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【議事録1】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)(日本NGOプレゼン)

(院内集会)
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
〜モザンビーク、プロサバンナの事例から 議事録

1. 日時 令和1年9月4日(水曜日)15:34〜18:30

2. 場所 参議院議員会館 会議室101

3. テーマ 国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農〜モザンビーク、プロサバンナの事例から

案内→https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html
当日動画→https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be

4. プログラム

司会:高橋清貴(恵泉女学園大学/日本国際ボランティアセンター)
【1】背景「これまでのプロサバンナ事業をめぐる経緯」
渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)
【2】現状報告「現地で何が起きているのか」
コスタ・エステバオン(ナンプーラ州農民連合代表)
【3】現状報告「モザンビーク社会で何が起きているのか」
ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ(プロサバンナにノー!キャンペーン)
【4】政府代表との公開ディスカッション
井関至康(外務省国際協力局国別第三課課長
宍戸健一(JICA農村開発部)
【5】現状報告「ディスカッションを踏まえた世界潮流報告」
池上甲一(近畿大学名誉教授)
【6】オープンディスカッション

5. 議事

井上哲士議員より
・共産党の参議院議員ODAの特別委員会に所属、プロサバンナに関わっている
・今回の院内集会の場は立憲民主の石橋(通宏)議員によるアレンジ
・集会前のJICA、外務省との議論の場は井上議員によるアレンジ
・3月にもODAの特別委員会、大臣の意思で参加型意思決定のプロセスをJICAがすべきだという発言を認めたということが大事。この問題の意思決定がなされていないことが認められた。しかし今のところ形だけでコンセンサスをとろうとする姿勢が垣間見えている。
・情報開示が不十分であるという判決を受けた、プロサバンナを推進する部署の人物は、JICAの資金で雇われている人物であり、その意味からもJICAは当事者。責任を取れるかが問われる。


【1】背景「これまでのプロサバンナ事業をめぐる経緯」渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)

当日使用プレゼンテーション>http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-409.html

普段は農業や土地収奪の話を中心にしているが、今回は日本人の税金が使われ、問題とされているプロサバンナ事業に焦点を当てて話をする。

プロサバンナ事業とは?
・日本のODAで行われている、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」のこと。
・2009年9月に3カ国間で合意された。
・モザンビーク北部の3州(ナンプーラ州、ニアサ州、ザンベジア州)の1,100万ヘクタールを対象に行われる大規模農業開発プログラム。
・約400万人に直接・間接裨益するすると言われてきた。

プロサバンナ事業のコンセプト
・モザンビークの農民は「低投入であるから低生産」「土地が有効活用されていない」から、「スケールの大きな農業開発で経済発展をして、海外から農業分野への投資を呼び込みましょう。大規模な開発をしよう」という考え・コンセプト。
・1970年代にJICAがブラジルで行なったプロデセール(PRODECER)という農業開発プログラムをモザンビークでも、がベースにある。

ナカラ回廊開発とプロサバンナ事業の関係
・ナカラ回廊開発という地域全体を開発するプロジェクトとプロサバンナ事業は連動している。
・ナカラ回廊開発とは:内陸部の石炭・炭鉱と海岸部の天然ガスをつなぐ公安や道路、鉄道を整備して資源を輸出しようとする事業。その一環として「プロサバンナ事業(農業開発)」が位置している。

プロサバンナ事業の三本の柱
・ProSAVANA-PI :技術移転能力向上プロジェクト。改良品種のタネの研究などを行なっている。すでに終了している。
・ProSAVANA-PD:マスタープラン作り。2013年に終わっているはずであったが、2012年から始まった抵抗運動により、まだ終了していない。
・ProSAVANA-PEM:モデル開発事業。

ProSAVANA-PDで何が起きているのか
・2009年に合意されたのちにナカラに投資を呼び込むため、投資ファンドセミナーがJICAによって開催されていた。(ex. JICA協賛「ナカラ・ファンド発表会」(ブラジリア、2012年7月4日))
・今でこそ「小農支援」と謳っているものの、当初は投資を呼び込もうとされていて、かつその事実が隠蔽されていた。

・2012年10月よりUNAC(モザンビーク全国農民連合)から「プロサバンナに対する声明」が国際社会へ発表された。

これに対してJICA・日本政府はどのように対応しているのか?
→辺野古基地問題や福島第一原発問題への対応時などに見られた「市民を分断」する手法が、海外に輸出されているのではないか。「望まれない大型公共事業」特有の手法。

なぜJICA・日本政府はこのプロジェクトを一度白紙に戻す、ということができないのか?
・プロサバンナ事業に対して、今の時点ですでに34億円が使われている。
・そのうちProSAVANA-PD(マスタープラン作り)には7億円が2018年の段階で使われている。特に小農の抵抗運動が始まった以降にその内の4億円が使われている。(税金)

JICA・日本政府はこれに対してどのような戦略を取ってきたのか?
・2013年よりJICAが現地のコンサルタントを雇い、「コミュニケーション戦略策定プロジェクト」を設置。
・情報開示請求によって出てきた報告書(現地コンサル→JICA)によると、「モザンビーク市民社会諸組織の重要性を奪うことによって、現地で活動する外国NGOの力を削ぐことができる」「外国の諸組織の存在を問題化する」との旨が記されていた。
・2015年に現地コンサルを雇って、現地の人々がプロサバンナ事業に対してどのような意見を持っているのかを色分け(好意的であるかそうでないか)。
→JICAは「現地のコンサルタントが独自に行なったことである」と主張するが、JICAと現地コンサルの業務指示書の内容に「プロサバンナに関する対話への意欲を示しているステークホルダーを見つけ、事前協議に招待すること」という旨が記されている。
→「対話をしている」と見える状況を意図的に作り出しており、その事前協議にはプロサバンナに好意的でない人々は事前に排除されていた。

これに対し、(彼ら)はJICAの環境社会配慮ガイドラインを使って異議申し立てを行った。
→結果、「問題はなかった」。
一方で、JICAは「すべての関係者が納得をする形での参加型のプロセスでこの事業を進めましょう」と提言として謳っているものの未だそのような形にはなっていない。

2018年にモザンビーク弁護士会による訴訟
・現地のモザンビーク弁護士会(地元小農・住民や国民の代理)がモザンビーク農業省(MASA)プロサバンナ調整室に対して訴訟。訴えが全面的に認められる。
・訴えの根幹:対象地域の住民に大規模な影響を及ぼす可能性のある開発計画(プロサバンナ)の人権侵害。
→大規模な影響を及ぼす可能性があるのにも関わらず、情報開示をしないのは「知る権利」を侵害しているのではないか。
→訴えが全面的に認められ(「知る権利」が侵害されている)、判決から10日以内にモザンビーク農業省が事業に関わる資料を全面開示することを命じられた。

訴えに対するJICA・外務省のコメント
・モザンビーク国内の問題であるため、基本的にはモザンビークの問題。
・「私たちは情報開示に努めてきました」という旨のレターをモザンビーク農業省が10日以内に裁判所に提出。それに対してJICAは「モザンビーク政府部内の話であるため確認をしていません」という旨の発言。
・2018年8月1日の判決に対し、2018年9月の弁護士協会の記者会見時まで裁判の事実すらも知らなかったと主張。
→本当にJICA・外務省はこの事実について知らなかったのか?

モザンビーク農業省とJICA・外務省の関係性(定期的に行われているODA対策協議会、情報開示請求を通して見えてきたこと)
・モザンビーク農業省内にプロサバンナ調整室(ProSAVANA-HQ)が存在していて、そこにJICAはお金を出している。
・2018年8月に訴えられたのは「プロサバンナ調整室」。
・プロサバンナ調整室には三人のスタッフがいるが、そのうちのエドゥアルド・コスタ氏は先述の色分け事業を行なった人であった。
・JICAのエドゥアルド氏に対する業務指示書内には「JICAと関係ステークホルダー間の利益と狙いの調整」「JICAプロサバンナ調整官(JICAモザンビーク事務所にいるスタッフ)の活動支援」などが記載されている。
→本当に「モザンビーク国内の問題」なのか?

ProSAVANA-HQ(プロサバンナ本部)はどのようにできたのか(JICAモザンビーク事務所内のプロサバンナ調整官による「プログレスレポート」より(資料開示による))
・プロサバンナ本部の設置に向けて、JICAスタッフが事務機器の調達、車両及び運転手の確保等を行った
・現地農業省本部内にスペースがないため、JICAモザンビーク事務所内に本部を設置
→JICAの主導によって本部が設置されていた
・調整室のエドゥアルド氏に対する業務指示書には
- 「JICAに対して状況を素早く報告すること」が記載されている。
→JICAは本当に訴えについて知っていなかったのか?
- 日本政府、ブラジル政府、モザンビーク政府協議してプロジェクトを進める、のではなく「JICAの要望や意向をモザンビーク政府、ブラジル政府に伝達すること」との旨が記載されている。
→ほぼJICAのためにあるのではないか。この組織が訴えられたということはJICAにも責任があるのではないか。
→プロサバンナ本部からJICA本部に送られた資料を開示請求すると出てくる多くの資料は黒塗りであった。プロサバンナ事業に使われているお金の7割近くが人件費であるが、その人たちの業務内容は公表されない。

結論
プロサバンナ事業の問題は農業の問題であり、土地収奪の問題でもあるが、権利(知る権利)を剥奪するなど、市民を分断させる事業でもある。

—-
司会・高橋:プロサバンナの問題にずっと関わってきて、最初は開発のやり方・あり方というようなテクニカルな問題であると思っていたが、端的に言って、国家暴力の問題になっていると思う。今はそれが問われている時代。日本・モザンビーク政府が現地の農民に対して開発を押し付けるという暴力になっている。私も辺野古の基地の前で座り込みを行なっていたが、現地の人たちの声が政府に届いていかない。これは民主主義の危機である。そういったことを今日は改めて議論したい。分断はまさしく国家暴力のよくある手段。情報を隠蔽して公開をしないし、説明責任も不十分。この辺りをしっかり捉えて考えていかないとかなりまずい問題になっていることを見逃してしまう。改めて現在日本政府とモザンビーク政府が農民に対してどのような力を押し付けようとしているのか。それに対して、モザンビークからお越しの二人はどういう風にこの問題を受け止めているのか改めて聞きたい。
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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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