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【緊急声明】プロサバンナ・マスタープランの見直し/公聴会プロセスの不正に関する緊急声明

2016年11月8日付けで発表された「プロサバンナにノー キャンペーン」の声明の日本語訳が完成しました。

原文は、
http://farmlandgrab.org/26687(ポルトガル語)
http://www.farmlandgrab.org/26688(英語)
をご覧下さい。

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プロサバンナ・マスタープランの見直しおよび公聴会プロセスの不正に関する緊急声明【日本語訳】

2016年8月27日、「プロサバンナにノー キャンペーン」は、世界の83団体と共に、「3カ国市民社会によるプロサバンナ事業に関する共同抗議声明・公開質問〜政府文書の公開を受けて」を発表しました 。

同声明は、リークされた政府文書 によって明らかになった数々の事実に基づいて作成されたものです 。JICA(国際協力機構)の資金によって作られた「プロサバンナ・コミュニケーション戦略」を通じて、プロサバンナ事業の関係者が、事業に疑問を唱える諸団体に対し、さまざまな対抗(妨害)行動を用いてきたことを指摘しています。

リークされた一連の文書は、JICAコンサルタントによって策定された政府の戦略が、モザンビーク市民社会の分断を狙ったものであったことを明らかにしました 。つまり、(市民社会の中で)マスタープランに関する重要な分析を公表しているのは「プロサバンナにノー キャンペーン」だけであるにもかかわらず 、マスタープラン見直しのための「対話メカニズム」の設置プロセスにおいて、同「キャンペーン」 の参加団体を周縁化し、排除してきたのです。

「プロサバンナにノー キャンペーン」は、この「対話メカニズム」(MCSC-CN:ナカラ回廊開発のための市民社会コーディネーション・メカニズム)が形成されたプロセスをめぐる不当性、秘密主義、非正統性および不透明性に抗議の声をあげるために、ふたつの声明を発表してきました 。そして今、一連のプロセスの全資金を拠出してきたJICAの文書がリークされたことにより、3カ国政府並びにその関係者らが、モザンビーク市民社会の分断を試みながら、このメカニズムを形成したことが明らかされました。

このことは、例えば、MCSC-CNの設立直後、JICA(モザンビーク)事務所で行われた会合の記録(リーク文書)にも明確に示されています。同会合には、JICAや(モザンビーク)農業食料安全保障省(MASA)、ブラジル国際協力庁(ABC)で構成されるプロサバンナ・チームの他に、MCSC-CNのコーディネーターであり、モザンビークNGO・Solidarity Mozambique(Solidariedade Moçambique)のコーディネーターで、ナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOSC-N)副代表を務める人物、そしてWWFのスタッフで「自然資源に関する市民社会組織プラットフォーム・アライアンス」のコーディネーターを務める人物が参加していました。そして、そこで、MCSC-CNに「間接的に」資金供与する方法が話し合われているだけでなく、MCSC-CNのコーディネーターが、次のように語ったことが記録されています。

「我々は、『プロサバンナにノー キャンペーン』に参加するNGOやその支援者に対し、「(精神的に)働きかけるミッション」を実行に移す一方、むしろメカニズムのビジョンと手を組むよう(促す)活動に従事している。これを、マプト市(首都)でも州レベルでも、すでに実行した」 。

3カ国政府が、直接的あるいは間接的に実施してきたこれらの数々の行為は、明らかに、世界人権宣言をはじめとする国際的なさまざまな協定(国際法)、モザンビーク共和国憲法、そしてJICAの「社会環境配慮ガイドライン」によって保障されている人権・権利の侵害に相当します 。さらに、プロサバンナ事業の実施をコミュニティに強いることは、(国際的に認められている)人々の「自由意思に基づく、事前の、十分な情報に基づく同意の権利(FPIC、Free and Prior Informed Consent)」を踏みにじることになります。

これらの数々の不正にもかかわらず、MCSC-CNによる2016年10月28日付けプレスリリースには、モザンビーク、ブラジル、日本の3カ国政府が、マスタープランの見直しおよび公聴会プロセスをそのまま強行しようとしていることが記されています。さらに、この見直しから公聴会にいたるプロセスが、いかに多くの問題を抱えたものであるかがわかる情報も含まれています。

(JICAによる本年8月の)マスタープラン見直しのためのコンサルタント募集に際した公示文、そしてMCSC-CNの上記プレスリリースに関して、特に次の点は重要です。

1. プロサバンナのマスタープランは依然として合意されておらず、したがって本来は事業の実施が不可能であるにもかかわらず、モザンビーク、ブラジル、日本の3カ国政府はプロサバンナ事業の実施を合意している。3カ国政府が実施についてすでに合意しているならば、マスタープランを見直し、それに対する賛同を求める根拠はないということになる。

2. この見直しプロセスのコーディネーションは、(JICAより)Solidarity Mozambiqueに委託された。しかし、公示文を見ても、選考の仕組みは全く不明である。実際、Solidarity Mozambiqueは、次の点で契約に値する要件を満たしていない。
A) MCSC-CNに深く関わっており、公平さを欠いている。
B) プロサバンナ事業を最も強くまた明示的に支持している団体の一つである。
C) 非営利団体(NPO)であり、コンサルティング・サービスはその活動目的に入っていない。
したがってSolidarity Mozambiqueを「プロサバンナ・マスタープラン見直しプロセスのためのコンサルタント」として選考することは明らかに不当であり、この選考は無効であることが確認される必要がある。

3. Solidarity Mozambiqueの選考が、ごく狭い意味で正常に行われたと主張されるとしても、MCSC-CNのプレスリリースからも明らかなように、マスタープラン見直しプロセス提案そのものが「(政府による)操作に特徴づけられたもの」であることが考慮されなければならない。

4. JICAとSolidarity Mozambiqueが交わした契約は、モザンビーク人を分断し、市民社会に争いの種をまき、資金を使って市民社会組織を(政府の側に)取り込む活動において、決定的な役割を果たしている。さらに、日本政府は、業務内容と契約者の選考過程に関する情報の開示に、今日まで応じていない。

5. (プロサバンナ事業/JICAの資金によりMCSC-CN/PPOSC-Nによってなされたプロサバンナ対象郡における)利害団体と地域住民団体の「マッピング」は、ナカラ回廊における公聴会のプロセスをある特定方向に決定づけるものである。したがって、この「マッピング」は公開で行なれるべきであり、同様に、その準備にあたっての方法論や手法も公開されるべきであるが、これはなされていない。

MCSC-CNは、プロサバンナ事業の一翼を担ってしまっているのである。これまで出されたプレスリリースや手法からも明らかな通り、MCSC-SCはマスタープランの最後(で最初)の公開バージョン(ゼロ・バージョン*我々の知る限り他のバージョンは存在しない)に描かれている通りのプログラムを支持している。これに対し、プロサバンナ事業の影響を受ける人々やナカラ回廊の小農らは、(ゼロ・バージョンが示す)プロサバンナ事業の内容に広く反対してきた。この事実は、「(見直しプロセスが)包括的で参加型のプロセスだ」という主張と明らかに矛盾し、極めて憂慮すべきものである。

6. プロサバンナは常に「ノー!」を突きつけられてきたが、MCSC-CNのプレスリリースでは、これを変えるための新しいイニシアティブについて述べている。しかし、我々の知る限り、この事業にはいかなる構造的な変化もみられず、また地域コミュニティと社会に一方的に押し付けを行う手法にも変化は見られていない。

**

なお、プレスリリースに書かれたプロセス(日程概要)は、不適切で差別・分断的なものであり、関係者の広範な民主主義的・包括的参加を保障するものではありません。

MCSC-CNは、「ナカラ回廊農業開発マスタープランを包括的・参加型の手法で発展させるため、市民社会諸組織、農業食料安全保障省そして国際パートナー間のコミュニケーションと調整を改善する...」ために時間をかけて活動するとされています。しかし、すでに現場では、プロサバンナ事業は高圧的で抑圧的な方法で強行されています。プロサバンナ事業を、真に「モザンビーク人によるモザンビーク人のためのもの」に変革するための修正は、一度も行われていないのです。11月23日に予定されている(コミュニティ)公聴会では、簡略化された資料をもとに討論するとされていますが、その資料は未だに発表されていません。

以上から、我々は、プロサバンナ事業とこの(「対話」およびマスタープラン・見直しに関する)プロセスのすべての資料を公開し、すべての資料のコピーを、ナカラ回廊沿いのコミュニティおよびすべての関係者に、事前に分析できるだけの十分な時間的余裕をもって配布することを求めます。

また、JICAがSolidarity Mozambiqueとの契約を無効とすることを求めます。理由はすでに述べた数々の不正のためです。そして、我々は、モザンビーク、日本、ブラジルの政府に対し、ナカラ回廊のコミュニティの人々の諸権利を尊重することを求めます。それは、世界人権宣言、モザンビーク共和国憲法そしてJICA自身の社会環境考慮ガイドラインと法令遵守規定に定められた義務です 。

コミュニティでの公聴会であれ地域会合/会議であれ、簡略化された資料しか配布されない「協議」はあり得ません。真の目的が隠され、合意事項の実行が約束されない、不法性に満ちた不透明なプロセスに対し、我々は正当性を与えません。

プロサバンナにノー!

モザンビーク、2016年11月8日

署名団体
1. ADECRU – Academic Association for the Development of Rural Communities, Mozambique
2. Woman Forum, Mozambique
3. Justiça Ambiental – JA! – Amigos da Terra, Mozambique
4. Human Rights League, Mozambique
5. Livaningo, Mozambique
6. National Farmers Union, Mozambique
7. Archdiocesan Commission for Justice and Peace of Nampula, Mozambique
8. Diocesan Commission for Justice and Peace of Nacala, Mozambique
9. Women World March, International
10. Africa Japan Forum (AJF), Japan
11. No! to landgrab, Japan
12. APLA/Alternative People's Linkage in Asia
13. Pastoral Comission of Land – CPT
14. FASE – Solidarity and Education, Brazil
15. Japan Family Farmers Movement, Japan (La Vía Campesina Japan)
16. Japan International Volunteer Center, Japan
17. ATTAC Japan
18. Concerned Citizens Group with the Development of Mozambican-Japan, Japan
19. Sapporo Freedom School 'YU', Japan
20. Hokkaido NGO Network Council, Japan
21. NGO No War Network Hokkaido Volunteers, Japan
22. Global Justice, Brazil
23. Peasant Women Movement – MMC, Brasil
24. ODA Reform Network, Japan
25. Black Women's Network for Safety and Nutrition, Brazil
26. TPP Citizen Coalition, Japan
27. NATIONAL CONFEDERATION OF MEN AND WOMEN WORKERS IN FAMILY FARMING IN BRAZIL.- CONTRAF-BRAZIL

注:マプトのNotícias(政府系)新聞は、「編集方針」に反するという理由から、料金を支払う広告であるにもかかわらず、このプレスリリースのポルトガル語版の掲載を拒みました。また、同紙は、「義務がない」という理由により、この掲載拒否について書面化することも拒絶しています。
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MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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