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2018年11/14JICA支援「セミナー」への参加拒否レター

  11月20-22日まで東京で開催された第4回「3カ国民衆会議」に15名のモザンビーク農民運動代表、市民社会関係者が来日する飛行機に乗る前日(11月14日ー15日)までの日程で、モザンビーク北部で「市民団体によるセミナー『プロサバンナ事業計画に関する政府との対話強化のための意見交換会』」が開催されました。わざわざ「市民団体によるセミナー」との冠が付いていますが、JICAがモザンビーク農業省を迂回する形で資金提供を行っていることが、セミナー当日に判明しました。

  11月2日に国会議員が外務省・JICAを呼び出し(日本NGO2名同席)、「3カ国民衆会議」が日本で開催されるにあたって、モザンビークから農民が来日する度に、これまでなされてきたような分断工作やモザンビーク政府関係者の招へいなどを行わないように念押しされましたが、その際に、外務省担当課長は「まったくそのようなことはない」「何も進めていない」と強調していました。

  しかし、その夜には、このJICA支援セミナーの招待状が農民団体などに送られていたことが発覚し、国会議員サイドから11月5日に情報照会と日本の公費の拠出の有無の確認(締切11月9日)がなされましたが、11月9日になっても「(回答の)準備が整っていない」という趣旨のメールが外務省から送られ、結局「JICAの資金拠出」を認める連絡が外務省から国会議員宛にきたのは、11月14日(モザンビーク時間)でした。

このセミナーの問題を指摘するモザンビーク市民社会(プロサバンナにノー! キャンペーン)のレターの翻訳が完成したので、本ブログでも紹介いたします。

                                                                  2018年11月16日 モザンビーク マプト市
Fongza
マルコス・パウロ・オマール・ド・マラル様
                                                                            参照番号:89/JA/18


件名
 市民団体によるセミナー「プロサバンナ事業計画に関する政府との対話強化のための意見交換会」招待への回答について


拝啓
 プロサバンナにノーの関連団体は、上記セミナーへの参加招待を拒否します。ご招待および、セミナーの役割およびプラットフォームとフォーラムの重要性の丁寧な説明に感謝いたします。
 招待をいただいてからお返事が遅れたことを心よりお詫び申し上げます。さて、プロサバンナにノー!キャンペーンの関連団体は、貴セミナー開催時の同月末に、日本で開催される第4回3ヵ国民衆会議へのための準備の予定があります。ところで、既にご存知だと思われますが、プロサバンナ事業に関わる主要問題は、多大な関心を要するものです。明らかに、プロサバンナ事業の推進目的の集会で解決される問題ではありません。
 プロサバンナにノー!キャンペーンは、(プロサバンナ事業の)マスタープラン完成の実行を目的とした「対話のメカニズム」の役割や正当性も認めていません。この「メカニズム」が作られた際、プロサバンナ事業に反対する団体の排除目的とした意図的な力が働いたことを想起されたいと思います。すなわち、この「メカニズム」とは、プロサバンナ事業推進の主体であるJICA(日本の国際協力機構)によって設立され、同機構から資金提供を受けてきました。「メカニズム」は、コミュニティからの聞き取り手続きが破綻しているのにも関わらずそれを正当化し、プロサバンナ事業計画を推進させることを目的としており、小農の農業に関して、そしてナカラ回廊開発に関する公開討論の促進を目的とはしておりません。
 モザンビーク・ブラジル・日本の各国政府が、意図的かつ組織的に、過去5年間に及ぶ全ての署名、情報請求、当方から提案された議論を無視し続けているという事実は既に周知の事実です。市民社会の参加とは、隠匿された方法で立案・決定された事業計画に対して、市民社会から確認をとる目的で利用される誤魔化しの手続きなどではありません。本来は、プロサバンナ事業の立案と討議の場に小農を含む市民社会が参加し、小農による農業について多数の説明要求がなされる場であるはずなのにもかかわらず、それが不可能な状態になっているのです。
 この状況下で何が変化したのでしょうか。もしくは、貴殿(Solidariedadeを含む組織、フォーラム、プラットフォームからなるグループ)によるプロセスが実施されることで、どのような変化があるというのでしょうか。忘れてはならないことですが、貴殿は、(失敗に終わっていますが)、「対話メカニズム(MCSC)」が作成し(JICAに提出した)「インセプション・レポート」において、我々キャンペーンが過激なポジションをとり、外国の利害関係者に影響を受けているなどの主張を様々な方法を用いて記し、キャンペーンが提示してきた懸念や疑問の信ぴょう性を陥れようとしました。
 モザンビーク弁護士会による訴訟の結果、マプート行政地裁は農業食料安全保障省に、市民の自由と権利-特にプロサバンナ事業によって影響を受けるコミュニティの土地、食と栄養の安全―を侵害する恐れがある団体、管理と決定に関連する公益に関する情報を、一般公開を命じたことも強調したいと思います。この裁判の判決はプロサバンナにノー!キャンペーンが、プロサバンナ事業開始時から訴え続けてきたことに法的な根拠を与えることになりました。興味深いことに、「対話メカニズム(MCSC)」は、政府が要求するプロサンナ事業の推進をするための対話——討議を含まない——に固執するばかりで、マスタープランに関係する全書類の一般公開を目的とした政府やJICAとの対話の場の設定など全く行っていません。
 何故、マスタープランの完成を望むだけの対話プロセスの促進・強化に固執しようとするのでしょうか。この対話のプロセスは、ナカラ回廊の小農による農業の発展の機会や、モザンビーク政府主導の開発手続き方法に関する議論を試みないものです。もし、政府が無制限な開発主義(資源開発主義)の原理に立脚した発展モデルに固執するのならば、プロサバンナ事業からの想定上の受益者たちを、情報の公開と、未来の小農による農業に関する議論から排除することになります。すなわち、貴殿らの対話のプロセスは、市場向け農業モデルがモザンビーク農民たちの生活に与える潜在的な影響について議論をすることが念頭におかれていません。過去5年間に示された数多の懸念やコメントを一切排除し、政府が一方的に計画した開発モデルの実施を要求するのみ対話とは、いったい何なのでしょうか。

プロサバンナにノー!キャンペーンは、モザンビークの農民による農業の発展を認める、真に開かれた民主的でインクルーシブな対話を期待しています。

以上

敬具

Justica Ambiental/ FOE Mozambique代表
プロサバンナにノー!キャンペーン
アナベラ・レーモス

農村共同体開発のためのアカデミックアクション – ADECRU (Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais)
ナンプーラ大司教区正義平和協議会 (Comissão de Justiça e Paz da Arquidiocese de Nampula-CAJUPANA)
ナカラ回廊教区正義平和協議会 (Comissão Diocesana de Justiça e Paz de Nacala―CDJPN)
女性フォーラム(Fórum Mulher –Coordenação para a Mulher no Desenvolvimento)
モザンビーク/世界女性マーチ (Marcha Mundial das Mulheres Moçambique)
環境正義(Justiça Ambiental (JA!) – Amigos da Terra Moçambique)
モザンビーク人権リーグ (Liga Moçambicana dos Direitos Humanos―LDH)
リヴァニンゴ (Livaningo)
モザンビーク農民連合 (União Nacional de Camponeses―UNAC)

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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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