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【報告】2014年10月29日現地調査報告会記録(その2「議員挨拶&質疑応答&コメント」)

4. 議員挨拶
4.1. 徳永エリ 参議院議員(民主党)
 北海道選出で、農林水産委員会参議院筆頭理事をさせて頂いている。実は近藤さんとはTPPの問題で交渉会合もご一緒していつもお力添えをいただいている。

 本当は我々の仲間の議員で本日の会合に出席したい議員も沢山いたと思うが、本日は会議が沢山重なっていた。こういった報告は私達も非常に考えさせられ、自分たちが何をしていかなければいけないのかということも、これからじっくりと対応していかなければならないと思っている。

 2014年は国際家族農業年。食料安全保障上において、この小規模家族経営農家を守っていくことは非常に大事な問題要。2050年には世界の人口は95億人を超えるといわれており、食糧不足はかならず深刻な問題となる。一方企業にとっては、そういう状況のなかで、食料を牛耳ることが大きな利益になるとおそらく考えているのだと思う。
 では日本国内はどうなのか。実は今年の通常国会で、企業が農業に参入する仕組みをしっかり作ってしまい、これからどんどんと農業・農村に企業が入っていき、既存の農業者を労働者として働かせていくような形になっていくことを大変懸念している。そのような中で、小規模経営農家を守れるのか、家族経営を続けていけるのか、非常に難しい局面にきている。

 ではどうするのか。最近、「食料自給率」ではなく「食料自給力」とよくいわれている。つまり、日本国内で賄う率ではなく、海外から食料をどんどん入れていって、食料自給力を賄っていくという発想。企業は国内では高付加価値の高収益作物だけを作っていく流れになっていく。海外から輸入するならまだしも、報告にあったように海外の土地を収奪し、安価な労働力で、生産コストをおさえながら海外で企業が作ったものをいれていく。そうすると、プロサバンナの問題がそうだが、現地で農業を生業にして生きている人達の生活はいったいどうなっていくのか。
 本当にいま起きていることを皆でじっくりと考え、対応していかないと本当に大変なことになるとしみじみ感じた。まだまだ、はじめて本日参加させてもらい、知りたいことも沢山あるので、こういう機会があればまた足を運びたい。



4.2. 阪口直人 衆議院議員(維新の会)
 本日の資料を拝見した。私自身が1994年にモザンビークにおり、現地で選挙を実施するための国連の活動に参加した。当時のことを考えながら、このプロサバンナ事業がどうなっているのか、資料を読み、想いを馳せていた。

 まさに本日の外務委員会で主張したことだが、公正な開発につなげていく基盤として、やはり公正な選挙の実施が必要である、国民の信頼を得た選挙があり、国民の声がしっかりと反映されるという基盤がなければ、どこの国であっても公正な開発は実現出来ないと考えている。

 94年に複数政党制で行われたモザンビークの選挙では、カーボ・デルガード州のムエダという、モザンビークとタンザニアの国境近辺の山岳少数民族の村で活動していた。最近のレポートを読むと、モザンビークにおける民主化及び公正な選挙が後退していることが分かる。そして、こういったプロサバンナのような事業が、政争や住民を支配する道具になっているのではないか、あるいはそうなるおそれがあるのではないかということを危惧しながら報告書を読んだ。

 そういう意味では、日本政府はこれまでやや、ややというよりも二の足をかなり踏んでいた民主化支援ということに対しても、もう一歩踏み込んで支援をすべきだと思う。公正な開発を実現するそもそもの前提として、公正なガバナンスの実現、公正でより多くの方の声が反映される、弱い立場の方々の声がしっかりと反映される政治体制、そして選挙が実施されるべきと考える。

 これらの点については、自分自身がこれまでも各国で選挙支援を行って考えてきたことでもあり、モザンビークに限らずこの問題に取り組んで参りたい。同じ問題意識を抱えている方々とは是非一緒に頑張っていきましょう。本日は、これだけ大勢の方が集まっており、大変心強く感じた。


5. フロアーとの質疑応答
 その1:
・ ブラジル生活53年のヨコタと言います。セラード開発のパイオニアの一人。
・ 皆さんの報告は何を日本の方々に訴えたいのか分からない。ブラジルのことばかり色々悪いように言っているようだがそうではない。モザンビークを助けるためにやっている。
・ セラード開発により救われたブラジル人は大勢いる。初期に入植し開墾したのは我々日本人移民だった。
・ モザンビークの事業で大切なことは、現地の若者に、人からもらうのではなく、自分たちで食料をつくる方法を教えること。
 その1への回答(森下):
・ ブラジルが土地収奪をしていると聞こえたということであれば訂正する。ナカラ回廊で土地収奪をしている企業は様々。ブラジル資本の企業も関わっている。
・ プロサバンナの中で一番問題視しているのは、(ナカラ回廊農業開発の)マスタープランを描く役割を果たしているFGVというブラジル側のコンサル機関が、同じ地域を対象にファンドを立ち上げて投資を促している点について、利益背反ではないのかという点。その点は賛同いただけたということで。
・ この場の目的は、セラード開発の是非を問うものではない。ただし、セラードでの農業開発の是非については議論の分かれるところであるのは事実で、そういったものを踏まえた事業なのか疑問と考える。
・ また、プロサバンナ事業については、現地で最大の農民組織連合である全国農民連合(UNAC)の実態と役割をきちんと把握し踏まえたうえで進められているのかについて疑問を呈した。

 その2:
・ PARC会員の紅林です。2点質問。
・ i) 渡辺さんの報告の最後のスライドにあった、土地を取得しようとしている日本企業について具体的に説明してほしい。
・ ii) ブラジルのセラード農業開発の問題に関連して。確かに大豆や穀物生産が増えたが、その反面、遺伝子組み換え大豆の拡大や、モンサント社のランドラップ農薬が問題となっている。同様の問題がモザンビークでも起こる可能性があるか。

 その2への回答(渡辺):
・ 駐モザンビーク日本大使館の月報で、ある日本企業が3000ヘクタール規模の土地を取得予定とあった。現地からの情報でも、農民との協議のないまま土地を取得しようとしているとのことだったので調査した。
・ 今回、同企業が取得しようとしていた2か所の農村のコミュニティを訪問。

 モザンビーク政府関係者と企業関係者が土地を使いたいと言ってチーフに話に来た。チーフは突然の出来事の対応に困ったが、その場でいきなり土地の測量をするから手伝えと言われ巻き込まれた。住民らからは、お金をもらっているのではないかと噂を立てられた。

 調査訪問時、数名の農民との懇談のはずが、女性も含めて50名ほどの農民が集まってきた。日本人を見てまた企業の者が来たのかと思い、石を投げてやろうと思って石を持ってきたという。
・ ODA大綱見直しの中で官民連携が謳われているが、誰がこのようなケースの責任を負うのかが詰められないまま、アカウンタビリティのないまま進められていることを実感した。

 その3:
・ コンサル会社の石川です。
・ 報告の中で「モザンビークの市民社会」という言葉を耳にして奇異に感じた。アフリカ53カ国あるが市民社会という言葉が当てはまるのは南アだけではないか。現地に行って政府と市民社会のギャップに驚いたというが、当たり前ではないか。

 その4:
・ 土地所有の関係、農民的土地所有について教えてほしい。

 その4への回答(森下):
・ モザンビークについては全て政府が所有。その代わり利用権があり、処分や貸し借りは行えない。10年間耕していれば、農民はその土地を耕す権利を得られる。
・ たとえ書面での契約書がなくても問題ない。実際多くの農民が紙の登録までは行っていない。コミュニティの中で住み分けを決め、かつ農薬等の投入財を使っていない農業なので、土地の中で移動して農地を管理している。

 その5:
・ JICA農村開発部プロサバンナ担当田和です。
・ 本日のプレゼンを聞いて会場の皆さんがどのように感じたのか気になる。JICAはなんて稚拙な団体だと思われた方もいると思う。ただ、我々職員は当然ながら協力隊員と同様、専門家と共に真摯にプロジェクトに向き合っていることを伝えたい。
・ (本日のコメンテーターの)高橋さんと現地を回らせてもらった。同じ視点で同じ人にお話を聞くというのはよかった。ただプレゼンを拝見して、我々の真意や考え方が伝えられていないのではないか、誤解を与えてしまっているのではないかと感じた。
・ 我々は大規模な投資を呼び込んだり、土地収奪を行うような計画を立てる予定はなく、また現在も行っていない。
・ 例えば、マタリア(ME)社が入ったときに土地紛争があったのではないかとの話があった。我々も実際どうなのかを確認した上で事業を進めていかなければならないと考えており、現地の職員や専門家を連れてインタビューしている。
 前々からマタリア社が土地に入っていたところに、内戦が終わって戻ってみると既に農民が入って事業を行っていたと聞いており、そういう意味で言えば土地の考え方において主張の相反があるというのは事実。しかし、それを強制により排除するのではなく、話し合いで進めていくと確認している。
 ただ、本当にそうなのかについては、先程も実際は違うのではないかという意見があったが、我々としても十分確認した上でやらなければならない。
 イメージされているようなブラックな企業であるとするならば、JICAが公的な税金を使ってやっている以上、それは許されないと考えている。
・ 本日皆様から、我々の情報については、日本の市民社会、現地の市民社会、もちろん農民ともきちっと共有していくことの重要さをご指摘いただいたと認識している。
・ そのような意味でも、今回日本の市民社会と同じ問題点を見て確認していくというプロセスは我々にとってもよかったと思うし、同じところに立って議論ができるのは有効だった。
・ 日本の市民社会とJICAだけでなく、現地の市民社会の方々が一緒に議論していくことが大事だと思っており、それこそが我々が考えている対話なので、それを促進していきたい。
・ 我々は政府の機関ということで、モザンビーク政府のオーナーシップを尊重しながらやっている。限られた予算を様々な国の問題解決に充てていかなければならない役割を担っている。その意味では、モザンビークが自分たちの力で、もしくは自分たちの発意でやっていかなければいけない。それをJICAとして支えていくと考える。
・ これによりモザンビークのせいにするというつもりは全くなく、また逃げるつもりも我々はない。そのようなガバナンスが弱いところをきちっと支えていくということも我々パブリックセクターの責任だと考えている。
・ とはいえ、我々はモザンビーク政府の話だけを聞いているのではなく、農民の声も聞いている。ただ、政府の方とJICAの職員が訪問しても、農民の方々の本音を引き出せないのではないかと高橋さんから指摘があった。我々もその辺はよく考えていきたい。裏をとり様々な角度から話を聞き、市民社会の方々と一緒に訪問して、ハードルを低くしていくことが大事だと認識している。
・ 最後にひとつ。高橋さんと現地を訪れた時ある橋を渡った。車で通ると壊れてしまいそうな橋だったため橋の脇を通ったが、そこには葦が敷いてあり、それは現地の住民が切って並べてくれたものだったと知った。こういった面からも、このプロジェクトはある部分では評価されていると感じている。


6. コメンテーターからの発言
6.1. 池上甲一(近畿大学)
 5点のポイントを準備したが、時間がないそうなので3点に絞りたい。
 投資の問題:
・ 世界的な開発協力の方向として、「開発協力から投資へ」という主張が強くなっている昨今、モザンビークと日本の間でも2013年6月に投資協定が結ばれた。農業関係や中小企業関係でも投資の枠組みが出来ている。
・ 例えば世銀とアフリカ開発銀行それぞれの中にある日本信託基金を使って、2013年から5年間で1億2500万ドルを投資することになっている。
・ また日本の機関投資家の動きにも注目する必要がある。世銀と組んで、公的年金をアフリカのインフラに投資したり、プロジェクト・ファイナンスに使おうという動きがある。
・ 2014年5月にカメルーンで開かれたTICAD閣僚会合で、岸田外相が「儲かる農業」を支援することを表明したが、投資の拡大と連動させる農業開発モデルとしてモザンビークが想定されているように思う。
 農業の近代化
・ 「儲かる農業」ということは、農業の近代化を推進するということでもある。プロサバンナでも近代化が強調されている。
・ 近代化は構造転換を伴う。構造転換には社会的費用が付随する。社会的費用の大きい近代化は失敗するというのが歴史の教えるところである。
・ その意味でも、プロサバンナをこのまま進めていっても上手くいかないのではないかと感じる。
 契約栽培
・ 12月8日に、明治学院大学で契約栽培について話をするのでお越しください。


6.2. 贄川恭子(WE21ジャパン)
 神奈川を中心に活動。生活者としてコメントする。
・ プロサバンナの事業が自分達とどう関わりがあるのか勉強会を開催した。
・ 大豆自給率は8%、ほぼ輸入している。影響が及んでいないアフリカモザンビークで農業開発が進んでいて、現地農民の生活に影響を与えていることを知った。
・ 大豆という健康食品を求める事がこのような形で海外の大豆事業に影響を及ぼし、現地住民の土地収奪につながっているというはショックだった。
・ 現地住民の生活を壊してつくられたものを決して食べたいとは思わない。税金をつかうODAは途上国の貧困に苦しむ方々にきちんと使われてほしいと思う。生きるための食糧を生産する権利を尊重してほしい。特にODAの中では重要にしてほしい。
・ 消費者の権利にも目を向けてほしい。食品そのものの安全性だけでなく、どこでだれがどのようにつくられているのか、環境を壊していないかなどをきちんと知ることが必要。背景を知る権利、品物を選ぶ権利が消費者にはある。消費者基本法に環境保全に配慮しなければならないなど記載されている。国は国民に対して安全を守るためにも基準を全うしてほしい。

6.3. 高橋清貴(恵泉女学園大学・JVC・ODA改革ネット)
 現地調査を踏まえ、本日配布された提言(18頁)に絡めて言及したい。これからのODA事業を考えるポイントは3点ある。リスク、アカウンタビリティ、政策一貫性である。
 リスク:
・ ODAを行う際、様々な形のリスクを考えなければならなくなっている。これだけ大きな案件がどういう風なリスクを及ぼすか、その対応はどうあるべきなのか現地で見たかった。
・ その点では、モザンビークの局長が(プロサバンナ事業に関する)問題を政治化しているが、援助側にこれへのソリューションは生み出されておらず、リスク対策が弱いといえる。
 アカウンタビリティ:
・ 情報公開や透明性で大事なのはアップワードな(下から上へいく)こと。現地の市民や農民たちがどれだけ理解しているかが重要。農民主権が重要。しかし、農民に説明を求めても回答がない。自分で判断するだけの情報を得ている状況ではない。
 小農支援という政策一貫性:
・ 3年前、釜山会議(第4回援助効果向上に関するハイレベル・フォーラム)で、子の事業は三角協力の成功事例として発表。その当時は「小農支援」ということは謳われていなかった。
・ 小農支援という点で政策レベルと実施レベルの一貫性が不十分。
・ 農業的な技術的な支援だけでなく、法的な面までを含めての一貫性が重要であり、そこまで取り組める体制を整える必要がある。
 開発協力大綱案が出たが、先の3点についてはほぼ言及はない。今後パブリックコメントもあるはずなのでぜひ目を通してコメントしてほしい。




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Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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