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【要請書】河野外務大臣宛(プロサバンナ「大臣指示」違反)

河野太郎外務大臣
cc. 梨田和也 外務省国際協力局長


プロサバンナ事業における「大臣指示」に反した事業運営(JICA資金拠出)の報告と要請

平素から日本のNGOの活動にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。

去る3月19日の参議院 政府開発援助等に関する特別委員会での「プロサバンナ事業」に関する大臣の答弁を聞かせていただきました。2018年3月1日に日本のNGOに梨田和也国際協力局長代理経由で伝達された「大臣指示」(「参加型意思決定ルールに基づく議論の実現に向けたモザンビーク政府の主体的取組を外務省・JICAは必要に応じて支援し後押していく」)を大臣自らのお言葉でお認めいただいたことについて、一同安堵しております 。

他方、ご答弁の中で、モザンビーク農業食糧安全省(以下、MASAと略す)が、「反対派を含む幅広い市民社会、農民団体を会合に招待し、丁寧な対話プロセスを実施している」として、昨年4月の会合が事例として取り上げられていました。しかし、当該会合並びにその後のJICAの資金を使った会合でも、大臣のお約束に反する事態が生じており、実際に、現地の市民社会団体ならびに農民団体から、以下のとおり抗議声明や書簡が提出され続けています。これらについては、外務省国際協力局長並びに同局国別開発第3課にも共有し、日本政府として現地からの声に答えるよう、私たち日本のNGOより要請してまいりました(以下一覧に含む)。

・ 2018年6月:プロサバンナにノー!キャンペーン声明(4月4日会合について)【大臣提出】
・ 2018年8月:MASA・JICA派遣スタッフによる州農民連合・教会関係者への付きまといへの抗議
・ 2018年10月:「キャンペーン」からMASA大臣宛書簡(10月1~5日会合不参加等について)
・ 2018年11月:「キャンペーン」から3州プラットフォーム「メカニズム」宛書簡
      (11月14、15日会合不参加等について)
・ 2019年1月:全国農民連合(UNAC)による声明(上記11月会合結果の内容拒否)【大臣提出】
・ 2019年4月:日本5NGOによる国際協力局長宛「4月3日会合中止申し入れ」【大臣提出】
・ 2019年4月:「キャンペ—ン」による「4月3日会合」に関する声明【添付1】

2018年4月の会合後、この会合の開催と進め方に対し、上記の抗議声明が「プロサバンナにノー! キャンペーン」から出されていたにもかかわらず、MASAはこれを放置し対応することなく、当該会合を根拠として、その後のプロセスを進めようと、州農民連合や教会関係者に「圧力」をかけました 。このような手法に反発を強めた「キャンペーン」がMASA大臣に会合不参加を伝えたところ、プロサバンナに関する3カ国民衆会議のために農民らが出発する前日(11月14-15日)、JICAが資金を出して形成した事業対象3州の市民社会プラットフォームの「ナカラ回廊対話調整メカニズム」 が、プロサバンナ事業を推進するための会合を開催しました。この会合は、MASAに提供されたJICAの資金で開催され、JICA派遣コンサルタントがロジスティックス面を担当しました 。

この11月会合の主催者は、州農民連合と「キャンペーン」リーダーら15名が来日中に、会合結果と称する「虚偽の声明」を新聞紙上で発表するなどの事態も生じています 。これに対し、UNAC(州農民連合を含む)が、明確かつ公式にこの声明内容を否定する声明を新聞紙上に発表したことは、FAXを通じて大臣もご承知の通りです。

この事態を重くみた州農民連合並びに「キャンペーン」の依頼により、11月以来、外務省・JICAに対し、この「虚偽の声明」を基に如何なるアクションも行わないよう、ODA政策協議会、FAX、メールなどで要請してきました。それにもかかわらず、MASAとJICAは「11月会合のフォローアップ」として位置付けられた今年1月の会合への資金拠出を再考することなく継続しました。なお、現在もJICAが公開を拒む会合開催のTORには、同月のUNACの声明に触れることなく、またこれらの組織との合意もないまま、当該会合に州農民連合が出席しマスタープラン公聴会(プロサバンナ)の推進を協議することが明記されています。

一連の会合と同様に、この1月会合は、その開催根拠において深刻な瑕疵があり、かつ州農民連合や「キャンペーン」も出席しなかったにもかかわらず、この度4月3日に開催されたMASA主催の会合では、この1月会合の結果をベースに議題が設定され、議論が求められました。

以上に見られるとおり、大臣ご指示にある「反対派を含む民主的な意思決定プロセスに基づく議論の実現」、「丁寧なプロセス」とはかけ離れた事態が、JICAの資金が使われ、その派遣スタッフが関与する形で進められています。また、これらの一連の会合の前提となる公文書(会合計画・報告書)の開示がJICAに拒否されるなど、不透明な事業運営は継続しています 。

加えて、本年4月3日の会合の冒頭、MASAヒジーノ・デ・マルーレ(Higino de Marrule)大臣が、次のように述べたと出席した「キャンペーン」関係者は証言しています 。

“Não é ético convidar alguém que não vê não nenhuma satisfação”(「会合に来ようともせず、また何ら満足を与えない者を招待するのは倫理に反している」)

この発言がなかったと証明するに足る、あるいは当日の発言を正確に記した逐語の会合記録は作成されないままに、「会合まとめ」のみが作成されている状態です。さらに、この「まとめ」はJICA派遣スタッフから一方的にPDF形式で出席者に送られ、かつ「まとめ」の内容の確認や修正の呼びかけはありませんでした。外務省国別3課は「モザンビーク農業省によると,議事まとめをメールで参加者に共有した際に担当者の連絡先を記載しており,コメントがあれば来るものと考えていたとのこと」と述べていますが、4月末に出席者から修正希望とワード版送付の依頼がされたものの、これは放置されてきました。

前頁の通り、昨年4月4日から現在まで、大臣指示の下にJICAの資金で開催され、UNACや「キャンペーン」関係者が出席したいずれのプロサバンナ会合も、その「会合記録」は恣意的かつ一方的にまとめられたものが公表されてきました。大臣指示のとおり、「丁寧」に「反対派を含む民主的意思決定プロセス」を実現するには、当然ながら、意見が異なるアクターの発言を正確に記録し、次に向けて出席者・関係者のコンセンサスを確認していく作業が不可欠となります。しかし、このような最低限のプロセスすら重視されず、異議申立や「大臣指示」の前と変わらない建前上の「対話への出席の強要」と「会合結果の歪曲」が継続しています。

つまり、外務大臣のせっかくのご指示にもかかわらず、日本の税金を無駄にした不公正な事業運営が、JICAとその支援を受けたMASAによって依然として進められています。

なお、4月3日の会合に出席した「キャンペーン」の声明(添付1)にある通り、モザンビーク弁護士会の訴えを受けたマプート地裁は、昨年8月1日にプロサバンナ事業の「国民の知る権利の侵害」を全面的に認め、MASAのプロサバンナ局に全関連文書の開示を指示しました。同判決は、モザンビーク国の憲法ならびに最近公布された「情報公開法」に基づいて下されました。しかし、同省はこれに反論するレターを発表しただけで、開示命令に一切応えていません。外務省・JICAは、判決を「モザンビーク国内のこと」として軽視していますが、これは大臣も成立にご尽力された「環境社会配慮ガイドライン」、あるいは外務省の開発協力大綱にも背を向けた姿勢といえます。

上記の声明に示されている通り、法治国家原則の徹底、そして民主的な意思決定において、FPIC(Free, Prior Informed Consent)の最初のアクションとして位置づけられる事前の情報共有は不可欠です。司法が認定したモザンビーク市民の人権(「知る権利」)の侵害を放置したまま進められようとしている点においても、プロサバンナ事業は依然として大きな問題を抱えていると言わざるを得ません。

以上から、大臣のご指示とはかけ離れた事業運営が、現在も続き、私たちの貴重な税金が無駄にされていることについて是非ご理解とご懸念いただき、以下の抜本的な対応を外務省内関係部署とJICAにご指示いただけますようお願いいたします。

1)「大臣指示」に立ち返ること

そのために、

2)現在進行させているプロセスを直ちに中止すること
3)この件にかんするJICAの資金拠出を凍結すること
また、
4)「JICA環境社会配慮ガイドライン」を遵守し、2018年8月1日にマプト地方行政裁判所により出された判決「プロサバンナ事業に関する資料の全面開示」を尊重し、実現すること

2019年5月31日


特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
ATTAC Japan
No! to landgrab, Japan
モザンビーク開発を考える市民の会

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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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