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【解説】モザンビーク大統領来日にあたっての情報提供

本日から4日間の予定でモザンビークのニュシ大統領が初来日されることが発
表されました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_004369.html
実務訪問賓客として、天皇皇后陛下とのご会見と安倍首相との夕食会に参加さ
れます。

これを受けて、現在のモザンビーク政府やニュシ大統領、そして日本との関わ
りの問題についてお伝えいたします。
*なお本年、TICAD(アフリカ開発会議)の閣僚会議がモザンビークで開催予
定です。

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*以下の内容については、以下のサイトの最新のものをご確認下さい。
財務省NGO定期協議会資料:
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/index_mof.html
NGO外務省定期協議会資料:
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/index_oda.html
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【投資の流入とガバナンス悪化、IMF融資凍結】
モザンビークは、2009年頃から、地下資源やアグリビジネスによる大規模投資
が流入し、ガバナンスが悪化し続ける中、2200億円もの「隠れて消えた債務」
の存在が明らかになり、去年からヨーロッパ各国の財政支援凍結とIMFの融資
凍結が続いています。

【ニュシ大統領が国防大臣時に2200億円の「隠れて消えた債務」】
この「隠れ債務」は、今回来日するニュシ大統領が国防大臣の時代に同省高官
らが設立した3つの私企業によるものであり、その一部は武器購入に使われた
ことが分かっています(残りは現在も行方不明)。

【本年1月に「選択的デフォルト(債務不履行)」へ】
同国は、現在GDPの130%を超える額の対外債務(「隠れ債務」含む)を抱え、
今年1月には債務不履行(デフォルト)状態に陥りました。2001年には日本を
含む世界のドナーが債務帳消ししましたが、2006年頃から資源目当ての官民融
資が急増し、債務焦げ付きの可能性が出ています。日本も2006年来、700億円
の円借款の供与を約束しています。

【現在も終わらない「隠れ融資」の国際監査】
現在、IMFが融資再開の条件として、上記の国防省関連3企業の国際監査が進
められていますが、関係者の情報提供がないために2月末の終了予定の延期を
余儀なくされている状態にあります。つまり、「隠れ債務」の実態の検証は終
わっていない状態にあり、各国が固唾をのんでこれを待っている状態にありま
す。

【ニュシ国防大臣時に再燃した武力衝突と流出する難民】
さらにニュシ大統領が国防大臣(2008年ー2014年)時、20年以上続いた和平が
崩壊し、2013年4月来、中部と北部で散発的な武力衝突が継続してきました。
去年上半期には、モアティゼ炭鉱(ヴァーレ社保有)のある地域から1万人を
超える規模の難民が流出し(UNHCR)、その大半が政府軍・警察・与党民兵に
よる襲撃を回避するものと報道されています(DW/VOA)。去年末に一時停戦が
最大野党レナモ側の呼びかけで開始しましたが、中部地方では依然として政府
軍による攻撃や暗殺が続いているとレナモ側は主張しています。(上記「隠れ
融資」で購入した武器がどうなったかも不明なままです。)

【頻発する暗殺】
ニュシ大統領就任以降、2015年3月には、政府に批判的でレナモの政策を評価
した憲法学者(国立大学法学部教授)が暗殺され、その後前大統領に批判的な
同大学経済学部教授)が国家反逆罪で訴追、その主張を掲載した独立系新聞の
編集長が連罪で訴追、これらのことを報道し政府の透明性を求めるキャンペー
ンを開始していた別の独立紙編集長が暗殺、これらの事件を調べていた判事が
暗殺、政府をTVで批判した同大学政治学部が誘拐という事件が相次いでいま
す。野党議員や政治支部関係者の暗殺も止まず、人権NGO(ヒューマンライ
ツ・ウォッチやアムネスティ)が懸念を表明しています。

【ガバナンス問題を無視する日本政府】
しかし、安倍首相は、武力衝突が激化する中、2104年1月にモザンビークを訪
問し、「5年間で700億円の支援をナカラ回廊開発のため供与」を約束しました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/afr/af2/mz/page24_000187.html
その後、日本のNGO等が現地のガバナンス問題を繰り返し指摘する中、日本政
府・JICAは、ナカラ港改修工事に292億円の円借款供与を発表、その他数十億
円規模の大型援助を続けてきました。これには、厳しい視線がモザンビーク内
外から注がれています。
*ただし、292億円については2015年に合意されたものの、財務状況の悪化から
未だ拠出されていないとのことです。
【日本企業の前のめり投資】
日本企業も、とにかく外資を得たいモザンビーク政府の姿勢を好機とばかりに
投資額を増やしています。筆頭は、去年9月にモアティゼ炭鉱とナカラ鉄道・
港湾企業への大規模出資を行った三井物産が挙げられます。同社は天然ガス開
発でも追加の巨額投資をすることを発表しています。
http://www.mitsui.com/jp/ja/release/2016/1220831_8913.html

【ナカラ回廊の現状と圧倒的多数の住民(小農)の声】
炭鉱地域では土地を奪われた住民が政府と対峙してきましたが、レナモを匿っ
ているとして政府側の攻撃を受けた結果、大量の難民が出ている一方、三井物
産が出資するヴァーレ社のモアティゼ炭鉱から積み出された石炭の貨物列車が
2度にわたってレナモの襲撃を受けるなど、資源開発をめぐって社会政治状況
が悪化しています。また、ナカラ回廊沿いでは、ヴァーレ社(三井物産)の新
設鉄道の工事に伴って住民の大規模移転が行われている一方、植林プランテー
ション、アグリビジネスによる大豆プランテーションなどによって、土地収奪
が進み、地元住民の被害と不満が高まっています。

この様子は以下の動画でご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=xXDQjkXAmpY

また、11月末に来日した現地農民・市民社会の報告会の議事録を本日中にアッ
プしますので、よろしくご確認下さい。
「日本が推進する経済開発モデルと人びとの暮らしへの影響」
(参議院議員会館、11月28日)
http://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2016/11/20161128-sdgc-africa.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/

【プロサバンナ事業の問題】
最後に、先月(2-17)モザンビーク8団体による「公開書簡〜プロサバンナ事
業におけるJICAの活動に関する抗議文」がJICA理事長宛に提出されています。
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20170217open_letter.html
世界65団体が賛同をしていますが、大変驚く内容です。

「公開書簡」に記載されているJICAによる現地NGOとの契約については不正・
違法である可能性が高いため、日本の市民とNGOによって、関係各機関に外部
通報が行われています。詳細は、以下をご覧下さい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-241.html

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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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