Entries

【本日提出】公開質問状(プロサバンナ事業の州農務局長の発言内容)のご回答 を踏まえた要請と追加質問

先般からこのサイトでも紹介してきたモザンビークの州農務局長の発言の問題に加え、JICAがプロサバンナ事業で契約したコンサルタント企業(MAJOL社)の発言内容が録音で確認されたことを受けて、日本の5団体からJICA理事長宛に追加の「公開質問状」が提出されています。詳細は、下記をご確認下さい。

******

2018年2月27日

独立行政法人 国際協力機構(JICA)
理事長 北岡伸一様

cc. 外務省国際協力局
局長 梨田和也様


公開質問状(プロサバンナ事業の州農務局長の発言内容)のご回答を踏まえた要請と追加質問

 平素より日本の市民・NGOによる政府開発援助事業へのモニタリングについて、ご理解とご協力をありがとうございます。
 
 2018年2月8日付「公開質問:プロサバンナ事業の州農務局長の発言内容」について 、先般2月15日に部分回答を頂きましてありがとうございます 。
 
 署名団体内で回覧させていただきましたが、ペドロ・ズクーラ ナンプーラ州農務局長による発言の録音内容の確認については、ご回答の3)で「ご指摘の録音の内容については、改めて回答させていただきます。ご理解いただければ幸いです」と書かれており、本日までお待ちしている状態ですが、追加のご回答は頂けていない状態です。3月1日にODA政策協議会が予定されているため、お手数をおかけしますが、前日2月28日中のご回答をお願いいたします。
 
 なお、同州農務局長の録音に加え、2月16日には、プロサバンナ事業のマスタープラン策定支援プロジェクト(ProSAVANA-PD、「ステークホルダー(市民社会)関与プロジェクト Stakeholder Engagement Project」、2015年11月〜2016年3月)下でJICAが契約した地元コンサルタント企業MAJOL社 によるモザンビーク市民社会組織との「個別協議」時の発言録音(2015年11月)も公開されました 。

 この録音では、同じ署名団体から2016年1月25日に理事長宛に送付いたしました公開質問状「プロサバンナ事業における「市民社会の関与プロジェクト」及びJICA契約現地企業MAJOL社について」で問いあわせた MAJOL社コンサルタントの発言概要と同様の発言が確認できます 。同公開質問状より、以下に一部引用します。全文は、添付をご確認下さい。

質問2: MAJOL社がこれまで現地市民社会に行ってきた以下の言動について、それぞれ事実確認の上、ご回答下さい。
(1) MAJOL社は2015年11月より、市民社会・農民組織と「個別協議」を行っていますが、その協議対象先の団体名・組織名をすべて教えて下さい。(後略)

(2) 上記「個別協議」の際に、複数の団体に対する説明において、MAJOL社のコンサルタントらは、①~③のことを「JICAの方針・考え」として引用し、発言したことが記録されています。これらが実際に「JICAの方針・考え」であるか否かについてご回答下さい。
①JICAとしては、もし市民社会と良い形で仕事ができないのなら、プロサバンナは中断し余所に行くとまで言っている。日本の市民社会と国会の一部に対して、この事業を継続することにおいて正当性を得ることに非常な困難に直面するところにまできたからだという。
②もう一度市民社会をテーブルに着かせることで、この壁を壊す(事業を前進させる)のが、「このキャンペーン(MAJOL社との契約による諸活動)」の裏のモチベーションである。JICAは、この「混乱(mess)」を片付けて、早く仕事ができるようにしたいと言っている。また、もし国会が合意した予算が実行に移されないのであれば、JICAは援助機関として失敗したことになる。となれば、JICAは将来的にどの援助予算も確保できなくなる。
③ JICAとしては、「プロサバンナをやるか、やらないか」について、モザンビーク人同士で席に着いて話し合ってもらい、間違いを知りたい。反対意見の人の意見も聞きたい。その上で、「プロサバンナを前に進める、あるいは閉じるか決めたい」と言っている。


 今回入手した録音では、上記①~③について確認することができます 。また、加えて以下の発言も確認されました 。

(ア) JICAは対話が前に進むのをみたいと考えている。でなければ、この現状は、JICA現場ユニットに悪い影響をもたらすからである。これは国会で承認された予算が使えないことを意味する
(イ) 日本の次の会計年度が4月1日に始まるまでに、資金を使ってしまうことができるだろうか?このような官僚的な考え。
(ウ) それがJICAのモチベーションだ。つまり、「キャンペーン(プロサバンナにノー)」の背後にまわって、硬直状態を破る。そして、全員を再び対話のテーブルにつける。
(エ) 日本人からみて、この資金が使われないとしても大きな関心事ではない。余所で使えばいいからだ。…しかし、彼らは東洋人で、メンツが潰れることを大変懸念するのは、承知のとおり。
(オ) 国会が決定したプログラムをインプレメンテーションできず、予算を使えないということであれば、誰も将来のキャリアの保証は得られなくなる。


 詳細は音源、ないしは添付する文字起こしや逐語翻訳をご確認頂ければ幸いです。

 ご承知の通り、「プロサバンナにノー! キャンペーン」や事業対象地の農民組織は、JICAとMAJOL社のコンサルタント契約によって、モザンビーク市民社会への介入と分断、とりわけ「キャンペーン」加盟団体の周辺化が行われたと訴えてきました 。しかし、2016年2月19日の第15回「ProSAVANA事業に関する意見交換会」では、JICA農村開発部(田和正裕次長、当時)は、上記の公開質問状への口頭回答の際、「MAJOL社は現地の農民組織、市民社会団体の意向を尊重して、彼らの発意による主体的な議論の場の設定の支援を行ったと我々は理解している。MAJOL社は独立して農民組織、市民社会団体のコミュニケーションを図っている。MAJOL社の発言の一言一句をJICAが指示しているものではない」と答え、かつ「MAJOL社には録音がない」ために確認不可能とのことでした 。

 今回、録音が公開されたことを受けて、この確認が可能であり、かつその内容がナンプーラ州農務局長の発言と同様に 、大変深刻なものとなっておりますので、事業責任母体のJICAの組織としての事実確認が不可欠と考え、追加で下記の質問をさせて頂く所存です。

【追加質問】
1)添付の文字起こしと逐語仮訳の正確性についてのご確認。これらに間違いがある場合は、具体的にご指摘下さい。ご指摘がない場合、この内容でMAJOL社のコンサルタントが説明を行ったと理解いたします。

2)添付の録音内容を踏まえ、MAJOL社の説明内容で事実誤認があれば、具体的にご指摘下さい。その場合、JICA担当者が実際MAJOLに行った説明内容を具体的にご教示ください。

 この録音における「キャンペーンの背後にまわり、全員をもう一度テーブルにつける」を踏まえると、当時(2016年1〜8月)の時点で、モザンビークの農民組織や「キャンペーン」、あるいは日本のNGOが指摘してきたとおりのこと(市民社会への介入)が、JICAの契約企業によって行われていたことになります。万一、JICAとしてそのような説明を行っていないとしても、この録音からは、契約コンサルタントはこのように事業の表と裏の目的を説明されたと言及し、そう理解していることが分かります。実際のMAJOL社のレポート(リーク版)なども、それを裏づけています 。

これを受けて、最後にもう一点質問させていただきます。

3)2月16日付で頂いたご回答では、「異議申立審査結果の提言を重く受け止めている」と書かれていました。一方で、同審査結果の「第4章対話の促進に関する現状と審査役の提言」においては、「(1) 当事者間の認識の違いとその背景」の項が設けられ、「一連の政府側関係者の言動によって、申立人らの不安感、不信感が増幅された可能性が高い。その後より的確な事業理解を促進する意図で計画・実施された『コミュニケーション戦略の実施』による広報活動や、『ドラフト・ゼロ』に係る公聴会などの政府・JICA 側の試みも、申立人らの不信感を募らせる結果に終わり、事業内容そのものに対する理解がほとんど進まなかったことがうかがえる」と指摘、「こうした対立的状況に至った背景について理解し、問題解決に向けた改善策を提案するためにも、審査役は、今一度申立人の訴えに立ち戻って検討することがガイドラインの理念に叶う」との考えが提示され「一歩ずつ信頼関係が醸成されていくことが期待される」と結ばれています(P30~33)。これを踏まえ、今回の録音における内容について、JICAとしてどのように「申立人の訴えに立ち戻り」「信頼関係の醸成」に努めるのか。

 以上、前回「公開質問状」の残りについて2月28日中のご回答を要請するとともに、上記の追加質問についてのご回答を3月6日までにお願い申し上げます

署名団体:
(特定非営利活動法人)アフリカ日本協議会、(特定非営利活動法人)日本国際ボランティアセンター、ATTAC JAPAN、No! to landgrab, Japan、モザンビーク開発を考える市民の会


注;
1 http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-302.html
2 http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-309.html
3 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/index_docs.html この契約の問題は、異議申立の追加資料に詳しい。なお、審査の段階ではこの録音は公開されていなかった。【基本文書】JICA契約問題(ステークホルタ゛ー関与MAJOL)追加資料(概要・論点・資料一覧)[その1] http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/0904_cover.pdf
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/0902_01.pdf
【基本文書】JICA契約問題(ステークホルタ゛ー関与MAJOL)追加資料(概要・論点・資料一覧)[その2] http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/0918_01.pdf
【基本文書】JICA契約問題(ステークホルタ゛ー関与MAJOL)追加資料(概要・論点・資料一覧)[その3] http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/1006.pdf
4 https://www.youtube.com/watch?v=2vIAVPF8pd0
5 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/09_011.pdf 該当部分抜粋。
6 本状添付「逐語仮訳」下線部分。
7 本状添付「逐語仮訳」赤字。
8 「プロサバンナにノー!キャンペーン」は、プロサバンナの対話における不正を糾弾する(2016年2月19日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/data/20160219-prosavana-statement.pdf
「プロサバンナにノー」キャンペーンによる合意形成と抵抗に関する会議結果要約(2016年5月7日)、http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/iraq/data/20160725-prosavana.pdf
9 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/09_005.pdf その他、アフリカ部から左近充直人・アフリカ第三課調査役、農村開発部から天目石慎二郎・第2グループ第4チーム課長、野口拓馬第2グループ第4チーム調査役、宇那木智子第2グループ第4チーム調査役が参加。外務省からは、今福考男・国際協力局国別開発協力第三課長、垂井俊課長補佐が参加。
10 当該公開質問状。http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-302.html
11 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/09_033.pdf
12 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/1006_352.pdf
13 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/1006_353.pdf
14 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20171112/1006_37.pdf これらのリーク文書に基づき、TICADケニア会議時に、2016年8月27日付で「3カ国市民社会によるプロサバンナ事業に関する共同抗議声明・公開質問 ~政府文書の公開を受けて~」を発表し、JICAと外務省に提出している。http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/2016/08/20160829-prosavana-ticadvi.html

スポンサーサイト

Appendix

最新記事

カテゴリ

プロフィール

MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR