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【和訳完成→国際報道】アルジャジーラでプロサバンナの報道

2018年2月12日に掲載されたアルジャジーラの記事の和訳が完成しました。
ぜひご一読下さい。

なお、記事に出てくるJICA責任者についての関連記事は下記をご覧下さい。
【公開】JICAのプロサバンナ事業の現地責任者(国際報道・リーク文書)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-308.html

また、記事の最後の方に「我々は協力したいと熱望しています」とインタビューに答えている「ナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOCS-N)」のアントニオ・ムトゥア氏は、下記のモザンビーク市民社会組織の抗議声明や日本の国会での質疑などでも明らかな通り、プロサバンナ事業の一貫で、JICAモザンビーク事務所が約2200万円のコンサルタント契約した人物です。記事にその旨書かれておらず、「市民社会の代表」として人物紹介されていることは問題と考えます。

詳細は整理して改めてご紹介いたしますが、ひとまず下記のJICA文書をご覧下さい。
国会議員の情報請求によって開示された
JICAとムトゥア氏(SOLIDARIEDADE)のコンサルタント契約書(2016年11月)
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/130.pdf


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【国際報道】アルジャジーラでプロサバンナの報道
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-307.html

ナカラリにおけるモザンビーク小農たちの土地を守るための闘い


モザンビーク、ナカラリ - 政府関係者が村に来て紙に署名するように頼んだとき、エレナ・ビトーはプロサバンナ事業について耳にしたことがなかった。 彼女は署名を拒否し、今日、署名しなかったことを幸運に思っている。

ビトーはアルジャジーラに次のように語った。「彼らは何を提案しているのかよく分かりませんでした。私に収穫を改善する農具を提供すると言いましたが、同時に、彼らは私が普段栽培している作物の品種を変えさせたかったのです」。

その40代の女性農民はモザンビーク北部のナカラリに住んでいる。 彼女は、家族のマシャンバ(machamba農園)、つまり0.5ヘクタールほどの土地で、ピーナッツ、トウモロコシ、キャッサバを栽培しながら、4人の子供を育てている。

この村は、1450万ヘクタールにわたって広がるナカラ回廊の中心に位置する。この回廊地域で、政府は「モザンビーク熱帯サバンナの農業開発のための三角協力計画(プロサバンナ事業として一般的に知られている)」を実施したいと考えている。

このプロジェクトは、全回廊地域を商業農業に転換し、生産性を高め、大豆、綿、トウモロコシなどの現金作物を輸出用に生産することを目指している。

その回廊地域を横断し、インド洋に面するナカラ港と結ぶ鉄道は、世界最大の大豆輸入国である中国をはじめとする世界市場に進出するのに非常に適しているようである。

政府はプロサバンナが小規模農家に利益をもたらすと公言しているが、地域の多くの農家は外国企業の進出によって土地を失うことを恐れている。

モザンビークの法律によると、土地は国家によって所有されている。 農家やコミュニティは、慣習的な土地占有に基づき、土地を利用することができる。 しかしこの場合、彼らは、DUAT(Direito do Uso e Aproveitamento da Terraの頭字語)として知られる「土地の使用権と土地の利益」を記載した文書が必要である。 誰もがDUATを持っているわけではなく、これらの農村地域のすべての人がその実際の価値を十分に認識しているわけでもない。

ビトーの畑から遠く離れていないナカラリのコミュニティでは、DUATをブラジルとポルトガルの企業であるアグロモス社(AgroMoz)に譲渡し、現在、アグロモス社は10,000ヘクタールの大豆を生産している。

「彼らは最小限の補償を受け、気づくと土地を失っていた。彼らの多くは最終的に農業をやめて、どこか別の場所に移り住んでしまいました」と、村の書記長・アゴスティーニョ・モセルネアは述べた。「アグロモス社の事例を通して、この教訓を得ました。私たちは決してプロサバナ事業を受け入れません」。

プロサバンナ事業は1970年代後半から1990年代にかけて、日本からの支援を受け、(ブラジル)マトグロッソ州の「非生産的な」土地を穀倉地帯と大豆生産地域に変えたブラジルのセラード開発計画を参考に立案された。

プロサバンナは、日本の国際協力機構(JICA)とブラジル協力庁(ACB)が関与する三角協力である。依然としてインプレメンテーションされていないが、このプロジェクトはすでに大きな論争を引き起こしている。

「プロサバンナ事業は、地域に住む人々の関与なしに秘密裏に話し合われてきた」と、農村コミュニティを支援するマプトに拠点を置くNGO・ADECRUの責任者、ジェレミアス・ヴンジャニェは語った。

「このプログラムについて初めて耳にしたのは、ブラジルの新聞のインタビューで、ジョゼ・パシェコ農業相(当時)が30年前のブラジルでの経験を再現したいと主張した記事を通してでした」。

同じ記事の中には、モザンビークへの移住という考えに熱心に興味を示すブラジルの起業家たちが取り上げられていた。彼らは、低価格で(モザンビークの)土地を借料することができると確約されていたのである。

マト・グロッソ綿生産者協会会長・カルロス・エルネスト・アウグスチンは、モザンビークは「アフリカの中心部に位置するマトグロッソ」で、環境規制のないタダ同然の土地があり、中国への貨物輸送が安価であると発言している。

それ以来、「Nao ao ProSavana(プロサバンナにノー!)」というキャンペーンが立ち上げられ、このプロジェクトへの反対運動が行われてきた。 ヴンジャニェは、その他のアクティビスト(活動家)、農民団体、宗教指導者と共に情報を収集し、地域社会でのアドボカシー活動を行うために、この地域を行き来している。

運動は、首都マプト、ナカラ回廊の最大領域を包含するナンプーラ州において組織されている。 「私たちは、政府にもっと情報を共有するよう促しました。政府は外国企業に私たちの土地を貸し出したいとの意向でしたが、私たちはそれを受け入れることはできませんでした。 すでに私たち自身のための土地が不足しているからです」。モザンビークの全国農民連合(Uniao Nacional de Camponeses:UNAC)のナンプーラ州代表であるコスタ・エステバンは語った。

地域の草の根運動として始まった、このキャンペーンは勢いを増していった。 2014年には、23のモザンビーク市民社会組織と43の国際組織が、日本、ブラジル、モザンビークの各国政府に対する公開書簡に署名し、「情報の不透明性と広範なる公衆が参加する協議の欠如」について異議を訴えた。このような公開書簡を通したアドボカシー活動は成功を収めた。

日本の市民社会の一部もこのキャンペーンに参加するようになり、東京にある国会議事堂でようやく議論が行われた。 国際協力機構(JICA)は、多くの組織からこの計画に対する懸念が表明された結果、初期の計画案を見直した。

「当初は、マトグロッソ・モデルを再現したかったのです。 しかし、時間の経過とともに、現地での条件が違うことを認識しました。この地域には、人口が著しく密集しており、ニーズも同じではありません。 現在、私たちは小農たちに焦点を当てています」。 JICA事務所で、プロサバンナ事業の責任者・横山浩士は、「より多くの作物を生産し、国家の食料主権を向上させるために必要なノウハウを彼らに提供したいのです」と語った。

首都マプトの中心にあるJICA事務所で、この責任者はいくつかの「問題と遅れが生じている」ことを認識するものの、依然として計画は前進するであろうとの自信をみせた。

一方、モザンビーク政府は農民たちを土地から追い出すつもりはないと発言している。
農業省で、プロサバンナ事業の国内コーディネーター・アントニオ・リンバウは、「地元の農民を土地から立ち退かせることや、外国企業に土地を賃貸するつもりは決してなかった」と語った。

「プロジェクトの実際の目標が誤解されています。プロサバンナ事業は農業を支援する計画です。総合的な手法の下、小規模、中規模、大規模な農家に利益がもたらされます。我々は開発を強化していきたいと考えています」とリンバウは付け加えた。

国内コーディネーターは、プロサバンナ事業が再開される見通しでいるとの見解を示した。「プロサバンナ事業は現在停止していますが、じきに再開されます」。

しかし、当初の非常に野心的な目標の規模は縮小された。マトグロッソから来るとされていたブラジルの起業家は参入してこなかった。日本が確約した資金はいまだ凍結されている。 新しいマスタープランは作成途中。「私たちは議論に地域社会を巻き込んでいます」とリンバウは述べた。

「政府は単体でことを決定できると考えていたため、私たちは多くのプロジェクトで失敗してきました。新しいドラフトは姿勢の変化を示しました」。 ナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOSC-N)の代表であるアントニオ・ムトゥアは述べた。「地域のニーズを考慮した新しいフレームワークで、我々は協力したいと熱望しています」。

「私たちは間違いなく大きな勝利を得ている」と、ヴンジャニェは述べた。 「人々の参画によって、政府は方針を変え、外国企業への土地の譲渡を停止しましたが、元の考えは変わっていないのではないかと懸念しています。引き続き政府の動向を注視していく必要があります」と、彼は付け加えた。

英国のミルトンケインズのオープン大学(Open University)の教授で、モザンビークの専門家であるジョセフ・ハンロンは、「プロサバンナにノー!キャンペーンは、モザンビークで最も成功した市民運動キャンペーンの一つであり、地元団体と国際NGOのアライアンスによって政策を変えることができると証明した」と述べた。

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「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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