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【再抗議・要請】 「緊急抗議・要請」に対するJICA回答(12月20日付)を受けて

以下の文書が、日本の5団体によりJICAと外務省に提出されています。

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独立行政法人 国際協力機構理事長 北岡伸一様
外務省 国際協力局長 山田滝雄様

【プロサバンナ事業に関する再抗議・要請】
「緊急抗議・要請」に対するJICA回答(12月20日付)を受けて


 私たち、日本の5団体からの12月7日付「緊急抗議・要請 」にFAXでご回答頂き、ありがとうございました。しかし、大変残念ながら、頂いたご回答は、「抗議・要請」に対する応答になっておらず、またモザンビークで悪化する状況の改善にまったく資するものとなっていません。このままでは、現地の農民らが直面する危機の回避が不可能と考え、ここに改めて抗議並びに要請を行わせていただきます。

 プロサバンナ事業に関する意見交換会や実施三カ国(モザンビーク・ブラジル・日本)の農民・市民社会組織からの声明などで、幾度もお伝えしてきましたように、モザンビークでは、同事業に反対や異議を唱える農民・市民への現地政府関係者の付きまとい(ストーキングに相当)や脅迫、弾圧などが2013年度下半期より激化し、否定しようのない人権侵害の事実が積み上がっています。これまで、JICA・外務省に対し、各事件の具体的な詳細を提出してきましたが(含:農業大臣が関与した複数事件)、これらの被害は認定されず、被害者への謝罪や保護などの救済措置が取られないまま現在に至ります。
 JICAや外務省は、本来裨益を受けるべき事業地の農民が人権侵害を受けるという深刻な現実を軽視し、これを認めないまま、22億円もの資金を投じて事業を推進し、結果として事態を悪化させてきました。事業推進のため、市民社会に介入し反論を封じ込めようとする「コミュニケーション戦略」が、JICAの資金を受けて策定・実施されてきたことも最近明らかになっています 。JICAは、これが発覚した後も、事業に抗議し続ける農民・市民社会組織メンバーの来日(本年11月)に合わせて、人権侵害の主体となってきた現地政府の高官(農業省元副大臣等)を日本に招聘し、農民らが登壇する院内集会に参加させるため画策しました 。これは、JICA・外務省も認めているところです 。結果として、農民らが帰国後に危険に曝される可能性が生じたため、先の「緊急抗議・要請」の提出に至りました。

 本来、ドナーたるJICA及び外務省が取るべき対応は、援助事業が引き起こしてきた人権侵害の事実から目を逸らさず、これを真剣に受け止め、自らの責任から逃げることなく、農民たちの安全を保証し、かつ自由な意見表明を担保する環境を創造・維持するための具体的な方策を示すことです。しかし、11月の上記「招聘事件」が示したのは、JICAが人権侵害を重視も予防もしないばかりか、積極的に事業地の農民と現地政府を対峙させようとした事実です。その点において、今回のご回答には、これまで繰り返し行われてきた人権侵害に関するJICAの「事実認識」と「責任主体としての自覚」が決定的に欠けていると言わざるを得ません。このままでは、さらなる被害を予防できず、事業成功の前提としてご回答に挙げられた「丁寧な対話」や「より開かれた対話」など成り立たないことは明らかです。ご回答からはそのことへの理解がまったく感じられず、驚きと共に大いなる失望、そして疑問を禁じ得ません。

 12月15日には、外務省の呼びかけにより、山田国際協力局長と「緊急抗議・要請」署名団体の一部が会合を持ちました。その際、局長は、ODA事業における現地の人びととの信頼関係と反論の声を受け止めることの重要性に触れられました。私たちはこれを、自由に発言できる環境を整え、実施・調整を預かる組織の公平性を担保し、対話・協議に必要なすべての情報を事前開示するというすでに国際的に広く認められた原則を踏まえた卓見であると受け止めました。また、現地の農民が抱える危機感を共有できたものと理解しました。これらのご理解に心より感謝を申し上げたいと思います。しかし、今回頂いたご回答のまま、つまりJICA・外務省の責任の所在や具体的な方策が何一つ示されないままでは、農民たちの危機は防げないばかりか、現地の状況のさらなる悪化は不可避です。

 以上から、私たち日本の5団体は、JICAと日本政府に対し、先の抗議・要請書でお伝えした要請の一つ一つに対し、改めて具体的な回答を要請致します。
1. 来日した農民・市民社会代表、そして現地で異議を唱える団体・農民・市民に対するこれ以上の人権侵害や生命・財産の危険回避のための方策についての具体的な提案と実施。
2. JICAの資金で結成・維持され、現地社会への介入と分断を深刻化させている「市民社会対話メカニズム」への資金提供の凍結。
3. 関連情報の即時・全面開示(JICAがコンサルタントとして契約するSolidariedade Moçambiqueへの契約金2,200万円の使途内訳、インセプションレポートの全面開示)。
 なお、新たな情報を受けて、次の要請を追加いたします。
4. JICAからSolidariedade Moçambiqueへの業務指示書で明らかになった「3州で3,000人を対象としたフィールドワーク」の中止。

 なお、上記4.の「フィールドワーク」は、これまでJICA・外務省により公的には「コミュニティ公聴会」と喧伝されてきたものでした 。これが、実際にはJICAの契約コンサルタントがプロサバンナのマスタープランを最終化するにあたって実施する「フィールドワーク」であると判明した以上、これをご回答に示された「一層真摯に耳を傾け」「より開かれた対話」とすることは不可能であり、公共事業への政府側の責任放棄に他なりません。さらに公金を投じることは税金の無駄と不透明性の増長に直結します。また、政府側は、JICA資金によって作られた「市民社会対話メカニズム(MCSC-CN)」を「市民社会のもの」と主張してきましたが、JICAとSolidariedade Moçambique間の契約書により、後者の契約署名者が 、同「メカニズム」のコーディネイターと同一人物であったことが発覚しました 。この人物は、内外で繰り返しプロサバンナ事業推進を唱え、反対する農民・市民の批判やそれを支援する団体への働きかけを行ったことがJICAの会議録でも記されており 、対話に不可欠な公平性の原則に反しています。

 公平性を欠き、現地市民社会に介入し分断を招いてきたJICAによるODA予算の使用のあり方は、上述の「コミュニケーション戦略」に関わる一連の計画・活動にも明確です 。JICAの資金で現地コンサルタントCV&A社が策定した『コミュニケーション戦略書』(2013年8月)は、今月1日、山田局長が「このような酷い内容の文書が政府のものということはあり得ない」(NGO・外務省定期協議会/ ODA政策協議会)と述べるほどの内容で、市民社会の信用低下や分断の手法が詳しく記されています 。しかし、JICAはCV&A社と三度目の契約を2014年6月に交わし、戦略実行を着手させました。

 以上の事実関係を踏まえ、JICA並びに外務省は責任ある主体との自覚と認識に立ったご回答を、2017年1月17日までにお願いいたします 。

                2016年12月28日

モザンビーク開発を考える市民の会
No! to landgrab, Japan
ATTAC Japan
アフリカ日本協議会(AJF)
日本国際ボランティアセンター(JVC)

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1) 【緊急抗議・要請】「JICAによるモザンビーク農民・市民社会来日者への弾圧の試みについて」(2016年12月7日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/2016/12/20161221-prosavana.html
2) 詳細は、次の3カ国市民社会声明「3カ国市民社会によるプロサバンナ事業に関する共同抗議声明・公開質問 ~政府文書の公開を受けて~」(2016年8月27日)。http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20160827statement_ja.pdf
あるいは、第19回意見交換会配布資料(2016年12月7日)。http://farmlandgrab.org/268043
3) 一連の詳細は、注1の前回「緊急要請・抗議」を参照。
4) 第19回意見交換会(2016年12月7日)で確認されている。
5) 同上意見交換会で、JICAにより両者が同じものであることが確認された。
6) この人物が、Solidariedadeの最高経営責任者であったことも判明した。
7) JICAの関与を含む「市民社会対話メカニズム」結成に至る問題については、注2の声明の他、次の本年に出された声明を参照。「プロサバンナにノーキャンペーンは対話における不正を糾弾する」(2月19日)http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20160219appeal.html「プロサバンナ事業『市民社会関与』に関する抗議声明」(3月18日)http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20160318statement.html 「マスタープラン見直しおよび公聴会プロセスの不正に関する緊急声明」(11月16日)
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/20161117-prosavana-japanese.pdf 
8) 詳細は11月16日の声明を参照。会議録は次のサイトに掲載。http://www.farmlandgrab.org/uploads/attachment/doc_2.pdf
9) 総額約671万円が使われた。
10) 情報公開請求によって開示された『戦略書』は、次のサイトに掲載。http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/20161212-prosavana.pdf 内容の一部を抜粋し日本語訳をつけたものが、注2の配布資料である。『戦略書』に関する三カ国市民社会による分析ペーパー(英語)が次のサイトに掲載されている。 http://farmlandgrab.org/26449 
11) 市民社会としても、ODA事業の透明性の確保に寄与するため、これまで通り、すべてのやりとりの公開を原則とさせて頂いております。
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「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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