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【和訳】プロサバンナ「資金提供」秘密会議録とJICA契約問題

去年5月に、プロサバンナ事業の内部告発者による46件のリーク文書が公開されました。
その中に、2016年4月12日にJICAモザンビーク事務所で開催された秘密会合の記録がありました。

スライド2


ポルトガル語だったものを、文書の重要性に鑑み、日本語訳が行われました。
下記、ご覧下さい。

実際に同名(マスタープラン見直し)の契約プロジェクトがJICAによって立ち上げられ、モザンビークで2016年8月に「一般公示」されています。そして、JICAの説明によると「公正なる競争の結果」、この「資金提供」秘密会議に出席しているムトゥア氏(とそのNGO)が、「JICAコンサルタント契約相手方」として選ばれています。

これらの事実は、以下の規定に明確に反していると考えられます。
1)JICAのコンプライアンス・ポリシー
https://www.jica.go.jp/about/compliance/index.html
2)総務省「独立行政法人における調達等合理化の取組の推進について」
http://www.caa.go.jp/region/pdf/150724_shiryou4-1.pdf
平成27年5月25日 総務大臣決定
3)総務省「独立行政法人の調達等合理化取組計画策定要綱」
平成 27 年5月 25 日 総務省行政管理局
http://www.yuchokampo.go.jp/release/pdf/keiyakuk/14s_2.pdf
4)JICA『業務実績等報告書』中間目標(契約透明性・ガバナンス)
最新版『第 3 期中期目標期間(見込) 業務実績等報告書』(2016 年6 月)
https://www.jica.go.jp/disc/jisseki/ku57pq00000fveqt-att/chuki_jigyo03.pdf
5)JICA不正腐敗防止ガイダンス(2014年10月)
https://www2.jica.go.jp/ja/odainfo/pdf/guidance.pdf
6)JICA関係者の倫理等ガイドライン
https://www.jica.go.jp/about/compliance/ku57pq00001rnu1n-att/j_guide.pdf
7)JICAコンプライアンス並びにリスク評価及び対応に関する規程
http://association.joureikun.jp/jica/act/frame/frame110000939.htm

これらの点については、第20回意見交換会資料のNGO側配布資料をご覧下さい。
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/20kai_shiryo/ref3.pdf
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/20kai_shiryo/ref5.pdf

*末尾に重要補足あり。

================
プロサバンナのマスタープランの見直しと最終化に関する活動への資金提供に関するMCSC(*「メカニズム」)、JICA、MASA(*農業食料安全保障省)の会議記録
<日本語訳>


*は訳者注記
下線は、補足者によるもの。
原文は、下記サイトに掲載されているリーク文書。
http://www.farmlandgrab.org/uploads/attachment/doc_2.pdf

参加者:アントニオ・ムトゥア(PPOSC-N)、ダニエル・マウラ(FONGZA)、アゴスティーニョ・シポロ(FONAGNI)、ジェロニモ・ナピード(WWF)、須藤勝義、青木ひでたか、横山浩士、エドソン・マリーナ(JICA)、アントニオ・リンバウ、シマオン・ニャイマ、ジュスメイレ・モウラオン(ProSAVANA-HQ)

日付:2016年4月12日
場所:JICAモザンビーク事務所

1. オープニング
上記に特定される市民社会組織(*PPOSC-N、FONGZA、FONAGNI、WWF)は、国際協力機構(JICA)と農業食料安全保障省(MASA)と共に集った。その目的は、プロサバンナのマスタープランの見直しと最終化のため、「市民社会調整メカニズム(MCSC)」にどのような代替的手法を用いて支援を行うかについて協議するためであった。

2. プロサバンナのマスタープランの見直しの初期作業を「メカニズム」が実施するための支援を行うために、JICAが出来ることに関して、JICAから現状の共有が行われた。

須藤氏は、プロサバンナ事業における技術協力の現段階を踏まえた時に発生するいくつかの困難にJICAが直面していることついて説明を行った。特に、「メカニズム」に資金を提供することが、非常に複雑化していることを強調した。これを踏まえ、(須藤氏は)次を提案した。

(1) 日本政府の「見返り資金」は、WWFに資金移転させる。そのプロセスは、MASA、MEF(経済財務省)、MINEC(外務協力省)の許可が必要であり、少なくとも2ヶ月はかかる見込みである。JICAは、このプロセスを可能な限り加速化する努力を行うことを強調した。
(2) (JICAは、)モスカ教授(*ジョアン・モスカ教授)の関与は重要であると理解し、JICAとOMR(*モスカ教授が所長を務める研究所)との契約を実現し、最初の作業が実行に移されるようにすることを提案した。(この最初の作業とは、マスタープランの見直しに関するコンサルタント契約のための業務指示書/TORの策定のことである)もし、MCSCが「見返り基金」からの資金拠出が待てない場合は、事前に(*「見返り資金」提供の前に)、JICAとして、「マスタープランの見直し」の作業遂行のためのコンサルタント契約を直接行うことが可能である
(3) MCSC(「見返り資金」からの拠出が可能となるまでの活動)への最初の(*資金)援助は、マスタープランのチーム(*ProSAVANA-PDを担う日本のコンサルティング企業)を通じて行う。

MCSCコーディネイターのムトゥア氏は、「プロサバンナにノー キャンペーン」を支援する複数NGOとその他の関係者に精神的な働きかけを行い、(*キャンペーン側ではなく)「メカニズム」のビジョンと目的と同盟を組むように促す活動を、マプートと各州のレベルで行ったこと明らかにした。そして、コミュニティ・レベルでの活動への「メカニズム」の参加を可視化するために、「農業・天然資源ネットワーク」(*ムトゥア氏のPPOSC-N内部組織)を通じて、マッピング活動を開始することが出来ればと協力を要請した。[1ページ終わり]

[2ページ開始]
また(*ムトゥア氏は)、MCSCの代わりに(ために)、OMRがJICAとの間で契約を正式に行うことを受け入れると強調した。それを通じて、コンサルタント企業との契約のための業務指示書/TORを作成するという最初の活動を前進させると述べた。さらに、ムトゥア氏は、「見返り資金」からの資金供出が実現するのを待って、その先の活動が着手されると述べた。

決定:
1. JICAによって(*本会議で)提案された資金提供プロセスに従うこと。
2. OMRとの契約はMCSCの合意をもって行われること。その際には、添付の推薦状に基づいて行われる。
3. 「メカニズム」へのOMRの技術支援を実現するためのコンサルタント契約のTORの策定を開始させる。
4. この(OMRとの)コンサルタント契約は、JICAから直接行われるものではなく、しかし、「メカニズム」への「見返り資金」の提供が待たれるべきであり、これ(*「メカニズム」への資金提供)はWWFを通じて行われる。こうすることで、このコンサルタント契約が、透明性と独立性を確保できる
5. 「農業・自然資源ネットワーク」を通じて市民社会組織によって行われる「マッピング」は実施される。その費用は、ProSAVANA-PD事業の上記チームを通じて資金援助される。
6. 「メカニズム」への活動を支援するための費用は、プロサバンナ対象郡レベルにおける「メカニズム」の「マッピング」と普及活動のための初期の活動であることを鑑み、ProSAVANA-PD事業の上記チームによって支払われる。
7. 「見返り資金」の意思決定に関与する(*モザンビーク政府)機関は、スピードを早める形でプロセスが前進するための努力を行う。これは、可能な限り素早く、この資金を提供させるためである。
8. メカニズムのアクションとコミュニティ・レベルにおけるプロサバンナ事業の現況に関して、郡行政府、生産者、市民社会組織、民間セクターやその他の関係者と共に情報普及がなされるように、ProSAVANA-PD事業チームは資金を投入する。

署名者
アントニオ・ローレンソ・ムトゥア
ナンプーラ州市民社会組織プラットフォーム・コーディネイター

アントニオ・ラウル・リンバウ
プロサバンナ事業コーディネイター
農業食料安全保障省

須藤勝義
JICAモザンビーク事務所所長


===========
【補足】
(1)WWFは、この文書のリークと国際社会からの批判を受けて、「見返り資金」の受け入れ機関となり、他に横流しすることについて断念した。
(2)これを受けて、2016年8月に、「マスタープラン見直し」のためのコンサルティング契約が一般公示された。
(3)OMRは、同時期に出た三カ国市民社会声明を受けて、MCSCへの一切の関与から撤退する旨が発表された。



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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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