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【議事録①】JBIC面談記録(三井物産・ナカラ鉄道の住民影響)


「財務省・NGO定期協議会で議論してきたヴァーレ社(三井物産)へのJBICの公金を使った巨額融資案件の妥当性について、現地調査に基づき、JBICとヴァーレ社(三井物産)に問題提起を行ってきました。JBICから個別に説明がしたいとのことで、面談記録の公開を前提に2度の個別面談をしてきました。

また財務省NGO定期協議会の議事録はこちら。
http://jacses.org/sdap/mof/

NGO側から提出した質問書はこちら。
財務省NGO定期協議会での報告と資料
http://www.ajf.sakura.ne.jp/lang_ja/ProSAVANA/index_mof.html

第67回財務省NGO定期協議(2018年6月14 日)質問書
http://www.ajf.sakura.ne.jp/lang_ja/ProSAVANA/mof2018/mof10.pdf

JBIC訪問議事録①

◆ナカラ鉄道開発の住民への影響に関する協議◆
2018 年 8 月 9 日(木)16:00~@JBIC
<参加者>
JBIC:畑、鈴木、伊中、高橋、
NGO:津山、秋本、高橋、渡辺
<協議内容メモ>
JBIC:事業者が安全性や生活の安全面に配慮してやってきていることがあり、昨年末時点
で、88 か所で対策をとっているということで、前回、それについて地図をお見せできても
お渡しできずに終わっているなかで、やはりああいう情報こそ、環境モニタリングをしてい
く上で、皆さんのような方々を含めてお渡しできる形が必要との指摘を受けていたし、資料
を渡して後で回収するという形だとその後の指摘もできないとのご指摘をいただいた。モ
ロモロの指摘を踏まえて、おっしゃる通りと思い、面談のあと事業者と話をして、結論から
言うと、事業者として、どういう対応をしているかの資料は出すことで了解した。ただ、事
前に言っておくと、4月の会合時にも指摘をいただいたが、皆の合意を得ながら少しずつ前
進しながらやっているんで、今日の内容も 100%ではない面もあると思うので、今把握して
いて、説明できる範囲でやらせていただきたいという趣旨。6 月での財務省との協議でも、
4月のそちらの調査に対する回答が、説明が十分でなかったので、説明をさせていただく。
最初の 88 か所の地図の説明から。前回と見てくれで変わりないが、今回はお渡しすること
が可能で、お持ち帰りいただければ。今日の説明だけでわからないところ、疑問点が追加で
でてきたら追加で聞いてもらえれば。4 月と重複する箇所もあると思うが、もう一度、同様
の説明させていただいて議論させてもらえたら。前回と違う点として、お渡しすること以外
に、旅客駅の場所を手書きで入れている。事業者に確認して記載している。そのあたりの詳
細も再度説明する。
JBIC2:地図の構成。最初の資料から順番に、鉄道の東から西に沿って作成している。最
初が、テテのモアティゼ炭鉱を始点とし、最後がナカラ港。地図を見ていただくと、広域の
地図が右にある。その赤い四角で囲ったところが大きく表示されている。図を見ると赤とか
黄色とか記号があるが、下の四角のところにその説明がある。右側に縮尺も入れた。大体の
距離がわかる。
1ページ目。モアティゼから始まる地図。赤い×が4つある。これは自動車が通れる踏切。
他に黄色の四角のなかに縞々があるのが、列車が渡る橋+脇に歩行者が渡れる通路がつい
ている。
次のページ。いくつかサインがある。順番に説明。青い人が、歩行者用の通路で、線路を渡
れるようになっているところ。茶色の人も歩行者用の横断路。違いは、茶色のほうが、踏切
がついている。赤の×は先ほど言ったとおり。四角の中に並行の横線を引いたものは、列車
用の橋+歩行者が渡れる通路。また見づらいが、中央に青の×がある。これは自動車用の横

断路。赤青ともに車両だが、青は踏切がついているのが違う。2枚目の地図からマラウィに
入っている。
3ページ目。青色の×。自動車が渡れる横断路と人が渡れる青マーク。
NGO:なぜこんなに近くにかたまっているのか。
JBIC2:他の箇所にもあるが、人口密度が高いところ、人の往来が激しいところ、また地
形の特徴を踏まえて、場所によって対策が近接したところに多数あるものもあれば、そうで
ないところもある。
JBIC:事業者も専門的視点から分析していて、単純に「3m おき」などと対応するのではな
くて、対応すべきものから優先的にやっていこうということになっている。2017 年度につ
いては、極めて重要度が高いところからやっている。人口密度や人の往来、地形など、リス
ク分析をして対応をしている。その結果、対応する箇所がある程度固まってしまっていると
ころもある。ただ、繰り返しになるが、これで対策は全てではない。優先的にやっていると
いうこと。
NGO:この地図はどこにあたるのか。
JBIC2:地名が白色の文字である。TA Liwonde。
4ページ目。四角のなかに×があるのがフェンス(Wall fence)。黄色の縞々は、先ほども
あったが列車横断橋+歩行者通路。四角に平行線が歩行者専用の橋。青い人は歩行者用横断
路。右のほうの○に井戸の井のマークのようなものはフェンス(Barrier fence)。
NGO:それぞれのフェンスは何キロメートルにわたるのか。
JBIC2:今データが手元にない。人の往来やマーケットがある場合等を配慮してあり、ケ
ースバイケース。
5ページ。青い人と×がある。歩行者用通路と自動車用通路。ここまでがマラウィ。次から
モザンビークに入る。
6ページ。旅客の駅名が、赤字で名前が書いてある。茶色の人が、踏切付きの人の横断路、
青が踏切がない殴打の。真ん中の Cuanba 近くにあるクアンバの近く、四角の茶色いサイ
ンがトンネル。
7ページ。歩行者用の通路の踏切ありなし、自動車用通路もありなしがある。地図で少し切
れているが、右側のが歩行者用通路がついた列車用の橋。
8ページ目。まんなかの四角に×がフェンス。青の人が人の横断、赤い×が車両用通路。
NGO:ここの縮尺がほかと全く違うのは。
JBIC2:ナンプーラ市にはいっているので人口密度が違い短い距離で対策しているため。
近距離で見られるような縮尺になっている。
JBIC:狭い地域でたくさん対応しているということ。
JBIC2:9ページ目。ナンプーラ駅がある。歩行者用通路の踏切ありなしのもの、トンネ
ル、自動車用の横断路などがある。真ん中の○の井が、安全柵。フェンス。緑の四角が、歩
行者用歩道橋。

10ページ。歩行者用と自動車用横断路が3つずつある。
11ページ。自動車用横断路が5つ。歩行者用は踏切あり、なしがある。
最後の地図。ナカラの港まで延びている終着部分。トンネルが2か所設置されている。
88か所の説明は以上です。
NGO:この説明は、現地ではどういう範囲で共有されているのか。
JBIC2:同じものではないと思うが、情報は公開されていると聞いてる。
JBIC:事業者が住民の方に説明する際に、同様のものが使われているときいている。
NGO:この地図は英語で書かれており、前回、言語の問題を指摘したが。
JBIC2:おっしゃるとおりで、現地ではポルトガル語、あるいは現地の言葉やっている。
NGO:今ご説明うかがっていても、それぞれの形が想像しにくい。ひとつひとのマークに
写真をつけて「こういうものなんだよ」としたほうがわかりやすいのでは。
JBIC2:こちらが前回お見せした写真。説明時にはスクリーンをもっていって、写真を見
せ、たとえば「フェンスを乗り越えないように」などの説明をしていると聞いている。
NGO:設置の妥当性が気になる。先ほど、人の往来や地形を総合的に専門的に判断と言っ
ているが、その「専門的な考え方」の説明、そここそがブラックボックスになっており、課
題かと思うが。
JBIC:詳細なリスク分析の内容について説明したい。一つ目が、市場や学校、井戸など住
民の線路の横断の可能性があるかどうか。そういうものがあるなかで対策がないと事故に
なりかねない。
NGO:その資料はあるか。
JBIC:資料はないが。現地でそういう説明をしている。
NGO:なぜここなのか、他はどうなのか。現地からの情報では、以前から問題に加え、そ
の後問題が広がっている、増えている。高橋さんがいま言ったのも、そういうなかで、先ほ
どから「プライオリティ」と言っているが、そこの説明がもう少し必要なのでは。
NGO:プライオリティの判断、基準の説明が必要ということ。
JBIC:こういう考え方に基づいて優先度を決めているという説明はしていると思うが、そ
の具体的な中身は今わからないので、どのように情報提供できるか判断する。いま申し上げ
られる範囲では、先ほどの続きになるが、線路の横断の頻度がひとつ。二つ目が線路の先に、
居住地や農地があるかどうか。所有地が存在するかどうか。三点目が、安全性という観点か
ら、堤防や斜面、見通しが悪いところ。こうしたところは、フェンスなどの措置がされる。
4つ目が、待避線や駅などで、列車が停車するかどうか。とまっているところは通れないの
で対策が必要となる。5点目が、住民による線路横断が現時点で認められているところ。6
つ目は住民から要望が寄せられているかどうか。おっしゃるとおり、リスク分析では優先度
を決めているが、明らかに抜けている場合もあるときは、事業者がきく耳もたないというこ
とではない。我々に情報をいただければ事業者に伝えたい。2017 年はいま言った、こうい
う分析に基づいて、今の資料のようにやっているのが現状。

説明を続ける。今お渡ししている資料が 2017 年 12 月末時点のもの。対策は現在進行形な
ので、場所などいま特定できないが、我々が事業者からヒアリングしている範囲で申し上げ
る。今年の対応策としては、すでに進めているなかで、また、これが最終箇所ではないが、
おおむね 60 か所をやるということで聞いている。すなわち 88 か所プラス 60 か所。
NGO:優先順位の考え方の話をされていたが、今後リスク分析の要素として住民の要望が
あれば、リスク度があがると。要望があれば対応するという姿勢であるということか。
JBIC:おっしゃるとおり。我々に伝えていただければ事業者に伝えていきたい。60 か所は
横断路や歩道橋などをつくるということで考えていると聞いている。すでに今年の対応の
半分弱くらいは終わっていると思う。2018 年が終われば、年何したのかを、また正確なレ
ビューをしたい。
NGO:費用は事業主体負担か。
JBIC:そう。
NGO:踏切がないところは住民が線路を渡っている現状が続いているということか。
JBIC2:人が特に多いところに、人を配置して、渡らせないなどの対応をしているが、そ
えでも渡るという現状はあると思う。
NGO:暮らしていれば渡らざるを得ないところがあると思うのだが。
JBIC2:あっちに行くと踏切があるから線路ではなくてそちらを渡ってくれなどしている。
NGO:それが現実的なのかどうか。各踏切りの間に 50km あるとすれば、そこまで行くの
は無理。
JBIC2:列車の運行頻度もお知らせするなどしている。いつ通行するかを把握しているの
で、モニターの方に連絡をして、列車が近づくと人を止めたり、列車がいないときには渡っ
てもらうなどしているそう。ただ、もちろん、人を配置していないところ、危ないところは
あると思うので対応したい。
JBIC:おっしゃるとおり 900km は長い。そのなかで、今 140 か所。現時点で全てのリス
クに対応できているわけではないので、こういうご意見をいただきながら、ぜひやっていき
たい。
NGO:貨物だが、先ほどおっしゃったとおり、いつ来るかわかれば知らせるということだ
が、現地の調査では、24 時間昼夜問わず、毎時通るということだが、日に何便が何車両通
過するといった情報はあるのか。前回、旅客も週に一度の往来になっていて、それも調べて
ほしいと言っていたが。
NGO:通過する時間も決まっているのか。
JBIC2:確認する。
JBIC:貨物の頻度は確認する。旅客は、現地のほうで時刻表 HP に公開されているとのこ
となので、それも確認しておく。
NGO:旅客が一週間に一回だけになったばかりに、高齢者や女性が乗れない、常に満員で
危険ということで聞いている。それは前回もお伝えした。それプラス、これまでのように農

作物が売れずに収入が減っているという状況もある。
JBIC:全員にまんべんなくということではないと思うが、事業者も農業支援をやると聞い
ている。貨物が頻繁に走るなかで、一部ビジネスの機会を失った方がいると聞き、事業者に
伝えているので、引き続き我々も現地でモニタリングに行く機会があるので、その中で確認
していきたい。
NGO:前回以降、いつモニタリングに行ったのか。
JBIC:今年の6月に当行の職員が行っている。そこは前回の財務省との協議会時の質問へ
の回答にもつながるので、そのなかで話そうと思ったが、いま話に出たので、実際のモニタ
リングに関する説明をさせていただきたい。
NGO:それは文章ではいただけないのか。
JBIC:それはない。
NGO:日程とか詳細も入れて話してもらえれば。
JBIC:日程。現地で活動した日は、6月11日月曜日から14日まで。我々の職員が計 3
名行っている。
NGO:ナカラ鉄道にいたのがその日程ということか。
JBIC:事業者インタビューなど事業内容の確認のためにいた日程。
NGO:それはナンプーラ内にいたということか。
JBIC2:11 日にナンプーラに入り、周辺を含めて住民が住まれている地域と、別に、港の
地域にも行っていた。
JBIC:港の周辺と、ナンプーラという人口が多い地域の周辺を含めて、特に住民の移転先
コミュニティを確認してきた。まず港について。廃棄物処分や貯炭場など、環境センシティ
ブな地域を訪問して、環境配慮に関するモニタリングをした。もうひとつが、住民移転先の
コミュニティ。協議会の場でも指摘のあるとおり、補償や住居が適切な方に適切になされて
いるのかが重要なのでということで。ナンプーラ市、Namina、リバウエ、マレマを、全部
ではないが住民移転して住んでいらっしゃるところを訪問して聞いてきたのが活動の成果。
どういうふうな話があったのか。何を確認してきたのか。複数の移転先を訪問してきた。事
業者が住居の提供をしているか、そういうことに加えて、井戸とか排水路、農業支援、そう
いうことをきちんと行っているかを確認してきた。現地に行ってわかったことは、JBIC2
からも鉄道の安全性、セキュリティモニターといって、現地の人を雇用して安全面を確認し
ているのと同様、これも現地の住民を雇用して、ソーシャルモニターが住民からの苦情など
を聞いて、事業者に伝えて反映していることをしている。ただ、我々も行ってわかったこと
は、インタビューもしたが、事業者も 100%モニタリングに慣れているわけではないなかで、
対応がパーフェクトではないことは確認されている。たとえば、協議会の質問でもあったが、
住居の雨漏りや壁のひび割れは改善の必要性、要望が実際に確認された。事業者は自分たち
が建設したものの不具合についてはきちんと対応するということ。我々が確認したコミュ
ニティでは、長らく要望があったのに対応できていないということは確認できなかったが、

そういう要望があったことは確認できた。
あとは、鉄道安全性について。人口が多いエリアについて、セキュリティモニターをやって
いて、おっしゃるとおり距離上の限界はあるが、列車を止める、住民を止めるということを
やっている。あとはこれまでマレマとリバウエの状況の指摘があったが、鉄道安全性に対し
て、資料のなかでそこが反映されていないが、2018 年の対応として、歩道橋や住民の渡れ
る横断路の設置をしている、あるいはこれからする段取りが確認できた。繰り返しになるが、
それでカンペキではないが、両郡についても事業者が対応し始めているところは確認でき
た。これらが6月に把握できたこと。簡単ではあるが。
NGO:我々もこうした協議の結果を現地に報告する責任があるが、モニタリングにはいる
ことで公平性やオープンな情報を提供していけるといいので、できたら、こうした情報は文
書にしていただいた方がいいと思うが。我々も現地に行ったら報告を書く。いま状況を改善
する必要性は双方で合意していて、モニタリングしているならば、ファクトファインディン
グを現地に伝える必要がある。
JBIC:書面でお出しすると伝えることがどうしてもかぎられる。生の情報は口頭のやりと
りのほうが実りあると思っている。いまおっしゃったことは検討したいが、こちらの事情も
わかってもらえれば。
NGO:旅客の頻度などについてのモニタリングは。
JBIC2:運行頻度は今回の出張時に、ご指摘を完全に理解できていなかったようで、どち
らかというと、住民の補償や移転の状況、生活への影響を調べてきた。事業者に確認してい
るので・・
NGO:旅客本数の減少の影響を受けて、生活が悪化していると現地で聞いて、それをこれ
まで伝えていた。我々は、住民の目で見ていること、この列車は住民が使えない、というこ
とを聞いている。それでこの事業が非難的で見られる。この鉄道開発で住民の利便性があが
るというならば、何便旅客があるのか、一般の人がどの程度使っているのか、その情報はわ
かると思うのだが。それを確認していないというのはどういうことなのか。住民は「列車が
通る」となれば期待する。それなのに、今まで使えていたものがなくなる。そうしたら反対
して当然。携わった事業者の住民への説明も、「発展する、便利になる」としていた可能性
がある。実際、家や農地の約束もあった。住民は「発展するならば OK」とすると思う。し
かし結果としてそうなっていないという報告をここでしている。住民にとって、鉄道が何の
ためなのか。利便性があると言われれば、旅客が乗れる頻度がどのくらいかまず調べてしか
るべき。今把握できていないこと自体がどういうことなのかと思う。

JBIC訪問議事録②へ続く→ http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-352.html

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MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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