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【公開:議案書】ODA政策協議会(モザンビーク市民社会の殺害とODA事業)

12月12日に外務省で開催されるNGO・外務省定期協議会のODA政策協議会(年3回開催)で、モザンビーク警察による市民社会リーダーの暗殺(本年10月発生)と日本の対モザンビーク援助政策が協議されます。

以下、議案書を貼付けますので、お読み下さい。

後日、当日の記録を紹介します。

なおリーダー暗殺については、本ブログの以下の投稿をご覧下さい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-426.html

***

1. 議題案名:モザンビーク市民社会リーダー殺害とODA事業

2. 議題の背景:
【事件の概要】
 モザンビークの大統領・議会・知事選挙(2019年10月15日)の1週間前、10月7日に、モザンビークのガザ州NGOフォーラム(FONGA)リーダーのアナスタシオ・マタヴェル(Anastacio Matavel)氏が10発の銃弾を打ち込まれる形で暗殺された。犯人は襲撃後、逃げる際に事故を起こし、身元が割れた。5名中4名が、警察特殊部隊要員であった。
 事件の翌日(10月8日)、警察もこの事実を認めざるを得ず、モザンビーク警察長官ベルナルディーノ・ラファエル(Bernardino Rafael)、またその代理として、広報官オルランド・モドゥマネ(Orlando Modumane)は、マタヴェル氏を殺害した5人の犯人の4名までが、「ガザ州警察の機動隊内にある特殊作戦部(GOE; Grupo de Opera;ções Especiais)の業務に当たる人物である」と認めた¹。

【暗殺されたマタヴェル氏】
 マタヴェル氏は、選挙監視を行う市民社会グループ「Sala da Paz(平和の部屋)」のメンバーでもあり、ガザ州全体の独立選挙監視グループのリーダーでもあった。この日は、選挙監視要員の研修をしており、その帰途での事件であった。
 また、マタヴェル氏ならびにFONGAは、2012年5月のTICADの際に公表され、安倍晋三首相に手渡された3カ国首脳に宛てた「プロサバンナの緊急停止を求める公開書簡」に署名しており、2015年5月のプロサバンナ事業の公聴会に関する声明² にも署名している。

【非難声明】
 これに最初に反応したのが、モザンビークの駐米大使館であり、翌10月8日には、声明(添付1)³ を発表し、マタヴェル氏暗殺について「他の国際社会とともに強く批判する()と述べている。同様に、EU高等弁務官事務所も同日、声明(添付2)⁴ で、「市民による監視は信頼できる選挙プロセス実現の基本的要素」であり、同氏の「死をもたらした攻撃を強く非難する」」と述べた。
 モザンビーク内外の市民社会も、添付3⁵ 、添付4⁶ などの声明を出している。

【日本政府の対応】
 しかし、事件から2ヶ月近くが経つ現在も、日本の大使館は沈黙したままである。

3. 議題に関わる問題点(議題に上げたい理由):
① 日本は、サハラ以南アフリカの中でも、モザンビークを「重点国」とし、2009年以来多額の資金を援助や投資支援の形で投じている。2014年1月の安倍首相の訪問、2014年の二国間投資協定(サハラ以南アフリカで最初の締結)⁷ は、さらにこれを加速化させるものであった。
② 安倍首相のモザンビーク訪問は、中部と北部で野党レナモ拠点へのモザンビーク(フレリモ)政府の攻撃が続き、事態が悪化している中で行われた。
③ また、2015年3月のシスタック教授の暗殺以来、ジャーナリストや市民社会関係者の暗殺や暴行、誘拐が相次いだ。この状況下で、プロサバンナ事業において人権侵害が頻発していたことを受けて、JICAや外務省に対して、第三者による調査と人権救済を要請したが、これは行われなかった。
④ 暗殺されたマタヴェル氏は地元のローカル新聞やラジオなどを応援し、「知る権利」を広げ、透明性のある行政・選挙の運営、それを通じての民主的で平和な社会の実現に尽力していた。モザンビークでは、このように、市民社会も参加する形で、民主的な統治の実現に寄与しており、司法の動きも重視されてきた。そして、この間議題にしてきた、マプート行政裁判所によるプロサバンナ事業に関する違法判決(知る権利侵害)などに示されている通り、三権分立と法の支配の有効性が実証されている。しかし、これについて、JICAや外務省は、法の支配やガバナンス支援を掲げる一方で、実際には、本件を「国内問題」「行政組織間の問題」として放置し、無理解と矛盾する言動を露呈させている。
⑤ 日本の市民社会としては、これまで繰り返し指摘してきたモザンビーク政府の市民社会への弾圧が、最悪な形で証明されたことになる。
⑥ プロサバンナ事業においては、JICA資金により、2016年2月に、モザンビーク政府による反対運動者の人権侵害を煽るような『コミュニケーション戦略書』が作成されていたことが、情報開示請求により、明らかになっている ⁸。
⑦ これらを受けて、モザンビーク住民11名が、JICA環境社会配慮ガイドラインに基づく異議申立を行い、人権侵害に関する審査を要請した。しかし、この審査では、訴えられている側のJICAコンサルタントNGOがヒアリングを仕切るなど(3度審査役と面談)、人権侵害を具体的に訴える人への配慮なきまま(声を無視する形で)審査が進められ⁹ 、結果として「モザンビーク政府の人権侵害の事実を確認できない」とした¹⁰ 。
⑧ また、2015年には、JICAがプロサバンナ事業に反対するモザンビーク市民社会の内部調査をさせ、介入・分断を行った事業「ステークホルダー関与」を主導していた現地コンサルタントEduardo Costa氏(MAJOL社)が、事業終了後すぐの2016年7月からモザンビーク農業省下にあるプロサバンナ本部に派遣されていたことが分かっている。つまり、市民社会内部の情報をもった人物を、あえて、人権侵害が訴えられている政府側にJICA・日本の援助は派遣したことになる。
⑨ また、本協議会でも、ファクトに基づく協議を重視する基本から、モザンビーク政府関係者の反対運動の無理解・誹謗中傷・威嚇発言などの録音などを提供し、第三者による調査や人権救済などの対応を求めてきた¹¹ 。2018年3月1日のODA政策協議会時には、外務省の牛尾滋審議官(当時)も録音された発言は人権侵害に相当するとの見解を述べた¹² 。しかし、外務省、JICAは録音内容の確認については、半年以上も対応を引き延ばしたばかりか¹³ 、録音の時期について認めない州局長の側の主張をくり返してきた。しかし、この州局長の主張が虚偽のものであり、JICAの報告が間違っていたことが現地の新聞で明らかになっている¹⁴ 。その後、当該局長をはじめとするモザンビーク政府関係者らは日本のNGOへの録音提供者の「犯人探し」を行う等、更に人権侵害を起こし始めた¹⁵ 。これについて緊急申し入れをしたにもかかわらず、外務省は「プロサバンナ事業について、現地住民の理解が得られる形で実施されるよう、これまでもモザンビーク政府に対し働きかけるなどの対応を行っていますところ、引き続き適切に対応してまいります」との回答を寄せるなど、何ら行動をとらないまま現在に至る¹⁶ 。
⑩ この現実を踏まえ、モザンビークへの援助のあり方を至急再検討する必要が生じている。とりわけ、反対運動が根強く、JICAがモザンビーク政府をアシストする形で市民社会に介入・分断するとともに、事業下における「人権侵害」が訴えられ、それへの対応が日本政府に対して求められ続けてきているにもかかわらず、「認定できず」「国内問題」として放置され続けてきているプロサバンナ事業については、その関係者が暗殺されたことも踏まえれば、プロサバンナ事業については、直ちに停止することが望ましいと考える。

4. 外務省への事前質問(論点を詰めるために事前に確認しておきたい事実関係などがあれば):
① 外務省が把握するモザンビークで市民社会(大学関係者やジャーナリスト)に対して行われた暗殺・誘拐・傷害事件の数とその後の結果(犯人逮捕や裁判等)
② 今回の暗殺事件を知った経緯(日付とソース)、警察官による犯行と知った経緯(日付とソース)
③ この件で、モザンビーク外務省あるいは/および駐日モザンビーク大使館に問い合わせを行ったか否か(その日付と詳細)
④ これまで、モザンビーク政府に対し、何らかの懸念や非難を示したか否か(その日付と詳細)。
⑤ 以下について、報道、必要に応じて、在外公館などを通じ、モザンビーク政府に確認の上、Yes/Noで回答されたい(Noの場合は何故なのかの説明)。また、分からない場合、誰にどう確認した上で不明と結論づけたのかも示されたい。
(ア) 10月8日、本件について、ラファエル警察長官はプレスリリースを発表した。
(イ) 10月8日、本件について、警察長官の広報官モドゥマネは記者会見を行った。
(ウ) 同プレスリリースには、犯行に加わった5名中4名までが、ガザ州警察機動隊特殊部隊メンバーであったと書かれており、記者会見でもこの事実が確認されている。
(エ) 本件を踏まえ、同広報官は、ガザ州機動隊長のAlfredo Naifane Macuacuaと同機動隊内特殊部隊長Tudelo Macuaze Machicho Girrugo の職務を停止したと発表した。
(オ) 犯行に使われた車両は、ガザ州シブート市のHenrique Machava市長の名前で登録されていた。
⑥ この事件に関する非難声明を今後出す予定はあるのか。ない場合は、他国は出しているのに出さない理由
⑦ プロサバンナ事業に反対する人びとの安全をどう守るのかに関する具体的な方策
⑧ 上記のとおり、プロサバンナ事業を停止すべきと考えるが、これについての考え
⑨ 以上の現状から、外務省として、モザンビークにおいて法治国家体制を強化する必要があると考えるか、否か。とりわけ、司法の独立性を重要と考えるか、否か。必要・重要ということであれば、今後の支援についての抱負
⑩ 人権問題のある国への援助指針

5. 議題の論点(定期協議会の場で主張したいことや、外務省に聞きたいこと):
① モザンビーク政府への詳細照会、抗議
② 対モザンビーク援助・投資の見直し
③ プロサバンナ事業の緊急停止
④ プロサバンナ事業に反対している人びとの安全を守る方策
⑤ モザンビークの司法の独立性、法治国家体制の定着について

【注】
¹ https://www.globaldiasporanews.com/assassinos-de-anastacio-matavele-sao-agentes-da-policia-da-republica-de-mocambique/
https://www.cipeleicoes.org/oficial-assassinos-de-anastacio-matavele-sao-agentes-da-policia/
² https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20150515-prosavanastatement.pdf
³ https://mz.usembassy.gov/u-s-embassy-statement-on-the-assassination-of-anastacio-matavele/
https://eeas.europa.eu/election-observation-missions/eom-mozambique-2019/68510/moe-ue-mo%C3%A7ambique-2019-condena-veementemente-o-ataque-que-resultou-na-morte-de-uma-figura_en
https://justica-ambiental.org/2019/10/10/repudio-a-violencia-contra-activistas/
https://www.civicus.org/index.php/media-resources/news/4116-mozambique-killing-of-activist-dr-matavel-restrictions-on-civic-space-mar-upcoming-elections
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ila/trt/page22_000958.html
⁸ 【JICA文書】コミュニケーション戦略書(英語版、2013年9月)
資料4-「プロサバンナ・コミュニケーション戦略」と背景
⁹ その他、JICA職員が監督者となる形で弁護士事務所が論点整理を行う、JICA担当部署も文書でも裏付けされていないことを「事実」として認定するなどされた。また、大臣の実際の人権侵害を記録した動画も証言者による証言書も検討することなかった。
¹⁰ ただし、4章「提言」では、「モザンビーク政府に問題がなかった訳ではない」とは認めている。
¹¹ 外務省提供録音→https://www.youtube.com/watch?v=QBtRTCEMQsQ&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=qeKLwB_g_lQ&=&feature=youtu.be https://www.youtube.com/watch?v=VWS_TW0ZKJY 
¹² この発言は後日違う形で議事録としてまとめられている。「要するに、コン サルテーション中止だと言っているときに、進めるなんて発言、すぐ終わるんだ、みたい な発言するのは、全然矛盾していて、それはだから、そういう矛盾していることを言って いるやつがいると。しかも人権無視だよと、いうことも含めて、向こう政府にこれはどう いうことだということで録音テープを渡す。こっちの認識としてはそういうことですよ」https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/shimin/page25_000194.html
¹³ https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/2018/06/20180531-mozambiquekaihatsu.html
2017年12月:ODA政策協議会で問題提起、2018年1月:録音データなど共有、2018年2月:公開質問状https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/2018/06/20180531-mozambiquekaihatsu.html
¹⁴ 2018年7月31日ODA政策協議会 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/shimin/page22_001042.html
¹⁵ https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/2018/08/20180830-prosavana.html
¹⁶ 以上サイト掲示「回答」。

【議事録】財務省NGO定期協議会(2019年6/10)モザンビーク債務問題・ナカラ回廊開発融資

質問書は以下をご覧下さい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-433.html

2019年6月10日 財務省NGO定期協議会@財務省
議題 6.モザンビーク債務問題・ナカラ回廊開発への融資に関する同国小農・市民社会との政策協議(11 月 21 日)のフォローアップ

渡辺: 私からはモザンビークの債務問題・ナカラ回廊開発への融資に関するモザンビークの小農・市民社会と の政策協議のフォローアップという議題を提案させて頂く。この 2 件について、この協議会で過去何度 も話をさせて頂いた。また、JBIC には別途場を設けて頂き、具体的な対応などの話をさせて頂いている。 一部改善されているところ、一部まだ情報が開示されていないところ、すごく状況がばらついている。し かし、こちらの協議会とは別に、8 月と 11 月に話をさせて頂いた時、いくつかの対応の約束をしてくだ さっているため、そのフォローアップをしたい。特に、債務については、今年の 8 月には TICAD が予定 されているため、状況を確認したい。扱って来た議題はナカラ回廊開発におけるナカラ鉄道の整備事業。 これをブラジルのバーレ社と三井物産が共同で行っており、そこに JBIC が約 1100 億円の融資、NEXI が 約 1000 億円の貿易保険を出している。全体で約 3000 億円が融資されている。我々の現地調査を通して、 強制移転であったり、生計が全く成り立たない暮らし強いられていたり、鉄道が整備のために土地が掘 られ鉄道が引かれているものの、そこに歩道橋とか横断道がないことで救急車が通れなかったり、転落 事故があったり、あるいは、石炭が剥き出しのままで通るため、果物に粉塵が舞って売れないなどの環境 被害であったり、それまで旅客だった駅が貨物に変わってしまい、電車が止まらなくなったことで、交通の便やマーケットが喪失したり、様々な被害が実際に確認されている。この調査は私も現地に入って行 い、状況を確認し、ここで伝えさせて頂き、一部答えを頂いている議題である。今日、質問の細かい内容 は当方からは読まないけれども、状況のフォローアップとして質問に答えて頂ければと考えている。ま た、これは後で触れたいが、今日議題 6 ということで、2 つ追加で資料を提出させて頂いた。大変申し訳 ないが、議題資料提出締め切りが 5 月 28 日だったところ、5 月 29 日と 6 月 1 日に現地で 2 つの報道が 出てきた。今話をさせて頂いたナカラ回廊開発と、質問で出させて頂いているモザンビーク政府への借 款にも関わることなので、後で触れさせて頂く。まずは質問への回答を頂ければと思う。

JBIC 高橋: 10 点質問を承っているため、そちらに対して回答する。まず初めに、2017 年の 88 箇所の対応箇所につ いて。横断上での危険度が高いということで、歩道橋、地下道、フェンス・壁、警告板・標識等の設置を 行った 88 箇所に関して、どのように現地で情報が公開されているのかについて。この点に関しては、事 業者が 88 箇所を決める段階でパブリックコンサルテーションを通じて、村のリーダー・住民・現地政府 等のステークホルダーに対策予定箇所に対する説明を行い、ステークホルダーからの同意を得た上で、 対応を実施し、情報共有をしていると認識している。
2 点目について、今対応しているのが 2016 年で 52 箇所、2017 年で 88 箇所と、合計 140 箇所だが、今 後はどのような対応をするのかというご質問。この点に関しては、事業者の中で特にリスクの高い箇所 の評価を行い、対策する箇所を特定していく。具体的には、市場や学校が存在するため住民が線路を渡る 頻度が高い箇所、居住地や農地などの所有地が線路をまたがって存在する箇所、見通しが良くない箇所、 住民による線路横断が見られる箇所、待避線や駅が見られる箇所、住民からご要望頂いた箇所と、こうい った箇所をリスクの高い箇所と認定しており、こういった中で特にリスクが高い箇所を重点的に対応し ていくと事業者は言っている。これは毎年随時調査をし、状況をアップデートしている。人口動態である とか、その中での経済の動きとか、リスクの対応が必要な箇所が変わっていくため、ここは継続的な評価 と対策が必要であると認識している。事業者は、2018 年に 140 箇所に加えて 72 箇所の対応をしている と言っている。こういった対応を事業者としては続けるというコミットメントをしているため、我々と してもそういった対応をしっかりとフォローしていく。そういった対策箇所の特定に関しても、先ほど 申し上げた通り、現地の住民を巻き込んだ形で必要な箇所を特定していく。これに加えて、渡辺様から、 ないしは高橋様から受けた情報を事業者にも伝え、そう言った情報を参照した上で対策箇所をしっかり と特定していくと考えている。
3 点目の鉄道がどれほど往来するかについて。旅客車両に関しては週 1〜2 往復、時刻表は事業者がホー ムページに公開しているとのこと。旅客駅にも掲載しており、確認することは可能。ご要望があれば、弊 行からリンク先をお示しすることもできるため、そう言った要望があれば是非言って頂ければと思う。 貨物に関しては平均して一日一回程度通っている。
次に 4 点目、「事業者もモニタリングに 100%慣れていない中で、対応がパーフェクトではないのは確認 されている。事業者が建設したものの不具合についてはきちんと対応することと、長らく要望があったのに対応できていないことは確認できなかったが、雨漏りやヒビ割れ等の要望が一部見られたことは、 我々が直接現地でモニタリングスタッフを派遣した中で確認した。」の具体的な対応についてのご質問だ が、実際には、事業者に関して家屋の引渡し後 2 年間は事業者の費用で修繕を行うと約束をしている。 加えて、建設時の不備、建設自体に問題がある場合、期限の定めなく事業者の費用で修繕を行い、対応を していることを 2018 年 6 月に実査した時にも住民にも事業者にも確認している。こう言った苦情申し立 てのメカニズムも住民の方々に認知はされていると、住民に質問をする中で確認されている。また、2018 年 11 月にモアティーズ周辺で確認したところによると、主要な移転エリア、ナンプラやリバウエやマレ ンマにおいては、事業者自らが専門部署のスタッフを派遣し、移転住民とともに提供住居の状況確認を 主体的に行っている。問題があれば、そこで吸い上げて主体的な対応をしていると確認をしている。こう 言ったことがなされていることを今後もしっかりと確認していきたいと考えている。
5 点目のモニタリングした場所を具体的に示して頂きたいとの点について。これに関しては、2018 年の 6 月と 11 月に実際に実査をして、現地の住民の方々と話をしている。2018 年 6 月、この時にはナンプラ 周辺、ナミナ、ブウェット、リバウエ、マレンマの移転を実際になされたコミュニティーの住民の方々を 訪問して話を聞いた。2018 年 11 月の際にはモアティーズ・炭鉱周辺の集団移転地を訪問して話を伺っ た。加えて、現地の実査以外にも事業者が提供されるモニタリングレポートで状況を確認している。あと は先ほど申し上げた通り、移転を強いられた住民の居住エリアに対しては、事業者がモニタリングスタ ッフを派遣し、このスタッフによって週次および月次で生計支援状況が事業者内に報告されている。事 業者としてもしっかりと実施していきたいと言っているため、我々も確認していきたい。
6 点目は、公害や騒音などによる子供や果樹への影響。騒音や大気汚染の影響について渡辺様からご指摘 を受けたが、こう言った内容を事業者に伝えた結果を知りたいとのご質問である。まず我々のやってい ることの説明だが、事業者から定期報告を受ける中で大気質および騒音の水準が現地基準・国際基準の 範囲内であることをまず定期的に報告をさせた上でこちらが確認をするというのが第 1 である。第 2 は 頂いた話を事業者に伝えた上で確認をした話だが、騒音については車両および線路の保守を適切に実施 することに加え、騒音影響へのモニタリングを実施し、必要に応じて音がうるさい原因のブレーキパッ ドの交換、車両の点検、メンテナンスと言った対応を取っていると確認している。大気汚染に関しては、 列車による石炭灰の粉じん対策として貨車に積まれた石炭に粉じん抑制剤を塗布し、粉じんの飛散を防 ぐ対応をしていると確認した。今後も現地で我々が把握しきれていないところの情報が極めて重要だと 感じているので、ご指摘を承りながら、問題ある箇所は事業者にも共有しながら定期的にモニタリング を実施していきたいと考えている。
次に 7 点目、8 点目、9 点目。これはモニタリング結果の公表に関するご質問なので、まとめて話をさせ て頂く。弊行の環境ガイドライン上、モニタリング結果を現地において一般に公開されている範囲内で 弊行も公開するとのこと。受領しているモニタリングレポートは貸し手である弊行含むレンダーの報告 のために事業者がまとめたものである。そのため、一般への公開は事業者としては想定していない資料 である。どういった形でこのモニタリング内容が現地に共有されているのかというと、我々としても確 認をした結果、住民説明会やコールセンターが設けられており、現地住民からの質問を随時受け付け、その中で大気質の測定値等の情報を共有し、事業者による対応の実施の説明を行うという対応はなされて いる。加えて、渡辺様、高橋様、その他関係者様が実際に弊行にお越し頂き、お話賜る際には、一般に紙 で公開になるとなかなかハードルが高く、ウェブで公開というのは辛いが、実際に口頭でお見せしなが ら、可能な限りの情報提供というのは引き続き続けさせて頂きたい。是非このセッションを続けていけ ればと思っている。
次に 10 点目の「60 箇所の具体的な内容について、2018 年を終えたところでできる限り情報提供した い。」について。これは 72 箇所に増え、申し訳ないが、詳細については今事業者に確認をしているとこ ろ。またこの情報がまとまればご報告をさせて頂く。
次に、政策協議会での発言について。補償に関して、問題解決のための対応をスピードアップするよう伝 え、両社が対応すると回答をしたと協議会でお伝えしたが、この対応がどうなったかについて。今日、先 ほど話にあげたように、事業者としてはこれまで以上に住民説明会をしっかりと行い、コールセンター で現地住民の直接の質問に答える中で、各種「クレーム」というと少しおかしいが、現地での苦情を受け 付けていると確認をしている。
次に 2 点目のモニタリングを続けると、新しいコミュニケーションとは具体的に何を指すのかを示して 欲しいという質問。こちらに関しては、融資を決定した立場として弊行は定期的にモニタリング実査を 行なっており、年に一回は現地に行って住民と対話をすることを続けていきたいと考えている。直近で、 先ほど申し上げた 2018 年 11 月に訪問をしたが、今月もナンプラに訪問をして実査をする予定である。
次に三番目のモザンビークの債務問題に関して、日本政府がモザンビーク政府への資金提供をストップ している点について現在どういった状況が教えて頂きたいとのことだが、公的金融機関ということで、 IMF のポリシーをしっかりと踏まえて、債務の持続可能性に留意をし、認められた範囲内で融資をする。 こういった方針に変わりはないということである。
最後に TICAD が 8 月に開催されるが、モザンビークに対して新たな投資や融資の案件が予定されている のならば、具体的に申し出てもらいたいという質問に対して、申し訳ないが、現時点で具体的なことは何 も申し上げることができない。頂いた質問へのご回答は以上である。

渡辺: 細かいところで、2 年間は修繕の補償をしているけれども、「建設時の不備だった場合には期限を設けず に対応する」といった時に、元々の建設の不備をどのように判断するのか。あるいは、モニタリングをし た場所を教えて頂きたい。というのも、これまでご対応をされている内容をご説明して頂いているけれ ども、現地で目視・確認される状況と、「○○郡で対応している」といったときに、実際にその郡に住ん でいらっしゃる住人の声とズレがある。郡といってもすごく範囲が広い。そういうところで、具体的にど こをモニタリングしたのかをおっしゃって頂ければ、「ここはまだだね」などのズレを直していけるとい うことで、お願いをさせて頂いていた。ただ、先ほどおっしゃっていたように、ここで情報は出せないけれども、別途ご訪問した場合には出せる資料があると認識をした。可能であれば今お答えして頂きたい が、不可能であったら、また別途場を設けて情報提供をして頂きたいと考えている。
ただ先ほどのガイドラインの解釈の話も通じるが、本来、公共性の高いはずである鉄道の建設について も、もともと日に 1、2 回走っていた旅客が週に 1、2 回に減らされ、その代わり毎日のように粉塵を飛 ばす貨物列車が通るとか、誰のための開発なのかといった時に、住民が圧倒的な影響を受けている。プラ スして生計改善の話もベトナムの案件で出ていたが、なぜ具体的にモニタリングした場所を聞きたいか というと、住民にとって元の暮らしからガラッと変わることには違いはない。強制移転させられて、それ までずっと使っていた土地が使えなくなる。JBICもこれまで30ドル稼いでいたところを10ドルになっ てしまった、だから 20 ドルを補償すれば良いという話ではないことは分かっていると、おっしゃって頂 いている通り、もともといた方にとっては元のような生活を取り戻すことが、権利が満たされることに なる。そういう状況の中で齟齬をどう埋めていくか努力が必要であると考えている。この事業について は行ってしまった事業なので、こういう対応について一個一個話しているが、先ほどの議論、議題の 4 や 5 にも通じるが、根本的に融資の前にどういったことを確認していかなければいけないのか。ガイドライ ンをどのように実際に運用していくのか。先ほど G20 のコミュニケなんかでもガバナンスにどう対応し ていくのかがあったかと思うので、具体的な、細かいことも事例として積み上げていく必要もあるが、個 人的には大枠のところでどういう風に現実とのズレを埋めていくのかとか、財務省あるいは JBIC として どういう対応が有り得るのかを話す場が必要なのではないかと感じたことを、一言質問の回答をもらう 前に添えたい。
最後に、気になったのだが、財務省の方が知っているかもしれないが、最後のページの3と 3.について は借款も含めて伺いたい。モザンビークに対して新たな円借款というのを2017年度以来止めていること があるので、ここがどうなっているのかを伺いたいのと、この 3 番がなぜ具体的に今話してもらえない のかが分からなかったので、その辺りの事情も併せて回答願いたい。

MOF 渡邊: 円借款に関しても申し訳ないが、現時点で具体的な案件の状況などについてこの場で話すことはできな い。モザンビーク政府の債務問題に関しては、JBIC と同じように債務持続可能性については留意して検 討するということになろうかと思う。

渡辺: ちなみに、具体的に止まっていたことをこの間ずっとこの財務省の協議会でも確認してきていて、再開 する判断があったかどうかも分からないということなのか。

MOF 渡邊: 代理で出席しているため、その点は改めて回答したい。

渡辺: 改めて頂けるということでよろしくお願いする。もし JBIC で先ほどの質問で、ここでご回答頂けること があればお願いしたい。

JBIC 高橋: 手元に詳細な情報がないため、また継続協議ということにさせて頂ければと思う。

渡辺: 私の方でも、現場の方でズレが見られていて、今月末にも現地の NGO と農民たちが調査をすると聞いて いるため、頂いた情報を現場の方に戻して、引き続き継続の協議をさせて頂ければと思う。もう一つ、追 加で配布した資料のうち、表面が日本語になっている、CLIN 社が国庫への納付額を減らし、11 億ドルを モザンビークから流出させたという記事で、まさに JBIC が融資をしているナカラ鉄道整備の案件に関わ るものであるため、ここで共有させてもらう。要するに、CLIN 社が、本来収益で国庫に入れるはずのも のを、この記事によると、株主であるバーレと三井物産が 2018 年度の第 3 四半期中に 11 億ドルをモザ ンビークから引き出して、アラブ首長国連邦に拠点を置く両社の支社に送金したことを確認したとある が、UAE はご存じの通りタックスヘイブンという、その話は G20 のコミュニケの中でも出ていたかと思 う。その中で結局 CLIN 社が、財務諸表等を公開していないので、11 億ドルについて目的やどういう風 な資金の利用をしているかが分かっていない中でこういった事業が行われている。伺いたいのが、この 報道についてまずご存じかどうかということと、JBIC、財務省としてこの報道を受けて、ご存知ならど ういう対応をしているのか、ご存知ないならこの記事を見て今後どういう対応をするのかをお伺いした い。

JBIC 高橋: この報道に関しては弊行も確認して、不当に利益、益金を課税逃れのために第三国に移したということ であれば問題であろうと、事業者にも確認した。結果として、事業者の説明としては利益金を課税回避の ために第三国に移転した事実はないということであった。これが確認した内容である。

渡辺: それ以上の確認はする予定はあるのか。

JBIC 高橋: まず事業者として、そういった説明を我々にしているということで、虚偽の情報を報告するとなれば融 資契約上も大きな問題となってくると思うので、そこが事実であるかというところも、フォローアップ というか、例えばこの会社の財務諸表に関しては弊行も確認できる立場にあるので、まだ完成していな いが、2018 年の財務諸表を見ればそれが本当であるのか嘘であるのか、ある程度分かるかと思うので、 そういったところもしっかり確認していきたい。

渡辺: ちなみに、これは公的資金を使った融資なので、先ほどのどこまでの説明をどういう風にオープンにするかという議論が重なってはいるが、財務諸表を入手した場合に共有してもらうことは可能か。

JBIC 高橋: これはあくまで事業者が、例えば上場会社である場合は、それを公表する義務が発生するということで あるが、非上場会社である中で、これをオープンにというのはそこまでは弊行として求められる立場に はないということである。

渡辺: 今日は時間がないかもしれないが、この間議題 4~6 にかけての話を伺っていると、融資をする際、貿易 保険をする際に、ガバナンスと債務の持続性の観点からと、どういう具体的な政府なのかと、人権をきち んと現場で守っているのかという観点も含めて、どういう風なリスク分析を事前にしているのかという ことが、なかなか見えてこない。融資をしてしまってから、する前からいろんな声があるにもかかわら ず、そういった事実を NGO 側からこの場を通じて届けているにも関わらず、融資を決定されて結局こう いう報道が出てきて、できる事実確認といえば、事業者に確認をするしかないということで、住民の側か ら見たら割を食っているというか、被害が起きているだけということで、事前に予防するのは非常に難 しいことを実感として感じている。これを今どうこうは非常に難しいが、もし財務省としてこういった 状況を受けてリスク分析とか、事前のものとして、こういったことをすれば良いという見解とか認識が もし今あれば教えて頂きたい。

MOF 渡邊: 直ちに今結論を出せるわけではないが、環境面に関しては、JBIC の環境ガイドラインに則って行うのが 第一かと思う。先ほどから出ている贈収賄の関係は環境とは別の問題となるので、あの点はあの点で財 務省としても今後も注意して確認していかなければならないということで、問題意識は省内で共有して、 JBIC とも共有しようと思っている。直ちにこの場でこういう対策を取るという約束は私限りではできな いが、G20 のコミュニケで出ているガバナンスという点に関しては、今後も省内上げて取り組んでいかなければならないと思うので、その点は関係者一同に共有したいと思う。

渡辺: もう一つの記事で、日本としても問題として認識をしている債務隠しの発端になった、元大統領がお金 を流す形で同国の諜報機関が作った、エマタム社という、表向きはマグロ漁船というか漁業会社で、結局 裏で同国の諜報機関と繋がっていることが明らかになっているのだが、これによる債務隠しで非常に大 きな問題があって、IMF と日本も新たな借款を提供しないことを決めている、判断の基になっている件 がある。このエマタム社の債務を返すのに、国会の審議なしに CD 州沖で行う天然ガス開発の収益を充 てると。本来国民に返済するはずの収益をエマタム社という未だ真相が解明されていない企業の債務の 返済に充てるということで記事が 6 月に出ているので、こういったことも踏まえた上で、先ほどの借款 の件はご検討頂き後日回答頂きたい。今日はナカラ鉄道の話をしたが、その先にはナカラ空港とナカラ 港湾があって、ナカラ空港の方はブラジルが関わっている。ナカラ港湾の方はブラジルのバーレ社と JICA が関わっているが、空港の方で、ブラジルでの裁判で、モザンビークの元の財務大臣にキックバックが回っている、当時のブラジルの大統領と繋がっていた、そこで裏でキックバックが回っていた、ブラジル側 からそういうことが明らかになっている。これらは違うように見えて、出てくるアクターが全て同じ。三 井物産、バーレ社、元財務大臣、あとはインフラ大臣、プラス現ニュシ大統領。そのうち繋がってくるの ではないかということで NGO や市民社会は報道を見守り、両国から情報収集している。議題の 4~6 に 関わることだが、実施してしまって住民に影響を与えてから融資を止めるとかではなく、事前にその国 の状況を把握しながら、いかに被害を最小限にとどめるのか、あるいは事業をやらないという判断をす るのか。そういった方向で今後検討して頂きたいということで、引き続き協議をさせて頂ければと思う。

【質問書】財務省NGO定期協議会(2019年6/10)モザンビーク債務問題・ナカラ回廊開発融資

財務省NGO定期協議会(2019年6月10日)の記録

質問書PDFと全体の議事録はこちらでご確認下さい。
http://jacses.org/492/

議題 6.モザンビーク債務問題・ナカラ回廊開発への融資に関する同国小農・市民社会との政策協議(11 月 21 日)のフォローアップ

議題提案者:ATTAC Japan、日本国際ボランティアセンター、アフリカ日本協議会、モザンビーク開発を考える市民の会

背景
これまで本定期協議会の場で議論してきた「モザンビーク債務問題」と「ナカラ回廊開発への融資」について、以下の対話の機会を持った。

1. JBIC と NGO の間の「ナカラ鉄度開発の住民への影響に関する協議」(2018 年 8 月 9 日(木)16:00~@JBIC)

2. 「モザンビーク 3 カ国民衆会議来日者との政策協議」(2018 年 11 月 21 日@参議院議員会館)

以上の場で、いくつかのフォローアップ事項が出ているため、以下について情報と資料の提供を要請したい。
また、今年 8 月に TICAD(アフリカ開発会議)が予定されているため、それに関連し、以下について情報と資料の提供をお願いしたい。

質問
1. JBIC と NGO の間の「ナカラ鉄度開発の住民への影響に関する協議」(2018 年 8 月 9 日)では、以下の点について NGO からの質問と JBIC からの回答があった。これを踏まえて、今回次の 10 点の情報・資料提供を要請する。

① 88か所の説明が、現地ではどういう範囲で共有されているのか。「同じものではないと思うが、情報は公開されていると聞いている」とのことであるが、具体的に教えてほしい。

② 「おっしゃるとおり 900km は長い。そのなかで、今 140 か所。現時点で全てのリスクに対応できているわけではないので、こういうご意見をいただきながら、ぜひやっていきたい」とのことであったが、やっているとすればどういうことをやって行っているのか。

③ 「現地の調査では、24 時間昼夜問わず、毎時通るということだが、日に何便が何車両通過するといった統計はあるのか。前回、旅客も週に一度の往来になっていて、それも調べてほしい」と依頼したが、「貨物の頻度は確認する。旅客は、現地のほうで時刻表 HP に公開されているとのことなので、それも確認しておく」とのことだったので、この回答がほしい。

④ 「事業者も 100%モニタリングに慣れているわけではないなかで、対応がパーフェクトではないことは確認されている。たとえば、協議会の質問でもあったが、住居の雨漏りや壁のひび割れは改善の必要性、要望が実際に確認された。事業者は自分たちが建設したものの不具合についてはきちんと対応するということ。我々が確認したコミュニティでは、長らく要望があったのに対応できていないということは確認できなかったが、そういう要望があったことは確認できた」とのことなので、具体的な対応を知りたい。

⑤ 「現地のほうで旅客の本数が減った、またそのために農産物が販売ができないというところに関して、全部ではないが、事業者が収入向上を目的として、生計支援策をやっているところは確認できている」とのことであったが、「『対策をとっている』という、モニタリングした場所をまず具体的にお示しいただきたい」との依頼をした。その回答がほしい。

⑥ 「公害、果樹、子どもの勉強、騒音など。リバウエ、マレマの調査で新たな問題が出てきている。
大気汚染、騒音については、深刻な問題と思う。これまで対応としてあげられていなかったが」との質問に対し、「それらの点については、事業者からレポートをもらい、確認するということをやっている。大気質、騒音の測定値を確認していて、世銀グループのガイドラインを満たしていると確認している。ただ、果樹や子どもたちへの影響については事業者にも伝えたい」とのことだったので、伝えた結果を知りたい。

⑦ 「我々のモニタリングとして、ガイドラインにある通り、国際基準を満たすことが前提となっている。その数値が超過していないかは見ている。その数値で見ると、現状だが基準は満たしている」とのことであったため、NGO 側からは「問題になっていないという箇所と数値」の提出を求めた。
その結果、「ガイドラインにおいて、そういうモニタリング結果は、基本的に現地で公表される範囲で公表している。このためガイドライン上で公開を強制はできないが、せっかくこうした対話の機会があるので、情報提供は可能な範囲でやっていければ」とのことだったので、具体的に公表してほしい。

⑧ コンサルタントのレポートの公開については、「レポートは事業者の保有物になる。ただ未来永劫公開できないということではない」とのことであった。時間も経過し、モザンビークで情報公開法が成立し、「国民の知る権利」はモザンビークも日本も同様に人権として法制度化されている。今回こそ開示を要請する。

⑨ また、「モニタリング内容の提供がどのようにできるか考えたい」とのことであったので、この回答がほしい。

⑩ 60 カ所の具体的な内容について、「2018 年を終えたところで、可能な範囲で情報提供したい」とのことだったので、情報を提供してほしい。

2. 政策協議会(2018 年 11 月 21 日@参議院議員会館)での、以下の発言に基づき、情報と資料の提供をお願いしたい。

① 「これは三井とバーレの民間プロジェクトであるが、結果を、起きている問題をわれわれが無視してよいというものではない。モニタリングすべきだと考えている。 今年(2018 年)6 月に現地調査に行き、当該の村や村のリーダーたち、住民(三井とバーレから補償金もらって移転した住民なども)にお会いし、皆さんが指摘されたような問題を確認した。そこで、問題の所在を三井とバーレに伝えたところ、両社は問題(住民からクレームが来ていることなど)を確認したので、問題解決のための対応をスピードアップするよう伝えた。両社は対応すると回答した」とのことなので、この対応がどうなったのか教えてほしい。

② 「われわらはモニタリングを続ける。コミュニティの状況を理解することは重要だと考えている。われわれは資金提供を承認している。コミュニケーションをとり続けるというプロセスは、今後も続けるつもりだ。new comunication が必要だと思っている」とのことだったので、「新しいコミュニケーション」が具体的に何を指すのか教えてほしい。

③ 「IMF から、モザンビーク政府の債務問題について聞いている。ナカラプロジェクトは、三井とバーレの民間プロジェクトであり、われわれはプロジェクトに資金提供している。日本政府はモザンビーク政府への資金提供をストップしている」とのことなので、現在においてもこの状態か教えてほしい。

3. TICAD が今年8月に横浜で開催されるが、モザンビークに対して、政府資金を使った新たな投資や融資案件が予定されているのであれば、具体的に教えてほしい。

【参加募集】国会議員主催「プロサバンナ事業に関する勉強会」(公開)

(以下、転送・転載歓迎)
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国会議員主催勉強会(公開)のお知らせと参加者募集
2019年12月23日(月)午後2時ー5時@参議院議員会館
詳細→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-431.html
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日本のNGO5団体は、12/23の議員主催勉強会の協力団体として、お知らせと参加者募集の呼びかけを行います。ふるってご参加ください。

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2009年、日本政府とJICA(国際協力機構)は、ブラジルと共に、アフリカのモザンビークで大型農業開発事業「プロサバンナ」を進める三角協力事業に合意しました。「プロサバンナ」は、2011年に始動しましたが、2012年10月には、モザンビーク最大の小農運動(UNAC)が、世界に反対声明を発信しました。以来、現在まで、数多くの問題が明らかになっています。

2013年以来、衆参両院の国会議員は、税金の適正運用と行政の透明化を実現するため、事業主であるJICAやこれを監督する立場にいる外務省に対し、情報照会、国会質疑、質問主意書の提出等に取り組んでこられました。過去には、議員主催のプロサバンナ勉強会が、JICA/外務省とNGOを招く形で2度行われています。また、多くの国会議員に、NGOが主催する院内集会に協力いただいてきました。

本年9月4日に開催されたNGOの院内集会にも10名の国会議員が「呼びかけ議員」として協力されました。同集会は、アフリカ開発会議(TICAD7)にあわせて来日した事業対象地最大の小農運動(ナンプーラ州農民連合)代表と「プロサバンナにノー!キャンペーン」、外務省・JICAの事業担当者らを招く形で行われ、その様子はテレビや新聞、ネット上で広く報道されました。

しかし、9月20日、JICAは公式サイトで、院内集会に登壇した小農運動代表を名指しで誹謗する広報文を発表しました。これを受けたNGO5団体は、JICAに対し、記述が事実に基づいていないこと、また新たな人権侵害であるとして抗議し、文章の撤回を要求しましたが、現在までこの文は掲載されたままです。

本議員主催勉強会は、以上の事態を憂慮し、また現地行政裁判所でのプロサバンナ違法判決を受けて、議員のイニシアティブで、JICAとNGOを招待する形で開催されます。

なお、事業開始から8年、35億円を超える国費が投入されてきた本事業について、ひとりでも多くの日本の納税者・主権者と共に
問題を考えるため、本勉強会はメディア・市民に公開される形で開催されます。

詳細は以下の通りとなっております。参加希望者は12月21日(土曜日)中に、以下の申込みサイトまでお申込み下さい。

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【日時】:2019年12月23日(月)14時~17時
【場所】:参議院議員会館101会議室
(東京都千代田区永田町2-1-1)
【アクセス】:最寄り駅【駅出口】からの所要時間
地下鉄メトロ 永田町(徒歩4分)、国会議事堂前(徒歩7分)
https://www.bb-building.net/tokyo/deta/457.html
【資料代】:500円
【集合時間】:13時30分~13時45分
※集合時間内に、参議院受付ロビーに集合下さい。
 ロビーで入館票を受け取っての入館となります。
→遅れる場合は以下の申込サイトの備考欄に具体的な到着時間をご記入下さい。

【申込み】:事前お申込みが必要です。※締切12/21(土)中
以下申し込みページから氏名・所属・連絡先をご記入ください。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/3be9aa84646364
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【主催議員】:石橋通宏議員、井上哲士議員、福島みずほ議員、
川田龍平議員、徳永エリ議員、篠原孝議員、西村智奈美議員、田村貴昭議員(その他、調整中)
【協力】:日本国際ボランティアセンター(JVC)、モザンビーク開発を考える市民の会、
ATTAC Japan国際ネットワーク委員会、アフリカ日本協議会(AJF)、
No! to landgrab, Japan

【問い合わせ】:
日本国際ボランティアセンター(JVC)東京事務所
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4
クリエイティブOne秋葉原ビル6F
TEL:03-3834-2388(渡辺)
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(転送、転載以上まで)

【お知らせ】12/23議員主催勉強会への協力について

JICAに要請していた9/20付けでJICA公式サイトに掲載された現地小農運動リーダーへの誹謗文の撤回と公開討論会の開催に関する続報です。
詳細は下記の投稿をご覧下さい。

http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-418.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-422.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-423.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-425.html

事態を重くみた議員の先生方のイニシアティブで、12/23午後に、NGOとJICAを呼ぶ形で議員主催勉強会が開催されることになりました。場所は参議院議員会館となります。
詳細は議員事務所から連絡があり次第、お伝えします。皆さまの応援、ご協力、心から感謝いたします。

モザンビーク開発を考える市民の会 一同

【記事翻訳】The Economist誌でのプロサバンナ特集

The Economist誌でプロサバンナ特集がありました。
以下リンクから原文をご覧いただけます。
https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2019/11/14/brazil-and-japan-plotted-a-farming-revolution-in-mozambique
以下は翻訳文です。
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ブラジルと日本がモザンビークで目論んだ農業改革
しかし両国が蒔いたものは大豆ではなく反対の種だった

2019年11月14日 ナンプーラ

モザンビーク北部の草原を目を凝らして見つめると、そこはブラジル中央部に位置するサバンナ地帯のセラードのようにも見える。この草原も集約農業によって様相を変えられてしまうのだろうか? セラードの低木林がブラジルを食料輸入国から世界有数の穀倉地帯へと変化させた大豆畑に姿を変えられてしまったのと全く同じように。それこそがブラジルと日本の専門家によってモザンビークへ導入されている計画、すなわちプロサバンナ事業の背後に潜む考えであった。2009年に開始されたプロサバンナ事業は、およそブルガリアの国土と同規模の107,000㎡に亘る地帯の農業生産力向上を目的としていた。

政治家たちは、プロサバンナを「南南協力」の画期的一例として触れ回った。アフリカ大陸において、プロサバンナ事業が抱く野心に合致するほどの農業計画は他に存在しないに等しく、この事業には多くの農学者たちがこの大陸で夢見る未来を描いていた。すなわち、生産力のある商才にたけた小規模農家と大規模プランテーションが世界中に農産物を輸出する姿である。 しかし、プロサバンナ事業は思いあがった空論でしかなく、上意下達式計画は期待はずれに終わる実例となってしまった。

サハラ以南アフリカに住む人々の60%程度は、彼らの自身の耕作地を使って生計を立ており、殆どの人々は改良種や化学肥料を使用していない。ケニアやウガンダの典型的な農家による1ヘクタールごとのトウモロコシ生産は、中国のそれと比較して3分の1程度、そしてアメリカの約6分の1だ。世界に残された未開墾の土地の殆どがアフリカにある。手つかずの可能性といった物語が、商業農業をアフリカに引込んでいる。アグリビジネス企業の中には、自社の広大な所有地を開墾する企業の他に、現地の農家から換金作物の購入契約を結び始める企業も存在する。これらの企業は、特に土地の問題でしばしば反対に直面し、いつの間にか撤退する。

プロサバンナ事業もまた、類似した疑惑にぶつかった。この10年間の事業の活動は、小さな調査研究所とモデル農家数軒を除き特筆すべきものは皆無である。北部の町、リバウエの郊外にある調査地では、農家たちは専門家による市場価格の調査方法やグループ貯蓄を始めるための支援を受け、小ぎれいに整えられた畝でタマネギが育てられていた。しかし、これは広大な風景に残された単なるひっかき傷に過ぎない。未だ事業計画の中核部が開始される前に、プロサバンナ事業が蒔いたもの多くは市民社会運動の種(たね)であった。

大多数のモザンビーク人が初めてプロサバンナ事業という言葉を知ったのは、2011年のブラジルの新聞に掲載された「モザンビークはブラジルの大豆のために土地を提供する」という見出しから始まる記事による。記事はモザンビークを「ブラジルの次の農業フロンティア」として描き、続いてモザンビーク北部の半分は「無人」の地であるというブラジル人農学者の主張を引用した。そして2013年、プロサバンナ事業計画の内部文書が流出した。文書では小規模農家の重要性が強調されていたものの、小規模農家と企業農業群との連結を想定するものだった。ある未公開株式投資会社は、(プロサバンナ)事業に関連するアグリビジネス事業への20億ドルの調達を目指した。

(モザンビークの)活動家たちは、この計画を「大規模な土地の収奪」であると非難した。彼らは調査のためブラジルのセラードに足を運び、プロサバンナ事業の3国間構造をそのまま映し出すかのように、ブラジルと日本の市民運動と協働した。事業停止を要求する公開書簡はモザンビーク国内の23団体および海外の43団体によって署名された。(事業をめぐる)論争において、市民社会と事業者は互いを実情に疎く、相いれない存在として捉えた。つまり、一方は邪悪な企業のサクラであり、一方は無知なNGOのカモであると見なしていたのだ。

和解しがたい二つの世界観の間に隔たりが開いた。モザンビーク北部の農民の多くは、土壌が休閑を必要とする際に新たな土地へ移動する休閑農法を実践している。しかし、農学者たちは急激な人口上昇によってこれが不可能になると訴えている。プロサバンナ事業を担当するモザンビーク政府のアントニオ・リンバウは、集約的な耕作のためにハイブリッド種と化学肥料を使用すべきだと訴える。そうすることで「同じ一画の土地から現在より多くの人々に食料を与えられるのだ」。

 農民たちはこういった議論を高圧的だとしている。ナンプーラ州農民連合代表のコスタ・エステバオンは「我々は子供ではない」と語る。彼はプロサバンナ事業が伝統的な農業のあり方を排除することを目的としていると明言した。また、彼は高価な化学肥料や有毒な農薬についても懸念を示している。環境活動家のアナベラ・レーモスは、政府と企業は「カンペシーナ(Campesinaすなわち小農階級)を破壊」したいのだと述べる。そして、「(小農階級の破壊は)大間違いだ。小農こそが世界に食料を供給しているのだから」と加えた。

 日本国際協力機構(JICA)モザンビーク事務所所長の遠藤浩明は、こういったレトリックはプロサバンナ事業に「まとわりつく誤解」を反映していると吐息をつく。技官たちは、彼ら曰く小規模農家を利するという事業計画のマスタープランの草稿を、未だに書き直している。しかし延々と続く協議から明かされる内容が何であれ、事業に注がれた希望も恐怖も解決することはない。モザンビーク北部の人口が想像以上に多い事実を知ったブラジルの農家はモザンビークへの関心を失った。そしてジャイール・ボルソナーロ政府が放置している森林火災が続く母国ブラジルに新たな農業フロンティアを開拓している。
 
プロサバンナ事業による意外な帰結は、モザンビーク市民社会の強化である。これは、(プロサバンナ事業への抵抗)キャンペーンを通じた市民社会間の新たな連帯の構築によって生み出されたものである。一方で、モザンビーク北部の農民たちはというと、プロサバンナ事業の亡霊に、あらゆる種類の直接関係がない被害を重ね合わせる。ナンプーラ州の道端で村人たちは、名を名乗ることもなく50ヘクタールもの土地を要求してきた見知らぬ男の訪問について語った。その男のブルドーザーのタイヤの跡は路上にまだ残っている。彼は誰なのか? 彼は戻ってくるのだろうか? 現地の人々には皆目見当もつかない。だが村人の口から出る言葉、それは「プロサバンナ」である。

【記事和訳】モザンビーク大臣、三井物産にナカラ回廊増資を要求

大変気になるニュース記事が発表されています。

モザンビークの大臣が、ナカラ回廊開発における前政権の影響力を一掃し、現政権の影響力を強めるために、日本の三井物産に大幅な増資を求めています。

なお、このナカラ回廊開発事業には、日本の税金と公金による1000億円規模の融資(JBICによる)と1000億円規模の貿易保障(NEXI)が与えられています。注視していく必要があります。

日本のNGOによる三井物産への融資問題に関する指摘は、過去の財務省NGO定期協議会の記録をご覧下さい。
https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html

01/11/2019
Indian Ocean Newsletter
https://www.africaintelligence.com/ion/business-circles/2019/11/01/mitsui-to-inject-fresh-impetus-into-nacala-corridor,108379843-art

三井物産はナカラ回廊に新たな推進力を注入するか?

モザンビークの運輸大臣であるカルロス・メスキータ(Carlos Mesquita)は、物流回廊の行き詰まったプロジェクトについて不満を抱いており、2014年以来、この回廊に関与してきた三井物産を説得し、その責任を単独で引き継ぐよう求めている。

入札募集は2020年6月までに行われる可能性が高く、(訳者注:同大臣は)この日本企業(訳者注:三井物産)に対し、応札を強く推奨している。三井物産はすでに、ナカラ回廊開発協会(SDCN:Sociedade de Desenvolvimento do Corredor de Nacala)の42.5%の株式を通じ、北部開発回廊社(CDN:Corredor de Desenvolvimento do Norte)の4分の1近くのシェアを保有している。なお、SDCN は、公的機関であるモザンビーク鉄道公社(CFM:Caminhos de Ferro de Moçambique)と共同で、このプロジェクトを運営している。

何よりも、政府は、SCDNの地元株主の中でも、前大統領アルマンド・ゲブーザが出資するMoçambique Gestores社の傘下にグループ化された株主を排除したいと考えている 。なぜなら、これは現在の(訳者加筆:フィリペ・ニュシ)政権にとって何の利点ももたらさないからだ。

現在SCDNの株式42.5%を保有し、当初からこの回廊の管理に関与していたブラジルのVale社も、この回廊から追放される見込みである。Vale社は、昨年、CDNの70%の持分を、北部港湾開発回廊社(CDNP:Corredor de Desenvolvimento do Norte Porto Norte Porto)に譲渡することで、この回廊を手に入れようとした 。

2012年、東京(訳者注:日本政府)は、国際協力機構(JICA)を通じて、マラウイを横断する鉄道を介してナカラ港とモアティゼ炭鉱を結ぶこの回廊に3億5,000万ドルを投資した。

【記事】プロサバンナに関するEconomist誌の記事

Stony ground
Brazil and Japan plotted a farming revolution in Mozambique
But instead of sowing soya, they planted seeds of opposition


Squint at the grasslands of northern Mozambique and they look a bit like the cerrado, a savannah in central Brazil. Could they be transformed by intensive farming, just as the thickets of the cerrado have given way to !elds of soya that transformed Brazil from a food importer to one of the world’s great breadbaskets? That was the thought behind Prosavana, aprogramme bringing Brazilian and Japanese expertise to Mozambique. Initiated in 2009, it aimed to lift agricultural production across an area of 107,000 square kilometres, roughly the size of Bulgaria.
Politicians heralded Prosavana as a landmark example of “South-South” co-operation. Few farming projects in Africa could match its ambition. It painted a future of which many agronomists on the continent dream: productive and commercially astute smallholder farmers and large plantations exporting to the world. Yet it became a study in hubris, and an illustration of why top-down schemes so often fall short of expectations. (続きは下記リンク内の原文を参照)

Stony ground Brazil and Japan plotted a farming revolution in Mozambique

モザンビーク警察が市民社会リーダー暗殺

モザンビークで大変懸念される事態が生じています。日本の市民社会とも連携してきたモザンビークの市民社会リーダーが暗殺されました。まずは詳細をご確認下さい。

【事件の概要】
 モザンビークの大統領・議会・知事選挙(2019年10月15日)の1週間前、10月7日に、モザンビークのガザ州NGOフォーラム(GFONG)リーダーのアナスタシオ・マタヴェレ(Anastacio Matavele)氏が10発の銃弾を打ち込まれる形で暗殺された。犯人は襲撃後、逃げる際に事故を起こし、身元が割れた。5名中4名が、警察特殊部隊要員であった。
 事件の翌日(10月8日)、警察もこの事実を認めざるを得ず、モザンビーク警察の広報官オルランド・モドゥマネ(Orlando Modumane)は、マタヴェレ氏を殺害した5人の犯人の4名までが、「ガザ州警察の機動隊内にある特殊作戦部(GOE; Grupo de Opera;ções Especiais)の業務に当たる人物である」と認めた 。

【暗殺されたマタヴェレ氏】
 マタヴェレ氏は、選挙監視を行う市民社会グループ「Sala da Paz(平和の部屋)」のメンバーでもあり、ガザ州全体の独立選挙監視グループのリーダーでもあった。この日は、選挙監視要員の研修をしており、その帰途での事件であった。
 また、マタヴェレ氏ならびにGFONGは、2012年5月のTICADの際に公表され、安倍晋三首相に手渡された3カ国首脳に宛てた「プロサバンナの緊急停止を求める公開書簡」に署名しており、2015年5月のプロサバンナ事業の公聴会に関する声明 にも署名している。

【非難声明】
 これに最初に反応したのが、モザンビークの駐米大使館であり、翌10月8日には、声明 を発表し、マタヴェレ氏暗殺について「他の国際社会とともに強く批判する(」と述べている。同様に、EU高等弁務官事務所も同日、声明 で、「市民による監視は信頼できる選挙プロセス実現の基本的要素」であり、同氏の「死をもたらした攻撃を強く非難する」」と述べた。
 モザンビーク内外の市民社会も声明を出している。

【日本政府の対応】
 しかし、事件から1ヶ月近くが経つ現在も、日本の大使館は沈黙したままである。

以上に関するレファレンス一覧:
10月8日Verdade “Assassinos de Anastácio Matavele são agentes da Polícia da República de Moçambique” https://www.globaldiasporanews.com/assassinos-de-anastacio-matavele-sao-agentes-da-policia-da-republica-de-mocambique/
https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20150515-prosavanastatement.pdf
https://mz.usembassy.gov/u-s-embassy-statement-on-the-assassination-of-anastacio-matavele/
https://eeas.europa.eu/election-observation-missions/eom-mozambique-2019/68510/moe-ue-mo%C3%A7ambique-2019-condena-veementemente-o-ataque-que-resultou-na-morte-de-uma-figura_en
https://justica-ambiental.org/2019/10/10/repudio-a-violencia-contra-activistas/
https://www.civicus.org/index.php/media-resources/news/4116-mozambique-killing-of-activist-dr-matavel-restrictions-on-civic-space-mar-upcoming-elections

【NGO5団体からのJICAへの書簡】「公開討論会」について

JICA 理事 萱島信子様
JICA 農村開発部部長 牧野耕司様
JICA アフリカ部部長 加藤隆一様 

プロサバンナ事業に関する「公開討論会」について

2019年11月7日

【問題の所在】
1. 日本がブラジルと進める大型農業開発事業「プロサバンナ」に反対するモザンビーク小農を支える私たち日本の市民・NGOは、9月4日に参議院議員会館にて開催された院内集会¹での小農運動リーダーの発言やそれを取り上げた報道について² 、9月20日、JICAがその公式サイトにおいて「一部報道等において事実誤認が見られますため、プロサバンナ事業の事実関係及びJICAの見解」を公表しました³。しかし、その大半が虚偽・事実の歪曲・一方的な個人攻撃(上述リーダーの名指し非難)に基づくものでした。

2. そこで、日本の市民・NGOは、JICAのこの行動について、JICAに対し、厳重なる抗議を行うとともに、当該テキストの早急なる撤回を求めました。あわせて、JICAがその説明責任を果たすため、「この件に関する公開討論会」を、「JICAを支える納税者・市民として、JICAに聞きたいこともある」として呼びかけました⁴ 。

3. これを受けたJICAは、10月3日、当該テキストの撤回については同意しなかったものの、「公開討論会の開催」に合意しました。

4. しかしながら、この「合意」以降、JICAとNGOの間で「開催形式」に関するやりとり(別添「経緯」参照)を続けてくるなかで、JICAは「公開討論会開催」合意を反故にしました。すなわち、合意した「この件に関する公開討論会」ではなく、それを「公開の意見交換会」にすり替え、自らが望むテーマでの「意見を交換し、相互の見解の相違点と一致点を確認する」ことを趣旨とする開催形式案を示しました。

5. NGOはこの動き(合意の反故とそれに基づく提案)に抗議し、これを拒否しましたが、JICAは合意とは異なる「意見交換会」案の検討を要求し続け、NGOの「公開討論会」形式提案に対しては、繰り返しの検討要請にもかかわらず、「対面でのやりとり」を求めるばかりで、一切の回答を拒否し続けています。

6. 以上に見られるJICAの対応により、当初の開催合意から1ヶ月以上が経過した現在、NGO側が提案した開催日11月22日に迫る中においても、「公開討論会」開催の見通しが立っていません。

【背景】
7. 8月に開催されたTIVADⅦ(第7回アフリカ開発会議)にモザンビークの小農運動リーダーが来日した理由は、現地小農らがこれまで訴えてきた、プロサバンナ事業下における様々な形での人権侵害や被害が解消されていないことによるものです⁵。昨年8月には、現地マプト行政裁判所にて、憲法および国内法違反・人権侵害(知る権利侵害)を認める判決が全会一致で出されています⁶。

8. 小農の訴えの中には、JICAが日本の税金を投じて直接関わった事案も多数含まれています。これらについて、日本の市民・NGOは、過去数年間に亘り、エビデンスを提供して状況改善を求めてきましたが⁷、JICAは一貫してこれらを無視し、自ら行ってきた行為の結果を認めようとしません。

9. こうした状況を受けて、わざわざ来日してJICAならびにその活動を支える日本の納税者・主権者に向けて被害を訴え、事業対象地の小農の声を届けようとした小農リーダーに対し、JICAはその声に真摯に耳を傾けるどころか、自らの公式サイトで名指し攻撃するなど、さらなる人権侵害を引き起こしました。

10. これは、公的機関としてあるまじき行為であり、納税者・主権者として、JICAに説明を求めるため、「公開討論会」の開催を要請しました。JICAは、その開催に合意しながら、また私たちに対して説明責任を負う立場にあるにもかかわらず、問題を「相互の意見と見解の相違」にすり替え続けています。つまり、税金で支えられる公的機関としての責任を放棄した態度をとり続けています。

【結論】
11. この間辛抱強くJICAとやり取りしてきましたが、これらの事実から、JICAは、私たち日本の市民・NGOが、納税者・主権者の権利として要求した「公開討討論会」の場を骨抜きにしようとしていると理解するに至りました。すなわち、JICAは、「公開討論会」の場を、自らの都合のよい時期に、都合のよい「テーマ」に絞った「説明」を行い、それに対する「意見」と「理解」を市民・NGO側に求めるだけの会議にすり替えようとしているとの結論に至りました。

12. 以上から、JICAの当初の「公開討論会」開催合意は、JICA公式サイトのテキスト撤回を回避するために過ぎない欺瞞であり、JICAには納税者・主権者への説明責任を果たす意思がなく、JICAはNGOによる「公開討論会」の提案を拒否したものとみなさざるを得ません。

アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター、モザンビーク開発を考える市民の会、ATTAC Japan、No! to landgrab, Japan

―――――――――――――――
¹ 国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農 〜モザンビーク、プロサバンナの事例から(2019年9月4日)
議事録→ http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html
動画→ https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY" target="_blank"> https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY
² TBS (2019年9月9日)「日本のODAに現地から『NO!』https://www.youtube.com/watch?v=OBiNqQW1h3U" target="_blank">」https://www.youtube.com/watch?v=OBiNqQW1h3U
時事通信(2019年9月5日)「農業支援見直し求める=モザンビーク農民、JICAと対話
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090500209&g=int
³ JICA 2019年9月20日「モザンビーク国プロサバンナ事業に関する一部報道等について
https://www.jica.go.jp/information/opinion/20190920_01.html
⁴ アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター、モザンビーク開発を考える市民の会、ATTAC Japan、No! to landgrab, Japan「JICAに対する抗議と申し入れ」(2019年9月24日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-418.html
⁵ TICADVIIサイドイベント「SDGsとアフリカ開発〜わたしたちの暮らしから考える」(2019年8月29日)議事録→ http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-419.html
動画→https://www.youtube.com/watch?v=7tJ8NAFvKKY" target="_blank"> https://www.youtube.com/watch?v=7tJ8NAFvKKY
⁶ Lusa, “Administrative Court condemns Mozambican government to release information on agrarian”
(program2019年9月27日)
https://www.farmlandgrab.org/post/view/28460-administrative-court-condemns-mozambican-government-to-release-information-on-agrarian-program 判決文(翻訳)→https://www.farmlandgrab.org/post/view/28573-
https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/index.html


プロサバンナ事業の支出総額(2018年度迄)と2019年度予算

プロサバンナこれまでの総支出額と予算額


2018年度までの事業総支出
Prosavana-PI:11億9千6百万円
Prosavana-PD:7億4千6百万円
Prosavana-PEM:14億5千3百万円 (内、1,329百万円/13.29億円が日本のコンサルタント料)

2019年度の予算額(2019年9月末時点)
Prosavana-PI:0
Prosavana-PD:7千3百万円
Prosavana-PEM:6千1百万円


【続報】JICAとの「公開討論会」

2019年9月24日に日本のNGO5団体で行った「抗議と申し入れ」について、10月3日にJICAから「撤回せず」「公開討論会開催提案を歓迎」との回答が寄せられました。

■抗議・申し入れ:http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-418.html

■JICA回答: http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-422.html

その後のJICAとのやり取りを踏まえ、本日JICAに届けたNGO側の再要請内容を紹介します。

**************

JICA 理事 萱島信子様
JICA 農村開発部部長 牧野耕司様
JICA アフリカ部部長 加藤隆一様


2019年10月18日

いつもお世話になります。
10月1日付けで、日本のNGO5団体から申し入れをしたプロサバンナ事業に関する「公開討論会」について、JICAからの10月17日のメールを受けて、以下の通り改めて要請させていただきます。

***

(1)「公開『討論会』」の開催形式提案の再要請
10月1日付で、日本のNGOから申し入れをしたのは「公開『討論会』」でした。JICAは、10月3日付メールでこれを「歓迎する」と返答しています。しかし、なぜか、10月17日のメールでは、「公開の意見交換会」の開催形式の提案が送られてきました。これは、双方がメール上で交わした合意を反故するものです。したがって、当初の合意通り、「公開討論会」としての開催形式の提案を、再度要請します。

(2)NGO提案へのご意見
もしJICAの方で、「公開討論」の形式について特にアイディアがない、時間が足りないなどで、再度の提案が難しい場合は、以下のNGO側の提案についてご意見を下さい。

(3)検討にあたっての前提
なお、JICAの「公開の意見交換会」提案を拝見し、日本の公的援助機関としての当然の原則、またこれまで7年にわたって行われてきた議論が踏まえられてないだけでなく、公共事業主としての認識に大きな問題があることが明らかになりました。したがって、新たな提案あるいはNGO提案へのご意見を考える際に、念頭においていただくために、以下を指摘させていただきます。

【JICAの責務、日本NGOの位置づけ】
①日本の公衆(納税者ならびに主権者)に対し、税金を使った海外援助事業に関する透明性の確保と説明の責任を有するのは、JICAである。
②日本のNGOは、この件について関わってきた日本の納税者・主権者の一員として、JICAに対して説明を要求し、説明を受ける側である。納税者と主権者としての立場から、日本のNGOは、専門性をもって本件をモニタリングしてきた。
③なぜか頂いた提案では、JICAと共に「参加者に対して主張を説明する」立場に置かれている。これはJICAが、日本の納税者・主権者に対する自らの役割と責務を理解していない可能性を示唆している。

【公共事業実施者の納税者への責任、主権者の「知る権利」の保障】
④公共事業に関する透明性担保と説明責任履行のための場において、関心を寄せ、憲法で保障された「知る権利」の行使のために、参加する納税者や主権者に制限があってはならない。
⑤また、居住地や資金状況によって参加できる人とできない人が生じてはならず、幅広い層の方々のやり取りへの参加が保障されるよう、主催者双方がともに努力すべきである。
⑥したがって、当然ながら、「公開」とある以上、また広い層の人びとの「知る権利」を実現するためにも、メディア等の参加は不可欠である。
⑦当然のことながら、提案にみられる制限付きの場を「『公開』討論会」と呼べない。「公開」である以上、参加を希望する人はメディアを含め参加を保障する必要がある。また、参加者がどう受け止め、それを発信するかは、参加者の自由に委ねられるものであり、そこに立ち入ったり、それを制限することは問題である。また、不可能なだけでなく、正当なる理由も見当たらない。
⑧また、知らせる義務がある側が、「公開」に同意しながら、それに様々な制限をかけようとするのは、透明性担保についての義務の放棄と受け止められても仕方がない。

【日本NGOは「意見交換会」を要請しない】
⑨調印から10年が経過し、事業開始から8年が経過するこの段階において、事業に関する「意見交換」は、本来モザンビークの小農運動・市民社会と行われるべきものである。
⑩これが頓挫している理由は、当事者らが文書や口頭で示して来た通りである。つまり、彼らのいかなる抗議があろうと、そのような場が事業正当化や推進のための既成事実に使われてきたからである。
⑪これに加え、冒頭に示した【JICAの責務と日本のNGOの位置づけ】に基づき、日本のNGOだけが出席する場での「意見交換会」は、この間要請していない。今回も要請していない。

*以上は、この間、外務省・JICAに伝えてきたもので、担当者が交代したとしても、組織内できちんと引き継ぎがなされるべきである。(組織内の引き継ぎ問題を早急に解消されたい)

【公開討論会申し入れに至った経緯】
⑫公衆に対して、自らのサイトで、問題の「広報文」(メディアが報道しコスタ氏が主張したと称する7項目への「見解」と事業「説明」)を、確認なく一方的に掲載したのはJICAである。これを受けて、今回の公開討論会の申し入れを行っている。
⑬10/3、NGOの「広報文」の撤回要求に対して、JICAからは、撤回の意思がないことが表明された。つまり、これは依然としてJICAの公式見解であり、JICAはこれらに対する質問を受け、説明する責任がある。

【公開討論会のテーマ】
⑭上に述べた通り、「公開討論会」は、「傍聴者」と位置づけられる参加者のための見せ物ではない。また、「傍聴者」の前で、JICAとNGOが意見交換を交わす場でもない。JICAが、日本の納税者と主権者に対して、説明責任を果たすことをサポートする場である。
⑮したがって、テーマを絞る必要がない。むしろ、テーマを絞ることによって、有権者や主権者の知りたいことへの回答が得られず、「知る権利」を阻害することになる。
⑯「広報文」への質問と説明については、以上の通り、経緯上避けられない。撤回するのであれば、この限りではない。
⑰また、JICAが取り上げたいテーマに関する説明について、JICAが持ち時間の範囲内で行うことを妨げるものではない。

【モザンビーク政府関係者の参加・登壇】
⑱以上の通り、「公開討論会」は日本の納税者・主権者が、憲法や独立行政法人法、情報公開法、JICAガイドライン等に基づき、JICAに要請しているものであり、日本の納税者・主権者とJICAが参加・登壇するものである。
⑲過去において、そのような場に、モザンビーク政府高官を連れてこようとする試みがあったが、これについては、議員から注意がなされ、日本NGOからも正式な抗議をJICA理事長に対して行っている。
⑳モザンビーク大使館が日本NGOメンバーのビザ発給を2年以上にもわたって拒否する弾圧を行っているのは承知の通りである。現在もこの状況は変わりない。モザンビーク政府関係者の出席は、そのような日本NGOの弾圧を後押しするものである。

【モザンビーク小農・市民社会関係者の参加・登壇】
㉑モザンビークでは、先週月曜日、「3カ国首脳宛プロサバンナ公開書簡」の署名者であり、独立した選挙監視団のコーディネイターを務めていた市民社会リーダーが暗殺された。犯人が警察関係者であったことが明らかになっている。この事件は、政府の推し進める事業への反対は、いままで以上に危険な状態がうまれているということを示している。したがって、モザンビーク小農や市民社会組織の安全を護る措置を考える必要がある。これを踏まえ、今回、モザンビークからの小農や市民社会組織のリーダーは参加しない。
㉒提案では、事業参加農家を参加させようとの意図が示唆されているが、ぞのような試みの問題については、すでに2015年8月にJICA理事長、アフリカ部、農村開発部宛に抗議文が出されている。これについても、引き継ぎが行われていない可能性が高いので、早急に確認されたい。
㉓このような試みこそが、モザンビーク小農リーダーが「JICAの分断だ」と述べていることである。
㉔また、「事業参加者」については、9/4の院内集会で池上名誉教授が具体的に問題を指摘した通りである。担当が交代したからといって、この議論をくり返す必要はなく、すでになされた指摘を教訓として踏まえてほしい。
㉕承知の通り、今週行われた総選挙では以上の暗殺に留まらず、各地で与野党の衝突が繰り広げられ、特に、事業対象3州では様々な暴力も発生している。それを踏まえ、JICAがこれ以上、プロサバンナの推進のために、モザンビーク政府や農民、市民社会に働きかけを行うことはさらなる危険や問題を生じさせるだけであり、Do No Harmの原則からも慎んでいただきたい。
㉖モザンビークの和平と公正で民主的統治、人権が、一事業にすぎないプロサバンナより遥かに重大である点について、確認されたい。

【「静かな環境」の問題】
㉗提案にある「静かな環境」とは主観的な表現である。何をもって「静かな環境」というのかによって、公開度が制限できることになり、おかしい。
㉘ともすれば多様な参加者やメディアを「煩いもの」として捉えている可能性を示唆しており、公的機関の使う表現としては相応しくない。
㉙プロサバンナ事業に関して、NGO側はJICAを招く形で多くの公開のイベント(院内集会やシンポジウムなど)を開催してきたが、承知の通り、混乱が生じたことは一度もない。

(4)日本NGO側提案
以上を踏まえ、日本NGOとして、以下のモダリティを提案いたします。
なお、見ていただければ分かる通り、これらの提案では、双方が議論して合意しなければならない項目を排除し、双方がそれぞれの裁量で決めて持ち寄り、公平にこれが実現される方式を採用しています。

例)JICA提案にあった「1名のみのモデレーター」、「登壇枠」、「議題」、「公式記録」などは、合意形成を無用に困難にする手法です。そこで、シンプルに「双方が選ぶ司会2名が共同で公平に議事進行を行う」、「双方が登壇者を決定する」、「双方が選んだ議題を討論にかける」、「公開である以上、誰もが自由に記録をとり発信する。公式議事録については逐語で双方が確認の上公表する」。

***以下、NGO側提案***

1. イベントタイトル:プロサバンナ事業に関するJICA・NGO公開討論会
2. 目的:日本の公的資金により進められる政府開発援助プロサバンナ事業について、日本の納税者・主権者に、広く情報を提供する機会とする。
3. 日時:2019年11月22日(金)14時ー17時
←参加者を含めた十分な議論時間を確保するために、過去に外務省で行っていた「プロサバンナ事業に関する意見交換会」と同様の2時間では少ないことが判明しました。
4. 場所:参議院議員会館
←国民の代表であり、本件に関心を寄せ、双方に積極的に関わり、連絡調整にも尽力くださっている国会議員の先生の参加が容易な場所で開催する必要があります。
←なお、国会議員が参加すべきでないとのお立場であれば、その理由をお示し下さい。
5. テーマ:プロサバンナ事業について
6. 司会(議事進行):
i) 双方が各1名選出する司会が共同で行う
←ODA政策協議会方式
ii) 司会の任務は、公平な時間配分と公正で円滑な進行の実現
7. 登壇者:
i) 双方が考える適任者をそれぞれが選ぶ
ii) 人数などは双方に任せるものとする(それぞれの持ち時間の範囲内でそれぞれが対応する)
8. 参加者:
i) 「公開討論会」のため、参加したい人は誰でも参加出来る。
ii) メディアなどを含めフルオープンとする。
iii) モザンビークの政府、小農や市民社会メンバーは参加しない。
9. 進行と時間配分:
i) 14:00-16:00(2時間):JICAとNGOの登壇者間の討論にあてる(双方等分に持ち時間を分ける)
ii) 16:00-17:00(1時間):参加者を含めたオープンな討論にあてる
←ただし、参加者は発言に責任を持つために、フルオープンの場で氏名・所属を明らかにした上で、簡潔に発言する。双方司会の判断で、場合によって時間制限を設ける。
10. 記録:
i) 「公開」である以上、制限を設けない。
ii) 共通の議事録については、逐語で作成し、双方確認の上でこれを公開する。←ODA政策協議会方式
11. 備考:
i) いずれにも属さない国会議員については、発言を希望する時に自由に発言できる。その発言時間はいずれの側からも差し引かれない。
***

(5)ご意見を寄せられる際のお願い
この件に関してのやり取りを、簡潔かつ効率よく、また効果的に行うため、新しい提案や意見を出される際は、(3)の前提や(4)のNGO提案の何番のいずれについて指しているのか、明確にして下さい。また違う意見の場合は、趣旨を十分に理解するため、なぜかの理由を添えて下さい。

***


以上、日本のNGO5団体(アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター、モザンビーク開発を考える市民の会、ATTAC Japan、No to landgrab, Japan)からの返答と提案を御送りいたします。

ODA政策協議会
プロサバンナに関する意見交換会事務局



【続報】JICAへの申し入れ結果(撤回せず/公開討論会歓迎)

9月24日に日本のNGO5団体で行った「JICA広報文への抗議と公開討論会の申し入れ」に関する続報です。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-418.html

既に一部お伝えしている通り、JICAからは、10月3日に下記の公式回答が寄せられました。

1. 広報文は撤回しない

2. 「公開討論会」開催提案を歓迎する

とのことで、撤回しない理由が妥当ではないことについて伝えるとともに、現在「公開討論会」の開催形式についてJICAとの間で調整が行われています。

***

1. 申し入れ事項:現在JICAウエブサイトに掲載されている見解を撤回すること。

(1) 設問は、必ずしも直近の報道に限らず、これまで各種ご指摘等を受けてきたポイントをJICAにて整理し、それに対してJICAが承知している事実を「見解」として述べたものであり、掲載の撤回が必要とは考えておりません。

(2) コスタ氏が「嘘つきで『少数派』の取るに足らない人物だとの印象を与える」とのご指摘ですが、当該「見解」はJICAが承知している事実を述べたもので、コスタ氏に対する評価を述べたものではありません。

(3) JICAとしましても、小農運動のリーダーを含む全ての人々の人権は尊重されるべき、侵害があってはいけないと考えております。しかしながら、当該「見解」の掲載により同氏に危険が迫るというご懸念につきましては、同氏の来日及び公開ディスカッションへの参加等については事前に告知がなされており、同氏の発言や弊機構の主張の概要を含むディスカッションの内容は、NGOの皆様の各種発信や報道によって既に一般に公開されています。したがって、弊機構の見解の掲載により上述のご懸念が生じるとは考えておりません。

2. 申し入れ事項: 日本のNGOとの公開討論会を開催すること。

(1)双方の理解に向けて、公開の場での情報や意見の交換が十分になされるべきとのお考えと理解し、提案を歓迎します。

(2) 開催については、開催時期・場所や、論点、登壇者・発言者、進行など具体的な方法につきまして双方合意のもと、実施することとさせていただきたいと思います。

【資料】「日本の私たちと世界の油(パーム油と大豆を中心に)」平賀緑

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【放送内容】「J-WAVE JAM THE WORLD」 UP CLOSE 9 月 12 日 on-air

作成日 2019 年 9 月 28 日

「J-WAVE JAM THE WORLD」よりUP CLOSE

1. on-air 日時 令和 1 年 9 月 12 日(木曜日)
2. テーマ アフリカの国「モザンビーク」で進む、日本による農地開発。 その舞台裏で起きている問題にフォーカス (ゲスト:国際協力NGO「日本ボランティアセンター」 地域開発グループマネージャー 兼 南アフリカ事業 ご担当 渡辺直子さん)

——-

0:58〜

堀潤(以下、堀):J wave、JAM THE WORLD、UP CLOSE。木曜日は私堀潤がお送りします。先月8月28日から30日の日程でTICAD、アフリカ開発会議が横浜で開催されました。この会合に合わせて、アフリカ南部の国、モザンビークから農業を営む方が来日。現在、モザンビークで進められている日本のODAによる農地改革をやめるよう訴えたんですね。なんでこんなことになってしまったの? 農家の方にとって農地開発とは一見いいことなんじゃないの?…と思うのですが、現場で何が起きているのか。今夜はこの方と一緒にお話を進めて参りましょう。国際協力NGO、日本ボランティアセンター、通称JVCの地域開発マネージャー兼南アフリカ事業を担当の渡辺直子さんです。こんばんは。よろしくお願いします。

渡辺直子(以下、渡辺):こんばんは。よろしくお願いいたします。

堀:渡辺さんにはこれまでも、何度か僕もお話を伺ってきて、一緒にイベントを開いてきたんですけど、それがもうまさにこのモザンビークの問題で、僕も最初驚きました。ODA、私たちの税金の一部を使って開発途上国などの様々な事業を支援していくという中で、なんで地元の人たちが反対してしまうようなことが起きてしまうのと思ったら、そこには色んな事情があるようなんですよね。今日はその辺りを改めて紐解いていきたいと思います。

渡辺:はい、よろしくお願いします。

堀:そもそもモザンビークで進められている、日本のODAを活用した農地開発プロジェクト、いつ頃どのような経緯で立ち上がったものなのか。

渡辺:はい。このプロサバンナ事業と言われているのですけれども、このプロサバンナ事業は2009年にブラジルと日本とモザンビークの3カ国で合意をされたものです。経緯なんですけども、日本国内の事情だけではなくて国際的な動向というのも大きく関わっています。
  一つには2009年、覚えていらっしゃるかわからないのですが、世界的な食料危機が起きたんですね。世界中で食料の価格が高騰して、食べ物が得にくいってことが起きた時に、やはりこれまで特に食料を輸入に頼っていた国が、自国で生産、それまで食料を輸入するということに加えて、第3の道として他国の農地で食料を生産する動きがそこで始まったと言われています。
 一方で同時期に、2008年から9年にリーマンショックもあったように金融危機が世界的に起きて、そういった投機マネー投資マネーが行き先を失った。それがたまたまタイミングよく、そういった動きと合わさって、農地や食料に流れるようになったと。
 そういうことに日本も乗っかって、当時農水(農林水産省)などが、食糧安全保障のための海外農業投資に関する会議というものを設置するなどしていた。そこに(参加していた)JICAも日本の食糧安全保障のためにモザンビークで代理生産を、という発想で作られたという風に言われています。

堀:本当に世界経済が混乱していく中、お金を金融緩和でジャブジャブジャブジャブと出して、その投資マネーが一気にトウモロコシだ、バイオエタノールだとか色んな形で、それって誰のための開発なの?…と言われるような事態が当時深刻化しましたよね。それのある意味、お話の続きが今起こっているということなんですよね?

渡辺:そうですね。この事業だけじゃなくて、それ以降も世界中でずっと起きています。最近だと、ブラジルのアマゾンで森林火災があり、それもやはり、森林を伐採して、大規模な農地開発をして、木を燃やして…ということを、大豆を生産するためにやられている。そういったこと(食料や農産物を投機対象とする開発にマネーが注ぎ込まれる傾向)も関わっていると言われています。この問題だけではない動きが、世界中で起きています。

堀:渡辺さんは今日ここ東京でお話をいただいていますけれども、元々はアフリカの現地で駐在して様々なサポートを、地域の農民の方々と一緒にやってこられたんですよね。

渡辺:そうですね。特に南アフリカで私は活動していたのですけれども、その後モザンビークに関わるようになったという経緯があります。

堀:ただ、とはいっても一私企業が利益のために過剰な投資をして、土地を強制的に収奪したりとか…そういった問題があるのはわかりますが、例えば日本国が関わってくるようなODAの政府開発援助の現場で、地域の方々が、「そんな開発はやめてほしい」といってしまう事態が起きた。これは何が背景にあるんですか?

渡辺:そうですね。堀さんもおっしゃる通り「支援」とか「援助」って元々は現地の人たちの暮らしのためというか、その人たちに望まれてやるものだ、人々のためのものだ…という風に、私もそう思っていたのです。が、近年「投資のための援助・貿易のための援助」という風に言われて、「官民連携で」、「win-winで儲かる」というような形のために、公的資金であったり、ODA、税金が投じられるという動きがある。

堀:ある意味、成長産業の育成だったりとか。あとは各国との競争ですよね。例えばアフリカだと赤い大地と言われますけれども、中国の投資・開発が進んでいったりする中で綱引きもあったりして。色んな思惑がそこに絡み落とされていく。

渡辺:そうですね。ただやっぱりその時に抜けているのが、日本の(私たち)も含めた人びとの暮らしだったり…そういう視点ですね。マネーが全てを支配してしまう世界というか。そういったものの存在を強く感じることがあります。

堀:実際にはそのモザンビークの現場で、どういったことがあったから農民の皆さんが反対するようになったのか。

渡辺:そうですね。モザンビークの小農民、農民の方々というのは元々自給的な暮らしをしていた。色んなものを農薬とか化学肥料とかを使わずに作って食べていたんですね。「それは低投入だから低生産な農業だ」と日本の政府は言い、「投資を入れて大規模に開発をしてあげましょう」と。そういった発想があって(プロサバンナ事業が)入ってきた。けれども、実際に蓋を開けてみると何が起きていたかというと、現地では海外農業投資による土地収奪といわれる動きが頻発していた、というのが一つあります。

堀:具体的に土地収奪というのはどういう状況を指していますか。

渡辺:モザンビークも含めてアフリカ(の国々)では、土地を私たち日本のように(私的)所有しているのではなくて、利用する権利がある。所有は「処分する権利」があるのですが、利用はつまり「使う権利」(だけ)がある。モザンビークの場合は土地法というのがあり、世界でも有名で良い土地法だといわれている。そこに10年暮らして10年耕した者は、生涯にわたりその土地を利用する権利がある、ときちんと謳われているんですね。法律で。なので、企業が入ってきて土地を取得しようとした時には、きちんとそこに暮らす人々と話をして合意をして契約をした上で、土地を使わないといけない。ですが、一つにはこの契約された範囲の土地を起点に、取ってしまえばこっちのもんだというような形でブルドーザーなどを使って農民たちの元々使っている土地の作物を引っこ抜いたりする。あるいは、話し合いもなく、森林などを伐採し始めるということもあります。
 一方で、本当はそこの国の政府が、そのような法律があり、人びとの権利をきちんと守っているのであれば、こういったことが起きないはずなんです。けれども、むしろこれに加担してしまう。賄賂をもらう。或いは、それら(土地収奪を進める)企業の、実は株主であるとか…の背景があって、全く人びと・農民の権利が守られない。そのような形で土地が奪われていくという現象です。

堀:ちょうどJAM THE WORLDでも去年、説明をさせていただいたのですけども。国連で小農の権利宣言といって、そういった小規模農家の権利というものを、新たにきちんと国際社会で共有して(認め)、過剰な開発だったりとかその土地の人たちが望まない形での発展ではなくてコミュニケーションをとりながらやりましょうよという…(宣言が昨年12月に採択された)。(しかし、投票を)なんと日本国は棄権したんですよね。

渡辺:そうなんですよ。

堀:残念でしょうがなかったです。当時。

渡辺:私も本当に残念で、すごくびっくりしたんですけれども。やっぱり日本政府がいうには、国連の宣言というのは従う必要のないものだ、法的な義務が生じないものだ、と。その後も、国連の小農権利宣言を全く尊重しないままの動きが進んでしまっている。

堀:新たな権利を認めると新たな混乱を生む、そういった趣旨の説明が外務省からありましたよね。これで良いのかな、と思いつつ。ただ、とはいってもですよ、このODAの現場で流石に土地の強制収奪に関わっているようなやり方をしているような企業への投資というのは、日本国としてなかなかできないんじゃないかなと思うのですが、実際にはそれは起きちゃうということですか?

渡辺:そうですね。二つありまして、このプロサバンナ事業というのは、実は30年ぐらいの長期にわたる大きな計画の部分(マスタープラン・プロジェクト)というのが、まだ農民の反対にあってできていないんですね。このため、日本の政府は、土地収奪はプロサバンナ事業では起きていないといっています。ただ、現地では二つの理由で(土地収奪が)起きていると言われている。
 一つは、先ほど一番最初に言ったように、(プロサバンナ事業は)日本の安全保障のために大豆を生産しましょう、だから農業投資を入れましょうと2009年に公表された事業。それから2013年ぐらいまで投資セミナーをやっていた。あなたたち(ブラジル企業)がモザンビークに行って大豆を生産してくれたら、日本人というのは大豆をこんなにも食べるから私たち(日本)の商社が買いますよ、と。JICA、国際協力機構は、このプロサバンナ事業の実施主体なのですが、そこと商社が、ブラジル、モザンビークと、投資を呼び込むセミナーというのをやっていたんですよ。実際現場に行ってみると、その2010年・11年から、大豆を生産する企業による土地収奪というのが頻発していたというのが一つ。
 もう一つが、大きい活動・事業はプロサバンナ事業では(結局)できていないのですが、小さいモデル事業のようなものは、JICAが得意とする事業なんですけども、やっている。地元の企業に融資を入れているのですが、そこがもっと地元の小農民と協力をして地域の開発をしましょうということで(やっている)。その企業が、実際は、地域の農民の土地を奪ってきた企業という実態が、現地の調査からわかっている。

堀:海外のNGOとかは、そういった投資先の企業が一体どういったことをやっているのかというのはきちんとリスト化して公開してみたりとしていますね。なんか私たちの税金の投入現場だけに、すごく丁寧なアセスメントをやってほしいなと思うのですが。実際既に現地では色々な分断が生まれてしまっていると聞きました。どんな分断ですか?

渡辺:そうですね。そういった反対の声が上がったがために、プロサバンナ事業とはどういうものかという説明・内容を、それなりに日本政府も変えようとはしてきています。(その結果)今となっては、「プロサバンナ事業は小農のための事業だ」という風に言われているんですね。であれば、やはり私たちの声を農民たちは聞いてほしいと主張するわけですよ。それでも(JICAが)進めたい方向、思惑などがあるものだから、現地の反対をする団体、農民組織を、JICAがお金を出して現地のコンサルタントを雇って、一軒一軒プロサバンナに反対だ、賛成だ、あるいは話し合いに応じるだろう…といった思想別に色分けをした。ちょっと政府よりでプロサバンナに賛成する団体とだけやる。「市民社会とを対話していますよ」とみせるための「対話メカニズム」を作った。そこからは、やはり反対の声を上げている団体とか農民というのが排除されているんですけど…。今申し上げたように、JICAがお金を使って、私たちの税金を使って行われている。そういった実態があります。

堀:色分けの資料、以前渡辺さんに見せていただいたことがありましたけれども、ここまでするのか、と(思いました)。ある見方によってみれば、進めなければいけない計画の根回しをした上で円滑にやるんだ、といったことなのかもしれないですけれども、そこに対して「NO」と言っている方々もいるんだ、と議論しなければいけないですよね。

渡辺:はい。本当にそう思います。しかも、今だと”元”になってしまうのですが、河野太郎元外務大臣も反対の声をあげている方々を含む参加型で、この事業については話し合わなければいけないといっているんですよ。

堀:モザンビーク政府はこの問題に対してどのようなスタンスなんですか?

渡辺:モザンビーク政府は、そうですね、難しいのですが、やはり進めたい、というのがあります。モザンビーク政府(にとって)は、やはり大規模農業開発をすることで、自分たちの収入とか税収になるわけですよね。こういう農業に限らず大規模開発、援助の問題というのは、いわゆる無償でお金を援助であげるものと、借金を背負わせる借款というものがあるんです。結局、今、借款で出す国がとても多くて、アフリカの多くの国が借金を抱えているのでそれを返さないといけない。そのためにはお金を儲けられるような事業をやらなくてはいけない、という循環の中で、援助(の話)が入ってくるということが起きています。そもそも、さっき言ったように政府の人たちのポケットマネーに入るような仕組みもある。(だから)そのような中で進めたいと思っている。

堀:どうですか。実を言うと、渡辺さんはビザの発給を巡って署名運動も展開されてこられましたよね。これは何を言っているのかというと、現地に入って農民の皆さんと一緒にこの問題に対して声を上げようと運動しようとしていた渡辺さんですが、モザンビークで活動するためのビザの発給が止められてしまって、再び現地で活動ができない時期があった。署名を集めてなんとかそれを外務省に対しても申し入れをしていこうというのがありました。現状としては今どうなのでしょうか。

渡辺:現状としては、全然解決はされていなくてですね。去年の12月、現場に実は行こうと思っていて…。それまでは現地の司法の判断で私が入れないと言われていて。

堀:モザンビーク政府の判断で、渡辺さんにはビザを発給しませんよという風に(日本の)外務省は言っていた、と。

渡辺:はい。それが最初の申請の時。それで堀さんにもすごくサポートしていただいて、2回目の申請をしてください、と。(外務省経由で)モザンビーク大使館から、堀さんとイベントをさせていただいた後に言われたんです。それで申請をしたところ、「審査中だ」と言うことをずっと言われていたんです。それが二年間ぐらい続いていて、それで結局今度入ろうとしたら、いやいや、「ちゃんと『(ビザ発給)拒否だ』と2回目も言ったはずだ」という風に(駐日モザンビーク大使館が)言ってきて、モザンビーク側が言っていたことを変えてきた。でも外務省は「まだ審査中です」と言っていて、この両者の言い分、要するに日本政府とモザンビークの言い分がズレてきているので、それをまず解決してくださいね、と言ったのです。そうしたら、今後は外務省が「ビザというのは個人の問題なので」と、いきなり手を引き始めた。全く解決の兆しが見えていないという状況です。

堀:確かにビザを発給するかしないかは主権国家の権限ではあるし… だから日本国としてどうアプローチするのかというのは非常に難しい問題でも一方ではある訳ですね。

渡辺:そうですね。ただ、それまではずっと不発給をされた時から私のビザの状況がどうなっていて、今話し合いがどうなっているということに関しては、ずっと外務省がずっと(連絡役を)やってきていたんですよね。(両者の間に)そのズレが見え始めた途端に、「それは個人の問題であり受け入れ国の裁量なので」という風になってしまった。

堀:実際に日本に(モザンビークの)農家の方がいらっしゃって、色んな訴えをする。今回どんなお話をされましたか?

渡辺:そうですね。そういった分断などが起きている、元々の土地が奪われるということも言っているのですが、彼ら(モザンビークの農家の方々)がすごく強く言っているのが、そういった「NO」の訴えに対して、日本の政府はいかにこの事業が利益を生むかという説明をする訳ですよね。それに対して農民たちが言っているのは、私たちが欲しいのは利益ではなくて尊厳、そして権利、主権だと。だから、すごく分断をされたことで傷ついていますし、自分たちの仲間とバラバラにされたという怒りが一つあるのと、実はこのプロサバンナ事業、現地モザンビークの裁判所に訴えられて、「知る権利を侵害している」という判決が去年の8月に出ているんですね。

堀:モザンビークの司法は、(プロサバンナ事業は)いわゆる私たちのアクセス権を侵害しているんだと、そういう判決を下した?

渡辺:そうなんです。訴えた原告側の言い分というのが全面的に認められた。この(プロサバンナ事業の)ためにモザンビークの農業省に「プロサバンナ調整室」というところがあるんですけれども、そこに事業に関する資料を全て10日以内に全面開示をしなさいという判決が出ているのですが、まだ何ら対応されていない。そして、その「プロサバンナ調整室」というところは、JICAが資金を投じて立ち上げた部署、3カ国が調整をしてプロサバンナを進めていきましょうねという部署。JICAが資金を投じて立ち上げ、JICAが資金を投じて雇っている現地のスタッフが出入りしている場所なのですが、「これ(判決)はモザンビーク内の問題だから」といって、何ら対応されないまま一年間放置されている。なので、やはりそういう状況を受けて、(モザンビークの農民たちは)「この事業にはNOだ」という…そういったことですね。

堀:聴いている方によっては、なんてJICAは、外務省は、と思う方いるかもしれませんが、JICAはJICAで色んな地域で多大なる活動もいい貢献もしているし、外務省も外務省で官僚の皆さん、現場の皆さん僕も何人か知っている方がいるのですが、真摯に対応している人もいる。でもそのプロサバンナに関しては釈然としないことが積み重なってきていると。

渡辺:まさにそうなんですよ。今回も外務省、JICAとの話し合いで農民のリーダーが言っていたのは、「私たちはJICAに反対しているんじゃないんですよ。あなたたちは私たちの国でいいこともやってきた。でも私たちは、『このプロサバンナ事業』にだけは反対しているんです」と言っていたんですね。もう一方で、「『モザンビーク政府のせいだ』というけれども、モザンビーク政府と他国のドナー、援助国がやっている事業に私たちは反対していません」と。「反対しているのはプロサバンナ事業だけで、だからこれはJICAの皆さん、あなたたちの問題なんです」と言っていた、というのはありますね。

堀:「日本国として日本政府として、人権侵害を私たちはしません」というような、「そうした人権侵害をするような国に関しては、SDGsの観点から反対します」…そんな声をあげたりはしないんですかね。

渡辺:そうですよね。国連人権理事会(の理事国)とかでもありますし、そういったものが国際的にも謳われているので、やはり人権を守るというのはこの事業をやる上で一番大切なことだと思うんですけれども。とあるアジアのNGOの方に言われたことがあるのですが、「日本の政府と他のドナー国の違いは、他のヨーロッパだったりアメリカの大使館だったり援助機関は、人びとが被害を訴えると、まずそれを事実として認定して、そこから調べて対応する」と。「でも日本の政府は、人びとの声というのは嘘で相手国の政府と企業の言い分をまずファクトとして動き出す、そこが大きな違いだ」と言われていて。私もなんでそのような対応になってしまうのだろうとずっと不思議に思っています。

堀:原発の訴訟などを取材しているとそういう構図に直面するんですよ。実は、なんでこの小農家の話をしているかというと、遠く離れた他の国の話をしているのではなくて、日本こそ実を言うと、小農家の皆さんたちによって食料が守られてきた国ですよね。ところがその小農家の皆さんたちの権利って、原発事故でも国と闘わなければならないところまで追い込まれていったりとか…。やはりこれは自分たちの問題としても考えたいところですよね。

渡辺:本当にそうだと思います。一つ目は、やはり私たちの税金が投じられているというのはある。やっぱりこの分断とか人権が尊重されない…今(堀さんが)おっしゃったように農民の権利が尊重されないというのは原発然り、沖縄の辺野古の問題然り、ダムの問題然り、日本の大型公共事業で見られること、なんですよね。それがまさに輸出されてしまっている。そういうことを強く感じるので、やはり私たちの社会の在り方、食べ物を食べる選び方というのはもちろんそうなんですけれども、社会の在り方とも深く関係している問題だと思っています。

堀:何れにしても、ODAは私たちの税金が出どころですから、納税者の一人として責任のある投資に関わりたい、チェックを続けていきたいですよね。今夜はJVC日本国際ボランティアセンターの渡辺直子さんにお話を伺いました。ありがとうございました。

渡辺:ありがとうございました。

堀:以上、UP CLOSEでした。

〜24:17

【議事録】TICADサイドイベント「SDGsとアフリカ開発?」(2019/8/29)

TICAD Ⅶ関連公式サイドイベント
「SDGsとアフリカ開発?~私たちの暮らしから考える~」


議事録

1.日時:2019年8月29日(木)15時30分~17時
2.場所:パシフィコ横浜1F TICAD展示ホールB
3.主催:認定NPO法院 WE21 ジャパン、共催:国際NGO・GRAIN、
協力:モザンビーク開発を考える市民の会
4. 地球環境基金(油ヤシ・プランテーション産業拡大に対応するためのコミュニティ能力強化と地域プラットフォームの形成)、(公益財団法人)庭野平和財団、(一般財団法人)大竹財団
5.登壇者
■ コスタ・エステバオン(モザンビーク農民)
■ ボアヴェントューラ・モンジャーネ(モザンビーク活動家)
■ エマニュエル・エロング(カメルーン農民)
■ 浜田順子(WE21ジャパン理事)
■ 海田裕子(WE21ジャパン理事長)
■ 平賀みどり(経済学博士)
■ 小池絢子(WE21ジャパン民際協力室)
■ 渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)
6.参加者:98名

当日プログラム→https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/08/20190829-africasdgs.html
*本議事録は、当日の同時通訳音源ではなく、海外ゲストの英語・ポルトガル語発言を踏まえ作成されています。

0) 開会
■渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)
主催者の小池氏お願いします。

■小池絢子(主催者挨拶)
本日のテーマはアフリカ開発。TICADⅤがきっかけ。6年前に同じサイドイベント。モザンビークのプロサバンナ事業を始めて知った。JICAのODAで行われていた。「税金で行われているということは皆さんの問題」、モザンビークの方が話された。それから6年間この問題を追ってきた。本日はアフリカから開発の影響を受ける当事者の方々が来ている。皆さん自身が当事者として聞いてほしい。最後のディスカッションで何ができるかを考える。世界の問題に対して考えることがSDGsのテーマに繋がる。

■渡辺直子(開催趣旨)
経緯を説明する。全員の紹介も交える。本日の話題が触れるのは三カ国。アフリカの南にあるモザンビーク、中央にあるカメルーン、そしてエマニュエル氏からはガボンについても言及がある。この写真は何が起きているか。モザンビークで、大豆栽培企業に奪われた土地に立つ現地の農民。元々は緑豊か。森、水場、畑、お墓、家、樹々があったが奪われた。なぜ起きているか。今日問題提起したいことと関係している。

次にJICA(日本国際協力機構)の広報誌JICA Worldの記事。「途上国の農業開発無しで日本人の食生活はまかなえない」と書いてある。日本への輸出用の大豆、そして日本のODA(政府開発援助)で行われるプロサバンナ事業が言及されている。これらについては、コスタ氏とボア氏から問題提起がある。

それでは次に、油ヤシの実写真。これについては、エマニュエル氏から話がある。カメルーンの写真であるが、左が油ヤシのプランテーション。右はプランテーションが家屋の隣まで迫る。現地で何が起きているか。また、ガボンについてもエマニュエル氏から、中央・西アフリカで起きていることと日本の関係が紹介される。

TICAD(アフリカ開発会議)はアフリカの開発について話す場。こういうことが起きているアフリカの将来を私たちはどう考えるのか。そのためには、まずどういったことが起きているか知ることが重要である。今日は、それを考える場にしたい。
登壇者を説明する。コスタ氏はモザンビーク農民組織(ナンプーラ州農民連合)のリーダー。土地収奪が頻発する地域で土地、住民、農民を守るため抵抗運動を続けている。ボア氏は農民組織(ビア・カンペシーナ)の国際部で働いていた。現在ポルトガルの大学で博士課程に在籍しており、アカデミックな観点から検証し声を上げたい。エマニュエル氏はカメルーンで抵抗運動を率いる農民組織のリーダー。平賀みどり氏は経済学者であり、モザンビーク、カメルーン、ガボンで今起きていることが、世界のどのような文脈で起きているかを明らかにしてくれる。まずは、その前にWE21理事浜田氏から、私たちの暮らしに身近なパームオイルと私たちの関わりについてお話がある。

1)報告1 パームオイルと私たち
■浜田順子
パームオイルについて、8年前に教材を作成した。その際、パームオイルと私たちの繋がりを勉強した。それらの資料を元に発表する。カップ麺、ポテトチップス、クラッカー。食料品の油にパームオイルが使われるが、ほとんどの場合、表示がない。植物油脂にもパームオイルが使われている。歯磨き、シャンプー、食器用洗剤にも使われる。パームオイルが使われている理由は、沢山取れ安価だからとされている。風味を変えない。また、石油の高騰と二酸化炭素排出規制により、バイオ燃料としても利用される。私たちの生活に深く関わるパームオイルであるが、どこでどのように作られるのか。

マレーシアでは高速道路の両側にパームヤシのプランテーションの畑が広がっていた。元々生物多様性の豊かな所が全てパームヤシの畑に。インドネシアの西カリマンタン州。平らな土地で農作業路がまっすぐ続く。見渡す限りパームヤシ。マレーシアのヘアワセ州。起伏があり等高線に沿った作業路は少し曲がっている。道路沿いにパームヤシが植えられる。これはパームヤシの収穫の様子。成長が早く大きな大木になり実を採るのも大変な作業。これが実。これは収穫の様子。力仕事で男性がする。女性は下の方で運搬作業をする。

マレーシアでは政府が積極的にパームヤシの開発を進める。少数のマレーシア資本の企業が独占して進める。インドネシアでは大企業がやっている。政府が先住民族を組織化し農業協同組合にして土地をまとめて開発している。開発側と元々土地利用してきた住民側で土地を巡る紛争が生じている。不利な内容とは知らずに契約書にサインを書かされる。保証金が支払われない。代わりの土地が引き渡されないなど、働く人々と家族の平等と権利の問題が起っている。そして、大量に投入される農薬による健康への影響、パームオイル精製工場から排水などの多くの問題がある。

解決するための取り組みはあるのか。2004年、「持続可能なパームオイルのための円滑会議RSPO(Roundtable Sustainable Palm Oil)」が開かれた。パームオイルの生産、加工、流通する際に生物多様性を確保するための原則が策定された。右下にあるマークは持続可能なパームオイルの支援をしているもの。売り上げの1%がボルネオの環境保全に充てられる。認証ラベルの制度はある。しかし、認証のパームオイルは価格が割高で、使用は一部に限られる。制度は作ったとしても全てが解決した訳ではない。森林破壊を止めることができてない。もっと認証の基準を厳しくすべきという意見もある。今は途上の段階にある。

このようにパームオイルの問題をWE21ジャパンとして考えてきた。今回はモザンビークなどの大豆生産の話もあわせて、深めて聴ける。私たちとアジア、アフリカの国で起きている問題に密接な関係があることを学び、できることを繋げていきたい。

■渡辺直子(司会)
身近な問題と繋がっているということを覚えておきたい。次に平賀氏からお願いします。

2)解説 グローバルフードシステムと日本
■平賀みどり
パームオイル、大豆油などの植物を中心に、なぜ沢山安く出回っているかという政治経済の話をする。食べ物は命の過程であるはず。自然の営みであるはずの農業が、なぜ人の健康、住居、地域社会を壊す食料システムになったのか。日本の食べる側からの話をする。

植物油は世界的に右肩上がり。大豆油中心で、まだまだ増えていく。日本では油はごま油やオリーブオイル、そしてパームオイルは二番目に多く食べている。大豆油も食べている。これが認識されていないのは、「パームオイル」として売られていないから。(パームオイルや大豆油は、)加工食品や業務用に使われ、見えない形で食べている。日本はほとんど毎日沢山の油を食べている。そのほとんどを海外から輸入している。植物油の自給率は2%。日本の自給率は4割以下だが植物油は2%。原料のほとんどを海外からの輸入に依存しているものを安く食べていることになる。

世界では中国が世界の大豆の6割を輸入。一昔前は日本が3割を輸入していた。大豆大輸入国。大豆は日本にとって大事だと言われるがそうではない。100年前日本人は大豆を食べていた。大豆を食べることで、大豆の中に含まれる油も食べていた。ただし、搾った形では食べていなかった。今はより多くの油を搾った油から食べている。昔も大豆に含まれる油を食べていたが、搾った形の油は食べていなかった。この点は世界的に共通している。ポイントとして押さえていただきたい。

「アフリカでは大豆やパームオイルは食料の安全保障のため、需要が増えているから増産しないといけない」。そう言われるが、命の糧である食べ物と産業発展、経済成長のための原材料、商品作物の「コモディティ」とは違う。大豆を例にあげると分かりやすい。日本ですら大半の大豆の加工の結果は納豆、しょうゆ、みそではない。潰して油や粕にして色々な食品の加工食品の原材料となる。
日本が油を輸入するようになった経緯。明治150年の近代化が始まった時から。食べ物のためではなく畑の肥料として、満州から大豆粕を輸入した。輸入した大豆を海辺で、大きな工場で搾って油と粕にした。その後財閥も加わり製油産業が始まって今日に至る。1970年代にブラジルに進出。ブラジルに日本の商社が投資した。食料安全保障のためという話もあったが、本当に食料のためだけなのか。主なプレイヤーとしての総合商社は昔から今も食料システムに大きな役割を果たしているが、それぞれ戦略がある。基本的に一昔前は海外から日本に食料を輸入していた。今は北南米から原材料を得て中国やアジアの企業に輸出する三カ国貿易で儲けている。アジア一のアグリビジネスになる戦略である。出ていく先は、中国、アジアが多いが、世界全体、アフリカにも日本の企業が出ている。

以上から言いたいことは、日本の企業がアフリカやブラジルに進出している背景である。供給側、輸出する側に投資すると共に同じ企業が中国の需要側、食品産業に投資している。中国の食品家畜産業に投資して需要を増やしているのである。つまり、日系商社は供給側と需要側に投資してビジネスチャンスを増やしている。商社を紹介したが、日本の大手企業についても、扱うものは違っても同じことをしている。企業側が油の需要を増やしているのである。そのための市場開拓は当然の動き。日本政府もこれをバックアップしている。

食料システムだけでない。グローバルフードバリューチェーン。日本の食産業が海外で構築するのを日本政府が推している。生産現場は、インドネシアであり、森が焼かれ油ヤシ農園になっていっている。ブラジルで森が燃えているように、生産現場は大変な事態に陥っている。同時に、「もっと油をもっと肉を」とのキャンペーンは続いている。例えば、インスタントラーメンが世界を繋ぐ。インスタントラーメンは小麦粉と油からできている。そして、日本のから揚げが世界を変える。極め付けはエコ(環境保全)のためにパームオイルを燃やして電気を起こそうという計画が進んでいること。

まとめに入る。考えてほしい。何のために更に大豆、パーム油を増産させようとするのか。大豆の大規模生産は100年前の満州から戦後アメリカに、70年代ブラジルに移った。大豆はアジアの伝統的な食べ物から多種多様な工業原材料となった。戦時中、大豆は重要な軍事物資、工業の原料であった。このような増産を推進しているのは大手の産業・企業である。大豆の生産、輸出拡大は食料確保のためではない。結局は近代化のためであった。

日本では広まっていないが、食をめぐる社会科学の研究が英語圏で進んでいる。私たちは、好き嫌いにかかわらず資本主義経済のシステムの中で生きている。食料は農業だけで終らない。農場を出た後の産業が絡む。産業発展を目指す世界に暮らしている。最後にパームオイル、大豆の増産が必要と言われている点について触れたい。生産現場で何が起こっているのかを知り、なぜ必要なのかを考える必要がある。いつも「日本の食料安全保障(Food Security)のため」と言われるが、本当に私たちの胃袋を満たすためなのか。あるいは、関連産業発展の原材料としての商品作物(コモディティ)としての生産なのか。「Secure(保障)」は、誰の何のためのものなのか。企業が悪というよりは、利潤を追求する組織として存在する現実がある。現在の経済システムは経済成長を求めている。これに、良い悪いとは無関係に食べ物も組み込まれている。人間の本能が、「リッチになれば肉や油を食べたくなる」という話ではない。経済成長したら肉の需要が増えるという単純な話ではなく、資本主義という食料システムに注目してほしい。この食料システムの中で、地域の生産現場が壊れていっている。政府も企業にも私たちの税金が使われている点を忘れないようにしたい。

3)報告2 油ヤシ・プランテーションで起きていること
■エマニュエル・エロング
本日は土地収奪とコミュニティの権利の侵害についてお話しする。大規模プランテーションによりアフリカで引き起こされている問題。始めに出身国のカメルーンについて話す。カメルーンでは、人口の6割が農村部に暮らす。ほとんどの農業は伝統的手法で営まれてきた。このようなアフリカの農村の人たちが、大規模外資系企業の進める大規模パームオイルプランテーションによって、脅威に曝されている。

2008年から、投資家やアグリビジネスのカメルーンへの流入が急激に増えた。人々は先祖代々受け継いだ土地から追い出されれるようになった。墓地、学校が破壊され、冒涜された。補償も事前協議もない。企業によるヤシの木は我々の自宅の2メートル先に植え付けられた。一方で、我々はプランテーションの近くにトイレを作ることも禁じられている。こちらの写真が私の村。教会も外資系企業に破壊された。お墓もプランテーションの敷地内に置かれることになった。これが我々の村が直面する問題である。プランテーションの近くに家屋がある。家屋のギリギリまで木がプランテーションで植えられている。こちらの写真が私の畑。キャッサバを植えている。もう一つ畑でのヤム芋を植えている。しかし、プランテーションが土地を奪ったため、土地が足りない状態が生まれている。土地が足りないからプランテーションの近くの土地を利用しなければならない。

このように、コミュニティの権利が尊重されていない状態が生まれている。農村地域の住民たちは自分たちの家族を養うために十分な農地が確保できなくなってしまった。生物多様性も失われた。狩猟用の動物や魚も減少。使っていた川の水も化学物質で汚染されてしまった。また工場からの排水でも汚染が起きている。昔は十分に食べて売ることができる農作物があったのに、今はない。何千ヘクタールもの森が伐採され、森の人々の暮らしも失われた。

2000年に政府がボレロと言う会社に土地の使用権を渡した。なんと、7万8千566ヘクタールもの面積の土地である。これに対して、我々は闘った。その結果、2005年、ボレロ社は、コミュニティに2万ヘクタールの土地を返す約束をした。それにもかかわらず、現在もこの土地を賃貸料すら払わずに使い続けている。私は1,150人が参加するコミュニティ組織のリーダーとして、この土地を取り戻す活動を進めている。まず、165ヘクタールを我々のコミュニティのために取り戻す活動をしている。この写真は我々の闘いの状況を示している。ボレロ社に対する抗議活動の様子。

抵抗はカメルーンだけではない。ガボン、シエラレオネでも行なわれている。我々は、西・中央アフリカの被害を受けるコミュニティの組織化と連携を進め、informal allianceという団体を形成している。これが地域のネットワークとして、抗議活動をサポートしている。この抵抗活動を始めることで、アフリカでのパームヤシ・プランテーションの拡張に歯止めをかけている。パーム・プランテーションにより被害を受けている住民は、毎日抗議活動をして権利を守り、要求を届けようと努力している。これは、その声を届けるためのデモンストレーションの様子。あるいは、バリケードの設置して企業の活動を妨害している。

政府(行政)が監視役を果たしていないことが問題である。これに対しても抗議を続けている。カメルーン政府に対して、コミュニティは会社の監視役を果たすように促しているが、これは果たされていない。この写真はボレロ社が雇っている警備員で、武器も持っている。この男女は連行され刑務所に入れられた。コミュニティと警備員との闘いが続いている。プランテーションの作物を盗んだとして精神的、肉体的に暴力が加えられているが、実際は、家族を養うためにプランテーションの隣の土地で自分の油ヤシを育て収穫しただけだった。

企業側と契約を交わしたとしても、契約内容が守られない現実がある。政府は我々のコミュニティを守るべき立場だがやってくれていない。だから、住民自身が抵抗に立上がっている。そのおかげでプランテーションの拡張に歯止めをかけている。カメルーンだけでなく他の国の住民や、さきほど紹介したinformal allianceという団体と協力している。

このような国境を超えた抵抗運動の結果として、アフリカの120万ヘクタールに上るオイルパームのプランテーション事業は失敗し、放棄されている。オイルパームの作付面積は46万3千ヘクタールに上るが、土地使用権面積全体の17%に留まっている。他に、ゴムやその他の作物のプランテーションも問題となっており、5万5千ヘクタールに作付されている。過去10年間で作付された面積は22万608ヘクタールに上る。

こちらはシエラレオネのコミュニティ。住民が土地を戻してほしいと要求している活動の模様。informal allianceの活動の一環である。こちらもalliance所属の他の団体の活動。家族の為に土地を返してほしいと訴えている。このように、国境を越えたネットワークで協力を通じて、我々は抵抗を続けている。

次にガボンの事例には、日本企業が関わっている。三菱商事は日本企業であるが、ガボンでオイルパーム・プランテーション拡大を進めるオラム社の20%の株を持つ。2015年、シンガポールで110億ドルを投じて取得したものである。オラム社のプランテーションはアフリカで加速的に拡大している。取得された土地の17万4千ヘクタールの内すでに7万1,500ヘクタールにオイルパームが作付されている。これは、アフリカの全ての大規模オイルパーム・プランテーションの15%に相当する。そのすべてがトップダウン事業となっている。ガボン政府との共同事業であるにもかかわらず、土地紛争、労働問題、環境問題が起き続けている。ガボンのオイルパーム・プランテーションでは、環境が破壊されている。沼は汚染されている。プランテーションの警備員が武器を持っているため、住民に対する弾圧が起きる。武器を持つ警備員に住民が抵抗するのは大変難しい。それでも、コミュニティは組織化を始めている。女性たちも自治の権利を護るため活動をしている。これは、土地収奪とコミュニティ権利侵害の状況の写真。このような写真を見れば何が起きているのかがわかる。


3)報告3 アフリカで大豆生産?
■ボア・モンジャーネ
鍵となる作物としての大豆の生産がモザンビークで進んでいることから話を始める。日本政府と企業が、この点で重要な役割を果たしていることについて。これらのアクターがモザンビーク政府に、モザンビーク国内で大豆生産を広めることに働きかけていることついてお話しする。この写真をよく見てほしい。その背景から話す。

アフリカの多くの国と同様、モザンビークは農業国である。人口の大部分は小農であり、生きていく糧として土地を頼りにしている。土地と生活は密接に結びつき、小農にとって土地は必要不可欠なものであえる。皆さんにとって家や家屋、仕事が不可欠なように。モザンビーク政府は、これまでの伝統的な農業生産を工業的な農業に変換しようとしている。食料生産より換金作物を優先している。こうした背景の中で、大豆の生産が推し進められている。モザンビーク政府は、日本政府の他、世界銀行、アフリカ開発銀行などの国際機関と組んでいる。彼らはTICADのパートナ機関でもある。

我々の政府の考え方の前提に、モザンビークの小農による農業は遅れており日本のように近代化しなくてはならない。農業を大規模な換金作物を中心とした農業に代えないといけないとの考えがある。その結果として、大豆ラッシュが起きている。モザンビークの換金作物は伝統的に綿花、カシューナッツであった。大豆は最近導入が始まった。なぜか。まず、世界的に大豆の消費量が増えていることがあげられる。それを受けて、モザンビークでの大豆生産が拡大している。

南部アフリカに行ったことある方。モザンビークに行ったことがある方。ぜひ後の議論に参加下さい。

次に、特定の農業プログラムについて話す。モザンビークで大豆生産が拡大している背景の一つに欠かせないプログラムであるプロサバンナ事業について話す。これは、2009年から始められた事業。日本のイニシアティブにより始められた。日本のアイディアは、ブラジルと一緒にパートナ―を組み、過去ブラジルのセラードで行われたプロデセール(PRODECER:日伯セラード農業開発協力)という似た事業をモザンビークに持ち込むことにあった。プロサバンナはナカラ回廊、人口密度が高い地域で実施が予定されていた。この地域は、モザンビークの中で最も人口が集中しており、生物多様性が豊かで、水源も豊富、そのために小農がたくさん暮らす地域で、たくさんの農業生産がおこなわれていた。なぜこの地域に、プロサバンナ事業が導入されることになったのか。土地が肥沃であり、このスライドを見たら分かるように、地理的にも地政学的にみても戦略的な地域だからである。次のスライドに詳しいが、ここにナカラ経済回廊があり、この回廊を辿っていくとずっと東側に海と港がある。ナカラ港は大きな船が入港でき、輸出できるという地理的条件が揃っていた。つまり、プロサバンナ事業は、この内陸部地域の消費を目的として始まったものではなかった。我々が2011年に調査したところによると、この地域には400万人が住んでいて、大半が依然として小農だった。

このスライドに目を向けてほしい。左が、先ほど話したブラジルのプロセデールの前と結果。右がモザンビーク。双方の下に、大豆の大きなプランテーションの写真。ナカラ経済回廊開発によって、モザンビークの土地を、大きなプランテーションにと形を変えていくというビジョンである。「これこそが『開発だ』」、と。

この写真はジャーナリスト・チームによってドローンで2016年に撮影されたもの。現在のモザンビークの二つの現実を表している。小農による農業と工業的な大規模農業との相克を表した写真といえる。これが撮影されたのは、ザンベジア州のグルエ地区であり、プロサバンナ事業の対象地の一つである。左側は小農から土地が取り上げられ大規模な大豆生産がおこなわれている様子。真ん中の四角い施設は企業のもの。右側は小農が営む畑。彼らは立ち退きに抗ってきた。左側はプロサバンナ。ナカラ回廊全体を左側の風景に代えていく。右側は地域の自然が残っていることが分かる。全てコミュニティや自然が破壊され、一律の大豆プランテーションに変わりつつある。問題は大豆だけではない。また、先ほどプロサバンナといったが、ナカラ経済回廊計画のことで、鉄道を使った物流が重要視されている包括的な事業。化学工業事業なども対象である。そして、これには天然ガスの採掘も含まれている。モザンビーク北部には、世界最大規模の埋蔵量の天然ガスが眠っており、現在大規模な天然ガス油田開発が進められている。その結果として、コミュニティの中で様々な暴力行為、武力衝突が生じている。この地域はプロサバンナ事業の対象地とも近い点に注目したい。武力衝突は、天然ガスが採掘されている地域で起っており、この影響はプロサバンナの対象地域にも広がり、小農にも影響が生じると考えられる。

このスライドはJICAの農業開発セミナーで使われたスライド。JICAが言うのは、大豆を加工することで様々な商品が作れるということ。そして、消費する市場は日本である。

TICAD(アフリカ開発会議)というプラットフォームは日本が、アフリカ政府に対してロビー活動を行うために使っているものである。日本のビジョンをアフリカで展開させるためである。これは今朝撮った写真。JICAによるセッションでハイレベルな政府関係者、大臣などが集まっていた。(JICAの)SHEP(市場志向型農業振興)というプログラムをアフリカ中で始めるための集まりであった。彼らによると、このプログラムを通して小農がよりビジネス志向を持った農業を展開する等々、プロサバンナが示してきたものと同じである。つまり、TICADというプラットフォームは、「遅れたアフリカ」に対して、日本が自身のビジョンを展開するために使っているものといえる。ここら辺の話は、プロサバンナの事業対象地に暮らす小農のリーダー、コスタ氏に話を聞いてほしい。プロサバンナ事業や大規模農業開発事業によって、何が起きているのかについて。

■コスタ・エステバオン
私は、モザンビークのナンプラー州農民連合の代表です。今日は、一小農として、モザンビーク北部で起きている土地をめぐる問題についてお話しする。我々が目撃してきたのは、2009年、2010年頃から、モザンビークの土地に投資にくる投資家が増えていったことである。土地への投資家の到来は大きな問題を生じさせている。特に、小農の間に懸念が広がってきた。私の仲間(モンジャーネ氏)が述べたように、モザンビークの人口の7割を小農が占める。我々にとって、農業は生活の糧であり、土地は命、祖国であり未来である。

それにもかかわらず、我々の政府が様々な国際フォーラムで言ってきたのは、たくさんの土地が余っている、未耕作地なので投資してほしいということであった。しかし、実際は、余っている土地などは存在しない。我々は土地が足りず、モザンビーク人同士の間でも土地紛争があるくらいの状態である。

現在、モザンビークの全ての地区やコミュニティで、土地をめぐる衝突がある。アグリビジネスの到来により起っている。このようなことを招いた我々自身の政府によって我々は苦しめられている。と同時に、日本政府のプロサバンナ事業への関与によっても苦しめられている。モザンビークの人々は土地へのアクセスに苦しんでいた。日本がプロサバンナ事業を通じて大規模な地域で事業を推進しようとしている。しかし、この事業を展開できるだけの土地はどこにあるのか。先ほど述べたように、すでにコミュニティ内で土地紛争が生じている。そんな中で、このような大規模農業事業を実施したときにどんな問題が生じるか。

リバウエ郡ナキトでは、JICAは、あるMr.ルイというビジネス事業主に対して一千万円の融資をプロサバンナ事業のクイック・インパクト・プロジェクトの一環として実施している。このMr.ルイによって住民は土地を取り上げられ、昼夜を問わず苦しんでいる。我々ナンプーラ州農民連合としては、このケースにずっと関わってきた。このMr.ルイには2800ヘクタールの土地が(政府から)与えられている。コミュニティの人々はこの内50%の土地を取り戻そうとしている。が、政府は今まで何もしてくれていない状態にある。

我々の土地法では、土地は小農に属している。我々は日本の政府に訴えるだけでなく、モザンビークの政府に対しても訴えてきた。プロサバンナ事業を実施しないでくれと。しかし、モザンビーク政府は、我々の土地に関する法律を変えようとしている。小農からの土地収奪は法的には違法だが、違法でなくするために法律を変えようとしている。

以前にも言ったが、農業は生存のために不可欠なもので生活の全て。プロサバンナ事業が進められると、多くの小農は生きるすべを無くす。生きていくこともできず、子供たちを養えなくなる。深刻な問題である。

4)フリーディスカッション
■渡辺直子(司会)
エマニュエル氏、ボア氏、コスタ氏からパワフルな現場からの報告だった。平賀氏と、浜田氏の導入と併せて私たちのつながりを現場と合わせて考える機会となった。質疑の時間をとる前に海田氏からコメント。

■海田裕子(コメント)
WE21の活動は、世界の資源の80%を、20%の国々が利用していることと、日本の中で大量消費大量廃棄する資源循環の仕組みに疑問視して始まった活動。20年経ったが構図は変わっていない。活動を続ける中で、寄付していただいたものを販売し、収益を海外支援に充てている。活動を通じて学んだことは、世界中で同じことが起きているということ。土地収奪、開発や発展の言葉の下で、現地の人々が普通に生活すること、文化や生まれ育った土地を大切にすることが蔑にされることを実感した。特に、フィリピン、タイ、カンボジアで実感してきた。同じことがアフリカでも起こっている。我々はそういう方たちを大切にすることが日本の我々の生活を変えていくことに繋がると信じて活動している。一番言いたいことは、支援を続ける中でJICAや政府の草の根の支援事業に助成をいただいていている。そういった事業があるが、現地の声があっても無視した援助もある。このような援助を続けるのではなく、草の根の支援に力を入れていただきたいということを、日本の皆さんを通じてお伝えしたい。これからも、私たちの問題として、アフリカの方々と活動を続けていきたい。

■渡辺直子(司会)
質問があればお願いします。

■質問者
企業側にも立たず、どちらのサイドにも立たない中立な疑問。エマニュエル氏に聞きたい。どういう環境になったら一番、ベストな状況か。

■エマニュエル・エロング
コミュニティと協議の場を持ってほしい。企業とコミュニティの間で。企業側はコミュニティのことを考えず、政府とだけ話をしている。
(再質問に対し)企業側は、コミュニティの社会生活を実現するためのコミュニティへの投資をせず自らの活動における利益だけを追求した。だから、企業側は住民と協議する必要がある。我々の要求を踏まえて投資をしてほしい。

■質問者
TICADを主導する日本政府、日本国民に一番求めることは。

■コスタ・エステバオン
私個人からというより、プロサバンナ事業に影響を受けている小農を代表して答える。私が日本政府に対して求めるのはプロサバンナ事業を停止すること。実施局面に駒を進めないこと。モザンビークの伝統と文化を尊重してほしいということ。プロサバンナ事業のために余っている土地はない。土地はモザンビーク小農のものであり、モザンビーク小農によって耕されなければならない。JICAや日本政府がモザンビーク小農を支援したいのなら、プロサバンナ事業を通してではなく、小農に直接支援を。

■エマニュエル・エロング
ガボンについては三菱商社が投資。ガボンの人々は、日本政府に対してコミュニティと協議の場をもつことを求めている。彼らは我々の土地を取り上げ、コミュニティの権利は認めず、我々の畑農業ができなくなった。ガボンは小さな国だが森林が多くある。開発は必要だが、今行われている開発ではない。日本政府はガボン政府と話しつつ、コミュニティの代表を含めた三者協議をしてほしい。今現在のプロジェクトを、我々は望んでいない開発。

■ボア・モンジャーネ
もう少しストレートな質問をしたい。みなさんにお聞きしたい。民間企業に務めている方もいるだろうが、帝国主義の歴史的背景をもった先進国が元植民地支配下にあった途上国に関与する方法として、真にフィランソロピーの観点を重視したアプローチはありえるか、という点である。私は開発学を歴史構造的に学んできたが、先進国が公正なる形で途上国と本当に関われるのかというと、そうでないと思う。だから言いたい。日本はアフリカを放っておいてほしい、と。日本がやるべきは、人と人の協力が中心にある国際協力である。しかし、日本政府は企業を送り込んでいる。

エマニュエル氏はオイルパームのプランテーションで起きていることを話してくれたた。日本の皆さんがパーム油を消費しているということは人々の血で染められたものを消費しているということ。日本の皆さんにお願いしたいのは、日本は様々な一次産品や原材料を搾取しているという点にもっと意識を持ってほしいということ。

■渡辺直子(司会)
ありがとうございます。最後に、先程何度も、どういう生活を望むのかとエマニュエル氏に聞いても、「対話を」と返ってきていた。なぜか。例えば、昨年11月に来たときにコスタ氏が言ったのは、我々は利益の話をしたいのではない、尊厳と主権と権利の話をしたい。昨日ボア氏も同様に、未来は利益を追求することに基づいて話すのではなく、ヒューマニティ(人間性)に基づいて話すことだと言っていた。対等な関係で未来を考えるべきだと訴えたことが多くあった。今後とも一緒に関わって考えていきたい。

【本日、抗議と申し入れ】JICA「プロサバンナに関する一部報道等について」

本日、JICAに対し、日本のNGO5団体として、JICAサイトに掲載された「モザンビーク国プロサバンナ事業に関する一部報道等について」について、抗議と申し入れを行いました。
https://www.jica.go.jp/information/opinion/20190920_01.html

申し入れ内容は次の通りです。


(1)現在下記に掲載されている文章を撤回すること。
https://www.jica.go.jp/information/opinion/20190920_01.html
(2)日本のNGOとの公開討論会を開催すること。


その他、詳細は以下をご覧下さい。


******
JICA理事 加藤宏様
JICA農村開発部 宍戸健一様
JICAアフリカ部 加藤隆一様 

いつもお世話になっております。

NGO5団体を代表し、先日9月20日に貴機構のサイトに掲載された下記
「モザンビーク国プロサバンナ事業に関する一部報道等について」に
厳重に抗議するとともに、この件に関する公開討論会の開催を要請します。

2019年9月20日
「モザンビーク国プロサバンナ事業に関する一部報道等について」
https://www.jica.go.jp/information/opinion/20190920_01.html

以上のサイトでは、事実に基づかない設問と内容、これまでJICAが
認めてきた瑕疵すらも否定して情報をねじ曲げて掲載されている
だけではありません。大変深刻なことに、コスタさんを名指しし、
読んだ人にコスタさんが嘘つきで「少数派」の取るに足らない人物
だとの印象を与える文章となっています。

コスタさんが述べたことを正確に確認することなしに記載し、また
コスタさんの発言の真意や背景を理解しようともせず、日本のNGOを
経由して問い合わせる努力すら怠り、このような一方的な誹謗中傷を、
事業対象地の数万人の小農が自らリーダーとして選んだ人物に対して
行ったことに、一同驚きを禁じ得ません。

すでにご承知のとおり、コスタさんをはじめとするモザンビークの
小農運動のリーダーたちは、数々の人権侵害に直面してきました。
中でも、コスタさんが最もターゲットになってきたことについては、
過去の意見交換会でも繰り返しお伝えし、人権救済を求めてきました。
それを知った上で、コスタさんに対して、今回このような個人攻撃を、
公的かつ一方的に貴機関が行ったことは、まさに人権侵害行為に他ならず、
またその結果生じうるコスタさんに迫る危険についても、大変憂慮する
とともに、厳重に抗議いたします。

ついては、このテキストの早急なる撤回を求めます。

他方、JICAとしてメディアにも市民社会にも公に言いたいことが沢山
あるようなので、公開討論会を提案いたします。

本来、コスタさんらモザンビークの小農やキャンペーンが討論相手となる
べきところですが、そのことによって更なる個人攻撃を喚起しかねないこ
と、また現在モザンビークは選挙選の最中で、対象地の一部では衝突や暴力
が生じており、危険が高まっているため、日本のNGOが対応します。

これには積極的な意味もあります。
我々はJICAを支える納税者・市民として、JICAに聞きたいこともあるから
です。

司会は双方合意する公平な討論運営ができる者、あるいは双方が選出する
公平な討論運営ができる者とすることを提案します。

以上、メールの形ではありますが、正式に以下の2点を申し入れしますの
で、9月30日までにご回答をお願いいたします。

(1)現在下記に掲載されている文章を撤回すること。
https://www.jica.go.jp/information/opinion/20190920_01.html
(2)日本のNGOとの公開討論会を開催すること。

以上、よろしくご返答をお願いいたします。

2019年9月24日
5団体を代表して
大林稔 (龍谷大学名誉教授)

アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター、ATTAC Japan、
No!to landgrab, Japan、モザンビーク開発を考える市民の会

【議事録5】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)(池上甲一名誉教授「世界潮流報告」)

以下イベントの議事録の続きです。

冒頭の日本のNGOのプレゼンについてはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html
以下のイベントの議事録の続きです。

日本のNGOのプレゼンはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html
モザンビーク小農と市民社会代表のプレゼンはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-414.html
外務省・JICAと登壇者との公開ディスカッションはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-415.html
参加者とJICAとの公開ディスカッションはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-416.html

(院内集会)
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
〜モザンビーク、プロサバンナの事例から 議事録


1. 日時 令和1年9月4日(水曜日)15:34〜18:30
2. 場所 参議院議員会館 会議室101
案内→https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html
当日動画→https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be

【5】現状報告「ディスカッションを踏まえた世界潮流報告」池上甲一(近畿大学名誉教授)

司会: 決して満足いく答えが出たわけではない。この事業はこれで終わるわけでは決してないと思う。おそらく進んでいくので進んでいかないようにしなくてはいけない。

先ほど意見交換した後にボアさんはなかなか息の長い長期的な戦いになりそうだとつぶやいていた。本当にこの大きな、国をあげての開発だが、農民にとってみたら暴力に近い行為に対して私たちもどうすればいいか、そういう時に来ていると思う。

池上先生が現地調査をしてきているので、どういう観点でこの問題を見ていけばいいのか、特に農という観点で話を伺いたい。それをヒントにしながら今後私たちは何ができるか、何をしていけばいいか、そのあたりをコスタさんやボアさんを含めて一緒に考える。そういう時間にできればいいと思う。

もう抵抗を続けて10年、非常に大事な時期に来ていると思う。少なくとも、今日意見交換会をして、コンセンサスを取るまではやりません、ちゃんと取りますということを明言しているから、それをまた一つのフックにする。やはり事がおこってからでは遅い。今、予防という観点でどうこの問題を考えていくかという、そういう時期に来ている。


(UPLAN動画2:25:56)
当日配布資料>http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-411.html

池上:今日は直接プロサバンナに関わる話ではなく、全体的な、世界から見た時の小農、家族農業をめぐる議論という観点からの報告になる。今年の5月にローマで国連家族農業の10年の立ち上げイベントがあった。

その時に集まった人たちと話をしている中で、プロサバンナの話をすると、まだやっているのというような反応がかなり多かった。そういう舞台ではああいう問題のある事業はほとんど終わったんではないかと。実際ブラジルもほとんど手を引いているような状況なので。そういう理解を示す背景の一つとして、かつてJICAがセラードで進めてきたような大規模開発がモザンビークで始まった時に最初に考えていた大規模農業開発というのはもはやだめだという認識をかなりの人が持つようになってきている。そのことが影響してきていると思う。

小農や家族農業をめぐる、国際的な研究の潮流について。一応FAOとか国連の話もするが、研究の話がメインになる。ところが、残念なことに日本では家族農業の10年はさておき、小農の権利宣言についてはほとんど拒否、あるいは無視という状況になっている。

小農や家族農業への注目について
・ヨーロッパはかなり小農、家族農業への傾斜が典型的。
・EUで進めている共通農業政策(CAP)というのがある。CAPも小農を支援するという方向にかなり舵を切っており、予算の7割ぐらいはそちらに向かっている。
・フランスの新農業法。アグロエコロジーを中心にしていくということで、農業大国フランスでさえ、そちらに舵を切っている。
・2014年に開かれた家族農業年、今年から始まった家族農業の10年というのはFAOを中心にして進められている。
・昨年12月に採択された、小農の権利宣言、あるいはSDGs(永続可能な発展目標)。その中心的な役割を果たすのが小農、家族農業であると位置づけられている。
・こういう国際機関、あるいは、ヨーロッパを中心とする国々で小農や家族農業に舵を切る、重視する政策が行われているにも関わらず、日本では一部の人たちの主張にとどまっているのが残念ながら現状。

小農、家族農業がなぜ注目されるようになったか
・今進められているプロサバンナの内容は、大きな農業機械や、多投入—化学肥料や農薬をたくさん使うー近代的農業への転換となっている。しかし、今の世界の動きはそういう転換ではなく、近代的農業からの転換が課題だという風になっている。
・そのきっかけになったのが2002年に世銀が始めたイニシアティブで2008年に出された報告書(IAASTD)『岐路に立つ農業』。小規模農業の方が非常に、生計向上と公正さの面では勝っていると書かれている。大規模農業、近代農業では生計向上しないということ、小規模農業は決して遅れた停滞的農業ではないということ、アグロエコロジーが成否のカギを握ると言っている。工業的農業が小規模農業に勝っているという理解は神話に過ぎないということが、2008年の段階で既に指摘されている。
そういう流れを踏まえて国際家族農業年や家族農業の10年が始まった。

国際家族農業年と家族農業の10年
・結論として、家族農業の10年では多国籍アグリビジネス主導の現代食農システムに再考を迫るということと、家族農業は広い、先住民族や漁民、遊牧民などを含める、ということ。
・新自由主義的食農システムは環境収奪的だが、小農・家族農業は環境的にも社会的にも持続性が高い。

グローバル・アクション・プラン
・家族農業の10年では、7つを柱とするグローバル・アクション・プランというのがある。これから日本の文脈に合わせるような形で、ナショナルプランを作るということにもなっている。
・これは政府が作るわけではなく家族農業のプラットフォームが中心となって作る。すぐできるものではなく、長い時間をかけて作る。

小農と農村で働く人たちの国連権利宣言
・小農の国際的農民組合ネットワークであるビア・カンペシーナが原案を作って交渉して採択にこぎつけた。
・small farmer/small holderというような言葉ではなく、Peasantという用語をあえて使ったという点に注目したい。

日本政府の対応
・こういう動向の中で、日本政府は家族農業の10年について共同提案国になったが、小農権利宣言は棄権。外務省は小農権利宣言について「宣言なので我々に履行義務がない」と常々言っている。小農については、小農という言葉で話しかけるだけで拒否されてしまうという状況。
SDGSも義務があるわけではないがやっており、国連の加盟国である以上、少なくとも採択結果については対応を取る責任がある。
・家族農業については農水省のホームページにも、家族農業に関するページがある。しかし、私どもの考える家族農業ではなく、家族経営体という、お金に結び付くようなもの。
・なぜ日本政府がモザンビークにこだわり続けているかということの理由の一つとして、何年か前に安倍首相がモザンビークに行ってグローバル農業を作るということを言った。グローバル農業を作るということの裏返しとして、グローバル・フードバリューチェーンを作ってどんどん輸出する輸出志向型農業をやるということ。小規模農業、小農、家族経営、家族農業ではなくて輸出を目指すような大規模経営体を農業の中心にするという考え方。基本的な政策として輸出型大規模農業をやるという方針を持っている。

小農の権利宣言に対する意図的曲解とそれに基づく批判
・Peasantを貧農、隷属農、あるいは、南側の農民に矮小化しようとする見解があり、その典型的な人として、山下一仁という人がいる。この人は「社会的地位が低い下層階級の貧しい農民、特に中世封建時代または貧しい途上国にいる者」「ヨーロッパでは農奴、日本では戦前の貧しい小作農か水呑百姓」これがPeasantと言っている。ほかにも、兼業農家、農業生産法人、集落営農は小農ではないと言っている。決してそうではない。

小農研究の経緯と到達点
・小農研究はヨーロッパでは1970年代にミルクを道路にぶちまける抗議行動があり、そこから始まっている。1970年代には戦うヨーロッパ小農というものから開始している。
・反植民地主義的な活動とか、国家や資本では生み出せない、自治的な新しい農業のやり方、自分たちの生み出してきた農業のやり方、そういうものを作り出していく。その一つがアグロエコロジー。
・もちろん小農と言っても農作物売らないといけないので市場には関与する。投入は過剰に市場には依存しない。

小農・家族農業、企業的農業、資本主義的農業
小農や家族農業の一番大事なのは、地域社会・地域文化・地域環境・生態系というところをベースにしていること。

新しい小農研究
・小農の農業というのはいろんな価値を高めていき(Deepening)、新しい農の形を進めていく(Broading)、一番大事なのは地域にもう一度つく(Regrouding)。インプットのコストを下げている。家族農業が地域から逃れることはできないということが一番のポイント。

小農と資本主義・市場との関係
・今、日本で圧倒的に力を持っているのは、「新自由主義的資本主義」の市場である。これに対応するような産業的農業やフォーディズム農業がたくさん出ている。
・フェアトレードや地産地消に見られるような経済のやり方というのは、「徳の経済」に基づく資本主義というやり方。
・新自由主義的資本主義が非常に肥大しているところをどうやって変えていったら良いかというのがポイント。

日本政府のアフリカ農業理解
・プロサバンナの背後には、伝統的農業=小農農業は停滞的で遅れているとの思い込みがある。しかし、その代わりに導入されようとしているのは、永続可能とは言えない近代的農業へ転換するというアプローチ。伝統的農業に学ぼうという姿勢はほとんどない。
SDGsのもとになっている、2030アジェンダの転換アプローチとは方向が違う。


【6】オープンディスカッション

池上: 質問の前に、せっかくFAOからいらっしゃったので、家族農業の10年について補足をお願いしたい。

参加者:私が家族農業に関わったのは2004年。その時にローマに国際農業開発基金というのがあって、その基金は小規模農業(small holder farmers)を支援するということで、そこで仕事していた。
私の経験からすると、small holder farmersはいろんな課題があって、目的は貧困撲滅ということでやっていた。

貧困の対象は小規模農家で、彼らはほとんどは都市部ではなくて僻地にいるということで、どういう課題があるかというと、いろんなものへのアクセスが限られているということ。たとえば、情報がない、周りの状況が分からないとか、あるいはリソース、彼らは土地を借りてやっているので、土地を自由に使える自由がないとか。作ったものを売るマーケットがないとか。作っても物を運ぶことができないという課題がある。必ずしも小規模農家であること自体にハッピーではない人たちがたくさんいる。その人たちをどういう風に支援して、彼らがより豊かな生活を送れるかということを、主に目的として支援していた。今は、よりエコロジカルな形での農業支援ということで、大規模よりは小規模の人たちの人権、そういうものを尊重しながら支援している。

古沢: 今日典型的に出ていたと思うが、この前のTICADと同様。日本という国の在り方が課題を示している。つまり、アフリカにいかに巨大な投資をして、そこから経済を活性化し、巨大な富を得るという方向性。

モザンビークのプロサバンナは、これだけ投資してこれだけ儲かるという、まさに看板である。これをどう崩すかという点で大変なこと。経済全体の仕組みがそうなっているから。

一方で、実際には変わりつつある。お金を巨大投資して、巨大開発して、開発プログラムに、というやり方は20世紀の、過去のもの。余計な投資をしないで、これは適正技術、本当にその地域に合ったものをうまく利用して、余計なお金をかけないで、よりうまく回していく知恵が求められている。

ぜひ、プロサバンナは、根本的にパラダイムを変えていくような象徴的な例なので、ぜひ頑張ってやっていきたい。

司会: プロサバンナが止められなければ、SDGsの実現はない。コスタさんやボアさんも一言ずつ。

ボア: ここでは、プロサバンナとJICAの問題は、JICAの問題にとどまらず、さらに大きな枠組みの中での問題でもある。世界的に企業が食をグローバルに支配しようとする動きが生じている。だからJICAとの闘いにとどまらない。より大きな闘いである。グローバルな観点から捉える必要がある。

オルタナティブという言葉の使い方について問題がある。オルタナティブという言葉は主流派に対し、小さいものが闘っているという形で使われることがあるが、小農による農業はオルタナティブではない。小農による農業こそが世界の主流である。だから言葉はもっと賢く、適切に使わないといけない。

コスタ: 今日この場でJICAのみなさんが池上先生の話を聴く前に退出されたことが残念でなりません。私たちはこの課題への取り組みを今後も続けなくてはならない。日本とモザンビークの政府の取り組みに対し、家族農業を守っていく姿勢を貫いていきたいと思う。

池上: 勇気づけられるコメントばかりだった。小農の権利宣言というのは、私たちの権利アプローチです。小農を1つの社会グループとしてきちんと確定するという考え方。

私が申し上げたいのは、日本は人権アプローチ、権利アプローチについて非常に鈍感な国だということです。1950何年かに採択されている、ILO条約、2つほど、非常に重要なもの、未だに日本は準備が整わないということで批准していない。それくらい鈍い。そういう人権という面から見ても、その鈍さが、モザンビークでランドグラブ(土地収奪)は起こっているとは我々は認識していないというような言い訳になってしまう。だから人権アプローチや権利アプローチの重要性というのは、私たちの生活に直結していることだと思っている。改めて記憶しておくのも大事な活動の一つではないかと考えている。

渡辺: 農業の話で盛り上がっているところ、最初のトピックに引き戻すが、今日はどういうことが私たちの税金を使われて起きているかというのをつぶさに見ていただいた。

JICAは外務省とともに自分たちの文書にあることに基づいてこちらが質問をして事実確認をしているにもかかわらず、それと全く関係のない反論をしてくる。たとえばモザンビークの裁判で判決の出たこと、その対象がJICAがお金を出しているところにも関わらず、そういったことがないかのような反論をしてくる。

これが農民たちが日々直面している現実だということです。
農業のビジョン、土地のこと、タネのこと、それを語ることは非常に大事だが、その前に私たち日本の市民としてやらないといけないことがある。考えないといけないことがある、そういったことも今回ぜひ持ち帰っていただけるとありがたい。

今日もこれだけ事実を突き付けているにもかかわらず、事業を止める気配が全くない。私たち納税者として許していいのか。そういったことを今後も引き続き考えていければと思う。そして彼ら(現地の小農・市民社会組織)に連帯しつつ、私たち当事者の問題でもあるので、一緒に考えていければと思う。

司会: モザンビークから来てくださった方々に話聞くたびに、彼らは大きな状況の中で彼らはずっと闘ってくれていると思った時に、私たちは今転換点にあるので、この問題を許してしまうといけない。

篠原: 国民民主党衆議院議員の篠原孝です。
小農という話が出たが、朝日ジャーナルという週刊誌があったのをご存知ですか。そこに1982年、小農か大農かというので対談記事が載りまして、そこで私は小農が絶対いいとは言っていないが、小農を農林水産省は切り捨てて大農が良いというのは馬鹿にならないといとやりました。

池上先生の言われたように、日本は冷たいが、反骨精神にあふれた人たちがいまして、九州の人中心に小農学会というものがある。ご存じの方おられますか。私は学会のメンバーだが一度も忙しくて出席していないが、重要な会員の1人と思っている。

世界が小農宣言しているときに、家族農業が大事だと、協同組合が大事だと言っているときに、それらにすべてそっぽを向いているのが日本国政府。世界は日本の土地を大事にして、そこに合った農業をやるという日本型農業技術を欲しているはずだ。それを広げるのが日本の国際協力、JICAの目的だと思う。それをしていない。ぜひこれをモザンビークでも実現したい。

司会: ありがとうございました。改めてコスタさん、ボアさんに拍手して終わりたいと思う。

【議事録4】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)(JICAx参加者ディスカッション)

以下イベントの議事録の続きです。

冒頭の日本のNGOのプレゼンについてはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html
以下のイベントの議事録の続きです。

日本のNGOのプレゼンはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html
モザンビーク小農と市民社会代表のプレゼンはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-414.html
外務省・JICAと登壇者との公開ディスカッションはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-415.html

(院内集会)
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
〜モザンビーク、プロサバンナの事例から 議事録

1. 日時 令和1年9月4日(水曜日)15:34〜18:30
2. 場所 参議院議員会館 会議室101
案内→https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html
当日動画→https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be

【4】 参加者とJICA農村開発部宍戸健一氏との公開ディスカッション

司会: ありがとうございます。フロアにいる皆さんは白熱した議論でついていくのは大変だった部分もあるかもしれないが、こういうセッションを設けたのも、先ほど申し上げた、NGOと外務省、JICAとの意見交換会をどういう感じでやっているのか、何が問題なのか、どうしてこういう風になかなか10数回も議論があってなぜなかなかいかないのか、現状を知ってもらいたいということで、こういう形でやりとりをした。

今の話を聴いていても、JICAとしても主体的な責任をどう考えていったら良いのか、多くの人が賛成していると言っている中で反対しているという人の声を、少数だからといってその人の声を抹殺してはいけない、それは本来の民主主義ではないので。そもそも、賛成多数と(JICAは)言ったが、実際反対しているのは少数ではない。4800農家というが、この地域の農民人口を考えれば? この問題に対して疑問を持っている人が少なくない。

今後どうしたらいいのか。一時やめて、仕切りなおす方法もないわけではないと思う。その方がかえって、日本政府にとっていいことなのかもしれない。JICA、モザンビーク政府、農民にとっても良いと個人的に思う。

吉田: 今の関係で発言したい。

JICAはいつも対話を進めたいと言っているが、そういうことを言うバックグラウンドを考えてほしい。というのは、もともとプロサバンナは、ブラジルのプロセデルのモデルをモザンビークでやりたいという政策として最初は考慮されていた。それに対する反対がもともとマスタープランを作成する段階でもその考えが貫かれていた。最初に出てきたマスタープランの第一次案はまさにそういう線でみなされていた。そのことを皆さん忘れているような感じがしている。

それを反対運動が起こった時に、だんだん小農中心に変えていこうと努力をされたと思うが、それはもともとそういう考えを中心に据えていなかったから、小農の反発がやまないわけである。ですから、その考え方を変えない限り話し合いは成り立たないと思う。そういう意味で、さっき司会がおっしゃった、一度ゼロに戻してやり直そうという考え方を取らない限り、農民の参加は得られないと思う。参加参加と言っているが、そういう意味では無理な話だ。
これ(現状のマスタープラン)を完全にゼロに直してそこから話し合うということであれば可能性もあろう。しかし、(プロサバンナ事業の)考え方のもとにあった問題が未だに尾を引いているという感じが強い。農民もそう感じていると思う。今までの考え方を一度ここでストップさせて、なしにして、話し合いを始めることがJICAとしてできないということはないと思うがどうか。

枝元: プロサバンナのことをどう考えると思ったとき、侵略だと思った。これ侵略じゃないですか?この方々は、小さい畑をやっていて、その土地に合ったものを作っていて幸せに暮らしています。食べ物自給できています。

日本の農業はめちゃくちゃです。農業者もやめていこうとしているのが、日本型の農業。あるときそこに背広を着た人たちが来て、あなたたちあまりお金がなさそうだ、こうするともっと儲かると言ってやってきて、そこを違う畑に変えていこうとしている。いらないから帰ってくださいと言っている人たちがいるのに、居残って、さあ参加してくださいというのって、これ侵略ではないかと思った。

今ご意見があったけれど、もともとプロサバンナの原点が、ブラジルのセラード開発にあったとしたら、今アマゾンが燃えていることを見ても、地球がだめになっちゃうかもしれないと心配している。地球の20パーセントの酸素を作っているアマゾンが肺がんになっているのと同じ。

どうしてかと考えたら、そういう利益を優先していく、違うところのやり方をやってみろとどんどん押し付けていくことがあるからではないか。このままいったら地球がダメになるとどうして思わないのか。こんな、人のところに進んでいくようなこと。

子どもたちとか、高校生とかは、これからの地球のことを心配している。それをそういう考えで、古い、誰かだけが儲かる、企業だけが、お金だけが動いていくような古いビジネスモデルにしがみついて、その土地の人が誰も受け入れないようなことをどうして押し付けていくのか。なぜこのようなことに、私たちが払っているお金を使うのか。私の税金使わないでください。やめてください。

これ武器買うよりももっとひどい。お金使ってそこの土地にどんどん入り込んでいっている。私の税金使わないで。税金使ってそんなことしないで。話し合いをこれからするなら、私たち税金を払っている人にもちゃんと知らせてください。その7億円や4億円が人件費だとしたら、3人しかいない人たちにその人件費、それって賄賂じゃないですか。どうやってお金使っているんですか。

私たちがお給料払っています。JICAの人にも、外務省の人にも払っているでしょう、税金で。必死です、働くの。日本の農民もどんどんやめていこうとしている。そういう農業をちゃんと見れていない人たちが、なぜ、よその国の農業、知らない土地のところにそういう農業のやり方を押し付けていくのか。おかしいです。

お金使わないで、私たちの税金。そう私は今思っています。怒っています。私たちが当事者だから。よその国のためになんて思っていない。自分のお金の使われ方を考えている。私は当事者としての意見です。ありがとう。

池上: 池上でございます。今だいぶポイントついていただいたので。対話プロセスというのに、参加を求める・参加を望むと言っているが、これは決して対話ではないと思う。

つまり、既に方向が決まっているところに、ここに来て反対意見を言えと言ったって、意味がない。ダイアローグではない。これは説得のため。そういうところに参加型意思決定、コンセンサス、メカニズムを作るというアリバイ作りをしてもらうと困る。

もう一点に、JICAが進めている、賛成者が多いという根拠に使われている、パイロット事業参加者の「賛成」という点。これ実際に行って、コスタさんが見たいと言っていて、実現してほしいと思うが。私はアフリカの調査をよくやっているから分かるが、こういう事業に入っている人は賛成、お金を持っていない人は賛成。これは知らないというのが一般的。私もこのパイロット事業の1つの地域で調査をした。その時に、ゴマの種の農家は確かに満足していたが、とうもろこしとかはそうではなかった。品目によって違うわけです。それなのに一括して賛成していると言うのはフェアではない。

もう一つは、政府がどういう風にして訊いたか。訊き方、質問票とか。誰がやったか。政府の役人と一緒に行ったら当然賛成と言うのに決まっている。この二点だけ申し上げておきたいと思う。

宍戸: いろんな貴重なご意見ありがとうございました。我々のスタンスについて少し言わせていただく。まず、ブラジルの事業をそのまま持ってきたんじゃないかというところから住民のみなさんの反対という話があるが、我々は確かに当初、ブラジルも今も三カ国協力、貢献する形でモザンビークの開発を一緒に考えようと作ったのは事実。

ただし、議論の過程で我々やはり、皆さん方からお聞きした意見も含めて、やっぱり小農を中心にやると、我々は舵を切って、少なくともこの我々のマスタープランの事業として皆さんに公表したレポートの中では、そういった、ブラジルと同じものをやるとは言っていないわけである。

小農の、所得があがるように…と、ある種皆さんから見ると舵を切ったということだと思うが、我々としては色々な議論がある中で変えていったというプロセス。我々もプロセスの中でいろんな意見を聞いていると理解いただきたい。そういうことで、私たちは、具体的にどの点がこのプランがまずいのか聞いたことがない。マスタープランについて、この部分がこうした方が良いと、より農民のためになると具体的な話を聴きたい。政府の前で農民は意見が言いづらいという話はあったが、具体的にこうしてほしいと言う意見はJICAもリスペクトする。最終的に農業省が決めるが、私たちもお話を聴くとお約束したい。

二番目の方のコメントで侵略という想像もつかない言葉があったが、パイロット事業としてやっているものについても地域の農民が賛成しないものを強制することはない。モザンビーク政府もしない。たとえば日本のものを売りつけることは一切していない。これまでやってきたパイロット事業、現場を見る機会があればどのように色んなオプションの中から丁寧に対応しているか見ていただける。

アマゾンの森林火災とこの問題を直接リンクするのが理解できなかったが、私も何度も関係者と議論してきたが、開発の問題はその国の政府が考えを持って物事を進めていかないといけない。そういうこともあってモザンビーク政府に対話しましょうということで軌道修正も含めて議論しながら、よりよい形に着地するようにやってきている。

第三国のビジネスなどプロジェクトを批判するのは適切ではないが、新興国の援助にはいろんな課題がある。いろんな国がある中でモザンビーク政府がきちんとした農業開発の政策方針をもって取り組む、住民と対話しながら進む形を目指していただきたい。私たちがマスタープランを手伝うことが将来にとって良い形になると考えているのでこう進めている。

最後になるが、賛成している農民が4800人だけでUNACに加盟している農民の数が、という議論があったが、以前に行った公聴会においても賛成が多数、4800対400万という図式ではなく、色んな所からヒアリングする情報の中では賛成する人も多いと強調する。発言の時間をいただきありがとうございました。

司会: ありがとうございました。これで日本政府を含めた、政府代表との公開ディスカッション、長いセッションになってしまったが、このセッションを終える。コスタさんから私たちの意見をぜひ改めて声明という形でお伝えしたいとのことですので、声明をお渡ししたい。

コスタ: この度東京で開かれた三者会議の声明文およびNo to ProSAVANAキャンペーンの声明です。我々UNACの声明文、この三つを合わせてお渡しいたします。私のパートナーたちはメールなどいろいろな形態でお渡ししていると思いますが、私はこうやって直々に手渡ししたいと思っていました。

宍戸: 遠いところ、日本までお越しいただいて提言ありがとうございます。しっかり内容を読ませていただいて、もちろん反映できるものは反映していくと考えています。ぜひJICAが現地でやっている事業を実際にご覧いただいて、議論を深めていきたいと思っています。よろしくお願いします。

渡辺: 内容を補足すると、今触れられなかったので説明すると、自分たちがプロサバンナに反対であること、今の進め方は対話ではなく、その進め方には反対していること、そういう中身の声明です。

司会: ありがとうございました。ただ、私たちは決してプロサバンナを認めていない。
引き続きよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

【議事録3】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)(政府との公開ディスカッション)

以下イベントの議事録の続きです。

冒頭の日本のNGOのプレゼンについてはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html
以下のイベントの議事録の続きです。

日本のNGOのプレゼンはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html
モザンビーク小農と市民社会代表のプレゼンはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-414.html

(院内集会)
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
〜モザンビーク、プロサバンナの事例から 議事録


1. 日時 令和1年9月4日(水曜日)15:34〜18:30
2. 場所 参議院議員会館 会議室101
案内→https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html
当日動画→https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be


【4】 政府代表との公開ディスカッション 井関至康(外務省国際協力局国別第三課課長)、宍戸健一(JICA農村開発部部長)、モザンビークゲスト、渡辺直子、池上甲一

司会: それでは公開ディスカッションに移っていきたい。外務省から国際協力局国別第三課の井関課長と、JICAからは農村開発部アフリカ部の宍戸さんに来ていただいています。

この2人を交えてこれからプロサバンナに関して公開ディスカッションを進めていきたいと考えています。日本政府の方は今、着いたばかりで直前の、渡辺さん、コスタさん、ボアさんの話を直接は聞いていないが、内容的にはこの院内集会の前に下でやった意見交換会での話とほぼ同じなので、外務省の井関さんやJICAの宍戸さんも皆さんもその情報を共有しているということでこの後、議論に進んでいこうと考えています。

最初口火を切る形で渡辺さんの方からどういう論点で公開ディスカッションを進めていきたいのかというところをご紹介いただければと思います。井関さんと宍戸さんにはそれを受ける形で少しお話を伺って、その後でボアさんやコスタさんの意見を聞きながら、そしてフロアを交えながらディスカッションへという風に進めていきたいと考えています。

渡辺: ありがとうございます。JICAのみなさん、外務省のみなさん、お忙しい中、時間を割いていただきまして、ありがとうございます。私たちからはやはり、コスタさんとボアさん、はるばる、先ほど見ていただいた通り、モザンビークから、このプロサバンナ事業で起きていることがやはりおかしいのではないかということを伝えて、事業を止めてほしいと、そういったお話をしに来られました。
特に最近、彼らがやはり気になっているのが情報操作の話、現地での事業のプロパガンダもありますし、あるいは、先ほどここで出ました、判決に対してまだ何ら応えてもらっていない、何も自分たちは知らされていない、そういったことがあります。なので、今日はやはりそういった彼らの疑問に答えていただくために、しかも、ここに納税者のみなさんがいらっしゃる。私たちの税金が使われているODAが現地での司法によって人々の知る権利を侵害している、そういった判決が出ていますので、このことについてやはり議論をしていけると良いのかなという風に考えております。他に何かあればおそらく池上先生の方からも聞きたいこと等もあると思いますので、そういったことから、始めさせていただければと思います。こちらが持っている情報の概要については既にお伝えしている通りですので、これに対して外務省、JICAは特に判決に対して納税者の皆さんに何か説明したいことがありましたら是非、お願いいたします。

司会: はい、それでは、どちらからでも。外務省の井関さんの方からお願いします。

井関: ただいまご紹介に与りました、外務省国別第三課長の井関と申します。本日はこのような機会を設けていただき大変ありがとうございます。実は私、昨年11月に、今回来られた方もおられます、モザンビークの農民の方とお目にかかる機会があり、また市民社会のみなさんともお目にかかれまして、意見交換の機会が行われることをうれしく思っています。

そもそも私どものプロサバンナ事業は持続可能な農業開発を通じて小規模農家を中心とした地域住民の生計の向上に貢献することを目的とした事業だと捉えている。これまでも機会があるとお伝えしたが、私どもはプロサバンナ事業が、先ほど申し上げた本来の目的である、小農の生計の向上に効果的につながることが最も大事であると考えていて、事業についてのご意見、現地の、今日来ている方を含めて、現地のみなさんには事業について意見、マスタープランに対して具体的なコメントがあれば是非承りたいと思っています。意見を小農の生計向上にもつなげるために、モザンビーク政府にも伝えていただくべく対話プロセスに参加いただきたいと考えている。私どもとしてはプロサバンナ事業をめぐって、今日色んなお話を聴いておられると思うが、さまざまな意見があると承知している。ついては、モザンビーク政府に対しては参加型意思決定プロセスをしっかりと進めていくという意思がモザンビーク政府にあるのであれば、それをしっかり後押ししようというところでこれまでやってきている。我々としてはこうした取り組みを通じてプロサバンナ事業が現地のみなさんの理解を得られる形で実施されていきたいと思って進めてきている。

続きまして行政裁判所の決定につきまして先ほど渡辺さんの方からお話がありました。実は先ほどの会合でもあったが、現地の方からモザンビークは民主的な憲法を有する国であるということで、そういった考えを尊重すべきだという主旨のお話があった。私どもは行政裁判についてはモザンビークの国内の司法府と行政府との間の、まさにモザンビーク憲法、その他の法律に基づく手続きに則ってこれまで対応してきているものと考えている。

まず、モザンビークの政府でプロサバンナ事業を担当しているのは農業・食糧安全保障省(MASA)という役所である。この役所に対して、マプト市の行政裁判所から10日以内に文書を開示すべしという判決が出たということであった。このマプト市の行政裁判所の決定について、農業・食糧安全保障省からプロサバンナ事業に関する情報を開示してきたということを説明する書簡を大臣の名前で根拠資料とともに発出していると私どもは承知している。また、このMASAは書簡の中で今後もプロサバンナに関する情報開示請求があればしっかり対応していくことを表明したと承知している。このプロサバンナ事業というのはマスタープランを策定するという事業で、MASAのホームページを見るとプロサバンナに関する情報も載っているということである。また、もう一つのプロセスがあり、モザンビークの弁護士連合会の方から同様の訴えを、これはモザンビークの憲法に基づいて設置されているオンブズマンに対しても行ったということを承知している。MASAはこのオンブズマンに対して情報公開の事実を説明したところ、昨年7月にこのオンブズマンはMASAの説明を認めて弁護士連合会の訴えを却下したと承知している。まさに、繰り返しになるが、この行政裁判をオンブズマンのプロセスを含めてモザンビーク政府内でモザンビークの憲法を法律に則った手続きというのが行われていて、その各者の間でやりとりが行われたということで私ども承知しており、まさに主権国家たるモザンビーク政府が適切に対応される問題であるということで考えている。以上です。ありがとうございます。

司会: 続けてJICAからお願いします。

宍戸: JICA農村開発部の部長をしています、宍戸と申します。よろしくお願いいたします。基本的なところは井関課長と重複しますので省略します。私どもは昨年も紹介したが、パイロット事業において4800人の農家に対して生産性が上がる、所得が上がるといった結果も出ている。こういった事業に賛成している農民のみなさんも多数いるので、まさにみなさんにご理解いただきながら、ご意見いただきながらマスタープランを良い形で充分なコンセンサスが得られたうえで農民のみなさんの所得向上するように努めていきたいと考えている。そういった話し合いが特に農民のみなさんと関係者のみなさんの話し合いが円滑にいくようにJICAとしても必要な支援をMASAに行っているところである。以上です。

司会: ありがとうございました。いくつか事実関係を明らかにしておきたいので、渡辺さんの方から少しレスポンスいただきたいと思います。

渡辺: ありがとうございます。私の方からは、先ほどの協議の繰り返しにもなるが、いくつかのポイントについて納税者のみなさんの前で事実確認をしていければと思います。
まず、先ほど訴えられたのはMASAだ、モザンビーク農業省ということで説明があったが、正確にはこのプロサバンナ調整室ということでよろしいでしょうか。
そこは確認しておられますか、JICAさん。

宍戸: 宛先が私はMASAと聞いているが、プロサバンナ調整室と明記されたかどうかは手元では確認できない。

渡辺: 判決文を読んでいないということですね。判決文の中に、ここに、ポルトガル語で書いてある。これで読んでいらっしゃらないということが一つ分かったかなと思います。訴えの根幹というか、判決文では、対象地域の住民に大規模な影響を及ぼす可能性のある開発計画であるということが前提で訴えられている。なので、この判決では、法廷で出てきたものは資料の全面開示だけではなく、なぜ資料の全面開示をしろという風に言っているかというと、知る権利を侵害しているからなんですね。知る権利の侵害ということが、判決の中で言われていることはご承知していらっしゃいますか。

宍戸: その通り。

渡辺: プロサバンナ調整室が訴えられていて、そこが知る権利を侵害していると。もう一つ、今度はこのプロサバンナ調整室とJICAがお金を出してコンサルタントを雇い、派遣をしている、「プロサバンナ本部」というものは同じであるということはよろしいでしょうか。

宍戸: はい、これは同じです。

渡辺: そこに、この3名のスタッフがいるという。それも正しいですか。

宍戸: はい、その通りです。

渡辺: そこにその3名のスタッフがいて、そのうちの一人のスタッフであるエドアルド・コスタさんのお金をJICAが出していると。それもよろしいでしょうか。

宍戸: はい、契約に基づき派遣しています。

渡辺: その契約だが、ここにある業務指示書があるが、ここにエドアルド・コスタ氏という、送られている方の業務指示書ですね。ここに書かれていることが、1つにはJICAのスタッフであるプロサバンナ調整官による活動を支援すると。JICA、モザンビーク政府、ブラジル政府の情報共有、合意形成を促進する。JICAの要望や意向をモザンビーク政府、ブラジル政府に伝達をする。そして、プロサバンナに影響を及ぼし得る政治、政府機関、市民社会、民間政府、学術界、メディアの活動や現状を収集してそれをプロサバンナに関する事案、情報がMASA官府内と、JICAとブラジル政府にタイムリーに共有されることを確実にする。そしてJICAへの月例報告。
それが、その方の業務内容ということでよろしいでしょうか。

宍戸: はい、その通りです。

渡辺: こちら、資料を情報公開して請求した資料で、JICAから出てきた資料です。
市民としては、決してこの訴訟がモザンビーク政府の話にとどまらないと考えている。
もう一つ確認で、本部ができた経緯だが、JICAのプロサバンナ調整官が設立に関わったと、ここに本プログラムの実施調整を行うプロサバンナ本部の設置に向けて、運転手や車両を確保しましたと。JICAモザンビーク事務所内で活動開始しましたと。
この事実も合っていますか。

宍戸: その通りです。

渡辺: このような経緯の中で、みなさんどのような疑問を持たれるか分からないが、この判決はモザンビークの調整室に対して出された。そして、それ(調整室)はプロサバンナ本部と同じものです。そこにJICAのお金が使われています。それでもやはりモザンビーク政府内の問題だとご理解、ご認識でしょうか。あるいは違うとしたら違うと言っていただければと思う。

宍戸: 二つの問題を、関連のない事柄を結び付けられようとしているが、このプロサバンナ本部に、事業の推進、ないしはモザンビーク政府の中で特に農業のマスタープランというのは非常に多くの部局に絡む、州の関係者に絡むもので、連絡1つを円滑に行ったりとか、市民社会のみなさんとコミュニケーションをもっと取るように助言を含めてサポートするために、当初から少し形態は変わっているが要員を派遣しているのは事実です。

それと、情報開示に関する判決文の中で、要員が派遣されたことが裁判に結び付いたというのは事実誤認と思うので訂正してほしい。なぜならばモザンビークは主権国家であり、法律制度が整っている国である。我々はあくまでも事業を円滑に進めたり、関係部局の調整、いろんなステークホルダーとの対話をうまくする支援をしているが、あくまでも決定する、事業を進めていく、モザンビーク政府の法律に則った形で手続きをしていくのはモザンビーク政府の行う事務であり、私たちの派遣した要員に全ての責任があるというのは違うと感じている。

渡辺: 私が言ったのは、その派遣されているスタッフに全責任があると言っておらず、訴えられたのがモザンビークのプロサバンナ本部であると。そこにJICAが雇用したスタッフが派遣され、情報収集をしてその情報をJICAに伝えたり、事業を動かすためのオペレーションが、JICAのお金を投じてなされている。そこが訴えられている。その中で、本当にこの判決はモザンビーク政府だけの問題なのかとお尋ねしている。

宍戸: 事実確認、マプト市行政裁判所による判決文、抄訳を読んでいるが、あくまでもMASAに対して出されたもので、プロサバンナ調整室ということも我々としては確認できない。
 
渡辺: 今、1ページだけを読んでいる。この判決文、10ページ以上あるが全体に目を通しているか。

宍戸: サマリー(要約)を読んでいる。

渡辺: サマリーですね。後で確認をしてください。
先ほど、MASAが情報開示をずっと努めてきたということを主張され、MASAはデータを(裁判所に)出すとともに、事業に関する情報を開示しているとのことだったが、どのような情報が開示されているか知っているのか。

宍戸: 手元にないため、確認できない。

渡辺: 判決が出た。そこで、情報の全面開示をするようにということが言われた。その判決の対象がJICAのお金が使われているプロサバンナ調整室であった。しかも、モザンビーク政府が情報開示していると主張をしている。にもかかわらず、どのような情報が開示されているか、確認もしていないということですね。

今お見せするが、公開されている資料、去年の判決以降の資料を探した。ホームページにアップされているので探してみたが、ようやくこの5月になって”Disclosure of the Master Plan”という風に、マスタープランのプロビジョン・ドラフトというのがあるんですが、それが公開されているのと、最初のプラン、プレリミナリープランが情報公開されていて、あとはPD PIにかかる報告書が開示されている。これ以外に弁護士協会がお願いしていた、環境に影響を与える、あるいは、人権侵害を引き起こす可能性があるかもしれない、あるいは、情報の全面開示として求めたものは公開されていない。
だからこそ弁護士協会は改めてアピールしていると確認させて頂ければと思う。

先ほど、オンブズマンが弁護士協会の主張を却下したと言っていたが、当方は弁護士協会当人から却下されていないという情報を得ている。却下されたということだが、モザンビーク農業省から説明を受けて何か、証拠というか、それを示すものというものとともにお聞きになられた、あるいはモザンビーク農業省から聞いただけなのか。

宍戸: MASAからの聞き取りによる。

渡辺: ありがとうございます。これまで分かってきたのが、一連の判決で重大なことについてその中身が何であるか、あるいは、情報公開しましたとMASAが主張する中でどのような情報が提示されているのかも確認されていない、そしてオンブズマンに訴えて却下されたと、本当に却下されたのか証拠とともに確認していないということが分かったと思う。
このあたりでこういった状況に対してボアさんとコスタさんから言いたいこと、確認したいことがありましたら、コメントをお願いします。

宍戸: 間違いがありましたので訂正させてください。
私がすべての情報を把握していなくて申し訳ないが、オンブズマンの訴えの却下について我々はエビデンスのコピーをもらっているので後ほど必要であれば提示する。

渡辺: ありがとうございます。
あとで情報開示していただければと思う。
ただ、オンブズマン、判決が出る以前の決定でして、その後に裁判で違法だと判決が出ているということをここで確認しておく。ボアさん、コスタさんから何かあればお願いします。

司会: 外務省の井関課長は5時15分で退席するので、コスタさん、ボアさん最後に一言伝えたいことがあれば発言ください。井関さんの方でレスポンス、一言、二言あればお願いします。

コスタ:
当日の通訳に誤訳が多かったため原語から改めて文字お越ししたものを翻訳しています。原語についてはこちらでご確認下さい>http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-412.html

もう一度、ありがとうございます。
私には意見はありますが、改めてJICAの代表者の皆さんに質問をしたいと思います。
なぜエドゥアルド・コスタ氏との契約を進めるのですか?
なぜマスタープランの策定を前に進めているのですか?このマスタープランはどこから来ているものですか?

これら二つのことを質問したいです。なぜなら私たちは未だ止めてと言っています。未だコンセンサスに至ってないからです。それにもかかわらず、(パイロット・プロジェクト等が)前に進められている。まだコンセンサスに至っていないのに、どうして前に進めることができるんですか?これは私たちが述べてきた介入・操作の一環です。

ボア:できる限りストレートな回答をいただきたい。JICAとして一旦プロサバンナを止めて、モザンビーク人同士でコンセンサスを形成することは可能でしょうか?このプロセスがどれくらいの時間を必要とするかはさておき。JICAはそのような決定を下すことを想像できますか?もし無理だというのであれば、なぜですか?

宍戸:JICAとしては、今日今回お二人お見えになっている方々は色々な問題点を指摘されていると思うが、私どもがこれまで行ってきたいろんな場での農民グループですとか、あるいはパイロット事業を実施する中での農民の意見は、ぜひ進めてほしいという意見が大多数です。ですから、そういう中では進めていこう、少なくとも、私たちが考えている中では大多数です。ですので、私たちとしては、大多数の方々の農業開発を止めるというかは、できるだけ、反対する皆さまのご意見を踏まえながら、やっぱり妥協できる点、できるだけコンセンサスを、多くの方が賛成するプランにした上で、最終化するのが望ましいということで、モザンビーク政府を支援しております。

コスタさんからのご質問で、なぜJICAはHQに、JICAの要員を、コスタさんというーコスタさんと同じ名前ですがーコスタさんという要員を派遣しているのかということに関しては、今皆さんが指摘されているように、丁寧な対話を、市民社会とやりましょうという中で、それを進めていくために、どうしても人員が足りないということがあって、彼が農業省から了承、まさにその意向を受けて、側面支援をしていることで、何もあの、JICAが、皆さんの意見を無視したりとか、勝手な開発を進めるために雇っているわけではなく、そういうサポートをしているということ。

なぜマスタープランの作業をストップしないのかということについては、もちろんあの、多くの、大多数の農民が望まないようなことを、我々が何かの間違いでやるのであれば、その時はもちろんやるつもりはありません。ただ繰り返し申し上げているように、まだまだドラフトの段階ですので、皆さまのご意見を十分聞こうとしているところでして、皆さんもぜひ議論に参加していただきたいというのが私たちの立場です。

コスタ:
それでは、あなた方は未だに4800家族が、プロジェクトが止まったら被害を受けると主張するんですね。そのコミュニティとは、ラパレのナミタカリやナクイアのことですか?あなた方は、これらのアソシエーションやコミュニティに私と一緒に行けますか?同意しますか?彼らが本当にプロサバンナに賛成しているか、私と聞きに行きますか?

司会:ちょっと今の質問、どなたか通訳できる方…

<誤訳に基づく発言↓>
宍戸:それはとても良いアイディアだと思うので、モザンビーク政府と相談して、ちゃんとアレンジしたいと思います。

司会:一点だけ未だ答えてもらっていないのは、コンセンサスを日本政府が介入してとるのではなくて、現地側で彼らが努力してとるようにするので、それまで待ってくれないかという話なんですけど、それはダメなんですか?それまでプロサバンナを進めないということはダメなんですか?

宍戸:基本的に最終的にマスタープランを決定するのはJICAではなくて、行政文書にするか決定するのは、モザンビーク政府ですので、そこは我々、これまで申し上げているとおり、モザンビーク政府の主体に皆さんと対話するということを、我々はまさに、いま、モザンビーク農業省が皆さんと対話する時間を取っているのを、我々は待っているということです。対話を待っているところです。

ボア: JICAがプロサバンナを支持している人が大多数だと主張するにあたっての根拠が何かという点について質問します。

モザンビークの唯一の小農運動はUNAC(モザンビーク全国農民連合)で、正式に登録もされています。 小農に関わる事柄に関する政府の対話チャンネルもUNACです。そのUNACが、「プロサバンナにノー」と述べているときに、あなたたちは誰のことを言っているのでしょうか?あなたたちのいう「大多数」とは誰のことですか? なぜあなたたちは、重要な組織・運動としてのUNACを、軽視し続けるのでしょうか?

第二に、我々がもしJICAをモザンビークで裁判に訴えると決定したら、JICAのマプート事務所は裁判に応じる準備はありますか?

宍戸: ご質問ありがとうございます。いずれにせよ、投票したわけではないので、そういう意味でのエビデンスではないが、そのためにも、賛成する人も反対する人もいろんな意見をお持ちの方も、再度、公聴会、社会環境配慮ガイドラインの審査役の提言にもとづいた話し合いをすることを期待している。二点目は、JICAが訴訟の対象というのであれば、なぜJICAが訴えられるのか、私は理解できなかったが、我々がモザンビークないしは日本の法律を犯したということであれば我々も適切な対応をすることは当然です。

司会: もう外務省の井関さんが行かなければなので、最後に井関さん何か一言あれば。いいですか。大丈夫ですか。ここで終わる話ではないので、引き続きやっていくのでよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

渡辺: ありがとうございました。今の議論に関係して、JICAに確認だが、先ほど参加型と言っていて、JICAへの異議申し立ての結果に基づいてと言っているが、確かに、異議申し立ての結果、ガイドライン違反ではなかったと出ている。審査役から提言というのが出ている。そこの中に、「参加型意思決定の手続きルールにもとづく議論の促進」というところで、「モザンビーク政府が利害関係者間で合意できる、参加型意思決定の手続きルールに基づいて議論を深める過程を見届けること」とある。

(来日した2人を指して)ここに、合意していない方々がいる。「利害関係者が合意できる参加型意思決定の手続きルールに則って」、と言われているが、今ここに合意していない人がいる。もし、このJICAの異議申し立ての結果で審査役の提言に則るのであれば、やはり先ほど、ボアさんが提案したように、モザンビーク国内で合意ができるまで中止をする、そして、待つといったことが必要だと思う。
そして、(JICAからは)今そういう形でまさに声が聞きたいために進めているとのことだったが、その方法自体が、自分たちの意に沿うものじゃないということで声明をUNACが出している。それが手元にあるはず。そのことについてどのように考えるのか。

宍戸: 我々、提言に基づいて、話し合いのプロセスをやるようにモザンビーク農業省に働きかけている、話し合いを進めようとしている中で、反対派といわれる皆さんにも声をかけて話し合いをすると。皆さんが納得するようなやり方でやろうとして、MASAは対話を申し入れていると理解している。今後も、これを受けて、どのように最終的に主権を持っているモザンビーク政府、農業省が判断してくるのかについては、JICAの決める問題ではなく、モザンビーク農業省が決めることだが、この(審査役)提言に沿って行うように再三申し入れている。

【議事録2】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)(モザンビーク小農代表プレゼン)

以下イベントの議事録の続きです。

冒頭の日本のNGOのプレゼンについてはこちら→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-413.html


(院内集会)
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
〜モザンビーク、プロサバンナの事例から 議事録

1. 日時 令和1年9月4日(水曜日)15:34〜18:30
2. 場所 参議院議員会館 会議室101
案内→https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html
当日動画→https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be


【2】現状報告「現地で何が起きているのか」
コスタ・エステバオン(ナンプーラ州農民連合代表)
【3】現状報告「モザンビーク社会で何が起きているのか」
ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ(プロサバンナにノー!キャンペーン)

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【2】 現状報告「現地で何が起きているのか」コスタ・エステバオン(ナンプーラ州農民連合代表)

私はモザンビークナンプラ州の農民連合代表で、100%小農である。私の父母も小農であった。プロサバンナ事業は、大変懸念される事業である。特に、小農にとって。モザンビークの人たちに様々な問題を押し付けている。それなのに、なぜ日本政府がそこまでして、モザンビークにこの事業を導入したいのか、モザンビークの小農や国民は疑問に思っている。

第一に、立案された事業のデザイン自体について、私たちは誤りだと思っている。次に、プロサバンナの計画が出てきた時からいろいろなメディアが取り扱ってきたが、この問題について私はメディアを通じて初めて知った。私たちは事業立案における協議などの意思決定のプロセスに関わることができなかった。私たちは、新聞やラジオを通じて、日本政府がモザンビークでプロサバンナという事業を実施すると耳にした。モザンビーク国民との協議なしに。だから、私たちは(モザンビーク)政府、そして日本の政府とJICAに対して対話を要求した。それにもかかわらず、JICAは事業に資金を投入して進め続け、公聴会のようなものを行なった。しかしこれは公聴会の名に値しない、偽りのものだった。そのため、私たち小農、市民社会は、やはりプロサバンナにノーだと突きつけた。

私たちは様々なデモや集会、3カ国民衆会議を行うなど抵抗活動を行ってきた。去年11月には、ここ日本で3カ国民衆会議を行いました。これらの活動はすべて、プロサバンナ事業を止めるためのものだった。しかし、これらの抵抗にもかかわらず、JICAはプロサバンナ事業を前に進めるために、モザンビーク政府やモザンビーク市民社会に対して介入し、介入・操作を続けている。私たちはプロサバンナを進めないでほしいと言っているのに、JICAは強行している。そして、そのために介入・操作に再び手を染めている。

丁度30分前、JICAと外務省が、4400家族と活動を進めていると述べた。それに対し、我々は、彼らが一緒にプロサバンナの活動を開始しているというこれらの小農が、どこにいるのかと問うた。どの郡? どの地区? どの村?どのコミュニティ? どの小農のことなのか? 私に教えてほしい。そうすれば私はその小農を訪問して、彼あるいは彼女が、本当にプロサバンナに賛成しているのかどうかを自分で確認する、と。しかし、モザンビーク政府に相談しに行くべきだと言った。しかし、もしJICAがプロサバンナに資金を出しているのであれば、なぜ私がモザンビーク政府に相談しに行く必要があるのか。

どうしてJICAはそれほどまで小農の情報の開示を恐れるのか。今年(2019年)の6月から7月にかけてラジオ番組が行われたが、この番組の中でプロサバンナに小農を動員する、大豆を栽培しようという趣旨の宣伝が行われた。これらの番組は、プロサバンナ、JICAのファンドによって支援を受けている。これらの番組もまた、地元小農や農民をプロサバンナに賛成に導くことを意図して行われている介入・操作と考える。善きモザンビーク人の「心を獲得」するだけでなく、大豆生産に導こうとしている。だからこそ、プロサバンナはこれらの番組を資金援助しているのだ。

モザンビークでは、プロサバンナに関わる数々会合や活動、プロジェクトが行われている。しかし、これらすべての活動はJICAの資金によって行われている。これらいずれの活動も、モザンビーク人をプロサバンナの実施局面に向けて動員するためのものである。

ここで一つ明確にしておきたいのであるが、私たちはJICAそのものに対して反対しているわけではなく、プロサバンナ事業に反対している。JICAは他の事業もやっているが、それらに反対している訳ではなく、私たちはプロサバンナ事業にのみ反対している。だから、日本政府、そしてJICAの代表にもう一度お願いする。プロサバンナ事業を止めてほしい。そして、私たちをこの事業から解放してほしい。そして、日本の国民をこの矛盾から解放してあげてほしい。ありがとうございました。

—-
司会・高橋:JICAが関わっていることがわかったと思います。続いてボアさん。
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【3】現状報告「モザンビーク社会で何が起きているのか」ボアヴェントーラ・モンジャーネ(プロサバンナにノー!キャンペーン)

当日使用プレゼンテーション>http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-410.html

私の方からは、簡単に、重要な鍵となる点の説明をしようと思う。プロサバンナ事業がなぜこれほどまでに大きな問題を抱えているのかということである。まず始めに、先ほど話があったモザンビークでの裁判の件、そしてJICAとモザンビーク政府が判決を尊重していない点について説明していく。

モザンビークは日本と同じように、憲法によって三権分立を基本とする民主的な国家である。司法は、立法から独立している。したがって、JICAが、モザンビーク政府に聞いてください、モザンビーク国内の問題だと主張するのは、行政権と同様に、独立したもう一つの国家権力である司法権を無視した行為で、私たちをバカにした発言でもある。JICAの説明に従えば、モザンビークの一方の権力(行政)のみがすべてを決定できる権利を有することになる。したがって、日本の皆さんと政府は両者とも、モザンビークの制度や司法を真剣に受け止め、その判断を尊重すべきである。

JICAは、モザンビークの司法権を尊重すべきであるが、また日本政府は国際的な取り決めもまた尊重すべきである。日本は国連の加盟国である以上、昨年11月に採択された小農と農村で働く人々の権利に関する国連宣言を尊重しなければならない。日本が「最悪の国」と称している中国でさえも賛成している中、日本はこれに棄権をしている。しかし、この国連宣言に明確に規定されている通り、日本は国連の加盟国である以上、この国連宣言を尊重し、モザンビーク小農の権利を守る義務がある。

歴史的な観点から一言。モザンビークという国はもともとポルトガルの400年におよぶ植民地であった。その後10年以上続く武力闘争を通して、ポルトガル人たちを追い出し独立した。その武力闘争の主体は小農であった。したがって、農村コミュニティや小農にとってテリトリー(領域)や土地を守るということは生産活動を守ることを超えて、自らのアイデンティティや自律・自治(オートノミー)を守ることを意味している。彼らは小さなことのため闘っているのではなく、モザンビーク全体の主権のために闘っているのである。私たちが覚えておかなければならない事実は、モザンビークは小農の手によって解放されたという点です。

そしてこの間、JICAは資金を使ってナンプーラの市民社会を分断させたり、友人であった人を敵対させるようなやり方をしたり、トップダウンの決め方をしているが、これらはすべて、植民地時代を思い起こさせるとともに、権威主義的なものである。したがって、プロサバンナ事業で起きていることは、植民地主義と権威主義の文脈で理解されなければならない。ありがとうございました。

—-
司会・高橋:ありがとうございました。ボアさんの発言も民主主義のあり方を提起している。司法はこの問題を知る権利が侵害されているのではないかと判断しているが、それに対して(JICA・日本政府は)きちんと応じられていない。司法と行政の分離というのは民主主義の基本であると思うが、日本政府はきちんと守れていない。日本は民主化やガバナンスということを(余所の国に)言うけれど、そうならばこの問題を真摯に受け止めるべきである。言ってしまえば国家暴力と言えるが、このような問題に対してどのように向き合うのかというのが重要になってくると思う。

まだ外務省の方やJICAの人たちが来ていないため、質疑応答に移る。
—-


質疑応答(UPLAN動画58:00-)
時事通信の記者、松本:コスタさんに質問。具体的な被害はどのようなものがあるのか。

コスタ:質問ありがとうございます。まず、モザンビークの小農としては、開発事業をただ傍観者のように眺めるのではなく、モザンビークの土地はモザンビーク人自身の手で耕したいと考えている。プロサバンナ事業はアグリビジネスと繋がっているが、私たちは小農による農業を進めたい。JICAが考える開発を私たちはやりたくない。それがJICAに進められる開発をただ眺めていたくはない。私たちモザンビーク人自身の農業を広めていきたいと願っている。

JICAは私たちを小農だから貧しいからといって、何をすべきか押し付けるべきではない。私たちが望まないことを、あれこれ強制すべきでない。私たちは責任ある人間、大人である。私たち自身、選択出来る能力をもっている。私たちは何をどのようにやるべきか知っている。だから、JICAがやっている押しつけの強制は間違っている。

北海道から来た農家の男性:コスタさんに質問。モザンビークの小農は、どのようにタネの多様性や伝統的な農業を維持しているのか。国際的な種子に関連する法律の押しつけに対して、どのような戦略をもっているのか。

コスタ:だから、小農の家族農業の農業を営んでいると主張しています。私たちは代々やってきた小農の農業にとても価値を置いている。在来種のタネを守るためにシードバンクを作っており、それを保存し、私たちの間で交換し分け合っている。それを通じて、タネが消えてしまうことがないように守っている。

追加質問:日本政府は伝統的なタネの保存や保存法、法律を変えるようなプレッシャーをモザンビーク政府にかけているのか。

ボア:一般的な質問であるため、私が答えます。モザンビーク単独というよりアフリカ南部の国々で種子に関しては共通の決まりがある。その中では遺伝子組み換えのタネは違法であるとなっている。このため実質的にモザンビーク内で遺伝子組み替えの種子を育てることは違法であるが、現在その法律を柔軟に変化させていこうという話が出ている。現在ガザ州のChokweで農業研究所の指導の下でトウモロコシの遺伝子組み換えの実験が行われており、モザンビークの技術省から遺伝子組み換えの品種を許可する可能性が出ている。

【議事録1】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)(日本NGOプレゼン)

(院内集会)
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
〜モザンビーク、プロサバンナの事例から 議事録

1. 日時 令和1年9月4日(水曜日)15:34〜18:30

2. 場所 参議院議員会館 会議室101

3. テーマ 国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農〜モザンビーク、プロサバンナの事例から

案内→https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html
当日動画→https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be

4. プログラム

司会:高橋清貴(恵泉女学園大学/日本国際ボランティアセンター)
【1】背景「これまでのプロサバンナ事業をめぐる経緯」
渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)
【2】現状報告「現地で何が起きているのか」
コスタ・エステバオン(ナンプーラ州農民連合代表)
【3】現状報告「モザンビーク社会で何が起きているのか」
ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ(プロサバンナにノー!キャンペーン)
【4】政府代表との公開ディスカッション
井関至康(外務省国際協力局国別第三課課長
宍戸健一(JICA農村開発部)
【5】現状報告「ディスカッションを踏まえた世界潮流報告」
池上甲一(近畿大学名誉教授)
【6】オープンディスカッション

5. 議事

井上哲士議員より
・共産党の参議院議員ODAの特別委員会に所属、プロサバンナに関わっている
・今回の院内集会の場は立憲民主の石橋(通宏)議員によるアレンジ
・集会前のJICA、外務省との議論の場は井上議員によるアレンジ
・3月にもODAの特別委員会、大臣の意思で参加型意思決定のプロセスをJICAがすべきだという発言を認めたということが大事。この問題の意思決定がなされていないことが認められた。しかし今のところ形だけでコンセンサスをとろうとする姿勢が垣間見えている。
・情報開示が不十分であるという判決を受けた、プロサバンナを推進する部署の人物は、JICAの資金で雇われている人物であり、その意味からもJICAは当事者。責任を取れるかが問われる。


【1】背景「これまでのプロサバンナ事業をめぐる経緯」渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)

当日使用プレゼンテーション>http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-409.html

普段は農業や土地収奪の話を中心にしているが、今回は日本人の税金が使われ、問題とされているプロサバンナ事業に焦点を当てて話をする。

プロサバンナ事業とは?
・日本のODAで行われている、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」のこと。
・2009年9月に3カ国間で合意された。
・モザンビーク北部の3州(ナンプーラ州、ニアサ州、ザンベジア州)の1,100万ヘクタールを対象に行われる大規模農業開発プログラム。
・約400万人に直接・間接裨益するすると言われてきた。

プロサバンナ事業のコンセプト
・モザンビークの農民は「低投入であるから低生産」「土地が有効活用されていない」から、「スケールの大きな農業開発で経済発展をして、海外から農業分野への投資を呼び込みましょう。大規模な開発をしよう」という考え・コンセプト。
・1970年代にJICAがブラジルで行なったプロデセール(PRODECER)という農業開発プログラムをモザンビークでも、がベースにある。

ナカラ回廊開発とプロサバンナ事業の関係
・ナカラ回廊開発という地域全体を開発するプロジェクトとプロサバンナ事業は連動している。
・ナカラ回廊開発とは:内陸部の石炭・炭鉱と海岸部の天然ガスをつなぐ公安や道路、鉄道を整備して資源を輸出しようとする事業。その一環として「プロサバンナ事業(農業開発)」が位置している。

プロサバンナ事業の三本の柱
・ProSAVANA-PI :技術移転能力向上プロジェクト。改良品種のタネの研究などを行なっている。すでに終了している。
・ProSAVANA-PD:マスタープラン作り。2013年に終わっているはずであったが、2012年から始まった抵抗運動により、まだ終了していない。
・ProSAVANA-PEM:モデル開発事業。

ProSAVANA-PDで何が起きているのか
・2009年に合意されたのちにナカラに投資を呼び込むため、投資ファンドセミナーがJICAによって開催されていた。(ex. JICA協賛「ナカラ・ファンド発表会」(ブラジリア、2012年7月4日))
・今でこそ「小農支援」と謳っているものの、当初は投資を呼び込もうとされていて、かつその事実が隠蔽されていた。

・2012年10月よりUNAC(モザンビーク全国農民連合)から「プロサバンナに対する声明」が国際社会へ発表された。

これに対してJICA・日本政府はどのように対応しているのか?
→辺野古基地問題や福島第一原発問題への対応時などに見られた「市民を分断」する手法が、海外に輸出されているのではないか。「望まれない大型公共事業」特有の手法。

なぜJICA・日本政府はこのプロジェクトを一度白紙に戻す、ということができないのか?
・プロサバンナ事業に対して、今の時点ですでに34億円が使われている。
・そのうちProSAVANA-PD(マスタープラン作り)には7億円が2018年の段階で使われている。特に小農の抵抗運動が始まった以降にその内の4億円が使われている。(税金)

JICA・日本政府はこれに対してどのような戦略を取ってきたのか?
・2013年よりJICAが現地のコンサルタントを雇い、「コミュニケーション戦略策定プロジェクト」を設置。
・情報開示請求によって出てきた報告書(現地コンサル→JICA)によると、「モザンビーク市民社会諸組織の重要性を奪うことによって、現地で活動する外国NGOの力を削ぐことができる」「外国の諸組織の存在を問題化する」との旨が記されていた。
・2015年に現地コンサルを雇って、現地の人々がプロサバンナ事業に対してどのような意見を持っているのかを色分け(好意的であるかそうでないか)。
→JICAは「現地のコンサルタントが独自に行なったことである」と主張するが、JICAと現地コンサルの業務指示書の内容に「プロサバンナに関する対話への意欲を示しているステークホルダーを見つけ、事前協議に招待すること」という旨が記されている。
→「対話をしている」と見える状況を意図的に作り出しており、その事前協議にはプロサバンナに好意的でない人々は事前に排除されていた。

これに対し、(彼ら)はJICAの環境社会配慮ガイドラインを使って異議申し立てを行った。
→結果、「問題はなかった」。
一方で、JICAは「すべての関係者が納得をする形での参加型のプロセスでこの事業を進めましょう」と提言として謳っているものの未だそのような形にはなっていない。

2018年にモザンビーク弁護士会による訴訟
・現地のモザンビーク弁護士会(地元小農・住民や国民の代理)がモザンビーク農業省(MASA)プロサバンナ調整室に対して訴訟。訴えが全面的に認められる。
・訴えの根幹:対象地域の住民に大規模な影響を及ぼす可能性のある開発計画(プロサバンナ)の人権侵害。
→大規模な影響を及ぼす可能性があるのにも関わらず、情報開示をしないのは「知る権利」を侵害しているのではないか。
→訴えが全面的に認められ(「知る権利」が侵害されている)、判決から10日以内にモザンビーク農業省が事業に関わる資料を全面開示することを命じられた。

訴えに対するJICA・外務省のコメント
・モザンビーク国内の問題であるため、基本的にはモザンビークの問題。
・「私たちは情報開示に努めてきました」という旨のレターをモザンビーク農業省が10日以内に裁判所に提出。それに対してJICAは「モザンビーク政府部内の話であるため確認をしていません」という旨の発言。
・2018年8月1日の判決に対し、2018年9月の弁護士協会の記者会見時まで裁判の事実すらも知らなかったと主張。
→本当にJICA・外務省はこの事実について知らなかったのか?

モザンビーク農業省とJICA・外務省の関係性(定期的に行われているODA対策協議会、情報開示請求を通して見えてきたこと)
・モザンビーク農業省内にプロサバンナ調整室(ProSAVANA-HQ)が存在していて、そこにJICAはお金を出している。
・2018年8月に訴えられたのは「プロサバンナ調整室」。
・プロサバンナ調整室には三人のスタッフがいるが、そのうちのエドゥアルド・コスタ氏は先述の色分け事業を行なった人であった。
・JICAのエドゥアルド氏に対する業務指示書内には「JICAと関係ステークホルダー間の利益と狙いの調整」「JICAプロサバンナ調整官(JICAモザンビーク事務所にいるスタッフ)の活動支援」などが記載されている。
→本当に「モザンビーク国内の問題」なのか?

ProSAVANA-HQ(プロサバンナ本部)はどのようにできたのか(JICAモザンビーク事務所内のプロサバンナ調整官による「プログレスレポート」より(資料開示による))
・プロサバンナ本部の設置に向けて、JICAスタッフが事務機器の調達、車両及び運転手の確保等を行った
・現地農業省本部内にスペースがないため、JICAモザンビーク事務所内に本部を設置
→JICAの主導によって本部が設置されていた
・調整室のエドゥアルド氏に対する業務指示書には
- 「JICAに対して状況を素早く報告すること」が記載されている。
→JICAは本当に訴えについて知っていなかったのか?
- 日本政府、ブラジル政府、モザンビーク政府協議してプロジェクトを進める、のではなく「JICAの要望や意向をモザンビーク政府、ブラジル政府に伝達すること」との旨が記載されている。
→ほぼJICAのためにあるのではないか。この組織が訴えられたということはJICAにも責任があるのではないか。
→プロサバンナ本部からJICA本部に送られた資料を開示請求すると出てくる多くの資料は黒塗りであった。プロサバンナ事業に使われているお金の7割近くが人件費であるが、その人たちの業務内容は公表されない。

結論
プロサバンナ事業の問題は農業の問題であり、土地収奪の問題でもあるが、権利(知る権利)を剥奪するなど、市民を分断させる事業でもある。

—-
司会・高橋:プロサバンナの問題にずっと関わってきて、最初は開発のやり方・あり方というようなテクニカルな問題であると思っていたが、端的に言って、国家暴力の問題になっていると思う。今はそれが問われている時代。日本・モザンビーク政府が現地の農民に対して開発を押し付けるという暴力になっている。私も辺野古の基地の前で座り込みを行なっていたが、現地の人たちの声が政府に届いていかない。これは民主主義の危機である。そういったことを今日は改めて議論したい。分断はまさしく国家暴力のよくある手段。情報を隠蔽して公開をしないし、説明責任も不十分。この辺りをしっかり捉えて考えていかないとかなりまずい問題になっていることを見逃してしまう。改めて現在日本政府とモザンビーク政府が農民に対してどのような力を押し付けようとしているのか。それに対して、モザンビークからお越しの二人はどういう風にこの問題を受け止めているのか改めて聞きたい。

【議事録(一部)】公開議論モザンビーク小農リーダー(原語・英語・日本語)

院内集会時に、コスタ氏の発言についての通訳が不正確であっため、全体の議事録の公開の前に、下記に原語とともに表記し、正確な訳を掲載・公開しています。疑問点は、下記の掲載動画で直接ご確認下さい。

*****
院内集会(2019年9月4日)
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農 〜モザンビーク、プロサバンナの事例から

コスタ・エステバオン氏・ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ氏の発言記録

作成日:2019年9月6日
音声確認のために使用した動画:
https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be

【発話者】
 コスタ・エステバオン(ナンプーラ州農民連合 *UNACナンプーラ州支部)
 ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ(プロサバンナにノー!キャンペーン)
 宍戸健一(JICA農村開発部)
 政府側通訳
 高橋清貴(司会)

【表記】
発話者の原語で発言はすべて黒字。
政府側通訳の通訳は斜体・青字。
今回原語から新たに日本語にした箇所は赤字

■コスタ・エステバオン(ナンプーラ州農民連合)<動画開始から1時間39分>
Mais uma vez obrigado.
Eu tenho opiniões, mas só aqui volto ainda para perguntar ao representante da JICA.
もう一度、ありがとうございます。
私には意見はありますが、改めてJICAの代表者の皆さんに質問をしたいと思います。

ご意見ありがとうございます。日本政府に。
JICAの代表の方に改めて訴えたいんですけれども…。


Porque avançar com a contratação do Sr. Eduardo Costa?
Porque avançar com a elaboração do Plano Director. Este Plano Director está a vir de onde?
なぜエドゥアルド・コスタ氏との契約を進めるのですか?
なぜマスタープランの策定を前に進めているのですか?このマスタープランはどこから来ているものですか?

具体的に言いますと、なぜ、こちらの調整官の方ですね、このエドゥアルド・コスタ氏を引き続き雇用しているのか?
あと、なぜマスタープランを引き続き作成しているのか。どこで、どの場所で作成しているのか?


Então, são duas perguntas.
Porque nós estamos a dizer parem ainda. Ainda, nós não ainda estamos a chegar ao um consenso. Mas está a avançar. Como é que avançar enquanto ainda não chegamos a um consenso.
これら二つのことを質問したいです。なぜなら私たちは未だ止めてと言っています。未だコンセンサスに至ってないからです。それにもかかわらず、(パイロット・プロジェクト等が)前に進められている。まだコンセンサスに至っていないのに、どうして前に進めることができるんですか?
pan style="color:#0000FF">なぜなら我々はコンセンサスに行き着いていませんので、ですから、このような作業をですね、進行しているのは、とても矛盾している。

Essa é a manipulação que nós estamos a referir.
これは私たちが述べてきたマニプレーションの一環です。
やはりこれはマニプレーション、情報操作に行き着くのではないかと思っています。

■ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ(プロサバンナにノー!キャンペーン)
So… I would like an answer, a straight answer as much as possible. Would it be possible for JICA to stop ProSAVANA and let Mozambicans get consensus. It doesn’t matter how much time this process takes. Would it be possible for JICA to imagine such a decision? If not, why.
できる限りストレートな回答をいただきたい。JICAとして一旦プロサバンナを止めて、モザンビーク人同士でコンセンサスを形成することは可能でしょうか?このプロセスがどれくらいの時間を必要とするかはさておき。JICAはそのような決定を下すことを想像できますか?もし無理だというのであれば、なぜですか?

■宍戸健一(JICA)
JICAとしては、今日今回お二人お見えになっている方々は色々な問題点を指摘されていると思うが、私どもがこれまで行ってきたいろんな場での農民グループですとか、あるいはパイロットプロジェクト実施する中での農民の意見は、ぜひ進めてほしいという意見が大多数です。ですから、そういう中では進めていこう、少なくとも、私たちが考えている中では大多数です。ですので、私たちとしては、大多数の方々の農業開発を止めるというかは、できるだけ、反対する皆さまのご意見を踏まえながら、やっぱり妥協できる点、できるだけコンセンサスを、多くの方が賛成するプランにした上で、最終化するのが望ましいということで、モザンビーク政府を支援しております。

コスタさんからのご質問で、なぜJICAはHQに、JICAの要員を、コスタさんというーコスタさんと同じ名前ですがーコスタさんという要員を派遣しているのかということに関しては、今皆さんが指摘されているように、丁寧な対話を、市民社会とやりましょうという中で、それを進めていくために、どうしても人員が足りないということがあって、彼が農業省から了承、まさにその意向を受けて、側面支援をしていることで、何もあの、JICAが、皆さんの意見を無視したりとか、勝手な開発を進めるために雇っているわけではなく、そういうサポートをしているということ。

なぜマスタープランの作業をストップしないのかということについては、もちろんあの、多くの、大多数の農民が望まないようなことを、我々が何かの間違いでやるのであれば、その時はもちろんやるつもりはありません。ただ繰り返し申し上げているように、まだまだドラフトの段階ですので、皆さまのご意見を十分聞こうとしているところでして、皆さんもぜひ議論に参加していただきたいというのが私たちの立場です。

■コスタ・エステバオン(ナンプーラ州農民連合)<動画開始から1時間45分>
… estão ainda a insistir que 4800 famílias estarão prejudicados se o projecto para. Não sei se está a referir aquela comunidade de Namitakari, em Rapale e aquela de Nacuia? Os senhores podem ir comigo visitar essas associações, essas comunidades? Concordam comigo? Ir se ouvir se exatamente eles concordam [com] o programa?
それでは、あなた方は未だに4800家族がプロジェクトが止まったら被害を受けると主張するんですね。そのコミュニティとは、ラパレのナミタカリやナクイアのことですか?あなた方は、これらのアソシエーションやコミュニティに私と一緒に行けますか?同意しますか?彼らが本当にプロサバンナに賛成しているか、私と聞きに行きますか?

■ 政府側通訳
Senhor quer ir junto com eles? È isso? Você disse que para levar? Desculpa…
あなた(コスタさん)は彼ら(JICA)と一緒にそこに行きたいということですか?そういうことですか?つまり、そこに連れていってくれと言ったんですか?すみません…

■ 高橋清貴(司会):ちょっと今の質問、どなたか通訳できる方…

■通訳として、ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ(プロサバンナにノー!キャンペーン)
He is challenging you to take him with you to show him the communities where 4800 families are. Because you are not disclosing where are they (where these communities are). He would go without you. But if you can take him with you.

■ 政府側通訳
4800世帯の大多数が賛同しているというJICA側の主張に関しましては、ぜひコスタさんもその地域にご一緒させていただいて、状況を確認したい。JICAはそれに関して同意していただけますか、と。

■ 宍戸健一(JICA)
それはとても良いアイディアだと思うので、モザンビーク政府と相談して、ちゃんとアレンジしたいと思います。

■ 司会(高橋清貴)
一点だけ未だ答えてもらっていないのは、コンセンサスを日本政府が介入してとるのではなくて、現地側で彼らが努力してとるようにするので、それまで待ってくれないかという話なんですけど、それはダメなんですか?それまでプロサバンナを進めないということはダメなんですか?

■ 宍戸健一(JICA)
基本的に最終的にマスタープランを決定するのはJICAではなくて、行政文書にするか決定するのは、モザンビーク政府ですので、そこは我々、これまで申し上げているとおり、モザンビーク政府の主体に皆さんと対話するということを、我々はまさに、いま、モザンビーク農業省が皆さんと対話する時間を取っているのを、我々は待っているということです。対話を待っているところです。

■ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ(プロサバンナにノーキャンペーン)
I just would like to ask, what is the evidence that you have to say, those who are supporting ProSAVANA are the majority.
JICAがプロサバンナを支持している人が大多数だと主張するにあたっての根拠が何かという点について質問します。

If the only peasant movement in Mozambique, which is UNAC, which is officially registered, which is the channel for dialogue between our government and the peasantry, says “No to ProSAVANA”, who are you talking about? What is “that majority”? Why are you continuing to disregard UNAC as an important organization, movement?
モザンビークの唯一の小農運動はUNAC(モザンビーク全国農民連合)で、正式に登録もされています。 小農に関わる事柄に関する政府の対話チャンネルもUNACです。そのUNACが、「プロサバンナにノー」と述べているときに、あなたたちは誰のことを言っているのでしょうか?あなたたちのいう「大多数」とは誰のことですか? なぜあなたたちは、重要な組織・運動としてのUNACを、軽視し続けるのでしょうか?

Second, would your office in Maputo be prepared to respond to a court case if we decide to take JICA to court in Mozambique?
第二に、我々がもしJICAをモザンビークで裁判に訴えると決定したら、JICAのマプート事務所は裁判に応じる準備はありますか?

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なお、「4800家族の件」に関連し、外務省・JICAの登壇前に、コスタ氏は以下のように発言しております。原語等は動画でご確認下さい。

■コスタ・エステバオン(ナンプーラ州農民連合)<動画開始から41分>
これらの抵抗にもかかわらず情報操作、モザンビーク政府、市民社会、プロサバンナを前進させるために操作している。それでもJICAは情報操作を続けている。(原語・英語・日本語通訳割愛)

丁度30分前、JICAと外務省が、4400家族と活動を進めていると述べた。それに対し、我々は、彼らが一緒にプロサバンナの活動を開始しているというこれらの小農が、どこにいるのかと問うた。どの郡? どの地区? どの村?どのコミュニティ? どの小農のことなのか? 私に教えてほしい。そうすれば私はその小農を訪問して、彼あるいは彼女が、本当にプロサバンナに賛成しているのかどうかを自分で確認する。しかし、彼らはモザンビーク政府に相談しに行くべきだと言った。しかし、もしJICAがプロサバンナに資金を出しているのであれば、なぜ私がモザンビーク政府に相談しに行く必要があるのか。(原語・英語・日本語通訳割愛)

【PPT】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)_池上甲一名誉教授

2019年9月4日に参議院議員会館で開催された下記の院内集会のプレゼンテーションについて、重要性を鑑み、以下に公開します。
より見やすい形態での公開は後日こちらでご確認下さい(https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html)。

*******
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
モザンビーク、プロサバンナの事例から
https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html

配信動画で確認しながらご覧下さい↓
https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be
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冒頭の渡辺直子氏のPPT↓
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-409.html
2. モザンビークからの訴え 
(コスタ・エステバオン / ナンプーラ州農民連合)
(ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ /プロサバンナにノー!キャンペーン)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-410.html

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【PPT】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)_モザンビーク小農・市民社会

2019年9月4日に参議院議員会館で開催された下記の院内集会のプレゼンテーションについて、重要性を鑑み、以下に公開します。
より見やすい形態での公開は後日こちらでご確認下さい(https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html)。

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国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
モザンビーク、プロサバンナの事例から
https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html

配信動画で確認しながらご覧下さい↓
https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be
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冒頭の渡辺直子氏のPPT↓
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-409.html

2. モザンビークからの訴え 
(コスタ・エステバオン / ナンプーラ州農民連合)
(ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ /プロサバンナにノー!キャンペーン)

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【PPT】9/4院内集会(日本の開発援助とアフリカ小農)_渡辺直子氏

2019年9月4日に参議院議員会館で開催された下記の院内集会のプレゼンテーションについて、重要性を鑑み、以下に公開します。
より見やすい形態での公開は後日こちらでご確認下さい(https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html)。

*******
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
モザンビーク、プロサバンナの事例から

https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html

1. 経緯 (渡辺直子 日本国際ボランティアセンター)
2. モザンビークからの訴え 
(コスタ・エステバオン / ナンプーラ州農民連合)
(ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ /プロサバンナにノー!キャンペーン)

外務省井関至康課長・JICA宍戸健一部長との公開議論

3. 国際潮流と日本(池上甲一 / 近畿大学名誉教授・国際農村社会学会会長)

全体はUPANさんの動画でご覧頂けます→https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be
また関連の報道一覧→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-408.html
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【報道一括掲載】TICADサイドイベント・院内集会(TBS番組等)

TICADサイドイベント(8月28日、29日)と院内集会(9月4日)に関する記事や動画、テレビ番組について一括ご紹介いたします。

【テレビ番組】
TBS 日本のODAに現地から「NO!」
(2019年9月7日)(2分39秒)
https://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3771535.htm?1567867970758 7日
 「最後の巨大マーケット」と言われるアフリカ。日本政府は民間投資の拡大などに力を入れていますが、現地では日本が後押しする大規模な農業開発への根強い反発が続いています。何が起きているのでしょうか…」
*インターネット上の視聴は1週間程度なので、未だの方はお急ぎ下さい。

プロサバンナについてじっくり取り上げた過去のTBS報道特集の番組についてはコチラ↓
https://www.farmlandgrab.org/23050


【動画配信】

8/29 TICADサイドイベント
(SDGsとアフリカ開発? ~私たちの暮らしから考える~
https://www.shiminmedia.com/video/56889

9/4 院内集会
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
モザンビーク、プロサバンナの事例から
https://www.ngo-jvc.net/jp/event/

●IWJチャンネル5
https://twitcasting.tv/iwj_ch5
https://twitcasting.tv/iwj_ch5/movie/565306765

●UPLAN
https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY&feature=youtu.be

コチラもあわせてご覧下さい↓
2018年11月22日院内集会「緊急報告会:日本とODA/投資:モザンビーク北部で何が起きているのか」
https://www.youtube.com/watch?v=qhaN12Jsk9o

【記事】
時事通信:
(9月5日)
農業支援見直し求める=モザンビーク農民、JICAと対話
https://headlines.yahoo.co.jp/cm/main?d=20190905-00000009-jij-int
(8月30日)
日本の農業支援、弊害も=モザンビーク農民が訴え-TICAD
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190830-00000006-jij-int
(8月29日)
カメルーン農民、大企業の農地収奪批判=まず人権尊重を
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190829-00000059-jij-int

【プレスリリース】
アフリカ諸国の国家元首・首脳級などが一堂に会するTICAD7(第7回アフリカ開発会議)にあわせてアフリカの農民運動のリーダーを日本の市民団体が招へい、公式サイドイベント等を開催
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000030680.html

TICAD7関連イベント等のご案内

各種イベントを個別に本ブログでもご紹介してきましたが、
日本国際ボランティアセンター(JVC)よりプレスリリースがありましたので以下サイトをご紹介いたします。

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
「アフリカ諸国の国家元首・首脳級などが一堂に会するTICAD7(第7回アフリカ開発会議)にあわせてアフリカの農民運動のリーダーを日本の市民団体が招へい、公式サイドイベント等を開催」 PR TIMES 2019年8月24日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000030680.html

以下、ご紹介したページより引用です。

8/28(水)@横浜
アフリカの農民の声を聴こう 気候変動と家族農業
https://ngo-jvc.info/2ZwD8f1

8/29(木) @横浜
SDGsとアフリカ開発? ~私たちの暮らしから考える~
https://ngo-jvc.info/2KkGb4Z

8/31(土)@京都
今、アフリカで起きていること~私たちの食や暮らし、税金から考える~
https://ngo-jvc.info/30m8tSd

9/4(水)@東京
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農
https://ngo-jvc.info/30oekpT

2019年8月31日13:30-16:30 今、アフリカで起きていること ~私たちの食や暮らし、税金から考える~

アフリカは京都から遠い?
実は、日本の私たちの食のあり方や暮らし、日々納めている税金が、アフリカの小農に大きな影響を及ぼしています。
その一方で、アフリカの小農は世界を変えつつあります。
アフリカ・モザンビークから小農運動のリーダーや世界の小農運動(ビア・カンペシーナ)の関係者、日本のNGOをお招きし、今アフリカや世界で起きていることをお話いただくとともに、京都の有機農家との座談会も企画しました。 
ぜひふるってご参加下さい。

会場:キャンパスプラザ京都
※京都駅(烏丸中央口)徒歩5分
https://binged.it/2z4X9Or
京都市下京区西洞院通塩小路下る 
参加費:500円以上のカンパ制
当日参加可能  

予約・お問合せ
*ご予約・お問い合わせはフェイスブック経由でお願いします。
京都ファーマーズマーケット(井崎)
https://www.facebook.com/events/725712077881735/

<当日のプログラム>
【報告1】アフリカ小農x日本NGO
「なぜモザンビーク小農は日本の援助に抗うの?」
コスタ・エステバン(ナンプーラ州農民連合)x 渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)

【報告2】世界の小農運動とオルタナティブの動き
「国連を変えた(小農の権利宣言採択)小農の繋がりとアグロエコロジー」
ボア・モンジャーネ(元ビアカンペシーナ国際局、モザンビーク市民社会)

【座談会】日本の小農xアフリカの小農
松平尚也(耕し歌ふぁーむ/小農学会/京都大学大学院)
~フリーディスカッション&交流~

<司会・全体進行>
井関敦子(京都ファーマーズマーケット)/小林舞(総合地球科学研究所FEASTプロジェクト)

報告者紹介
■コスタ・エステバン(Costa Estevao)
モザンビーク出身。ナンプーラ州農民連合(UPC-N)代表。小農として、コメ、トウモロコシ、ピーナッツ、豆類、カシューナッツ、さまざまな野菜の有機栽培に取り組む。カトリック教会のメンバーとして活躍する中で、小農運動(UNAC/モザンビーク全国農民連合)と出会い、小農の権利を小農自身が連帯しながら守っていく運動に感銘を受ける。UNACの支部がなかった2010年、ナンプーラ州での組織づくりに着手し、2014年についに「州連合」を結成。同年、同州でのUNACの全国総会開催を実現する。土地収奪が激しい同州の小農運動の代表として仲間達のため奮闘してきた。設立から5年後の現在、UPC-Nのメンバーは3万人に届く勢い。2014年より、日本の市民社会との共同農村調査を行っている。四度目の来日。TBS報道特集、News23でも活動が取り上げられた。

■渡辺直子(わたなべ なおこ)
日本国際ボランティアセンター南アフリカ事業担当/地域開発グループマネージャー。2012年から、日本がブラジルとともにモザンビークで進めるODA農業開発事業「プロサバンナ」や土地収奪問題の現地調査に従事。国際NGO・GRAIN事業の日本との橋渡し役として、西・中央アフリカでの土地収奪問題にもかかわる。

■ボアヴェントゥーラ・モンジャーネ(Boaventura Monjane)
モザンビーク出身。子どもの頃から母親の畑を手伝って育つ。ジャーナリストを志し、苦労をしながら大学を出て、世界最大の小農運動であるビア・カンペシーナ国際局やモザンビーク農民連合で広報を担当。しかし、農民が直面する課題をより世界規模で構造的に捉える必要があると考え、大学院に進み、現在ポルトガルやオランダの研究所に所属しながら博士論文を執筆中。目指すはJournalist-Activist-Scholar(ジャーナリストであり、アクティビストであり、学者)。誰にも優しく公平かつシャープなモザンビークの若者。

■松平尚也(AMネット/耕し歌ふぁーむ/小農学会/京都大学大学院)
 1995年にAMネット立ち上げに関わり、現在代表理事。 WTO等の会議に参加しグローバルな農の問題に関わりつつ2010年に就農。 耕し歌ふぁーむを設立。伝統野菜等の宅配事業の傍ら京都大学農学研究科で小規模農業について農家の視点から研究している。

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TICAD Ⅶ関連公式サイドイベント アフリカの農民の声を聴こう(気候変動と家族農業)  2019/8/28(水)

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        TICAD Ⅶ関連公式サイドイベント
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アフリカの農民の声を聴こう(気候変動と家族農業)
 2019/8/28(水)18:00~19:30@パシフィコ横浜
【イベント案内・お申込みサイト】https://ngo-jvc.info/2ZwD8f1
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気候変動 どうしたらいいの?
伝統と自然を生かした家族農業がカギ!?
この3月に巨大サイクロンがアフリカ南東部を直撃、これまで見られなかった場
所で生じたことから、気候変動が要因と言われました。先進国の責任が重い気候
変動ですが、その被害を受けるのは、多くの場合、自然を保全・利用しながら暮
らす人びとです。たとえばアフリカの農民たちもこれに当てはまります。
このたびTICADを機にモザンビークとカメルーンから農民リーダーが来日します。
化学肥料を大量に使う農業に対し、アフリカの農民によって行われる自然を保全
・利用しながらの農業は気候変動を抑えるとも言われています。本セミナーでは、
気候変動と農業をめぐる現状について専門家が解説しながら、アフリカの農民リー
ダーたちの声を聞き、アフリカの家族農業が果たす役割、私たちの暮らしと支援
のあり方などについて議論したいと思います。
皆さま、ふるってご参加ください。

○と き:2019年8月28日(水)18:00~19:30
○ところ:パシフィコ横浜1F TICAD展示ホールB4
     (みなとみらい駅から徒歩5分)
○参加費:無料

○予定プログラム (敬称略)
・ 報告:アフリカの農民リーダー代表(2名)、市民社会メンバー1名(逐次通訳あり)
・ 解説:村上真平/家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(国連「家族農業の10年」の推進母体) 代表
・ 質疑応答:モデレーター 林 達雄/アフリカ日本協議会 顧問
・ 司会/開催趣旨:渡辺直子/日本国際ボランティアセンター

○参加申込み:参加申込み:以下のサイトから事前にお申込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/d2c34f99628546
◆お問合せ:Tel:03-3820-5831  E-mail:event@ngo-ayus.jp 
(担当:アーユス仏教国際協力ネットワーク)
○言語:日本語(英語の逐語通訳あり)

○主 催:アーユス仏教国際協力ネットワーク
○共 催:アフリカ日本協議会(AJF)、
    日本国際ボランティアセンター(JVC)
○協力:モザンビーク開発を考える市民の会
○助成:地球環境基金(油ヤシ・プランテーション産業拡大に対応するためのコ
ミュニティ能力強化と地域プラットフォームの形成)、
(公益財団法人)庭野平和財団、(一般財団法人)大竹財団

~登壇者プロフィール~
■コスタ・エステバオン(Costa Estevao)
モザンビーク出身。ナンプーラ州農民連合(UPC-N)代表。小農として、コメ、
トウモロコシ、ピーナッツ、豆類、カシューナッツ、さまざまな野菜の有機栽培
に取り組む。カトリック教会のメンバーとして活躍する中で、小農運動(UNAC/
モザンビーク全国農民連合)と出会い、小農の権利を小農自身が連帯しながら守っ
ていく運動に感銘を受ける。UNACの支部がなかった2010年、ナンプーラ州での組
織づくりに着手し、2014年についに「州連合」を結成。同年、同州でのUNACの全
国総会開催を実現する。土地収奪が激しい同州の小農運動の代表として仲間達の
ため奮闘してきた。設立から5年後の現在、UPC-Nのメンバーは3万人に届く勢い。
2014年より、日本の市民社会との共同農村調査を行っている。4度目の来日。TBS
報道特集、News23でも活動が取り上げられた。

■ボアヴェントューラ・モンジャーネ(Boaventura Monjane)
モザンビーク出身。子どもの頃から母親の畑を手伝って育つ。ジャーナリズムを
志し、苦労をしながら大学を出て、世界最大の小農運動であるビア・カンペシー
ナ国際局やモザンビーク農民連合で広報を担当。しかし、農民が直面する課題を
より世界規模で構造的に捉える必要があると考え、大学院に進み、現在ポルトガ
ルやオランダの研究所に所属しながら博士論文を執筆中。目指すは
Journalist-Activist-Scholar(ジャーナリストであり、アクティビストであり、
学者)。誰にも優しく公平かつシャープなモザンビークの若者。

■エマニュエル・エロング(Emmanuel Elong)
カメルーン出身。リトラル州ムボンジョ村で生まれる。カメルーンに進出するア
グリビジネスや多国籍企業による土地収奪や大規模な環境汚染に対抗する農民、
活動家として知られる。2010年から、ベルギー人とフランス人が経営する
SOFCIN/Bollore社のプランテーション(油ヤシ、ゴム)の影響を受けるコミュニ
ティの人びとの権利を守るための、人びとによるネットワークSynaparcamを組織
し、代表を務める。

■村上 真平 (むらかみ しんぺい)
家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン代表、愛農会代表
1959年福島県生まれ。82年インド滞在をきっかけに海外協力の道へ。85年から12年
間、NGOを通してバングラデシュ、タイにて自然農業の普及と持続可能な農村開発
の活動に関わる。2002年日本に帰国し、福島県飯館村に入植、「自然を収奪しない、
第三世界の人々を搾取しない生き方を目指し、自然農業、自給時速をベースにした
エコビレッジづくりを始める。2011年福島原発事故により三重県美杉町に避難、
「自然農業と持続可能な生き方」の実践及び、学びの場としての?然農園
「なな色の空」を再開する。AFA(Asian Farmers Association) のもと議長
「農業分野における気候変動」の第一人者として国際的に活動している。

■林 達雄(はやし たつお)
アフリカ日本協議会特別顧問、アーユス仏教国際協力ネットワーク専門委員
1954年横浜市生まれ。愛媛大学医学部卒。国境なき医師団の影響を受け、1983年
よりNGOの職員としてタイ・エチオピアで救援活動。干ばつ、砂漠化、森林破壊、
などの環境問題が飢餓を招くことを目のあたりにして、環境問題の重要性に目覚
める。1992年リオデジャネイロでの地球サミットに参加。その後、アフリカエイ
ズ問題に携わる。日本国際ボランティアセンター元代表。アフリカ日本協議会前
代表。

■渡辺 直子(わたなべ なおこ)
日本国際ボランティアセンター南アフリカ事業担当/地域開発グループマネージャー。
2013年から、日本がブラジルとともにモザンビークで進めるODA農業開発事業
「プロサバンナ」や土地収奪問題に関連して、モザンビーク小農組織との合同調
査を開始、現在までに10回以上の現地調査を行う。国際NGO・GRAIN事業の日本と
の橋渡し役として、西・中央アフリカでの土地収奪問題にもかかわる。

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MozambiqueKaihatsu

Author:MozambiqueKaihatsu
「モザンビーク開発を考える市民の会」の公式サイトへようこそ!本サイトでは、モザンビークの草の根の人びとの側に立った現地・日本・世界の情報共有を行っています。特に、現地住民に他大な影響を及ぼす日本のODA農業開発事業「プロサバンナ」や投資「鉱物資源開発」に注目しつつ、モデルとされるブラジル・セラード開発についての議論も紹介。国際的な食・農・土地を巡る動きも追っています。

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