FC2ブログ

Entries

【活動報告】2016年度活動・会計報告

いつも大変お世話になります。

2016年度の活動報告と会計報告を行います。
なお、今年度は活動資金が著しく不足しており、モザンビーク小農の支援を継続するため、皆さま方のご協力をお願いできればと考えております。末尾にご寄付先の詳細をご紹介させて頂きますので、よろしくご協力頂ければ幸いです。

1. 2016年度の活動目的
【全体的な目的(継続)】
* 土地収奪や開発事業(特に、日本の官民が関与する「ナカラ回廊経済開発」や「プロサバンナ事業」)による弾圧・人権侵害に直面するモザンビーク北部小農に連帯し、地域の小農運動が目指す政策転換が可能となるように、調査研究・政策提言・キャンペーンなどの活動での協働を行う。

【今年度の具体的な目的】
* モザンビークの小農や市民社会組織の要請を受けて、モザンビーク北部での現地調査を実施するとともに、上記の開発事業に関する一次資料の収集とその分析を行い、運動に役立ててもらうため、英語とポルトガル語で成果を発表する。
* この「調査研究・政策提言・キャンペーン」の協働の成果について、モザンビーク小農運動から代表を日本に招き、国内外のあらゆる場(大学、国際・国内の学会、議員会館、新聞・雑誌、ソーシャルメディアなど)で広く発信し、意識や政策の転換に繋げる。
* モザンビーク小農と日本の有機農家や農村コミュニティとの交流を実現する。

2. 2016年度の活動結果
(1)モザンビーク北部での小農主体の共同調査

<概要>
 例年、調査内容は現地農民組織、市民社会組織と話し合いながら決めているが、2016年度は特に小農組織の意向が反映される形での調査となった。8月31日から21日まで現地農民組織および市民社会組織とともに共同調査を実施。同行した農民は女性を含む。
 
① ナカラ経済回廊開発の住民への影響調査
モザンビーク・ナンプーラ州において、同国北部5州(ナンプーラ、ザンベジア、ニアサ、テテ、カーボデルガド)で行われる「ナカラ経済回廊開発」が総体として現地小農に及ぼしている影響に関する実態調査を行った。

具体的には、日本のODA・企業が関わる、テテ州の炭鉱とナカラ港湾をつなぐナカラ鉄道整備事業周辺地域(3つのコミュニティ)の訪問と住民(小農)へのインタビュー、参与観察、また同地域で起きる土地収奪の現場を訪問した。

(イ)オルタナティブを小農とともに考えるための実態調査
「地域社会の当事者でその発展の主体」のあり方を農業の実践面から検討するために、郡農民連合が、国際NGOによる支援を得て取り組んできたアグロエコロジー農業研修(2015年11月~)の現場を訪問し、インタビューと参与観察により、地域の小規模農民の実践状況・成果・課題と農業を取り巻く実態、また小農組織の意義と役割について調査を実施した。

調査では、14小農組織(≒コミュニティ)を訪問、計596名(女性259名、男性337名)の小農にインタビューを行った。なお、州都ナンプーラ市とナカラ港をつなぐナカラ回廊沿いにあり、ナンプーラ市にも車で1時間内と近いことから、土地収奪が頻発してきた地域である。

(2) 資料収集、政策、その背景となっている言説の把握と分析

① 政策決定に関わる国際潮流・ディスコース把握調査
(ア)文献調査
研究分野(食・農・土地収奪・小農主権・回廊開発・経済政策・開発援助)などに関わる国内外の文献(政策・報告書・学術書/論文・一次資料)の収集と読み込みを行った。

(イ)政策ディスコース把握
回廊開発や土地収奪は、世界の政策・学術における言説(ディスコース)の変容が大きく関わっている。日本の政府・企業もこれに影響されつつ、政策・投資を決定していることを受けて、これらに関する資料(主に英語)の入手と読み込みを行った。

(ウ)国際議論の把握
また、毎年10月にローマのFAO(国連食糧農業機構)で開催されている国連「世界食料安全保障委員会CFS」に参加し、各国政府・国連・企業・市民社会の資料の入手、議論や発言の分析などを行った。

(エ)国際学会への参加と成果還元
去年に引き続き、ICAS(Initiatives for Critical Agrarian Studies)の学術大会に二度参加し、世界の食農問題(特に、11月はBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカに特化)の最先端の議論に触れるとともに、多くの研究業績を入手した。

②関連政策文書などの収集と取りまとめ
下記の手法で、モザンビーク北部(ナカラ回廊)開発、プロサバンナ事業に関する政府文書の情報公開請求や意見交換会・協議会を通じた入手。リーク文書を含めた分析と取り纏めを行った。

(ア)プロサバンナ事業関連文書
外務省・JICAとNGOの間で開催している「プロサバンナ事業に関する意見交換会」を通じて、ナカラ回廊に関するマスタープランやプロサバンナ事業関連の文書を入手したが、大半の資料は共有されないままのため、情報公開請求によって10点の文書を入手し、分析し、意見交換会などの協議や声明・公開質問などに活用した。

今年度冒頭に内部告発者よりプロサバンナ事業に関する40件を超える政府文書がリークされ、国際NGOのポータルサイトに掲載された。これを受けて、これらの分析を行った。

(イ)モザンビークでの回廊開発・資源開発関連資料
経済産業省と外務省(駐モザンビーク日本大使館)のモザンビークでの回廊開発・資源開発に関わる一次資料を、情報公開請求を通じて入手した。現在、分析中である。

(ウ)JBICへの融資関連資料
JBICによるナカラ回廊開発への融資(ヴァレ社、三井物産)に関する一次資料を、財務省・NGO定期協議会を通じて入手することができ、政策提言につなげた。

海外農業投資に関する政府文書の情報公開請求を通じた入手と分析
• 政府文書の保存の期限を念頭に、プロサバンナ事業の立案の前提として進められた外務省・農水省の海外農業投資に関する共同研究や政策立案プロセスのやり取りに関する一次資料の入手を行った。現在、これらの分析中である。

④ 当事者主権、Activist-Scholarshipのリサーチ
• 小農主体の調査から、小農の主権にフォーカスした政策提言(来年度の研究課題)の第一歩として、世界的にこれらの点がどのように論じられ、記述されてきたのかについて、共同研究者でもあるISS(国際社会科学学術院、ハーグ)教授であり、Journal of Peasants Studiesの編集長・ICASの提唱者でもあるジュン・ボラス教授から文献一覧の提供を受け、読み込みを開始した。
• 世界的な小農主体の運動・政策実現に、特に重要な役割を果たしてきたVia Campesina(ビア・カンペシーナ:国境を超える小農運動)との協働を通じて、これらの議論に触れた。

(3) 政策転換のための試み〜政策協議・社会発信
以上の現地調査並びに文献調査の結果を踏まえ、特に外務省・JICA、財務省・JBICに対し、実証的に明らかかにした事実に基づいた政策提言を行った。また、国内外での社会的・学術的な成果発信を行った。

2016年度は、以下の政策協議の場で対話を実施した。
また、それらの場で発表した資料などは、下記のNGOサイトなどに掲載している。

・ProSAVANA事業に関する意見交換会
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/
・NGO外務省定期協議会ODA政策協議会
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/index_oda.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo.html
・財務省NGO定期協議会
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/index_mof.html
http://www.jacses.org/sdap/mof/index.html
・NGO-JICA定期協議会
https://www.jica.go.jp/partner/ngo_meeting/

(4)モザンビークの小農運動との成果の共同発表、日本での交流
小農運動のリーダー2名、市民社会メンバー1名を招へいし、下記の成果発表、共同政策提言を行った。

・8月に開催の第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ、ケニアで開催)
・11月26日:国際開発学会(広島大学)
「ラウンドテーブル:開発援助と人びとの主権」
・11月28日:院内集会(参議院議員会館)
「日本が推進する経済開発モデルと人びとの暮らしへの影響〜SDGs時代におけるアフリカ小農の視点から〜」
http://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2016/11/20161128-sdgc-africa.html
当日資料:
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html
・11月29日:一般向けイベント(セミナー&交流会)
「モザンビークから農民リーダー来日!ー奪われる土地・権利ー」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-218.html

(5)声明や要請文の発表
下記の声明や要請を3カ国・国際・国内の団体と発表し、外務省・JICAなどに発出した。
各声明の日本語文は下記サイト。
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html

① 国際声明
(ア)2016.8.29 3カ国市民社会によるプロサバンナ事業に関する共同抗議声明・公開質問 ~政府文書の公開を受けて~ JVC他49団体+36団体賛同
(イ)2016.11.16 プロサバンナ・マスタープランの見直しおよび公聴会プロセスの不正に関する緊急声明 JVC他27団体

② 国内声明
(ア)2016.6.9 G7伊勢志摩サミット2016に向けたアフリカにおける食料安全保障及び栄養のためのニューアライアンスに関する声明 JVC他14団体、39名
(イ)2016.8.27 「3カ国市民社会によるプロサバンナ事業に関する 共同抗議声明・公開質問~政府文書の公開を受けて~」 日本国際ボランティアセンター(JVC)、モザンビーク全国農民連合(UNAC)、環境正義(JA!)、ヴァーレ社による被害者国際運動、カトリック先住民族評議会、アフリカ日本協議会(AJF)ほか、44団体(2016.8.29現在)
(ウ)2016.12.7 「【緊急抗議・要請】JICAによるモザンビーク農民・市民社会来日者への弾圧の試みについて」とそれに対する回答について モザンビーク開発を考える市民の会、No! to landgrab, Japan、ATTAC Japan、アフリカ日本協議会(AJF)日本国際ボランティアセンター(JVC)、
(エ)2016.12.28 【プロサバンナ事業に関する再抗議・要請】 「緊急抗議・要請」に対するJICA回答(12月20日付)を受けて」 モザンビーク開発を考える市民の会、No! to landgrab, Japan、ATTAC Japan、アフリカ日本協議会(AJF)、日本国際ボランティアセンター(JVC)
(オ)2017.4.26 【公開質問】プロサバンナ事業における JICA による社会介入関与の継続可能性について 日本国際ボランティアセンター(JVC)、アフリカ日本協議会(AJF)、モザンビーク開発を考える市民の会、ATTAC Japan、No! to landgrab, Japan、ODA改革ネットワーク

3. 活動の成果
① 外務省やJICA、国会議員等に直接声を届ける、あるいは対話の機会を創出したほか、日本のみならずアフリカ諸国の市民に対し、共同調査の成果を発表・共有し、アフリカにおける経済回廊開発の課題や日本のODA事業、小農主体の発展のあり方等について共に考えた。
② 上記を含む発信の結果、メディア(雑誌1社:新評論発行「世界」、新聞2社:赤旗新聞(3回連載)、日本農業新聞(執筆中))にナカラ経済回廊開発、プロサバンナ事業の問題、また現地小農の農業の現状等について取り上げられた。

4. 会計報告

繰越金:-144,465円
収入:4,335,263円
支出:3,939,206円
(事業費):1,986,263円
(管理費):1,952,943円
収支決算:251,592円

詳細は、下記のファイルをご確認下さい。

スライド1

スライド2


【ご協力のお願い】
去年度からの繰越金はすでに使用しており、現在赤字状態となっております。
活動の継続のため、活動にご理解とご協力を頂ける場合は、お手数をおかけしますが、以下の口座までよろしくお願い致します。

お礼を申し上げるため、お振込の際には、事務局までメールにてご一報頂ければ幸いです。
(office<@>mozambiquekaihatsu.net)
なお、寄付を下さる皆さま方の情報は一切公開せず、厳しく管理しておりますので、ご安心下さい。匿名でのカンパも歓迎しています。


口座名称:モザンビーク開発を考える市民の会
(モザンビークカイハツヲカンガ エルシミンノカイ)
*ゆうちょ銀行から振込みの場合:
  ゆうちょ銀行 記号10040  番号 8871761
*他金融銀行からの振込みの場合:
  ゆうちょ銀行 店名 008 店番 預金種目 普通 口座番号 0887176

スポンサーサイト

Appendix

最新記事

カテゴリ

プロフィール

MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR