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【記録】プロサバンナに関する質問主意書と政府答弁(2014年6月)

以下、参議院サイトからの転載です。

プロサバンナに関する質問主意書と答弁の総合サイト(PDFあり)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/186/meisai/m186153.htm
主意書提出者:石橋通宏議員

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http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/186/syuh/s186153.htm
モザンビーク農業開発のための三角協力プロサバンナ事業に関する質問主意書

 現在、政府開発援助(ODA)を通じて実施されている「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるモザンビーク熱帯サバンナ農業開発プログラム (ProSAVANA-JBM)」(以下「プロサバンナ事業」という。)は、①研究・技術移転能力向上事業(ProSAVANA-PI)、②マスタープラ ン策定支援事業(ProSAVANA-PD)、③コミュニティレベル開発モデル策定事業(ProSAVANA-PEM)の三本の柱で構成されており、モザ ンビーク北部ナカラ回廊沿い地域の三州十九郡を対象として二〇一一年から開始されている。
 このプロサバンナ事業については、同年十月以来、モザンビーク最大の小規模農民(以下「小農」という。)の連合体である「全国農民連合(UNAC)」に より、ステークホルダーとの対話の欠落と情報公開の欠如による不透明性及び土地収奪への懸念などにより、繰り返し疑義と懸念が表明されてきた。二〇一三年 五月二十八日には、UNACをはじめとするモザンビークの広範な社会組織二十三団体と世界四十二団体によって、当該三か国首脳宛ての「プロサバンナ事業の 緊急停止と再考を求める公開書簡」(以下「公開書簡」という。)が提出され、国内外で広く報道されたため、国際的な関心も高まっている。
 また、本年一月十一日から十三日にかけての安倍晋三首相のモザンビーク訪問時には、「両国首脳は、(中略)熱帯サバンナ農業開発プログラム (ProSAVANA)実施にあたっては、市民・農村社会と緊密な対話を継続し」、「持続可能な農業開発を通じた地域コミュニティの生活向上、及び小農の 貧困削減を進めるために協力するとの約束を再確認した」との日本国とモザンビーク共和国との間の「友情」(AMIZADE)パートナーシップに関する共同 声明が発表されているが、公開書簡が提出されてから一年が経過する現在も、公開書簡への回答は行われていない。
 右の背景・経過を踏まえ、以下質問する。

一 公開書簡が一年以上にわたり放置されている理由について、政府の見解を示されたい。また、公開書簡に対する回答が準備されている場合、いつまでに、誰の名前で回答がなされるのか、具体的に明らかにされたい。

二 本年六月二日、UNACを中心に、プロサバンナ事業対象十九郡の小農組織とその連合体を含む約二千二百組織が参加した小農・市民社会組織が「全国キャ ンペーン プロサバンナにノー」を首都マプトで開始したが、政府は承知しているか。承知している場合、「小農支援」を謳うプロサバンナ事業が、同国で最大 の小農連合と市民社会諸組織によって明確に反対を表明されるに至った理由について、政府の見解と今後の対応を示されたい。

三 プロサバンナ事業の二本目の柱であるProSAVANA-PDは、当初二〇一一年末に開始し、二〇一三年八月に終了するものとして計画されたが、現地 社会並びに国際社会での不信感の高まり等により、二度の事業延期を余儀なくされて現在に至っている。現地関係者からは、UNACはじめ、前記一のキャン ペーン参加組織だけでなく、事業の最大対象地で十郡が集中するナンプラ州の市民社会プラットフォームとの対話も暗礁に乗り上げていると伝えられているが、 その事実関係と、暗礁に乗り上げている理由及び今後の対応方針について、政府の見解を示されたい。

四 プロサバンナ事業の全体像が確定していないにもかかわらず、二〇一三年五月には事業の三本目の柱であるProSAVANA-PEMが開始されている。 しかし、現地関係者からは、同事業に関するステークホルダーへの説明や対話は、全国のみならず、州レベルでさえ行われておらず、その目的や全容、計画は現 在まで当事者に不透明なままであること、そして、ProSAVANA-PDが暗礁に乗り上げている中で突然、ProSAVANA-PEMが開始されたこと に対して「プロサバンナ事業の既成事実化」の動きとして地域社会の不信感を強める結果となっていることが伝えられている。公開書簡に対する回答を行わず、 マスタープラン策定が暗礁に乗り上げる中、現地社会に対する説明や協議も行わないままに一部でProSAVANA-PEM事業を推し進めている理由を明ら かにされたい。

五 ProSAVANA-PEMの受益者として契約が結ばれる予定の団体には、ナンプラ州の「マリア・ダ・ルス・ゲブザ・アソシエーション」という現職大 統領夫人の名前を冠した小農組織が含まれ、農薬・化学肥料・灌漑設備などが供与されることになっていると伝えられているが、その事実関係と、これらの農業 資機材の供与は、日本のODA予算によるものか否か明らかにされたい。日本のODA予算による場合、そのスキーム名、全供与対象組織、物資、予算額と計画 を明らかにされたい。現地では、本年十月に大統領・国政選挙が予定されており、ProSAVANA-PEMが現政権の「選挙対策」になっているのではない かとの疑念が広がりつつあると伝えられているが、この点に関する政府の見解を示されたい。

六 プロサバンナ事業の技術チームが拠点を置くナンプラ州農業局に派遣中の青年海外協力隊員に対し、プロサバンナ事業関係者より「プロサバンナ事業が支援 する農家に対するサポート」が依頼されていると伝えられているが、事実関係を明らかにされたい。その上で、これに関連し、これまでプロサバンナ事業に直接 的・間接的に関わる業務に従事した青年海外協力隊員の数、任期、職種・(プロサバンナ事業内の)業務の詳細を明らかにされたい。現地では、昨年十月から政 府軍と最大野党の間で局地的な戦闘が継続しており、ProSAVANA-PEM事業地近辺でも武力衝突があったと伝えられている。隊員の安全管理のみなら ず、政治的にどのような配慮をもってプロサバンナ事業を進め、我が国の若者を青年海外協力隊員として派遣しているのか、政府の見解を具体的に示されたい。

七 プロサバンナ事業の一本目の柱であるProSAVANA-PIについても、二〇一一年四月の事業開始以来、現地農民組織や市民社会を対象とした説明会 や協議は行われておらず、その不透明性に当事者から懸念が表明されてきたと理解している。本年四月に初めて「成果セミナー」への招待が一部団体に対して行 われた模様であるが、同セミナーでは地元小農の大半が生産も消費もしない大豆にばかり焦点が当てられており、市民社会による聞き取り調査によれば、モザン ビーク政府の技術者も同事業の大豆生産の奨励による投資促進が「小農の土地の収奪につながる」との見通しを述べたと伝えられている。政府は、この事実を承 知しているのか。また、大豆生産の奨励が、現状においてナカラ回廊地域へのアグリビジネスの流入を招いている実態を踏まえ、プロサバンナ事業においてどの ように地元小農を土地収奪から守るのか、具体的な方策を示されたい。

  右質問する。

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http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/186/touh/t186153.htm
参議院議員石橋通宏君提出モザンビーク農業開発のための三角協力プロサバンナ事業に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「公開書簡」については、「熱帯サバンナ農業開発プログラム」(以下「プロサバンナ事業」という。)を中心となって進めているモザンビーク政府が、現在、回答を行うべく調整中であると承知している。

二及び三について

 御指摘の「全国キャンペーン プロサバンナにノー」に係る発表が行われたことは承知しているが、その背景については、政府としてお答えする立場にない。 また、ナンプラ州においては、「ナカラ回廊農業開発マスタープラン策定支援プロジェクト」(以下「マスタープラン策定支援プロジェクト」という。)の基本 的な方向性について現地市民の理解が得られていないことにより、平成二十五年十二月以降、モザンビーク政府と農民組織や市民社会団体との対話が中断してお り、現在、同国政府から農民組織や市民社会団体に対し、対話の再開を呼びかけているところであると承知している。いずれにせよ、政府としては、同国政府に 対し、農民組織や市民社会団体との対話を粘り強く続けるよう引き続き働きかけていく考えである。

四について

 「ナカラ回廊農業開発におけるコミュニティレベル開発モデル策定プロジェクト」(以下「コミュニティレベル開発策定プロジェクト」という。)は、地域の 特性に応じた農業開発モデルを確立し、また、そのモデルの普及を担う農業普及員の育成や体制整備を行うことにより将来的な小規模農業者の生計向上を目指す ことを目的とするものであり、マスタープランの策定を目的とするマスタープラン策定支援プロジェクトとは目的が異なるものであることを踏まえ、モザンビー ク政府から、地元関係者に十分に説明を行いつつ進められてきているものと承知している。

五について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、コミュニティレベル開発策定プロジェクトにおいて、モザンビーク政府が試行的な生産活動を行うに当たり協力し ている団体は、御指摘の「マリア・ダ・ルス・ゲブザ・アソシエーション」を含む四団体であると承知している。四団体に対しては、同国政府から、独立行政法 人国際協力機構の業務経費のうち技術協力プロジェクト関係費によって調達された約七十万円相当の種子、肥料、農薬等が無償で供与されるとともに、約六十万 円相当の農業用ポンプ等の資機材が貸与されており、コミュニティレベル開発策定プロジェクトは、今後、平成三十一年まで実施されることとなっていると承知 している。
 四団体は、コミュニティレベル開発策定プロジェクトの目的を踏まえて技術的観点から選定されたものであると承知しており、コミュニティレベル開発策定プロジェクトが「現政権の「選挙対策」になっている」との御指摘は当たらないものと考える。

六について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、ナンプラ州においては、平成二十五年から二年間の任期で農業土木又は野菜栽培を職種とする二名の青年海外協力 隊員が派遣されており、関係者の依頼によりプロサバンナ事業が支援する農家に対して技術指導を行ったと承知している。政府としては、モザンビークの経済社 会発展の支援の一環として青年海外協力隊を派遣しており、また、現地で活動する青年海外協力隊員の安全対策に関しては、万全を期している。

七について

 御指摘の「成果セミナー」においては、全部で十五の発表テーマのうち大豆に関するものは六つであったと承知している。また、「モザンビーク政府の技術者 も・・・「小農の土地の収奪につながる」との見通しを述べた」とは承知していない。いずれにせよ、マスタープラン策定支援プロジェクトを進めるに当たって は、地元農民等が懸念する不当な土地収奪を防ぐ観点から、モザンビークの法律や現地事情を踏まえた農業投資ガイドラインの整備や、農業投資の管理・モニタ リングを行うための仕組みの整備等を同国政府に対して求めていく考えである。
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「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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