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【記録公開】ODA政策協議会での外務省との対話記録

去年末に行われたNGOと外務省の間の協議(ODA政策協議会)で、モザンビークのビザ発給拒否問題が取り上げられました。

その議事録が公開されましたので、ここにご紹介いたします。この外務省説明に関するコメント等については、別途紹介する準備をしています。まずは、記録の方をご確認下さい。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000326817.pdf

*また「日本によるナカラ経済回廊開発と社会的影響」も議題として扱われました。この点についても別途ご紹介いたします。

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平成29年度(2017年度)NGO・外務省定期協議会
第2回ODA政策協議会

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/shimin/page22_000790.html

日時:2017年12月13日(水曜日)14時00分~16時00分

場所:外務省南国際大会議室893号室


3)TICADモザンビーク会議に参加登録したNGO職員のビザ拒否問題について(20分)
【高橋良輔 ODA政策協議会コーディネーター】
【望月寿信 アフリカ部アフリカ第二課地域調整官,佐藤靖 国際協力局民間援助連携室長】

●高橋(NGO福岡ネットワーク 理事)

ODA政策協議会コーディネーターの高橋です。

それでは、今、御紹介いただきましたように、報告事項(3)「TICADモザンビーク会議に 参加登録したNGO職員のビザ拒否問題について」、私から提題させていただきたいと思います。お手元の報告事項3の資料に沿って問題提起をしたいと思いますので、どうぞ御参照く ださい。

議題の背景でございます。今年の8月、モザンビーク共和国でTICADのフォローアップ閣僚会合が開催されたことは皆さん御承知のことかと思います。実はその会合に今回日本外務省経由で参加登録がされていた日本のNGO職員、本日も御出席いただいていますけれども、 日本国際ボランティアセンターの渡辺直子氏が、ビザ発給をモザンビーク政府より拒否さ れるということが起こりました。

続いて、この方は10月にも同国で開催された民衆会議に出席するためにビザ申請をしましたけれども、渡航予定までにビザの審査が終わらないという理由で発給がなされずに、 渡航を断念しております。

8月のビザ発給については、外務省のほうからはモザンビークの大使館に問い合わせをしていただきましたけれども、司法当局の判断ということで、それ以上の拒否理由の開示はない状態でありました。

また、2回目のビザ申請については、決して当該スタッフの渡航を未来永劫拒否するわけではないということで申請したわけですけれども、現在も審査が継続中ということで事実上渡航できない状態が続いております。

これに関して、お手元の資料にも別添でつけさせていただきましたけれども、市民ネッ トワーク for TICADから、市民社会の参加を保障しているはずのTICAD会合の原則に反する
という声明が出されておりますし、また、私たちODA政策協議会コーディネーターのほうか らも、TICAD参加予定のNGO職員のビザ不発給問題を非常に懸念する、外務省へ対応を求めるという趣旨の要請を出させていただきました。

この問題を私どもコーディネーターから今回発題させていただきますのは、これが一NGO職員、一スタッフの問題ではないからです。実はこのスタッフの渡辺さんは、今までこの ODA政策協議会でも日本政府の援助事業であるプロサバンナ事業での報告を行い、その事案に対して異議を唱える農民たちの声を伝えてきた方でございます。また、モザンビーク政府のガバナンスについても、やや問題があるのではないかということを主張されてきた方です。

私どもは、こうした草の根の問題を指摘して、ODAのよりよい改善、それから外務省、日本政府とNGOの協力を進めようというスタッフがビザを拒否されるということが、今後も続いていくようなことがあるのだろうかということを非常に懸念しております。

3の「議題に関わる問題点」のところに行きたいと思います。懸念している点としては、 大きく4つ考えております。

1つは、TICADという日本政府が主導する国際会議で、外務省経由で参加登録がされたNGO がビザ不発給、入国拒否の扱いを受けた、これについて日本政府としてどのような対応を していくべきだろうかということです。

2つ目は、今申し上げましたように、プロサバンナ事業にかかわる調査・研究・提言をしていて、この会議でも発言してこられた方が不発給という対応を受けたということで、こういった草の根の調査・研究をするようなNGOスタッフが自由に発言したり活動できる余地が狭められていくのではないかという論点です。

それから、今日の議題でもありますけれども、世界的にも今NGO・CSOの活動の自由な領域が非常に狭められる傾向があちこちで出てきている中で、SDGsの目標16では、市民社会とのパートナーシップ、基本的自由の保障といったことが掲げられているわけで、これを NGOと政府が協力してどういうふうに進めていけるのかということを考えています。

さらに、日本のほうを振り返ってみれば、開発協力大綱にもNGOとのパートナーシップ、 それから、今、局長からもお話がありましたように、外務大臣もNGOの支援をしていくということを明言されている中で、こういう問題に対してNGOと外務省でどのように協力して解決していけるのかということを、この議題の背景として申し上げたいと思います。

具体的には、本日4点、外務省のほうから御報告をいただければと思います。1つ目は、日本政府が主導するこういった復興・開発協力にかかわる多国間国際会合において、過去に入国拒否された事例があったのかどうか。もし過去にあった場合には、日本政府はどのように対応してきたのかというのを教えていただければと思います。

2点目は、今回コーディネーターのほうからも要請書を出させていただいておりますけれども、ちょうど前回の協議会が終わった後のことでしたので、それに対してどういう対応をされたかという御報告、御回答をいただいておりません。ぜひ、この場で教えていただ
ければと思います。 3点目は、先ほど申し上げましたように、今回のビザ拒否問題とプロサバンナ事業への調査・研究・提言活動が関係があるのかどうか、これについて外務省の御見解を教えていただければと思っております。

4点目についてですけれども、今回非常に残念な状況が続いておりますけれども、決して外務省とNGOでぶつかるということではなくて、どういうふうに一緒にこの問題を解決していけるかということですので、外務省としてこういったことにどういうふうにNGOをサポー ト、あるいはバックアップしていただけるのかということについて、御見解を伺えればと思っております。

私のほうからは以上を提題したいと思います。

○垂井(外務省 民間援助連携室 首席事務官)

高橋理事、どうもありがとうございます。

それでは、今、議題の論点として御紹介をいただきました4.の4点につきまして、外務省側は2つの課室の関係者から回答いたしたいと思っております。

2点目と3点目につきましては、アフリカ部アフリカ第二課の望月地域調整官から、1点目と4点目の事項につきましては、国際協力局民間援助連携室の佐藤室長から返事をいたします。

最初に、もし可能でしたらまとめてということで、2点目と3点目として望月地域調整官 から発言をお願いいたします。
○望月(外務省 アフリカ部アフリカ第二課 地域調整官)

アフリカ部の地域調整官の望月です。どうぞよろしくお願いいたします。

政策コーディネーターの御要請に対して外務省のとった対応ということですけれども、TICAD閣僚会合自体は8月の下旬でございました。今、お話があったとおり、渡辺直子さん のビザ申請で発給が拒否されたということで、それが8月の前半にそういう状況になったと いうことで、コーディネーターからの御要請がたしか8月の16日とか17日ぐらいだったかと 思います。

そのような閣僚会合直前の結構慌ただしい中で、実際のところ、在京モライス大使とか イルダ次席も既に現地に用務帰国で行ってしまったのですけれども、何とか連絡チャネルを維持いたしました。本国ハイレベルにも我が方の問題意識を伝達し、私自身も出張して、 現地でも閣僚会合前に再度の働きかけを行っております。

査証発給とプロサバンナ事業との関係というところでございますけれども、実際のとこ ろ、モザンビーク側からは、高橋コーディネーターからもお話があったとおり、査証発給拒否理由の開示が行われておりません。査証発給は当該国政府の主権事項であるということで、査証発給拒否理由というものは開示されないのが一般的です。今回のケースについてもある意味同様の形で、モザンビーク政府側への理由を説明してほしいというこちらからの要請に対して、その理由の開示はできないという回答に接していたところでございます。
一方、当方からの累次の照会に対して、それから働きかけに対して、渡辺直子さんへの永遠の査証発給がなされないという決定がとられたわけではないということは明言してもらっております。これは入国管理局にも確認をした上で、そういうことではなく、査証の検討というのはケース・バイ・ケースで行われるものであるという説明が先方から行われております。

その後、10月の民衆会議に御出席で主張ということで、再度の査証申請が行われたものに対しては、拒否ということではなく審査が続いているという説明で、実際、本当に残念なことでございますけれども、10月の民衆会議への出席がかなわなかったという状況になってしまっております。拒否ではなく、審査が続いていると。その後もこちらからは累次の状況の確認、それから査証の発給というものに対して働きかけを行っておりますけれど も、現在に至るまで審査が続いているという説明が先方からは行われております。

以上でございます。

○垂井(外務省 民間援助連携室 首席事務官)

望月地域調整官、ありがとうございます。

続きまして、今度は1点目と4点目の関連事項につきまして、民連室の佐藤室長よりお願 いいたします。
○佐藤(外務省 国際協力局 民間援助連携室 室長)

11月30日に民間援助連携室の室長となりました佐藤と申します。よろしくお願いいたし ます。

1点目ですけれども、参加登録がなされた市民社会の参加者が会合の開催国で入国を拒否された事例はあったかということですけれども、こうした事案について、省内で以前からくまなくフォローしてきたわけではありませんので、全ての事例を正確に把握するということはできないのですけれども、民間援助連携室のほうから国際協力局の国別課にそれぞれ照会しましたところ、そのような事例については承知していないという回答を得ており ます。

そして、4点目、またこういう事例が発生した時にはどのような対応が可能かということですけれども、仮に同様の問題が発生した場合には、NGO側の関係者からもお話を伺いなが ら、状況に応じて、いかなる協力が可能か、これはケース・バイ・ケースで適切な対応について検討したいと考えております。

いずれにしましても、NGOと外務省は公式な意見交換の場であるこのNGO・外務省定期協議会のみならず、地域や分野ごとに日ごろからさまざまなレベルで連携を行ってきており ます。今後ともこの連携を深めていきたいと考えております。
●加藤(関西NGO協議会 理事)

望月地域調整官、佐藤室長、御報告ありがとうございました。 これに対してNGO側の皆さんからいかがでしょうか。

では、長谷部さん、よろしくお願いいたします。

●長谷部(日本国際ボランティアセンター 事務局長)

日本国際ボランティアセンターの長谷部と申します。

今回は、我々の団体の渡辺直子のビザ問題をこういった場で取り上げていただいたことを、まず感謝したいと思います。

私ども、開発のさまざまな現場で、市民に密着した立場で、なおかつ現地のNGOとさまざまな形で連携しております。そういったところでの政策提言というのは非常に重要だと、私どもの団体では認識しております。

また、ODA大綱におきましても、市民社会との連携というところはうたわれております。 これを読みますと、開発協力に関する提案を初めとする国民各層からの意見に耳を傾ける という文章が大綱の中に盛り込まれておりますし、JICAのほうで作成されています環境社会配慮ガイドラインを読みますと、重要事項が7点あるのですが、そこの中でもステークホ ルダーとの十分な協議・連携というのをきちっとうたわれております。そういう意味で、こちらも私どもの団体が目指すというところもそうですし、各ポリシーペーパーの中にも きちっとうたわれているという認識を改めて述べたいと思います。

今まで、望月さんを初め、いろいろな形で協力をいただいているのですが、8月の国際会議の出席、また10月も再度ビザを申請して、今の御回答ですとまだ審査中であるというところ、また以前は司法判断を待っているということではあるのですが、正直、このままの状態がどういうふうに続くのであろうか。また、外務省の皆様としてはどのようなアクシ ョンをとってくださるか。そういったところをどういうふうに考えているかというところをお伺いしたいと思っております。

●加藤(関西NGO協議会 理事)

ありがとうございます。

お隣の渡辺さん、何か補足されることはありますか。

●渡辺(日本国際ボランティアセンター 南アフリカ事業担当兼地域開発グループマネー ジャー)

今の質問に関連するという意味では、この審査が続くということは、永遠に審査中だといって私が入れない可能性もあるということなので、そこのところに対してどういう御見解をお持ちで、どういうふうに御対応していただけるのか、具体的にそのあたりを聞かせ ていただけるといいかなと考えております。

●加藤(関西NGO協議会 理事)

ありがとうございました。

○垂井(外務省 民間援助連携室 首席事務官)

今の長谷部事務局長、JVCの渡辺さんからの御指摘、まだ審査中であると、このままの状態で対応をどうするのか、これから入れない状況だとどういうふうな対応をとられるのか、こういった点でございますが、望月地域調整官、よろしいですか。お願いします。


○望月(外務省 アフリカ第二課 地域調整官)

査証の発給については、主権国の判断に委ねられるということで、私どもができることはある意味限られております。

ただ、その中において、こちらからは粘り強く働きかけを続けて、何とか一日も早く査証発給が実現するように、今後も努力を続けていきたいと思います。とにかく今は待つしかないという状況かと思います。
●加藤(関西NGO協議会 理事)

ありがとうございました。

お時間が少し限られてはいるのですが、谷山さん。

●谷山(国際協力NGOセンター 理事長)

ありがとうございます。国際協力NGOセンターでコーディネーターをしております谷山といいます。

今日は、JANIC,国際協力NGOセンター及び政策協議会のコーディネーターの立場でコメ ントさせていただきたいのですが、そもそも何で政策協議会のコーディネーターがこれを議題に上げたか、あるいは、それ以前に要請書をお出ししたかということです。これは、TICADという個別の、日本の政府が主導している会合で起こったということだけではなくて、2つ大きな政策論点があるから、私たちとしても関心を持って外務省と協議を続けたいということでかかわっております。

1つは、NGOの政策環境、あるいは市民社会スペースの問題です。これについては、いかにNGOが活動しやすい環境を作って開発に正のいい効果をもたらすかということで、まさに政策課題であるという取り上げ方をしております。

もう一つは、ODAの被援助国のガバナンスの問題です。ODAはガバナンスを改善するために効果あるべきと考えておりまして、逆にODAによって負のインパクトがあってはいけない。 それを避けるために、官民が協力してどのような対処ができるかという観点で問題提起を させていただいています。まさに、現地の市民社会が国際的なNGOの連携、あるいは監視から切り離された時に、現地で人権侵害、弾圧が進むという危惧すべき事態がいろいろな国で起こっている。

モザンビークもその事例に当たるのではないか、そのような事例が他の国にも波及するのではないかという時に、この事例を一つのケースにしながら、どういう協力ができるのか、それぞれの立場もあるでしょうし、あるいは難しい案件だとはわかっていますが、これはもうしようがないのだということではないと私たちは思っていますので、取り上げさせていただきました。ぜひ協議を続けたいと思いますので、よろしくお願 いいたします。

●加藤(関西NGO協議会 理事)

では、高橋さん。

●高橋(NGO福岡ネットワーク 理事)

望月地域調整官、佐藤室長、どうもありがとうございました。

まずは、この間、この問題に対応していただいているということがよくわかりました。

一方、まだ解決していないということが率直な状況ですので、先ほど望月地域調整官が言われたように、単に待ち続けるというだけではなくて、ぜひ引き続き働きかけを続けていただければと思っております。

それから、佐藤室長に就任早々こういった事案で御発言いただく形になって、とても残念に感じておりますけれども、ケース・バイ・ケースということでありましたけれども、この件についてはもう起こってしまった、終わってしまったということではなくて、ぜひ引き続きフォローをこの会議でさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

以上です。
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MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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