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【速報】三井物産、今度はアグリビジネス企業@東アフリカ(含:モザン)に300億円出資

複数の国際NGOから日経新聞の報道について情報照会がありました。日本語版の記事タイトルは、次のものです。

「三井物産によるアフリカの農産物取引会社に出資 300億円」

ナカラ回廊(鉄道・港湾)開発と連動した動きの可能性があるとのことでした。同社は、モザンビークで広大な土地(15万ヘクタール)の利用権を取得しているとのレポートを2012年に出しており、大変懸念されるとのことです。追加情報も寄せられているので、そちらも合わせて紹介しておきます。

なお、日経の記事では契約栽培のように書かれていますが、ETCグループの実態は下記のGRAINレポートのとおり詳細が明らかではなく、大規模な農地を取得している可能性が指摘されており、調査が不可欠となっています。また、同レポートによると、モーリシャスは、アフリカに進出する多くのアグリビジネスの取引を不透明化する目的で使われる「中継ポイント」となっているとのことで、実態把握がより難しい状態にあります。

以下、本日確認した点です:
(*)日本語の記事の中で、ドバイ(UAE)のETCグループと記されている企業は、日経の英字新聞では「ETGとして知られている」とのことで、ETGとして記事は書かれているので、GRAINの報告にある企業と同一と考えられます。なお、UAE関連企業のアフリカ農業投資の多くはモーリシャスを経由しているとのことです。

(*)また、三井物産は直接・間接的な広大な農地の取得については、ブラジルのマルチグレインへの投資の失敗によって慎重になっていると考えられるので、契約栽培などを通じたValue Chainのコントロール(農家への種子・肥料・農薬のパッケージ提供と収穫物の買い取り、集荷、輸送、販売)を狙っているのだろうとのことでした。なお、この「契約栽培」は、「ランドグラブ」に代わる手法として官民に大々的に奨励されていますが、多くの研究者らは「隠れたランド&水グラブ」と呼んで注意を喚起しています。

なお、三井物産とマルチグレインについては直前に以下の記事が日経から出されており、アグリビジネス部門の挽回が念頭におかれているものと考えれます。
三井物産、負の遺産処理はなお視界不良
2017/11/17
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23567250W7A111C1000000/

「三井物産がこれまで「最大の経営課題」と位置付けてきた懸案の処理に本腰を入れている。(略) 2011年に買収したブラジルの穀物会社、マルチグレイン。「高値づかみ」と皮肉られることも多い、三井物産の負の遺産だ。17年4~9月期には (略) 合計で423億円の損失を計上。(略) 事業からの撤退も含めて「今年度中にケリをつける」と明言する。(続きは以上のURLでご覧下さい)」

(*以上、11/23に加筆)

GRAINレポート
https://www.grain.org/article/entries/5492-the-global-farmland-grab-in-2016-how-big-how-bad
和訳
http://farmlandgrab.blog.fc2.com/

では、以下以上のGRAINレポートの情報、日経新聞(日本語・英語)の抜粋をご紹介いたします。

【GRAIN「ランドグラブ2016」のエクセル情報】
ETCグループ=ETG:
1)ケニアのパテル(Patel)一家が所有する貿易会社。
2)モーリシャスのETGHoldingsを通じて活動を行っている。
3)この企業は、タンザニア、モザンビーク、コートジボワール、そして以前はザンビアに農地を所有していた。
4)これらの農地は、南アフリカのVerusグループによって管理されている(すべてではない)。
5)なお、このVerusグループは南アフリカ特殊部隊の元兵士である人物によって運営されている。
6)ETGは、世界銀行のIFC(国際金融公社)によってかなりの金額の融資を受けている。
7)2006年にタンザニアのンバラリ郡のカプンガ稲作農場7,370ヘクタールの使用権を取得した。
8)同農場は国営農場で、アフリカ開発銀行によって支援されていた。
9)2014年5月に、政府がこの農場の同社への売却の有効性について問題視し、内1,870haはこれに契約に含まれるべきではないと主張した。
10)2012年のETGの報告書によると、同社はタンザニアに136,140ha、モザンビークに156,000ha、コンゴ民主共和国に13,000haの農地(の使用権)を所有すると記されている。
11)ただし、この詳細は明らかにされていない。

【日経新聞】
三井物産、アフリカの農産物取引会社に出資 300億円
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2369710020112017TJ1000/


 三井物産は20日、アフリカで農産物取引などを手がけるETCグループに出資することで合意したと発表した。ザンビアやケニアなどの農家への肥料供給から営農指導、新事業開発などアフリカでの非資源事業の拡大につなげる。

 ETCグループが現株主である投資ファンドの保有株を自社株買いしたうえで、2018年3月末までに三井物産が買い取る。投資額は約300億円で約3割を出資、持ち分法適用会社として取締役も派遣する。

 ETCグループは1967年の創業で雑豆類やゴマといった農産物の集荷や輸出入、肥料や種子などの販売、食品製造などを手がける。本社はアラブ首長国連邦(UAE)に置くが、東アフリカを中心に36カ国で事業を手がけ、200万戸の農家と取引がある。17年3月期の売上高は36億ドル。(中略)

 三井物産は4月からの中期経営計画で「ニュートリション・アグリカルチャー」を4つの成長分野の1つに掲げており、同分野での成長が見込めるアフリカに進出する。(続きは上記URLでご覧下さい)


【英語記事】
Nikkei | 21 November 2017
https://asia.nikkei.com/Business/Deals/Mitsui-investing-in-Dubai-based-agricultural-trader

Mitsui investing in Dubai-based agricultural trader

TOKYO -- Japanese trading house Mitsui & Co. will pour some 30 billion yen ($267 million) into farm-product trader ETC Group of Dubai under a deal announced Monday, aiming to expand non-resource-related business in Africa.

The company, known as ETG, will buy back shares held by an investment fund, then sell a stake of around 30% to Mitsui by the end of next March. Mitsui will turn ETG into an equity-method affiliate and send directors.

(...) It operates in 36 countries, mainly in East Africa, with relationships with 2 million family farms. Sales came to $3.6 billion over the 12 months ended March.

(...) Mitsui positions nutrition and agriculture as one of four growth pillars under its medium-term business plan and is looking to make further inroads into the growing African market.

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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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