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【緊急要望】政府人権侵害発言の録音提供「犯人」探し

去る8月7日に外務省国際協力局の梨田和也局長と国別開発協力第三課の井関至康課長宛に、【緊急要望】「プロサバンナ事業:ナンプーラ州農務局長の人権侵害発言録音の『犯人』探しについて」という要望を日本の5団体で提出しました。

同様の要望書は、河野太郎大臣にもお送りさせて頂いています。

このブログでも紹介している通り、「(モザンビーク北部プロサバンナ事業の中心地)ナンプーラ州農務局長の人権侵害発言」については数々の記録と録音があり、外務省の要請にしたがって録音を外務省に提出したところ、外務省はこの発言を「人権侵害」と認め(牛尾滋審議官、3月1日ODA政策協議会)、「人権侵害への対応なしにプロサバンナ事業を進めない」と約束して下さいました(牛尾滋審議官、2018年3月1日)。

*梨田局長代理・牛尾審議官との面談記録
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-320.html

ようやく日本政府が問題を認めて明確な対応を表明してくれた、と現地の皆さんと喜んだのもつかの間でした。

その後、3/1のODA政策協議会での画期的発言の逐語議事録に対し、外務省側が大幅な削減・加筆(NGO側の発言にすら手を加えた)を行うという記録「改ざん」が試みられ、現在でもこの議事録は公開されていません。

これだけでも「国民の知る権利」への大変な侵害と言えますが、州農務局長の人権侵害の録音(2017年11月6日イベント時)については、外務省とJICAは、1年以上のものでありブラジル研究者とのもの、さらには11月6日には何のイベントにも参加していないとの州農務局長の言明を繰り返し主張し、この件にきちんと向き合おうとしてきませんでした。

*この改ざん問題については、参議院石橋通宏議員と外務省のやり取りをご覧下さい。
→ http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-337.html
*また同議員による質問主意書をご覧下さい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-355.html

人権侵害をし続けるモザンビーク政府、ナンプーラ州農務局長からの報復を怖れて、当初、録音提供者やその周辺は録音された際の詳細を公開することを躊躇していました。そのために、日本のNGOからのJICA理事長宛の公開質問状では、詳細は提供していませんでした。しかし、「1年以上前のブラジル人研究者との会話」「11月6日の週に関連イベントに出席していない」「そもそもそのようなイベントは記載されていない」等のモザンビーク政府側の嘘をJICA・外務省が擁護し続けていることを知り、この録音が11月6日午前のものであったことを公開することに同意してくれました。

その勇気ある行動に対して、河野大臣の代理として日本のNGOと7/23に面談した梨田局長は、この録音が11/6に録音された証拠はどこにあるのだ、との発言をされています。つまり、録音(その内容は外務省も人権侵害だと一度は公的に認めた)があるのに人権侵害について真摯に対応しようとするどころか、人権侵害の被害者である録音提供者とその周辺を更に危険に追いやるところまで情報を提供せよと迫る一方で、加害側の州農務局長に対して自らの主張について立証するようには迫っていません。(JICAは農務局に照会した結果…とのみ言い続け、被害者側の情報を否定しています。)

*梨田和也局長の発言は以下でご確認下さい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-353.html

これは、セクハラ問題で辞任せざるを得ず、大変批判を浴びた財務省福田元事務次官と財務省の対応を同じといわざるを得ません。

そして、このように外務省・JICAが加害者側の肩を持ち続ける中、モザンビーク政府はついに録音提供者探しに動き始めているとの一報が、日本のNGOにも届いています。現地の皆さんは、大変な不安の中で暮らしています。これは明らかに外務省・JICAの過失、つまり、被害者側が人権侵害の訴えの証拠(録音と日時・状況)を提供したにもかかわらず、外務省・JICAが真摯に対応しないために起きた「二次人権被害」といえ、その被害の加害者はもはやモザンビーク政府ではなく、外務省・JICAです。

この事態を受けて、日本の5つのNGOが緊急に集まり、以下の4点の要望を含む緊急要望書を出しました。被害者保護のために詳細は公開できませんが、要望書は梨田和也局長宛で出されました。それに対して、8月21日に国別開発協力第三課(井関至康課長、河邉章子課長補佐)から返ってきたのが、以下の一行が書かれた文書でした。

「外務省としては、プロサバンナ事業が現地住民の理解を得られる形で実施されるよう、これまでもモザンビーク政府に対して働きかけるなどの取組を行っておりますところ、引き続き適切に対応してまいります」

なお4点の要望は以下のものでした。


===引用=====
【要望】


1. 三次被害を避けるため、外務省は責任をもって、以上の具体的な情報をモザンビーク政府に知らせることなく、同政府にこのような「犯人探し」を直ちに止めるよう働きかけ、これ以上の被害をくい止めること



2. NGOから提供したナンプーラ州農務局長ペドロ・ズクーラ氏による人権侵害発言の録音は、去年11月6日のものだけでなく、上述の通り、2014年7月31日のJICAコンサルタントも立ち会う形で行われた日本NGOとの面談時のものも含まれている。これについては、2015年10月より、日本のNGOから外務省にも伝え、逐語議事録・音源まで提供してきたが、上記の約束とは異なり、現在まで一切の対応がなされていない。

このような外務省・JICAの「放置」状況の中、2014年7月31日の発言から現在まで、止む事なく繰り返し続いてきたのが、ペドロ・ズクーラ州農務局長の度重なる誹謗中傷・威嚇的言動である。同局長が姿勢を改めるどころか、意を強くしていることを鑑み、外務省として早急かつ抜本的な対応措置をとること



3. この二次被害の責任は外務省・JICAにあると考える。その責任をどう取る計画か、また、今後、類似の事態を招かないための確かな措置を、モザンビークと日本国民に明らかにすること



以上の8月2日付メールでの3点の要望に加え、事態の深刻さを鑑み、NGO五団体として、以下を正式に要望します。



4. 日本政府としては、「如何なる人権侵害も許さない、それが担保されるまではプロサバンナは進めない」とのメッセージを発すること



現地で、これ以上の「犯人探し」や住民への弾圧、人権侵害が続いた場合、その責任は外務省にあります。繰り返しになりますが、外務省として、責任をもって、情報の詳細を間違ってもモザンビーク政府関係者に漏らすことのないよう、慎重なる対応をお願いします。



以上の要望4点について、8月21日までにお返事をお願いいたします。

アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター、No! to landgrab, Japan、ATTAC Japan、モザンビーク開発を考える市民の会

====引用以上===

これに対しての外務省の回答は、「引き続き適切に対応してまいります」でした。つまり、外務省の考える「適切な対応」が、現地での人権侵害の被害を拡大し続けている現実について、外務省・JICA自身に自覚がないのか、あるいは自覚がありながら事業を強行突破するために、このような詭弁を繰り返しているということになります。

この緊急要望の回答を待っている間、現地からは突然、JICAからモザンビーク農業省内に契約派遣されている現地コンサルタント(Eduardo Costa氏)とJICAと2200万円のコンサルタント契約を結んでいた現地NGO・SOLIDARIEDADE、モザンビーク農業省が、プロサバンナ事業に反対する人達を説得するために、チームを結成し各団体・個人・各地を回っているとの情報が寄せられました。これも日本政府の資金で行われています。

3月1日の牛尾審議官による「人権侵害に対応せずに前に進めない」との約束は反故にされている状態です。これまでそれなりに対応をしようとしていた牛尾滋審議官と大場雄一課長の移動発表の直後の出来事でした。

今年10月にTICAD外務大臣会合が東京で予定されており、それに向けて外務省・JICAは強行突破・既成事実化を推し進めている可能性があります。しかし、その犠牲者は現地の農民や女性、そして市民社会の健全性に押し付けられます。

現地に被害を広げ続ける日本政府による「プロサバンナ事業」、こんな事業にすでに私たちの税金の中から31億円を出していると、皆さんはご存知だったでしょうか?

ぜひJICA・外務省に「おかしい」の声を届けて下さい。
そしてJICA・外務省内の良心を持つ皆さん、このようなことに加担し続けないで下さい。

5団体一同
FAX送信表だけが来た時の悲しみ

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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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