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【議事録】ODA政策協議会でのモザンビークの隠れ債務・人権問題に関する外務省との議論

先日紹介した定期協議会では、ナカラ回廊やプロサバンナ事業についても議論されたので、こちらにその記録を紹介しておきます。長いので二つに分けます。

まずはモザンビークの「巨額の隠し債務(200億円)」問題と人権・ガバナンス・民主主義の問題に関する外務省の認識(情報収集手法を含め)に関するやり取りです。非常に面白いやり取りとなっているので、ぜひご一読ください。


*なおビザ問題についてはこちらをご覧下さい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-299.html

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平成29年度(2017年度)NGO・外務省定期協議会
第2回ODA政策協議会
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/shimin/page22_000790.html

日時:2017年12月13日(水曜日)14時00分~16時00分
場所:外務省南国際大会議室893号室

(1)日本によるナカラ経済回廊開発と社会的影響(35分)
【渡辺直子 日本国際ボランティアセンター南アフリカ事業担当兼地域開発グループマネージャー】
【金子万里子 アフリカ部アフリカ第二課長,大場雄一 国際協力局国別開発協力第三課長】

<<NGO議案書>>
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/oda/2017121301.pdf
<<別添資料>>
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/oda/2017071102.pdf

<<議事録その1>>
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000326817.pdf

●渡辺(日本国際ボランティアセンター 南アフリカ事業担当兼地域開発グループマネー ジャー)
ありがとうございます。日本国際ボランティアセンターの渡辺です。

私のほうからは、「日本によるナカラ経済回廊開発と社会的影響」ということで、これま でもビザの件で話題に上っていましたモザンビーク北部における日本のODA事業について の議論です。

この議題を投げさせていただいたのは、ドナー国として被援助国のガバナンスにどう取 り組むのか、またその責任というのをどのように果たすのかというのを、これまでもこの 協議会で何度も議論をしてまいりました。そういう中で、結局、状況が変わらない、むし ろ悪化しているということもありまして、そういう状況の変化も受けて、改めて議論をさ せていただきたく議題提案をしました。

ポイントとしては、いろいろな事業において今後進めていく、進めていかないがわから ないのですけれども、どのように現地の人々との信頼関係を醸成していくのかということ と、これまでもここで何度も訴えてきているのですけれども、現地の人たちの人権侵害と いうものをどのように捉えて、きちんと理解をして、把握をして対応するのかということ の具体策を改めて確認をしておきたいと考えています。

背景としましては、案件としては1つがナカラ経済回廊開発です。PEDEC-Nacalaというも のがあるのですけれども、こちらはモザンビークの北部5州で行われています。もう一つ、 それと連動して、PEDEC-Nacalaが包摂している事業の一つとして、農業開発のプログラム として今日も話題になっているプロサバンナというものがあります。これらがこの間進め られてきました。

それは、官民連携というPPPのもとに進められてきて、投資というものがこの地域に非常 に多く入っているわけですけれども、これについてNGO側としては、この協議会で協議を開 始させていただいてから、2013年から、私は今年ビザの都合で入れなくなったわけですけ れども、現地に10回ぐらい赴いて、現地の市民社会あるいは農民たちと実態調査を行って、エビデンスあるいはファクトベースでそういった状況を伝えてきました。

現地から見られる状況としては、今申し上げているのは、こういったナカラ経済回廊開 発だったり、あとプロサバンナを行う中で、現地の状況としては被害が確認されています。 両方についてはこの協議会でも既にお伝えしてきたので、詳しいことは言わないのですけ れども、それはファクトベース、エビデンスベースできちんとお伝えしてきたということ があります。それで、対応していかないと状況は悪化していくということで警鐘を鳴らし てきた、あるいは対応をお願いしてきたのですけれども、結局はそれが改善されないばか
りか、悪化していきました。

さらには、事業実施主体であるJICAの社会介入、現地市民社会の分断とも思えるような事態が発生したので、現地の農民たちがプロサバンナ事業に対し、異議申し立てという最 終手段ともとれるようなことをこの4月にしたところです。それは、現地で弾圧だったり、 脅迫だったり、いろいろなことが事業下で起きる中で、非常に怖い思いをしながら彼らは 行いました。その結果が、11月1日に、異議申し立てに対して、JICAの環境社会配慮ガイド ラインの違反はなしということで結論が出ています。

我々としては、結論どうこうというよりは、そこまで追い詰められるような状況にこの 事業がなっていった。私も現地で調査をする中で、明らかに目に見える被害が起きている、 現地がそのような状況になっていったということを踏まえて議論をしたいと思っています。
異議申し立てについても、ここの2ページにあるのですけれども、ガイドライン違反はな しということでそのまま進めていいということにはなっていません。ここに書いてあると おり、異議申し立ての審査結果においても、当事者間、政府側と事業対象者である農民の 間の認識の違いと、その背景についての理解を深めること、そして、きちんと信頼関係を 築くことが今後事業を進めていく上で大前提だと言われています。

ただ、このガイドライン違反なしとなったその直後に、現場のほうでこの異議申し立て をした農民や市民社会のことを批判する発言を、ナンプーラ州、事業対象州の農務局長が しています。既にそういった事態が起きています。なので、やはりガイドライン違反がな いというふうに出たことのリパーカッションというか、反応というのは既に出始めていま すし、そのことの影響の大きさというのは、やはり監督省庁である外務省としては承知し ておいていただきたいと考えています。

一方で、この議題を出していることの一つとしては、モザンビーク政府のガバナンスの 悪化というものがありまして、それが全く状況は変わっていない。ガイドライン違反なし と出たものの、別にガバナンスの状況が変わったわけではないということがもう一つある かと思います。

一つには、財務、借款にかかわることですけれども、2016年4月に債務隠しというのが発 覚して、それがいまだ解決されていません。もう1年半以上たちますが、アメリカのFBIま で入るほどの事態になって悪化をしていることがあります。また、来年選挙を迎えるわけ ですけれども、その中でナンプーラ州の市長が暗殺されるということで、治安状況、社会状況の不安が増大しています。 そういう中で、いま一度、ドナー国として、ガバナンスに対する取り組み、責任というものを議論したくて、3ページにある質問というのを投げさせていただいています。

1つ目については、モザンビーク全体のガバナンス状況への見解と、どのような方法でそ れを行っているのかということ。
もう一つは、債務隠しに関する説明と見解です。あと、 日本としてもこの事態は見逃せないということで借款をとめているわけですけれども、今後どうしていくのかということをお聞きできればなと思います。 もう一つは、プロサバンナ事業ということで、プロサバンナ事業の異議申し立てそのものへの見解ではなくて、異議申し立てがあったことへの見解と、その結果を受けて今後ど うしていくのかということの具体的なお答えをいただければと思います。

また、これは6番目ですけれども、7と書いてある、異議申し立ての審査結果が本来申立 人が出した言語ですぐに調査結果が出してほしかったのですけれども、読めない状況で1 カ月以上放任されていたということがあって、それを踏まえての質問をさせていただいて います。私のほうからは以上です。

○垂井(外務省 民間援助連携室 首席事務官)
「なお」からですね。承りました。
では、まず、外務省側がアフリカ部アフリカ第二課の金子課長、その後、国際協力局国 別開発協力第三課の大場課長から御返事をお願いしたいと思います。

最初に、金子課長からお願いいたします。

○金子(外務省 アフリカ部アフリカ第二課 課長)
初めまして。私はこの協議会に参加するのは初めてでございます。今年の7月にアフリカ 部アフリカ第二課長に就任いたしました金子と申します。どうぞよろしくお願いいたしま す。

今、渡辺様のほうから御質問がありました最初の2点について、私のほうからお答えした いと思います。

まず1点目のモザンビークの財務管理だけではなくて、いろいろな意味でのガバナンスの 状況についての見解ということです。また、それをどのように政府として把握してフォロ ーしているのかという御質問だと思います。

これについては、大使館がもちろんモザンビークにはございますので、日ごろか、政府 だけではなくて、現地の他の外交団とか、あるいはいろいろな方から情報収集ないしは意 見交換を通じて、いろいろな見方、見解、あるいは事実関係等を収集しております。そう いった形で、政府としても、モザンビークの政府の財政管理を含むガバナンスについては フォローを行っているというところでございま
す。

●渡辺(日本国際ボランティアセンター 南アフリカ事業担当兼地域開発グループマネー ジャー)
今の状況に対しての見解を。

○金子(外務省 アフリカ第二課長)
特に財務状況については、まさに非開示債務の問題というのが指摘されていますけれど も、国際社会でも言われていますとおり深刻な状況だと見ています。現時点では国際的な 独立監査が入っていますけれども、まだ報告書の全文が公開されていないというところで、 日本政府としても引き続き注視したいと思います。モザンビーク政府に対し、IMF等の関係 者と協力を促しておりますし、また、モザンビーク政府のそういう国際社会との協力、あ るいは民間債権者との交渉等の状況を引き続き注視していきたいと考えています。

今の点と2つ目の御質問が若干重なるかもしれませんけれども、今年3月にニュシ大統領 が来日された際の共同声明の中に書かれたものをどのようにフォローアップしているのか ということだと思います。特に、モザンビークの財務状況について、あるいは彼らのIMF 等への協力、情報開示への非協力状況についての見解ということでございますが、日本政府としてもモザンビークに対しては、債務持続性の早期回復に向けて必要な情報開示を行 うように促してきております。これはあらゆるレベルでやっております。

モザンビーク政府には、IMF及びその他関係者、当事者と協力して、可能な限り早急にこ の問題を解決することを期待しております。
以上でございます。

●渡辺(日本国際ボランティアセンター 南アフリカ事業担当兼地域開発グループマネー ジャー)
お答えいただかなかったのが、和平、民主主義、人権を含むガバナンスということで御 質問させていただいて、債務のほうはお答えいただいたのですけれども、もう一方のほう の御回答をいただけますか。

○金子(外務省 アフリカ第二課長)
ガバナンスや和平の現状につきましては、モザンビーク政府もいろいろな形で包括的な 対話プロセスに取り組んでいると思います。ご指摘の点については、野党側との関係等い ろいろな反政府の方々との関係がありますが、対話をする努力をしているというふうには 見ております。いろいろな見方がございますので、大使館あるいは現地のいろいろな方々 との意見交換や、あるいは国際機関の方々との意見交換を通じて引き続きフォローしてい きたいと考えております。

●渡辺(日本国際ボランティアセンター 南アフリカ事業担当兼地域開発グループマネー ジャー)
見解はないということですか。ちょっとよくわからなかったのですが、情報収集の仕方 というのは今お答えいただいたと思うのですけれども、それを踏まえてどのように状況を 認識していらっしゃるということがよくわからなかった。

○金子(外務省 アフリカ第二課長)
恐らく発展途上の国でございますので、いろいろな意味で課題はあると思います。です ので、そこは課題が生じた時には、日本政府としてもいろいろな政策対話なり、あるいは 二国間の意見交換の場を通じて話をしていきたいと思います。今の時点で、評価というこ とをおっしゃっているのですか。

●渡辺(日本国際ボランティアセンター 南アフリカ事業担当兼地域開発グループマネー ジャー)
そうです。例えば日本政府として今おっしゃったような情報収集をされている中で、モ ザンビークの状況をどう理解しているのか。それがない以上は、どのようにガバナンスに 取り組むのかということはできないわけですよね。

○金子(外務省 アフリカ第二課長)
いろいろな課題があるということは認識しております。

●渡辺(日本国際ボランティアセンター 南アフリカ事業担当兼地域開発グループマネー ジャー)
いろいろな課題というのは、例えばどういうことですか。

○金子(外務省 アフリカ第二課長)
それは、野党側との対話を進めていく必要があると思いますし、ある意味、民主的、平 和的なプロセスでいろいろな対立等を解決していく必要があるというふうに考えておりま す。二国間の協力のいろいろな枠組みを通じて、この国の安定と発展に協力していきたい と考えております。


続きは→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-305.html

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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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