す必要はなく、すでになされた指摘を教訓として踏まえてほしい。
㉕承知の通り、今週行われた総選挙では以上の暗殺に留まらず、各地で与野党の衝突が繰り広げられ、特に、事業対象3州では様々な暴力も発生している。それを踏まえ、JICAがこれ以上、プロサバンナの推進のために、モザンビーク政府や農民、市民社会に働きかけを行うことはさらなる危険や問題を生じさせるだけであり、Do No Harmの原則からも慎んでいただきたい。
㉖モザンビークの和平と公正で民主的統治、人権が、一事業にすぎないプロサバンナより遥かに重大である点について、確認されたい。

【「静かな環境」の問題】
㉗提案にある「静かな環境」とは主観的な表現である。何をもって「静かな環境」というのかによって、公開度が制限できることになり、おかしい。
㉘ともすれば多様な参加者やメディアを「煩いもの」として捉えている可能性を示唆しており、公的機関の使う表現としては相応しくない。
㉙プロサバンナ事業に関して、NGO側はJICAを招く形で多くの公開のイベント(院内集会やシンポジウムなど)を開催してきたが、承知の通り、混乱が生じたことは一度もない。

(4)日本NGO側提案
以上を踏まえ、日本NGOとして、以下のモダリティを提案いたします。
なお、見ていただければ分かる通り、これらの提案では、双方が議論して合意しなければならない項目を排除し、双方がそれぞれの裁量で決めて持ち寄り、公平にこれが実現される方式を採用しています。

例)JICA提案にあった「1名のみのモデレーター」、「登壇枠」、「議題」、「公式記録」などは、合意形成を無用に困難にする手法です。そこで、シンプルに「双方が選ぶ司会2名が共同で公平に議事進行を行う」、「双方が登壇者を決定する」、「双方が選んだ議題を討論にかける」、「公開である以上、誰もが自由に記録をとり発信する。公式議事録については逐語で双方が確認の上公表する」。

***以下、NGO側提案***

1. イベントタイトル:プロサバンナ事業に関するJICA・NGO公開討論会
2. 目的:日本の公的資金により進められる政府開発援助プロサバンナ事業について、日本の納税者・主権者に、広く情報を提供する機会とする。
3. 日時:2019年11月22日(金)14時ー17時
←参加者を含めた十分な議論時間を確保するために、過去に外務省で行っていた「プロサバンナ事業に関する意見交換会」と同様の2時間では少ないことが判明しました。
4. 場所:参議院議員会館
←国民の代表であり、本件に関心を寄せ、双方に積極的に関わり、連絡調整にも尽力くださっている国会議員の先生の参加が容易な場所で開催する必要があります。
←なお、国会議員が参加すべきでないとのお立場であれば、その理由をお示し下さい。
5. テーマ:プロサバンナ事業について
6. 司会(議事進行):
i) 双方が各1名選出する司会が共同で行う
←ODA政策協議会方式
ii) 司会の任務は、公平な時間配分と公正で円滑な進行の実現
7. 登壇者:
i) 双方が考える適任者をそれぞれが選ぶ
ii) 人数などは双方に任せるものとする(それぞれの持ち時間の範囲内でそれぞれが対応する)
8. 参加者:
i) 「公開討論会」のため、参加したい人は誰でも参加出来る。
ii) メディアなどを含めフルオープンとする。
iii) モザンビークの政府、小農や市民社会メンバーは参加しない。
9. 進行と時間配分:
i) 14:00-16:00(2時間):JICAとNGOの登壇者間の討論にあてる(双方等分に持ち時間を分ける)
ii) 16:00-17:00(1時間):参加者を含めたオープンな討論にあてる
←ただし、参加者は発言に責任を持つために、フルオープンの場で氏名・所属を明らかにした上で、簡潔に発言する。双方司会の判断で、場合によって時間制限を設ける。
10. 記録:
i) 「公開」である以上、制限を設けない。
ii) 共通の議事録については、逐語で作成し、双方確認の上でこれを公開する。←ODA政策協議会方式
11. 備考:
i) いずれにも属さない国会議員については、発言を希望する時に自由に発言できる。その発言時間はいずれの側からも差し引かれない。
***

(5)ご意見を寄せられる際のお願い
この件に関してのやり取りを、簡潔かつ効率よく、また効果的に行うため、新しい提案や意見を出される際は、(3)の前提や(4)のNGO提案の何番のいずれについて指しているのか、明確にして下さい。また違う意見の場合は、趣旨を十分に理解するため、なぜかの理由を添えて下さい。

***


以上、日本のNGO5団体(アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター、モザンビーク開発を考える市民の会、ATTAC Japan、No to landgrab, Japan)からの返答と提案を御送りいたします。

ODA政策協議会
プロサバンナに関する意見交換会事務局



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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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